井澤由美子の食薬ごはん Yumiko Izawa

食薬ごよみ

四季のサイクルに合わせて食すことが、身体を健やかに導く手助けをしてくれます。
季節の食材とその由来や歴史、食にまつわるお話をご紹介します。

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ハーブ・パセリ・ハーブバター

J-wave・ミントミルクティー・穀雨の雨・立夏・中医学・栄養学。食養生・食薬・ミント・井澤由美子・自然治癒力・整える・ハーブ・パセリ・ミント・香り

庭の菜園でグングン伸びるハーブは、切っても切っても後から伸びて頼もしい生命力。摘みたてのミントは心や脳内の疲れを優しく癒しててくれるような香りがしますね。お湯で煮出していただくと、神経がゆっくり安らいでゆくのがわかります。お風呂に入れて浮かべても良いですね。
柔らかい若緑色の日常的に楽しめるハーブです、口に含むとその若々しい息吹に細胞が活性化されていくように感じます。パセリはカロテンやビタミン類が豊富。消化を促進し、魚や肉の臭みを消す効果もあります。
彩りも美しいパセリバターです。バターを室温に戻し、刻んだパセリを加え混ぜます。オーブンペーパーなどで筒状に形を整え、そのままク冷蔵庫で保存します。(冷凍保存も可能)。パンを始め、肉や魚のソテー使うとコクと香りが楽しめますよ。

7/2

モロッコ料理・スパイス・ナツメグ・薬味・胃腸薬

フランス旅・井澤由美子・市場・モロッコ料理

写真はフランスマルシェ内にあったモロッコ料理店で食した想い出の一皿です。
羊肉のミートボール、皮付きピーナッツ、ドライフルーツ、カリフラワー、にんじん、玉ねぎ、にんにく、じゃが芋、トマト、ナスなどの野菜と複雑なスパイスが織り成す香りは、旅先で疲れた胃袋を刺戟する。スパイスは少量でも食材の臭みをおさえ、料理の味を引き立て、胃腸薬のような役割を担います。トマトベースの絶妙な味付けの柔らかい煮込み料理と、添えられた品のよいクスクスが馴染んでサラサラと胃に治まる。ツブツブ感の残る手作りのアリッサ(唐辛子ペースト)をつけながらいただきます。ナツメグがたっぷり使われていて、いい香り。私はスパイスのなかでも日頃からナツメグをよく使うのでこの香りに癒されます。
削りたてのナツメグは、パンチのあるスパイシーさの中に調和した甘い香りが素晴らしく、ストレスも軽減します。ナツメグは若返りのスパイスとしても有名ですよ。ぜひ料理に取り入れてみてください。

6/30

玉蜀黍・とうもろこし・とうきび・とうもろこしの冷たい昆布スープ

トウモロコシ・とうもろこし・玉蜀黍・モロコシ

とうもろこしは米、麦に並ぶ世界3大穀物。糖分が高いので、エネルギーの補給源にもなります。ひげ根が茶色くなってボリュームがあるもの、全体的に重くしまっているものを選び、鮮度が落ちやすいため購入したら直ぐに調理します。

毎年、生のトウモロコシを炊き込みごはんやかき揚げにするのが楽しみ。甘みを生かした和風スープにするのもいいものです。作り方は昆布を水につけておき、ここに実を削いだ後のとうもろこしの芯と新玉ねぎを入れて弱火にかけてフタをし、20分ほどゆっくり煮ます。芯からは旨味や風味が出るので出汁として他のお料理にもぜひ加えて下さい。とうもろこしの実を入れ、好みの加減に煮たらハンドミキサーで撹拌し、白みそを溶き入れれば出来上がり。温かくても美味、冷たく冷やすとさらに喉越しのよい冷製コーンスープになります。

とうもろこしには血液をサラサラにするリノール酸を含み、便秘改善に役立つ食物繊維が豊富です。ひげをお茶にして(コーン茶)飲む習慣が韓国にはありますが日本でも人気です。香ばしい中にほんのりとした甘みがあってノンカフェイン。美容に良く利尿作用があります。雨季になると体や頭が重くなりがちな(湿邪・水分や老廃物が溜まる)方には、特にお勧めの野菜です。

 

