井澤由美子の食薬ごはん Yumiko Izawa

食薬ごよみ

四季のサイクルに合わせて食すことが、身体を健やかに導く手助けをしてくれます。
季節の食材とその由来や歴史、食にまつわるお話をご紹介します。

8/18

茗荷・みょうが・薬味・ピクルス

茗荷・みょうが・薬味・夏野菜

夏の薬味に欠かせない茗荷。香り成分には発汗作用があるので血行を良くし、消化をよくする効能も期待できます。色も美しいので、何かとお料理のアクセントになりますね。3〜4月頃が旬の茗荷竹は若い頃の茎で、天麩羅に美味しいですよ。7月ごろの早(わせ)茗荷は比較的小ぶりで、八月に入ると赤く丸みを帯びて秋茗荷となります。冷奴、そうめん、刺身のツマなどに添えると清々しさが演出できます。みょうがは刻み方で香りや食感の表情が変わります。刺身のツマにする時は、横薄切りにして水に5分ほどさらします。繊維を断ち切ると香りが立ちやすくなるのです。
縦に切るとしゃきしゃきとした歯ざわりが楽しめるので、生でサラダや和え物などで。縦半分切ってさっと茹で、熱い内に甘酢に漬ければ鮮やかに発色し、日持ちするピクルスになります。これを刻んでご飯に混ぜれば即席のお寿司がすぐに作れます。茗荷をつけた甘酢に焼き鮭やじゃこをくぐらせてご飯に混ぜると、さっぱりとした旨味が加理、食欲がない日にも箸が進みます。

8/17

にんにく・黒にんにく・免疫力・発酵食

井澤由美子・発酵食・黒にんにく・免疫力・黒にんいくの作り方

黒にんにくは、普通のにんにくを熟成発酵させたもの。抗酸化作用が高くなり、もともと様々な健康効果が期待できるにんにくがさらにパワーアップ。特有の強いにんにく臭が抜け、プルーンのように甘く、優しい風味で微かな酸味で食べやすくなります。皮をむいてそのままいただきますが、スプーンで簡単にペースト状になるくらい柔らかいので、マヨネーズやマスタード、バターとまぜてパンにぬったり、ソテーした肉のソース、焼肉の下味つけ、醤油を使った煮物に加えても。
体調管理は先手必勝で、免疫力を上げるには黒にんにくが大活躍。夏バテや体調をすぐれないとき、風邪の予兆で喉の痛みを感じる時など直ぐに食べてケアします。
実は作り方も簡単。普段使わない炊飯器などを活用します。内釜に直接あたらないようににんにくを皮付きのままオーブンペーパーなどで包んで入れます。炊飯器を保温に設定し、10〜15日間入れておくだけです(加熱するとにんにく臭が立ち込めるので、置き場所はよく健闘を)。

8/17

にんにく・黒にんにく・免疫力

井澤由美子・発酵食・黒にんにく・免疫力・黒にんいくの作り方

黒にんにくは、白いにんにくを熟成発酵させたもの。抗酸化作用が高くなり、もともとパワーが強いにんにくが更に高い効能に。特有の強いニンニク臭が抜け、プルーンのように甘く、優しい風味で微かな酸味がとても食べやすい。皮をむいてそのままいただきますが、スプーンでも簡単にペースト状になるくらい柔らかいので、マヨネーズやマスタード、バターとまぜてパンにぬったり、お肉などのソース、焼肉の下味つけ、醤油を使った煮物にポンと加えても。
夏バテや体調を崩しそうになったり、喉に痛みを覚えた時など直ぐに口に入れてケアします。
作り方も簡単、普段使わない炊飯器などがあれば保温に設定し、皮付きにんにくを入れ、釜にあたらにように耐熱紙などをかぶせて10〜15日間入れておくだけです(過熱するとニンニク臭がするので、倉庫や物置きなどだとよいですね)。体調管理は先手必勝、免疫力を上げておきます。

