井澤由美子の食薬ごはん Yumiko Izawa

食薬ごよみ

四季のサイクルに合わせて食すことが、身体を健やかに導く手助けをしてくれます。
季節の食材とその由来や歴史、食にまつわるお話をご紹介します。

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体の中からキレイを作る旬食材・緑黄色野菜・ブロッコリー

井澤由美子・キレイを作る・体が喜ぶ・ブロッコリー・緑黄色野菜・冬野菜・食養生・薬膳

今号のファンケルさんの「旬レシピ」でもご紹介させていただいているブロッコリー。一年中出回る野菜ですが、特に美味しい季節は冬から春にかけて。ブロッコリーは野生のキャベツを品種改良したもので、さらに改良されたものがカリフラワーです。どちらも購入する時は、かたくしまったものを選びます。

ブロッコリーは、胃腸に優しく、免疫力を高める野菜としてイタリアなどでも古くから栽培され、親しまれてきました。
タンパク質やカロテン、ビタミンB、C、カルシウム、繊維が豊富。甘味がある茎も、皮をむいて食べやすく切って一緒に調理しましょう。ブロッコリーのビタミンCは水に溶けやすいので、損失を補う塩を加えて基本的には短時間の調理にします。簡単にフライパンに入れ、塩、水、オイル各適宜を降って蒸しにすれば、カロテンも効率よく体に吸収できます。

多少色が落ちますが、ブロッコリーを柔らかく蒸すとしっとりして美味しいなぁと思います。まずはそのままいただいて、残ったらスープやピュレなどにしても。疲れている時は豚肉と一緒に調理すると、疲労回復をグンと助けます。どんな料理にも使いやすいブロッコリーは風邪予防にも最適、積極的に食べたい緑黄色野菜です。

 

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寒の入り・七草粥の作り方

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2025年の小寒は今日です。一年で一番寒いとされる大寒は20日となります、温かい食事をいただいて日々ご自愛ください。

明後日は七草粥の日。無病息災や健康長寿を願っていただくお粥です。元は中国の「人日の節句」で「七種菜羹」とい言う温かい汁物を食べる風習が伝わり、日本の「若菜摘み」と結びついたと言われています。
春の七草(スズナ(蕪)・スズシロ(大根)・セリ、ナズナ(ペンペン草)・ゴギョウ・ハコベラ・ホトケノザ)で七草入りの粥を「朝」作ります。スズナやスズシロは叩き(切っても)、葉ものも食べやすく切ります。今日はお粥の粒先がひらくような食感のよい作り方をご紹介します=米半合は洗って、できればザルにひろげて30分ほど乾かします。鍋にお米の10倍量の湯を沸騰させて米を入れ、ひと混ぜだけする。再度煮立ったら米油か菜種油を小さじ半ほど加えフタをして弱火でゆっくり25分ほど炊き、切った七草を入れ5分煮て5分蒸らします。最後に粗塩2つまみを加えると塩梅よく、みずみずしい仕上がりになります。
七草粥はお正月のご馳走や祝い酒などで疲れた胃を休めることも目的です。朝粥は普段の朝食にもお勧めです、胃にもたれず元気がでるので1日のスタートにもふさわしい食事と言えますね。

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2025・巳年・元旦・お雑煮

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新年御目出度う御座います。本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。

お正月にいただくお雑煮作りは背筋が伸びます。お餅は古くから神仏へ捧げる神聖な食べものであり、備え下げたお餅を料理して旧年の収穫や出来事に感謝し、新しい年の豊作、幸運、健康、家内安全を祈る日本の伝統食。

我が家の元旦は、浅草育ちの祖母に習ったお雑煮を毎年暮れから鶏ガラと和出を合わせてたっぷりと用意。骨つき鶏肉に塩を馴染ませて一晩寝かせたものに、ネギ、生姜、白菜芯とゆっくり煮て、和出汁と合わせて味がまとまったら酒、しょうゆ、塩、みりんで味付けします。2日の朝はアレンジして、生の高麗人参、棗、にんにく、大根や蕪を入れた参鶏湯風の養生雑煮を楽しみます。

