井澤由美子の食薬ごはん Yumiko Izawa

食薬ごよみ

四季のサイクルに合わせて食すことが、身体を健やかに導く手助けをしてくれます。
季節の食材とその由来や歴史、食にまつわるお話をご紹介します。

12/23

黒胡麻豆乳豆腐・国際中医薬膳師・食養生・薬膳

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めっきり寒くなりましたね。肌乾燥も気になり、身体全体が潤い不足です。こんな時は腸内も乾燥するので、良質な油脂をしっかり取り入れたいもの。カサカサパサパサの行く末は、表面の肌でも体内の腸でも痛みを伴うことがあります。

そんな時は、ホルモンバランスも整える黒胡麻豆乳豆腐がお勧め。簡単なので作り方をご紹介します(5、6個分なら半量でお作り下さい)*ボウルに葛60gと出汁500cc、豆乳100cc、塩3摘み、甜菜糖小さじ1、醤油少々を入てれよく混ぜ、葛出汁を作る。別のボウルに黒胡麻ペースト70〜90gを入れ、葛出汁を少しずつ加え混ぜ、漉し器を通して鍋に入れる。木べらで混ぜながら中火にかけ、煮たって来たら弱火にし、20分ほどしっかりと練り混ぜる。水に濡らした型やグラスに注ぎ、冷蔵庫で1時間以上冷やす。わさびとおろし生姜を添えます、意外に辛子もよく合いますのでお試し下さい。

皮膚の粘膜を潤し、セサミン、アントシアニン、ビタミンE、鉄分が豊富な黒胡麻は、薬膳では老化防止に良いとされている食材。皮膚粘膜を強化し、ホルモンバランスを整えて体を温める葛、そして美肌作りに有効なサポニンや睡眠の質を上げるセロトニンを含む豆乳を合わせた「黒胡麻豆乳豆腐」は、おご年配の方や小さなお子さんにも滋養があって食べやすい。お正月のおもてなしにもお勧めです。

今日は今年最後の東京食薬Laboの料理教室でした。10月に受けた国際中医薬膳師試験に、生徒皆さん全員が合格されました。知らせが届いたのはつい先日のこと、黒胡麻豆乳豆腐を初めとしたお料理と泡で乾杯!

皆さん本当によく頑張りました、今年一番嬉しかった事でした。沢山の幸せな気持ちを頂いて、感謝の気持ちでいっぱいです。

 

 

11/8

NZ産アボガド・美肌・美腸・TBS ひるおび

井澤由美子・美顔・美肌・腸活・美容・潤い・腸活・艶髪・食物繊維・栄養食・離乳食・介護職・栄養パワーハウス・アバンザ・ニュージーランド産・サステナブル・料理家・養生食・美顔

ニュージーランド産の旬のアボカド「アバンサ」が発売されています。今日は、TBSのひるびおさんでアバンサの魅力とクッキングレッスンが当たるクイズ式キャンペーンのご紹介がありました。

N Zのアボカド果樹園は広大な大地に広がる豊かな土壌に実り、たっぷりと降り注ぐ太陽に恵まれて栄養と美味しさを育んでいます。その土地は、北島のノースランドベイ・オブ・ブレンディの自然豊かな位置にあり、真っ青な空とキレイな空気の中で心を込めて大切に育てられています。手塩にかけて育てられたアボガド達ですが、日本には更に厳しい基準を乗り越えたプレミアムクラスのアボガトだけが輸入されています。品質を重視し、美味しく食べて頂きたいので、全て手もぎ作業で行われ、需要がない限り収穫されないサステナビリティを誇ります。

日本に輸入されるのは10月から12月までの旬の短い期間だけ。環境に配慮したリスペクトハーベストで育つアバンサのアボカドは、生命力に満ちているので嬉しい効能も沢山ありますよ。

アボガドには19種類のビタミンとミネラルに加え、3つの特別ば栄養素である抗酸化物資、オメガ3脂肪酸、葉酸が含まれています。アバンザには、妊婦さんに大切な葉酸が他国のアボガドより20%多い。滑らかできめ細かい食感なので、離乳主食や病後、疲労時の栄養補給にも適しています。寒さが増して、腸や肌の乾燥や風邪予防にも良い、最適な栄養バランスのアボガドで潤いを保ちましょう。

オレイン酸やリノール酸などの不飽和脂肪酸は、コレストロール値下、血栓防止に働く。中医薬膳でのアボガドは便秘、疲労、食欲不振などの改善➕嬉しい美顔となります。

 