6/28

どくだみ・ドクダミ・漁腥草・十薬・虫刺され

井澤由美子・食薬・食養生・ドクダミ・どくだみ・十薬・魚腥草

ドクダミは、ドクダメからドクダミの名になったそうで乾燥させたものは「十薬」という生薬名がつくほど多くの薬効があります。
便秘、肌荒れ、高血圧の予防、利尿作用、アレルギー症状の緩和などに効能があるとされています、生命力のとても強い湿地を好む薬草です。
独特の苦味と香りがありますが、身体の老廃物を排出させるデトックス効果があります。
虫刺されにも効きますよ。ブヨに刺されて腫れた時にドクダミをホイルに包んでしばらく焼いてから、よく揉んだ葉を患部にこすりつけるとかゆみと腫れが治まります。どくだみの花を焼酎に漬けたドクダミチンキも効くそうで、これらは昔ながらの民間療法です。
薬効を気気軽に取り入れられるドクダミ茶の作り方です。ドクダミは開花時期(6〜8月)に、茎の部分から刈り取ってよく洗います。これを束ねて逆さにし、風通しの良いところでしっかり乾燥させます。3、4cmにカットし、保存容器に乾燥剤(お菓子や海苔などについているものでOK)と共に入れて保存します。湿気が気になるようなら極弱火で数分間乾煎りしてから容器へ。飲む時はホウロウのコナンべや土瓶に入れて水から弱火でゆっくり煎じていただきます。

6/26

ピンクペッパー・人気スパイス・spice

ピンクペッパーは赤いコショウの実で、完熟後に収穫して外皮を剥いていないもの。ピンクペッパーはコショウボクの実で、南アメリカが原産地のウルシ科サンショウモドキ属、コショウボクの赤い実を乾燥させたものです。辛味は少ないですが、香りがよく指でスッとつぶれる柔らかさ、サラダはもちろん料理のトッピングに彩りよく使用されることが多い。初心者にも扱いやすく、おしゃれなチョコレートやお菓子にも多様されていますね。似たものに、西洋ナナカマドの実がありますが、此方の原産地はヨーロッパからシベリア、主に肉料理などに使用されているそうです。どれにしてもひと瓶あると、お皿の上がパッと華やぐので重宝します

6/25

赤しそ・ゆかり・抗酸化作用

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抗酸化作用が高いアントシアニンが豊富な赤しそ。お弁当のごはんなどによくふってある風味のよいしそのふりかけ(ゆかり風)は、手作りできます。梅干しを漬ける工程で、本干しするときにいっしょに漬けてあった赤しそも広げて干します。カラカラに乾いたら、そのまま保存瓶や缶に乾燥剤(お菓子や海苔についているものでOK)とともに入れて保存してください。食べる時に手でもんで細かくほぐして使います。気分でごまや青のりと合わせても良いですね。ふりかけにする以外に、塩もみしたきゅうりやキャベツと和えるなど、使い勝手がよいですよ。
赤しそは胃液の分泌をよくし、食欲増進させてくれます。しょうがを漬けるときに使ってもキレイに発色します。

6/24

杏・あんず・杏仁・薬膳デザート・漢方

杏・杏仁・あんず・食養生・薬膳・食薬ごはん・漢方

ほんのり甘い香りに気づいて見上げると、杏の実がたわわ。杏のやわらかな色合いを目にすると幸せな気分が生まれます。完熟の杏は香りがよく、果肉も食べやすいですね。旬が短いので、見かけるたびについ買ってしまいます。子供の頃によく食べたクレープは、生クリームやチョコバナナではなく、甘酸っぱいあんずジャムを薄く塗ったものでした。感じる温かいジャムは杏の香りが際立って、子供心に本当に美味しく感じたものでした。
杏は、ドライフルーツなら手軽に料理に使えますよ(私は食品乾燥機でセミドライにしています)。微かにレモンの香りのする黄色いパプリカとオリーブオイル、白ワインで蒸し煮にして冷ませば、ナチュラルな甘酸っぱさで、食べやすい鮮やかな冷静サラダになります。
杏はカロテンが非常に豊富で、粘膜をうるおす効能があり、種の中心部にある(仁・じん)は漢方薬の原料となる杏仁(きょうにん)。杏仁豆腐の素として有名ですね(種は生では食べられない、粉状にして利用されることが多い)。
薬膳では、白きくらげは肺を潤す食材と言われています。咳や痰を抑えるデザートをご紹介します。小鍋に白木耳と水、氷砂糖とを入れてトロトロになるまで一時間半ほどゆっくり煮て、杏仁の粉を加える。冷たくしても温かくしてもおすすめです。気分でレモンスライスを加えてさっぱりさせたり、生クリームで滑らかなコクを出したりと、アレンジしても美味しいので毎回悩ましいのです。