お餅は大根おろし、磯部巻き、おぜんざい、しょうゆ砂糖、きなこ和三盆、葱辛子納豆、たらこ、塩うに、からすみなどの珍味まで何にでよく合います。
お餅を上手に焼くには、表面に十文字の切り込みを浅く入れ、予熱したトースターや網に切り目を上にして焼くと真ん中からプクッと膨らんで理想的に焼けます。醤油をたらして焼くと網にくっつきにくくなりますよ。1cm角切りにし、ごま油を馴染ませたフライパンで気軽に焼いて塩をパラリとふれば、かき餅のカリカリおやつに。ごはんを炊くときに1枚加えるとおこわ風になりますし、お味噌汁に野菜と一緒に入れて朝ごはんにも良いもの。お餅は余ったら1個ずつラップをしてくるんで冷凍保存。昔からお餅は、母乳の出をよくすると言われていますね。

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伊達巻・お正月・御節

井澤由美子・料理家・郷土料理・日本料理・伝統食・卵焼き・卵料理・巻き簀・簾・御節・御正月・伊達巻き・お正月料理・osechi・

今年も残すところあとわずかですね、お正月の準備は整いましたか?

黒豆、田作り、かずの子の三種の肴の仕込みが終わったら、私はしっとりとした旨みのある伊達巻を作ります。華やかさから「伊達」と冠された卵焼き、学問や習い事の成祝、家庭円満を願う縁起物。作り方は思ったより簡単ですよ、上品な甘さの自家製伊達巻の作り方をご紹介します。

ボウルに魚の白身150g、はんぺん1枚、卵5個、きび砂糖大さじ4、薄口醤油小さじ1、みりん大さじ2、塩ふたつまみをハンドミサーで撹拌します。20✖️20cmの型にオーブンペーパーをしき、生地を流し200度のオーブンで18〜20分焼きます。(薄く油をなじませたフライパンで弱火で両面焼いても)。熱い内に鬼巻きすに焼き色が付いた面をおき、卵焼きの内側に3㎝くらいの間隔で横に浅く切り目を手早く入れます。手前からしっかりとまき、ゴムで止め2時間以上冷ましてから横にし1、5㎝幅くらいに切って盛り付ける。

簡単な玉子カステラの作り方は卵2個、はんぺん大1枚、きび砂糖、酒各大さじ1、みりん大さじ2をボールに入れてハンドミサキーで滑らかになるまで混ぜる(袋に入れて上からよくもむだけでも)。耐熱容器のバットなどにオーブンペーパーをしき、生地を流して200度に予熱したオーブンで表面に焼き色がつくまで約15分焼く。粗熱がとれたら端を切り食べやすく切って器に盛る。簡単なのにきちんと作れる「おせち料理」から抜粋。

皆さまどうぞ良い年をお迎え下さい。

12/23

黒胡麻豆乳豆腐・国際中医薬膳師・食養生・薬膳

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めっきり寒くなりましたね。肌乾燥も気になり、身体全体が潤い不足です。こんな時は腸内も乾燥するので、良質な油脂をしっかり取り入れたいもの。カサカサパサパサの行く末は、表面の肌でも体内の腸でも痛みを伴うことがあります。

そんな時は、ホルモンバランスも整える黒胡麻豆乳豆腐がお勧め。簡単なので作り方をご紹介します(5、6個分なら半量でお作り下さい)*ボウルに葛60gと出汁500cc、豆乳100cc、塩3摘み、甜菜糖小さじ1、醤油少々を入てれよく混ぜ、葛出汁を作る。別のボウルに黒胡麻ペースト70〜90gを入れ、葛出汁を少しずつ加え混ぜ、漉し器を通して鍋に入れる。木べらで混ぜながら中火にかけ、煮たって来たら弱火にし、20分ほどしっかりと練り混ぜる。水に濡らした型やグラスに注ぎ、冷蔵庫で1時間以上冷やす。わさびとおろし生姜を添えます、意外に辛子もよく合いますのでお試し下さい。

皮膚の粘膜を潤し、セサミン、アントシアニン、ビタミンE、鉄分が豊富な黒胡麻は、薬膳では老化防止に良いとされている食材。皮膚粘膜を強化し、ホルモンバランスを整えて体を温める葛、そして美肌作りに有効なサポニンや睡眠の質を上げるセロトニンを含む豆乳を合わせた「黒胡麻豆乳豆腐」は、おご年配の方や小さなお子さんにも滋養があって食べやすい。お正月のおもてなしにもお勧めです。

今日は今年最後の東京食薬Laboの料理教室でした。10月に受けた国際中医薬膳師試験に、生徒皆さん全員が合格されました。知らせが届いたのはつい先日のこと、黒胡麻豆乳豆腐を初めとしたお料理と泡で乾杯!