11/1

大棗・棗・ナツメ茶・なつめ・秋の実り・生薬

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日本の棗(ナツメ)は大体9月〜10月頃に実る小粒の実。東北では今頃が終わりの時期を迎えています。

完熟前の若い棗は青りんごのような風味で、赤く完熟すると柔らか甘くなります。中国では庭にナツメの木がある家庭が多く、1日3個食べると老化防止に良いとされ、ポピュラーに口にするそうです。台湾のなつめは大きくて食べ応えがあり、日本でも大手スーパーに行くと季節にはフレッシュなものが手に入ります。

ナツメは昔から珍重される五果(季・杏・栗・桃・棗)の一つで、乾燥させたものは大棗(たいそう)と呼ばれ、中医学では頻繁に使われる生薬です。気を補い、血流を増やし、精神を安定させる効能が期待できます。風邪の引き始めの頭痛や首の根の痛みなどに効く葛根湯(かっこんとう)にも配合されていますね。

韓国の料理名人は、青梅を漬ける時に棗を数個加えます、棗が梅毒を抜くそうです。ナツメ茶を作る時はどうしていますか?そのままではななく、ぜひちぎってから入れて煮出して下さい美味しさが違います、相性の良いクコや優しい風味の和紅茶とブレンドしても美味。私は毎年、手摘みのナツメを農家さんに送って頂きます。蒸してから乾燥させ、空き瓶に保存したものは、スープ(参鶏湯)やお茶に。ザラメとブランデーに漬けるナツメ酒には相性の良いスパイスを足して、完熟なつめはコンポートにしておやつに、煮物にと楽しみます。飛騨高山地方では、棗を甘露煮にしてご飯に乗せて丼で食べるそうです。

8/30

腸活のスーパーフード「海藻」レシピBOOK・寒天・野菜のテリーヌ

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先日発売された新刊の「海藻まるごとレシピブック」には、寒天やアガーの簡単レシピも掲載しています。

写真は、夏野菜をさっぱりとした黒酢で仕立てた野菜のテリーヌですが、本書の中では「彩り野菜と寒天のクリスタルサラダ」となっていて、型に入れずに固めた寒天サラダをフォークでカジュアルに盛り付けています。

オクラ、ニンジン、パプリカ、黒酢など、疲労を助けてくれるサラダ、季節に寄り添う野菜で楽しんでも。寒天は、ノンカロリーの上、100倍以上の水を抱えるために満腹感が高い。ダイエット食品としても良きものですが、80%が食物繊維で、残りは水分と微量のミネラルの為、調整作用が期待できます。

寒天と心太(ところてん)の違いをご存知ですか?同じ原料の紅藻類で、海藻の煮汁を冷やして固めたものが心太。心太から水分を抜いて乾燥させたものが寒天と呼ばれています。寒天は棒状や、糸状、粉状などの種類があり、用途によって使い分ます。

8/6

唐辛子トマト醬・トマト・唐辛子・きょうの料理・麹・発酵食

発酵食・食養生・夏バテ防止・トマト・ミニトマト・井澤由美子・発酵食・きょうの料理・とうがらしトマト醬・食養生・トマトスパゲティー・パスタ・簡単パスタ・とうがらし・薬膳・漢方

トマトの赤いリコピンは、非常に高い抗酸化作用で知られています。グルタミン酸も多く、野菜の中で最も旨味が強い野菜です。水分が多く、体の余分な熱を取るので暑い日の生食は喉を潤して身体を涼しくします。ですが、夏場はクーラーなどで身体を冷やし過ぎてしまうことも有りますね。足の冷えなどが気になる時は、唐辛子やニンニク、生姜、ネギ類などを合わせて調理します。

トマトをすりつぶしたりペースト状にすると細胞が壊れてリコピンが壊れ出ます、さらに油と一緒に調理すると体に効率よく吸収できます。デイリーに役立っている「とうがらしトマト醬」は、トマト、とうがらし、ニンニク、塩麹を合わせて攪拌するだけの万能調味料。トマトと麹の旨味、ニンニクととうがらしでパンチをつけています、殺菌作用もあるので冷凍で2ヶ月、冷蔵庫で3週間ほど日持ちがします。

暑い日の調理は億劫ですが、冷蔵庫にトマト醬があるととても心強い。冷奴に、麺類に、魚や肉にかけて蒸し焼き、麻婆豆腐など、さっぱりとした仕上がりで美味しく簡単な一皿に。

