井澤由美子の食薬ごはん Yumiko Izawa

食薬ごよみ

四季のサイクルに合わせて食すことが、身体を健やかに導く手助けをしてくれます。
季節の食材とその由来や歴史、食にまつわるお話をご紹介します。

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山椒・初夏の風味・手仕事

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店先に山椒の実、小梅、青梅、らっきょうが並びワクワクしています。うかうかしていると、時期を逃してしまうので早起きして保存食作りに勤しみます。山椒醤油、山椒の実の塩漬け、山椒オイルを手始めに作りますが、この時期だけの淀みのない鮮烈な青い香りと辛味を逃さず、ギュッと詰める為に毎年試行錯誤を楽しみながら繰り返しています。

山椒の実は沸騰させた湯に塩少々を入れ3分ほど茹で、氷水に1時間ほどさらす。枝から実をとって水気をしっかりふき(ここで冷凍しても)、清潔な密封容器に山椒をいれ、醤油をかぶるくらいに注ぐ。山椒オイルは下処理した山椒に米油、ごま油、オリーブオイルなど好みのものをそそぐ(冷暗所か冷蔵庫で保存)。シンプルで思いもよらぬ食べ方を発見できた時は特に嬉しい。青々した山椒のチリソースを作って、エビやホタテに絡めると眼にも舌にも鮮烈です。

NHk きょうの料理6月号で山椒の味の入り青梅hシロップをご紹介しています、必ず毎年作るお気に入りです。

山椒は消化不良や胃腸の調子を整え、身体の冷えに効果があります。何よりその高貴な香りに胸がスッとします

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青梅・梅シロップ・梅遊び

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雨が降ると、庭の青々とした梅が小雨を受けて気持ちよさそうです。ちょうど500円玉くらいの大きさに育って、今年も梅仕事の始まりです。

手始めにカリカリとした食感の青梅の梅漬けを作ります。塩味と甘味の両方を仕込みますが、どちらもさっぱりとして心地よい風味、毎年沢山仕作り置きます。それから、糠漬けにも青梅をポンポンと数個忍ばせて殺菌作用を促しています。季節的に山椒の実もなる時期なので、こちらも一緒に加えて、倍の作用と香りを存分に堪能しています。

青梅のシロップを味醂代わりに使用すると、料理によって奥行きが出ます。シロップは、体調を崩した時や熱がある時などにも良いもの。喉の渇きを速やかに押さえ、青々とした爽やかな香りが気の巡りも整えるので養生になります。梅は唾液の分泌を活発にしたり、疲労回復を助ける働きがあります。

作り方はきょうの料理6月号に掲載していますよ、よかったらご覧ください

 

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発酵食・お味噌汁・実の3種は身の薬

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「実の3種は身の薬」

あまり聞き慣れぬ言葉かも知れませんが、お味噌汁に3種以上の具材を入れて食べると身体に良いと言う意味合いです。海藻やきのこ類、旬野菜、豆、肉や魚にはミネラル、ビタミン、ポリフェノールや脂質も豊富なので、日々のお味噌汁にたっぷりと加えて食せば健康に繋がります。鮮度の良い食材だと、細胞の活性化にもつながり、美容や老化防止にも良いはずです。関東では、お味噌汁に2種以上の具材は邪道と唱える説もありますが、朝の忙しい時間やランチなどの具沢山のお味噌汁には、豊富な食物繊維やビタミン類を手早く補給できるお勧めの食べ方です。

味噌に含まれるタンパク質は体を作る三大栄養素の一つであり、動脈硬化を予防するレシチンや、老化を予防するビタミンE、更年期にも良いイソフラボンなどをバランスよく含んでいます。

湯気が上がる具沢山のお味噌汁を見るだけで、1日の活力が生まれます。

 

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山菜・春の息吹・デトックス

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新鮮で柔らかなわかめのしゃぶしゃぶを心ゆくまで楽しんだあとは、山菜に以降します。