皆さん本当によく頑張りました、今年一番嬉しかった事でした。沢山の幸せな気持ちを頂いて、感謝の気持ちでいっぱいです。

 

 

11/8

NZ産アボガド・美肌・美腸・TBS ひるおび

井澤由美子・美顔・美肌・腸活・美容・潤い・腸活・艶髪・食物繊維・栄養食・離乳食・介護職・栄養パワーハウス・アバンザ・ニュージーランド産・サステナブル・料理家・養生食・美顔

ニュージーランド産の旬のアボカド「アバンサ」が発売されています。今日は、TBSのひるびおさんでアバンサの魅力とクッキングレッスンが当たるクイズ式キャンペーンのご紹介がありました。

N Zのアボカド果樹園は広大な大地に広がる豊かな土壌に実り、たっぷりと降り注ぐ太陽に恵まれて栄養と美味しさを育んでいます。その土地は、北島のノースランドベイ・オブ・ブレンディの自然豊かな位置にあり、真っ青な空とキレイな空気の中で心を込めて大切に育てられています。手塩にかけて育てられたアボガド達ですが、日本には更に厳しい基準を乗り越えたプレミアムクラスのアボガトだけが輸入されています。品質を重視し、美味しく食べて頂きたいので、全て手もぎ作業で行われ、需要がない限り収穫されないサステナビリティを誇ります。

日本に輸入されるのは10月から12月までの旬の短い期間だけ。環境に配慮したリスペクトハーベストで育つアバンサのアボカドは、生命力に満ちているので嬉しい効能も沢山ありますよ。

アボガドには19種類のビタミンとミネラルに加え、3つの特別ば栄養素である抗酸化物資、オメガ3脂肪酸、葉酸が含まれています。アバンザには、妊婦さんに大切な葉酸が他国のアボガドより20%多い。滑らかできめ細かい食感なので、離乳主食や病後、疲労時の栄養補給にも適しています。寒さが増して、腸や肌の乾燥や風邪予防にも良い、最適な栄養バランスのアボガドで潤いを保ちましょう。

オレイン酸やリノール酸などの不飽和脂肪酸は、コレストロール値下、血栓防止に働く。中医薬膳でのアボガドは便秘、疲労、食欲不振などの改善➕嬉しい美顔となります。

 

11/1

大棗・棗・ナツメ茶・なつめ・秋の実り・生薬

棗・国際中医師・国際中医薬膳師・井澤由美子・薬膳・秋の実り・美容・健康・体に優しい・中医学・貧血・女性に優しい・大棗・生薬

日本の棗(ナツメ)は大体9月〜10月頃に実る小粒の実。東北では今頃が終わりの時期を迎えています。

完熟前の若い棗は青りんごのような風味で、赤く完熟すると柔らか甘くなります。中国では庭にナツメの木がある家庭が多く、1日3個食べると老化防止に良いとされ、ポピュラーに口にするそうです。台湾のなつめは大きくて食べ応えがあり、日本でも大手スーパーに行くと季節にはフレッシュなものが手に入ります。

ナツメは昔から珍重される五果(季・杏・栗・桃・棗)の一つで、乾燥させたものは大棗(たいそう)と呼ばれ、中医学では頻繁に使われる生薬です。気を補い、血流を増やし、精神を安定させる効能が期待できます。風邪の引き始めの頭痛や首の根の痛みなどに効く葛根湯(かっこんとう)にも配合されていますね。

韓国の料理名人は、青梅を漬ける時に棗を数個加えます、棗が梅毒を抜くそうです。ナツメ茶を作る時はどうしていますか?そのままではななく、ぜひちぎってから入れて煮出して下さい美味しさが違います、相性の良いクコや優しい風味の和紅茶とブレンドしても美味。私は毎年、手摘みのナツメを農家さんに送って頂きます。蒸してから乾燥させ、空き瓶に保存したものは、スープ(参鶏湯)やお茶に。ザラメとブランデーに漬けるナツメ酒には相性の良いスパイスを足して、完熟なつめはコンポートにしておやつに、煮物にと楽しみます。飛騨高山地方では、棗を甘露煮にしてご飯に乗せて丼で食べるそうです。

