井澤由美子の食薬ごはん Yumiko Izawa

食薬ごよみ

四季のサイクルに合わせて食すことが、身体を健やかに導く手助けをしてくれます。
季節の食材とその由来や歴史、食にまつわるお話をご紹介します。

12/21

南瓜(かぼちゃ)・冬至・柚子湯・二十四節気

かぼちゃ・冬至・南瓜・二十四節気

グッと寒さが増してきましたね。1年で昼が1番短い冬至、今年は21日の本日です。かぼちゃを食べて柚子湯に入る風習が日本にはあり、かぼちゃを食べると風邪をひかない、病気を遠ざけるなどの言い伝えもありますね。何よりカロテンが豊富で、ビタミンB群やCを含み、体を温めて胃腸にも優しい野菜です。名前の由来は、16世紀の半ばにカンボジアのかぼちゃが献上され、カンボジアがなまってかぼちゃになったと言う由来がありますよ、面白いですね。
かぼちゃの皮は硬いので、半分に切ってレンジに軽くかけて切りやすくします。大きめに切ったかぼちゃに、きび砂糖を適宜馴染ませて厚手の鍋に20分ほどおいておくと水分がでます。ふたをして弱火で炊き、お醤油少々で味付けするとほくほくの煮物になります。生姜のスライスと酒、塩少々で炊くのも、かぼちゃの風味が存分に生きて、生姜で体も温まります。

12/20

真鱈の子(まだらのこ)・真子・たらこ 美肌

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この季節だけに見かけるプクリと太った真鱈の子を煮付けにしました。助惣鱈(すけそうだら)の子の煮付けも美味ですね、こちらは通年市販されている塩漬けの「たらこ」にもなります。どちらの煮付けも作り方は簡単=鍋に水と昆布を入れ出汁をとり、酒、醤油、みりんを煮立ててめんつゆくらいの(少し甘み控えめ)のお味にし、火を弱めてぶつ切りにした鱈の子を落とします(好みで少しの針生姜やほんのり鰹出汁を加えても)。厚手のキッチンぺーパーをかぶせてグラグラ煮立たせないように15〜20分ほど煮ます。そのまま冷まし味を落ちつかさせてからいただいて下さい。しっとり煮えた煮付けを堪能した後は、その旨みたっぷりの煮汁で下茹でしたじゃがいもや里芋、糸こんにゃくを煮付けると絶品です。
含まれるビタミンE,12などは肌をキレイにします。納豆とたらこの組み合わせは相乗効果がありますね、週末パスタに如何ですか?

12/19

鶏飯(けいはん)・鶏出汁

彩り豊かな鶏飯は薩摩藩の役人をもてなす為、奄美大島北部で作られていた豪華なお料理だったとか。作り方も手が込んでおり、まずは奄美赤鶏のぶつ切りとねぎや干し椎茸、昆布とコトコト時間をかけて煮込んだ出汁をとり、醤油や塩、みりんなどで味をととのえた旨味と滋養たっぷりのスープを作る。ごはんの上にさいた鶏肉、薄切り椎茸、錦糸玉子、パパイアの漬物、のりなどをのせ、熱々のスープをかけていただくのですが、寒い時でも暑い時でもサラサラといただけます。柚子やレモンの皮を乾燥させて刻んだ陳皮も是非添えて。
体調不良時や年末にお雑煮用の鶏スープを作ったら、家族にもてなすのも良いですね。滋養があり肌の乾燥にも良さそうです。美味しい鶏出汁の取り方は、今号のマガジンハウスクロワッサンに掲載しています

12/18

酒粕(さけかす)・美肌・発酵食

ビタミンなどの栄養価は周知の通りの酒粕。健康効果も素晴らしく、豊富な食物繊維で排便を促しますが、含まれる成分のレジスタントプロテインが、悪玉菌コレストロールを減少させます。肥満予防やガン、高血圧抑制効果も医学的に効果があると期待されています。
腸を美しくすることは直接美肌にもつながりますね、健康、美容はいつも表面一体です。ダイエットしたい時もお勧めの酒粕は素晴らしい発酵食です。今日は小鍋でお餅を茹でたのですが、その後のとろみのある水分に酒粕とスープの素やスパイス、野菜を入れてお餅と酒粕のシチューにしました、好みで豆乳や牛乳を加えてもいいですね。

12/17

百合根(ゆりね)・白合(びゃっこう)・不安感 ・薬膳

今が旬の百合根、北海道などではグラタンなどになっています、産地なので贅沢な使い方ができますね。あまり馴染みがない方もいらしゃると思いますが、調理もさほど難しくなくありません。お味としては、滑らかでキメのこまかい品のよい甘味があるじゃがいものような感じ。スープ、炊き込みごはん、揚げ物などにしても美味しいものです。
中医学では白合(びゃっこう)と言う生薬です。高ぶった神経を鎮め、イライラや不安感を落ち着かせる効能があるとされています。娘が受験生の頃、心を落ち着かせ、消化良く滋養をつけたかったので百合根の茶碗蒸しをよく作った想い出があります。滑らかな舌触りで、裏ごした和菓子も見かけます。