8/15

西瓜(すいか)・スイカジュース

スイカ・スイカジュース・西瓜

幼少の頃から一番好きな果物はスイカ。暑い日には特に食べたくなる夏の風物詩です。ヘタの回りがへこんでおり、縞模様がくっきりしているものが美味しいそうです。
昔は1個買いが普通でしたから、八百屋さんに食べ頃を選んでもらって、その所作も楽しんでいました。お客様がみえると食べやすいよう、カットを色々工夫しています。
スイカはしゃりしゃりとした食感で水分が多く、身体を潤してくれますね。リコピンやカロテンが豊富で、利尿作用もあるのでむくみ改善にもいい。白い部分は薬効があるので浅漬けや糠漬けなどにします。
スイカが余ったら、梅干しの果肉と合わせて攪拌してジュースにしたり、生クリームと一緒にパンに挟んでフルーツサンドにしたりして楽しみます

8/14

盆団子・おだんご

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昔からお盆にはお団子を作ってご先祖様にお供えする風習がありますね。島根県の邑南町で「盆団子」をいただきました。お月見は白いお団子で、お盆にはきな粉をまぶしたお団子を作るそうです。ご相伴にあずかりました、しっかりしたもち米粉が印象的でとても美味しかった。
作り方を教わりました。ボウルに米粉150g、もち米粉150gを合わせる。熱湯を少しずつ加えて箸で混ぜながら耳たぶくらいのかたさにし、団子状丸める。たっぷりの湯を沸かして茹で、浮き上がってきたらザルにとり水気をきる。きな粉と砂糖を合わせ、粗塩少々を加えてお団子とからめて完成。
もち米はたんぱく質、ビタミン類、マグネシウム、亜鉛、食物繊維を含み、体を元気にします、夏バテ対策にも良いものです。

8/13

かき氷・氷

かき氷・氷

数年前に行った与論島の食事処のみさき。店頭に「頭が痛くならないかき氷」と書いてある。キーンとするような痛みが出ないという意味ですよね? 半信半疑で食べてみるとホントに痛くならない! ふんわりとして、口にいれてもスッと溶けるので冷た過ぎない。冷たいものを食べると脳が危険を感じてシグナルを出すのですが(これがキーンと感じる痛み)きっと優しい口当たりなので、脳がびっくりしないのでしょうね。
生姜を濃厚な香りよいシロップにした、生姜練乳をたっぷりかけたかき氷。何気ないけれど、島のお母さんの愛がいっぱいです。台湾で、おやつに冷やしたトマトをいただいた時、添えられていた黒糖と生姜を混ぜ合わせたものを想い出しました。トマトは身体の余分な熱をとる効能があるのですが、冷やし過ぎないようにとの配慮からでしょう。
食は身体も作るけれど、心の優しさも育んでくれますね。

8/11

ホップ・西洋唐花草(セイヨウカナハナソウ)・ハーブ・ビール

ハーブ・ホップ・ビール・ハーブ・セイヨウカラハナソウ

この時期に楽しみなホップは、花期がちょうど今頃(8月〜9月)です。数年前、奈良県の曽爾(そに)村のホップ畑に出かけました。摘みたてのホップをひともみして浮かべた地ビールと、おつまみにホップのフリットをいただきました。贅沢ですね、ホップのス〜っとする香りと冷たいビールの喉越しがなんとも爽やかで、ストレスも洗い流してくれるようです。ホップの成分はビールの香りと苦味を作り、泡持ちをよくして濁りを取り除くなどの作用があるそうです。西洋ではハーブとしても古い歴史があり、神経を鎮める効果があるので、睡眠薬としても愛用されてきました。北海道の広大な畑にお邪魔したことが有ります。ホップのつるは見上げるほどの高さで、カーテンのように風にそよそよとゆれて香り、とても心地よかった。
最近よく口にするクラフトビール、麦芽配合によってコクやフレーバーが変わる。好みの香りとキレがよいビールに出会うと嬉しくなって、おつまみも香りに合わせて楽しみます。