醬に使用する薬味やトマト、麹には滋養があり、身体を潤して元気にするものばかり。ビタミンbの多い豚肉とこの醬を合わせると疲労回復効果がさらにさらに高まります。猛暑です、どうか皆さま免疫力を落とさぬようご自愛ください。

此方のレシピは、NHK(きょうの料理)で数年前にご紹介させていただいた気に入りレシピです。

 

7/26

スパイス・生薬・食養生

薬味・スパイス・生薬・マガジンハウス・クロワッサン

大概のスパイスは、木の根っこや樹皮、花、種、果実などの植物から採取されています。料理やお茶などに、複雑な風味や辛味、色合いをつけたり、肉や魚の臭みなども消臭します。生薬・スパイスなど、国や地域で呼び名は変わりますが、古来より世界中の人々のカラダや心の不調を治してきた薬です。食欲増進・消化促進効果が高いもの、食品を傷みから守る抗菌作用や防腐効果にも優れたものなど多様です。

料理以外の用途では、例えば中国の楊貴妃は口臭予防に噛んでいましたし、ネパールでは歯痛止めに、ヨーロッパではオレンジに刺してポプリに、日本ではタンスに入れて虫除け剤として活躍していました。身近なスパイスや生薬の薬効を感じながら日常的に見直してみると楽しくなります。

スパイスはお茶やデザートにも欠かせません。桃の美味しい時期ですが、桃のコンポートにほんの少しカルダモンを忍ばせると、桃との好相性に驚かされます。マガジンハウス「クロワッサン」の薬味とスパイスの特集では、沢山のスパイスレシピをご紹介しています

7/10

濁り酢・酢・スイッチビネガー・フルーツビネガー

濁り酢・スイッチビネガー・井澤由美子・健康美容・食養生・食薬・酢・フルーツビネガー・腸活・温活・あさイチ・きょうの料理・

暑中お見舞い申し上げます。

お酢の効果は偉大です。酢には様々な健康効果がありますが、中でも濾過されていない「濁り酢」を私は愛用しています。暑さと湿気などが重なりて疲労が気になるこの頃には特にお勧めです。酢にはもともと腸活や体を温める効果もありますが、普通の酢にはないナチュラルで強い効能が濾過が無い分、濁り酢には残っているそうです。免疫力を上げるスイッチを押してくれるお話を伺いましたので、私は「スイッチビネガー」と呼んで親しんでいます。日常にちょこちょこ取り入れて疲労と肝ケアを。納豆には、塩と濁り酢を混ぜてあわあわ納豆に、チョコレートケーキの仕上げに、いちじくの蒸し煮にほんの少し加えるなど、日常で自然に摂取していますよ。

その日の体調に合わせた果物や野菜を選ぶ。これらは、全般的にビタミンやカリウム、食物繊維を多く含み、疲れやむくみ、便秘などの改善にも有効なので、合わせると相乗効果が生まれます。

フルーツ酢の作り置きもいざと言う時に助かります。バテ予防におすすめの理由が3つあり、1、フルーツのビタミンCと酢のクエン酸で疲労回復を促進させる。2、酢とフルーツの腸活パワーと酢の血流を促す効果で冷え知らず。3、フルーツと食物繊維と酢の消化吸収を高める効果で食欲不振を改善などです。

実は夏が一番体を冷やす時期、エアコンや冷たい飲み物で体内外を冷やしがちです。結果、血流が悪くなり胃腸の機能が低下すなど、冷えは様々な不調を呼び込みます。胃が活発に動く温度は体温より2度ほど上です、消化吸収を促す為に冷たすぎるものは避けましょう。出来るだけ常温でいただき、血流を促して養生して下さい。体を温める酢を多用しながら、頭寒足熱(足は冷やさず頭は涼しく)で健やかに乗り切って下さい。

6/28

鶏肉・美肌・AGE・コラーゲン・あさイチ

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体のあらゆる組織を作るタンパク質、近年特に話題になっていますね。鶏肉にはバランスよくタンパク質を構成する必須アミノ酸が豊富、部位によって栄養成分が異なります。疲労を感じたり、お酒のお供には胸肉、ダイエットや美肌にはささみ、旨味の多いもも肉はエネルギーを作り活力を産みます。皮にもコラーゲンが多く、髪や肌を艶やかにします。ビタミンCと一緒に摂取すると体への吸収が高まるので、レモンをしぼったり野菜などを添えて一緒にいただきましょう。