8/30

腸活のスーパーフード「海藻」レシピBOOK・寒天・野菜のテリーヌ

新刊・井澤由美子・ヘルシー・寒天・アガー・ゼリー寄せ・サラダ・野菜のテリーヌ・痩せる・野菜レシピ・簡単レシピ・美しい人を作る・夏野菜・薬膳・発酵食・健康・美容・

先日発売された新刊の「海藻まるごとレシピブック」には、寒天やアガーの簡単レシピも掲載しています。

写真は、夏野菜をさっぱりとした黒酢で仕立てた野菜のテリーヌですが、本書の中では「彩り野菜と寒天のクリスタルサラダ」となっていて、型に入れずに固めた寒天サラダをフォークでカジュアルに盛り付けています。

オクラ、ニンジン、パプリカ、黒酢など、疲労を助けてくれるサラダ、季節に寄り添う野菜で楽しんでも。寒天は、ノンカロリーの上、100倍以上の水を抱えるために満腹感が高い。ダイエット食品としても良きものですが、80%が食物繊維で、残りは水分と微量のミネラルの為、調整作用が期待できます。

寒天と心太(ところてん)の違いをご存知ですか?同じ原料の紅藻類で、海藻の煮汁を冷やして固めたものが心太。心太から水分を抜いて乾燥させたものが寒天と呼ばれています。寒天は棒状や、糸状、粉状などの種類があり、用途によって使い分ます。

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唐辛子トマト醬・トマト・唐辛子・きょうの料理・麹・発酵食

発酵食・食養生・夏バテ防止・トマト・ミニトマト・井澤由美子・発酵食・きょうの料理・とうがらしトマト醬・食養生・トマトスパゲティー・パスタ・簡単パスタ・とうがらし・薬膳・漢方

トマトの赤いリコピンは、非常に高い抗酸化作用で知られています。グルタミン酸も多く、野菜の中で最も旨味が強い野菜です。水分が多く、体の余分な熱を取るので暑い日の生食は喉を潤して身体を涼しくします。ですが、夏場はクーラーなどで身体を冷やし過ぎてしまうことも有りますね。足の冷えなどが気になる時は、唐辛子やニンニク、生姜、ネギ類などを合わせて調理します。

トマトをすりつぶしたりペースト状にすると細胞が壊れてリコピンが壊れ出ます、さらに油と一緒に調理すると体に効率よく吸収できます。デイリーに役立っている「とうがらしトマト醬」は、トマト、とうがらし、ニンニク、塩麹を合わせて攪拌するだけの万能調味料。トマトと麹の旨味、ニンニクととうがらしでパンチをつけています、殺菌作用もあるので冷凍で2ヶ月、冷蔵庫で3週間ほど日持ちがします。

暑い日の調理は億劫ですが、冷蔵庫にトマト醬があるととても心強い。冷奴に、麺類に、魚や肉にかけて蒸し焼き、麻婆豆腐など、さっぱりとした仕上がりで美味しく簡単な一皿に。

醬に使用する薬味やトマト、麹には滋養があり、身体を潤して元気にするものばかり。ビタミンbの多い豚肉とこの醬を合わせると疲労回復効果がさらにさらに高まります。猛暑です、どうか皆さま免疫力を落とさぬようご自愛ください。

此方のレシピは、NHK(きょうの料理)で数年前にご紹介させていただいた気に入りレシピです。

 

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スパイス・生薬・食養生

薬味・スパイス・生薬・マガジンハウス・クロワッサン

大概のスパイスは、木の根っこや樹皮、花、種、果実などの植物から採取されています。料理やお茶などに、複雑な風味や辛味、色合いをつけたり、肉や魚の臭みなども消臭します。生薬・スパイスなど、国や地域で呼び名は変わりますが、古来より世界中の人々のカラダや心の不調を治してきた薬です。食欲増進・消化促進効果が高いもの、食品を傷みから守る抗菌作用や防腐効果にも優れたものなど多様です。

料理以外の用途では、例えば中国の楊貴妃は口臭予防に噛んでいましたし、ネパールでは歯痛止めに、ヨーロッパではオレンジに刺してポプリに、日本ではタンスに入れて虫除け剤として活躍していました。身近なスパイスや生薬の薬効を感じながら日常的に見直してみると楽しくなります。

スパイスはお茶やデザートにも欠かせません。桃の美味しい時期ですが、桃のコンポートにほんの少しカルダモンを忍ばせると、桃との好相性に驚かされます。マガジンハウス「クロワッサン」の薬味とスパイスの特集では、沢山のスパイスレシピをご紹介しています