12/16

大根・あさり大根鍋

大根・大根なべ・咳・痰・食養生・

ずっしり重い大根を厚めに切って皮をむき、隠し包丁を入れ下茹でする。鍋にたっぷりの水と昆布、白菜、茹でた大根、酒を入れゆっくりじっくり昆布出汁で柔らかくなるまで煮る。あさりは皮ごと調理することも大事、大きめのあさりを2、3個ずつ加え、煮えばなのぷっくりした開きたてをすぐさま堪能する、何回も何回も繰り返すが、その美味さにはいつまでも飽きることがないのです。
その後のスープにはあさりの旨みと大根、白菜の甘みが広がっています。この出汁を熱々に温めてつるんとした稲庭うどんに少なめにはる(あればおろし生姜やかんずりなどを用意しておく)。ゆずの香る少し濃いめの葛あんをたっぷりかけていただいてもいいものです。
大根には、痰をきり咳を鎮める効果があります、蜂蜜に漬けた民間療法の相乗効果は有名ですね。

12/15

黒豆(くろまめ)・アンチエイジング・薬膳茶・漢方

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中医学では、腎の働きを良くすると言われる黒豆。血を補う効能もあるナツメと乾煎りした黒豆を水から一緒に煮出したお茶を毎日いただきます。自家製ナツメは空気の綺麗な里山の、日当たりの良い所で育つ大木をセレクトして収穫しています。赤く実ったら直ぐに手摘みし、蒸してからセミドライに乾燥させて冷凍保存しています。黒豆と合わせると、香ばしい香りとナチュラルな甘みにホッとしますし、残った黒豆と棗は美味しくいただけます。
黒豆は甘煮以外に、黒酢漬けにしても良いですねアンチエイジングや疲労回復、内脂肪減少にも効果が期待できます。ブラジルのフィジョアーダのようにお肉とコトコト煮込んだシチューもトロミがでて美味。
新黒豆が出る頃は柔らかく調理も楽。足腰の弱り、老化防止にお勧めの黒豆、日常的にいただいて下さい。

12/14

柿・かき

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柿は富有柿、富士、次郎などその他数種類あり、それぞれ形や味に特徴があって楽しめますね。生産地では干し柿用の柿も沢山出回っていますが、柿の袋の中に縄も一緒に入って販売されていて、気が利いています。名人の農家さんに、吊るした後に一つ一つ手で揉む事が最も大事だと教わりました。渋柿で作る干し柿は先人の知恵の結晶、甘くなり、カロテンも増えるそうです。
柿に含まれる渋みのタンニンは血圧を下げる効果があるとされ、アルコールを分解する作用も期待できます。
柿のお気に入りの食べ方にレモン果汁をたっぷり絞って冷蔵庫に一晩おき、生ハムといただく気軽な一皿があります。スプーンですくえるくらいに完熟したら、タンパク質のヨーグルトと合わせると、肌荒れ改善にも役立ちます。それからよく冷えた柿といくらをさっくり和えると柿の甘さといくらの塩気が絶妙、出会いものは一瞬です。ジンに柿を沈ませて冷凍庫に一晩、とろんとして美味、クリスマスやお正月のお楽しみです。

12/11

美容薬膳・柿(かき)

柿・美容薬膳・杏仁豆腐・美肌・二日酔い

柿が美味しい季節ですね。ビタミンカラーのオレンジ色が目に飛び込んでくるとついつい手が伸びます。よく熟れた柿を見つけたらつぶしてフレッシュピュレにし、フルンとした杏仁豆腐にトッピングすると、見た目も麗しいデザートに。ビタミンCやカロテンが豊富な柿には風邪予防や美肌に効く効能がたっぷりです。咳や痰の痛みなどを抑える杏仁にも美肌効果があるので、合わせて相乗効果を上げます。
柿のキャロットラペもオススめです、みかんの果汁と塩、オリーブオイルで小粋に。酢の物や白和えにも良いですが、シンプルにレモン果汁をたっぷり絞って冷やしたものも美味。生ハムを添えると塩気と相まって白ワインにピッタリです、柿には、アルコールの解毒作用もあるのでお酒のお供にも最適ですが、カラダを冷やす傾向にあるので、温まるものといただいて下さい。ヘタや葉は生薬です、殺菌効果もあるので、渋柿の若い葉は柿の葉寿司などに活用さますね。
乾燥させたお茶も販売されています、ダイエットにも最適だとか。

12/10

納豆・なっとう・発酵食・美肌

納豆・発酵食・美容食・なっとう

納豆1パックに昆布酢小さじ2〜3、粗塩2つまみ、付属の辛子を加えた「塩酢納豆」をよく混ぜる。白い泡がもくもくと立ち、喉越しの良いサラサラとした納豆になって胃、体がすっきりします。
じゃこを加えるとカルシウムも酢の効果で摂取しやすくなりますよ。
塩酢納豆に漬物、みょうが、しそ、生姜、おろしキュウリ、トマトなど好みで刻んで加えても。
納豆に黒すりごまを加えると健康効果が高まります、ごま油かオリーブオイルを加えると高い便秘改善効果が生まれる(特に夜お試し下さい)。
納豆をよく混ぜていつもより醤油を少し多めに加え、さらによく混ぜる。八分目によそったご飯にのせ(1人分約半パック)煎茶をかけていただく。かんずりや柚子胡椒、あられ、のりなどお好みでトッピングして。こちらは魯山人さんの好きな納豆茶漬けです。