レモンや酢などを料理に使うと糖化によって出来る体内のサビも作りにくくします。体に優しい調理法は蒸す、煮る、炒める、揚げるの順。唐揚げやステーキは焦げ目が美味しいですよね、せめて柑橘を搾ったり、酢やキノコを一緒に取ると良いですね、胃もたれも防ぎます。

中医薬膳での鶏肉は「気」を補う力が強く、寝てもなかなか疲れが取れない慢性的なエネルギー不足に良しとされています。肉類の中では消化がよく、脾胃の働きを高めます。鶏肉は免疫力を高める発酵食の塩麹とも名コンビ、柔らかくなり2、3日長めにつけると奥深い香りもでてきます。少し不調を感じていたら、参鶏湯風も滋養がありお勧めです。夏バテ防止にも良い鶏肉と、発酵食の組み合わせをぜひお試し下さい。

写真の「新玉ねぎと手羽元のレモン煮込み」は、NHKあさイチさんで「鶏肉と新玉ねぎのほったらかし煮」としてご紹介させて頂いた簡単レシピです。

 

6/21

山椒・山椒と青梅のシロップ・初夏の手仕事・きょうの料理

きょうの料理・初夏の手仕事・保存食・井澤由美子・山椒・旬の味・季節の手仕事・美容・健康・保存食・日本の味・食養生・薬膳

店先に山椒の実、小梅、青梅、らっきょうが並びワクワクしています。うかうかしていると、時期を逃してしまうので早起きして保存食作りに勤しみます。山椒醤油、山椒の実の塩漬け、山椒オイルを作りますが、この時期だけの淀みのない鮮烈な青い香りと辛味を逃さず、ギュッと詰める為に毎年試行錯誤を楽しみながら繰り返しています。

一つは、枝ごと一晩水に漬けてアク抜きをする。青梅と氷砂糖とこの実山椒を一緒に保存して寝かせると甘いだけではない清清しい美味しさの梅シロップになります。きょうの料理6月号にも気に入りとしてご紹介させて頂いています。

山椒醤油や山椒オイルは、沸騰させた湯に塩少々を入れ3分ほど山椒の実を茹でて、氷水に1時間ほどさらす。この後、枝から実をとって水気をしっかりふき(ここで冷凍しても)、清潔な密封容器に山椒をいれ、醤油をかぶるくらいに注ぐ。山椒オイルは下処理した山椒に米油、ごま油、オリーブオイルなど好みのものをそそぐ(冷暗所か冷蔵庫で保存)。

シンプルで思いもよらぬ食べ方を発見できた時は特に嬉しい。青々した山椒のチリソースを作って、エビやホタテに絡めると眼にも舌にも鮮烈です。山椒は消化不良や胃腸の調子を整え、身体の冷えに効果があります。何よりその高貴な香りに胸がスッとします

6/11

梅シロップ・コチュジャン

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韓国伝統調味料のコチュジャン。人気のヤンニョムチキンやタッカンジョン、タッカルビ、スープ・炒め物・トッポッキ、あるいはあえものやビビンバなど、韓国料理には欠かせない発酵調味料です。辛さの中にも旨味とコクのあるこの唐辛子味噌の材料は、主に餅米、唐辛子、大豆麹です。伝統的な作り方をし、美味しさで有名な(淳昌)スンチャンなどの地方では、唐辛子一つをとってもこだわりがあり、奥深い。今回ご縁あって、このスンチャンにいらっしゃる名人に作り方を教えて頂きました。他店舗のコチュジャンも試食、お酒もご飯も進むお味に変わりはないのですが、作り手によって同じコチュジャンでも表情が全く違います。

韓国料理だけでなく、コチュジャンをベースに酢をまぜれば、日本のそうめんなどにもよく合うタレに。コチュジャンを酒で伸ばして肉や魚を煮たり、マヨネーズと混ぜて野菜のディップソースなどにしたりとコチュジャンは応用が効きます。ヨーグルトメーカーがあれば、手作りも簡単。容器に米麹、韓国唐辛子、粗塩を加え混ぜて一晩発酵させるだけです。私はここに初夏に作った梅シロップを加えて梅コチュジャンを作ります。青梅のカリカリ漬けを馴染ませるとご飯のお供にもなります。ほんのり甘酸っぱく辛味のある風味が疲労を回復、夏には赤い食材が養生になります。