8/9

青唐辛子・青ゆずこしょう・青柚子

青柚子・柚子胡椒・しそこしょう・ガスパチョ・食養生・食薬ごはん・井澤由美子・美肌・秘湯回復・薬味・NHK

青唐辛子青ゆずとが出回る季節。青唐辛子はピリっとしますが、まだ穏やかな青々とした辛味が心地いい。シンプルにグルルした肉やシーフード、穴子の白焼き、冷や汁、そうめん、冷奴など何にでもよく合います。青唐辛子と青柚子を組み合わせて仕込む「青柚子胡椒」を作ってみました。青唐辛子4〜5本は縦半分に切って、種をこそげ粗みじん切りにして、すり鉢に入れる。青ゆずの皮だけを1個分すりおろし、種をのぞいて果汁を加え塩を混ぜる。塩加減は好みで調整種てください(小さじ1くらいから味を見ながら)塩分が少ない場合は、冷凍保存がお勧めです。
青ゆずこしょうで作るおもてなしにも良い美しいガスパチョの作りかたです。作りたての青柚子胡椒少々をボウルに入れ、きゅうり1本、しそ4、5枚、パンひとかけ、オリーブオイル小さじ2を加えてハンドミキサーで攪拌する(様子をみて水分を足す)と、完成。好みで酢少々を加えても。青唐辛子、ゆずは消化を促進し、香りで気の巡りを良くして暑苦しさを緩和します。

8/8

紫玉葱(むらさきたまねぎ)・玉ねぎ

紫玉ねぎ・食養生・たまねぎ

血液をサラサラにする玉ねぎ。国内の玉ねぎの生産量は大根、キャベツに続き第3位です。最近は紫の玉ねぎも入手しやすくなりましたね。
紫の色素はアントシアニンで、ポリフェノールの一種。これは葡萄、クランベリー、ブルーベリー、プルーン、ナス、小豆、赤しそ、黒豆などに含まれているものと同じです。
植物が紫外線から身を守るため作る成分で抗酸化力が強く、高血圧や眼精疲労に効果的。紫玉ねぎは辛味や刺激が少ないのでさっと水に放して、生のままサラダやツマにしても。赤しそや茗荷のように酢に漬けるとより鮮やかに発色します。皮付きのまま縦半分に切って塩とオリーブオイルをかけてオーブンで焼いても甘みが増して美味しいです。お皿に置くだけで様になる。大小様々の紫玉ねぎ、アダルトな紫色にうっとりします。

8/6

うまみ昆布酢・昆布酢・酢・す・発酵調味料・疲労回復

まいにち食薬養生超・疲労回復・昆布酢・発酵調味料・酢・疲労回復

昆布酢は美味しいだけでなく、疲れやストレス解消をサポートしてくれる調味料でもあります。暑さ厳しいこの時期は、酸味が心地よく、疲れを軽減するのでぜひ!
私は醤油代わりに白身のお刺身につけたり、納豆にまぜたり、なすや菊花、茗荷の色止めに使ったりします。炒め物や煮物の仕上げに加えると、酸味が飛んでギュッと味がしまり、脂っこい肉料理をさっぱりさせるなど、幅広く活用出来ます。2017年に昆布酢の本を出版させて頂きましたが、作りおくと本当に便利なのです。
保存瓶に昆布を入れ、お酢を加えておくだけ。上質な昆布をたっぷり使うと、旨味が格段に増した昆布酢になります。また、酢の酢酸と昆布のカルシウムが結びついてできる酢酸カルシウムは、骨粗しょう症の予防に効果があり健康面でも理想的です。
心も体も癒すお酢は、世界最古の発酵調味料とも言われ、体に嬉しい健康効果が沢山あります。ダイエットにもお酢は強力な助っ人。内臓脂肪を減少させたり、胃液の分泌を促し、腸の蠕動運動を促進させる働きも期待できます。消化器の負担にならないように、1日に大さじ1半までを目安にしましょう。