6/22

ラペソー・発酵食・ミャンマー

ラペソー・発酵食・発酵食品

ラペソーは約半年から1年ほどかけて茶葉を発酵させたミャンマーの郷土食で、漬物のようなイメージです。ミャンマーはイギリスの植民地だったのでお茶を飲む文化も盛んな土地柄で、飲むだけでなく料理にも利用されています。ラペは「茶」、ソーは「湿った」の意味を持ちます。確かにしっとり湿っており、ほのかな酸味があって、後味に少し苦味が残ります。
ミャンマーのお母さんが作るお惣菜は、苦味のある野菜をクタクタに煮たり、辛味とたっぷりのオイルで煮た魚、スパイスでじっくり煮込んだ肉など、保存性も高い料理が多いようです。
買って帰ったラペソーは乳酸キャベツと混ぜてカレーの付け合わせにしたり、唐辛子入りの酢をかけたりして楽しんでいます。現地ではラペットウというサラダにすることも。ラペソーと刻んだ生野菜に、レモン果汁、にんにく、青唐辛子、すりごまなどで味付けし、アジョゾンといわれる素揚げした豆やナッツがたっぷり混ぜてあります。旨味のある干しえびも入って、食感のコントラストも楽しいのです。タイの北部や中国雲南省でも食べられるラペソーは、実に興味深い発酵食です。

6/20

空豆・そら豆・蚕豆・天豆・夏豆・Broad bean

井澤由美子・食養生・食養生・そら豆・空豆・天豆・おたふく豆・蚕豆

千葉に畑を借りていろいろな野菜を栽培しています。5月からはそら豆が最盛期。見ためはお店で販売されているような美しさはないのですが、剥くと青々としてぷっくりとした大きな実が飛び出して、豆の香りがフン鼻をかすめます。採りたてのそら豆を熱湯に入れ、塩梅よく茹でますが、皮が柔らかいのでそのまま食べた方が美味しい。下ごしらえの時に、皮に切り込みを入れなくていい程です。そら豆ってこんなに美味しいものだったのかとつくづく思いながら、仕事終わりの夕暮れに冷えたワインのお供に楽しんでいます。少し厚めにスライスした発酵バター、バケット、粗塩とペンチで割ったこしょうを添えて。
そら豆にはビタミン、たんぱく質、カリウムが豊富で、豆の中でも栄養価が高く、疲労回復効果があります。
フジTVの「四季彩キッチン」でもご紹介したそら豆の素揚げは、皮に切り込みを入れて、中温から揚げるのがポイント。温度が適切だと、油の中で皮から実が勝手に取れるので手間いらず。鮮やかになって浮いてきた実から先に取り出し、皮は茶色く揚がったら引き上げます、、全体に軽く粗塩をふってどうぞ。皮もカリカリして実に良いつまみになります。お酒を提供するお店ではそら豆を(天豆)と書いてある事があります。心意気も粋なようで嬉しくなり、ついつい注文してしまいます。

6/19

シラス・しらす・しらす干し・ちりめん

井澤由美子・春魚・旬魚・食養生・美味しい・お弁当・食養生・まいにち食薬養生帖・シラス・しらす・しらす干し・ちりめん

私は無類のしらす好きです。早朝の海辺に行って、しらす漁に鉢合わせたらとってもラッキー! 鮮度が命の生しらす。透き通った体でピチピチ飛び跳ねて元気。この鮮度を保つ為に、漁師さんたちは漁が終わると全速力で浜に戻ります。とれたての生しらすを釜茹でしたものが、釜茹でしらす。そこから数時間干したものがしらす干しで、長く天日干ししたものがちりめんじゃこです。しらすの産地では、しらすをパスタやピザ、トーストなど、日常の食卓に羨ましいほどたっぷり登場します。
これ以上入れたら握れないかもと思うくらいのしらすを具にしたお結びや、炊きたてご飯に贅沢にのせていただくしらす丼は至福の味。お弁当にも香り高い青海苔と、手作りの赤しそふりかけをアクセントにしてたっぷりと。月並みですが、きゅうりやわかめの酢の物とも好相性。酢と合わせると、しらすのカルシウムがより効率よく摂取できます。