かんぞう、うど菜、うるい、行者にんにくなどの山菜をわかめと同じように昆布ダシでしゃぶしゃぶにしていただくのが毎年の楽しみ。山菜は、香りが豊かで繊維が豊富(食べ慣れない方は、ほどほどの量で楽しみます)。苦味のあるものは、虫から身を守るためのアルカノイドに由来する成分で、デトックス効果が高いのです。こごみ、たけのこ、うどなど独特の香りと風味、食感を楽しめる時期はとても短いので何かしら日々口にします。

香りは気の巡りもよくするので、ストレス緩和にも良く、リフレッシュできます。汗ばむ日も出て来ました、緑茶に新芽の蓬を浮かべると、穏やかな良い香りと緑茶の成分も手伝って頭がスッキりとします。

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柏餅・子供の日

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明後日は子供の日ですね。端午の節句で、菖蒲の日とも呼ばれます。二十四節気では立夏(夏の気配がする頃)。菖蒲やよもぎを湯に入れてその香気で邪気を払い、無病息災を願う。菖蒲は尚武にかけていて、勇ましく健やかな男の子の成長を祈願する日です。今日は菖蒲とよもぎを浮かべて朝風呂に、爽やかなお天気も手伝って清々しい。菖蒲とよもぎには血行をよくし、神経を沈静する効果が期待出来るそうです。

道行く和菓子さんやスーパーでは柏餅が販売されています。きちんと作られたものは餅が二つ折りになって、兜の形をしています。かしわの葉は新芽が出るまで古い葉が落ちないので、「家系が絶えない」「子孫繁栄」と縁起をかついでおり、昔の武家社会では特に珍重されていたそう。

かしわ餅の餅は上新粉を練ったもので、江戸時代の生まれだとか。一方、中国伝来の粽(ちまき)(茅巻)は、もち米やうるち米などで作った餅を茅(ちがや)などの葉で巻いて井草で縛っています。餅に良い香りがうつり、乾燥を防ぐ効果や手を汚さないなどの利点もあります。かしわ餅の中身は小豆餡が主流ですが、白餡に甘い白みそ(西京味噌)を混ぜた白みそ餡も毎年楽しみにしています。写真は祖母とよく買いに行った、小石川にある一幸庵さんの柏餅。熱いほうじ茶や緑茶で楽しみます。

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すり胡麻キャベツのナムル・春キャベツ・簡単惣菜

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今日は乳酸キャベツの他に、たっぷり作り置くキャベツのお惣菜をご紹介します。キャベツに胡麻を合わせるだけですが、ビタミン類や食物繊維を摂取でき、胃腸を整え、睡眠の質も向上させるレシピです。

作り方はごく簡単、柔らかなキャベツ半個分をざくぎりにし、硬い部分は薄切りにする(ビタミンCは芯に近い部分に多い)。おろしにんにくと塩昆布を適宜混ぜ、ラップをかけてそのままレンジで3〜4分ほど加熱したらそのまま5分おいて蒸らします。ごま油を加えて全体に馴染ませたらすり胡麻をたっぷりと加えてさらに混ぜる。余ったらお弁当にも良いし、納豆やお味噌汁に加えても美味。化学調味料を使わなくても、とっても美味しくいただけます。レモン果汁や薬膳酢を少し垂らしても良いものです。

キャベツは薬膳的に、湿をとり、胃や腎を強化し、消化不良、気虚、老化、筋力の衰えをサポート。栄養学的には、胃粘膜を保護し、再生する。新生活を始めたフレッシャーズさんにもおすすめの簡単惣菜、インスタントラーメンや焼きそばに加えるだけでも違いますよ。

4/20

春キャベツ・乳酸キャベツ・腸活・美肌・発酵食

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乳酸キャベツは、シュークルートやザワークラウトと変わらぬキャベツの漬物ですが、簡単な作り方でしっかり発酵させた乳酸菌たっぷりの発酵食品です。毎日食べると、自分の体が変わるのが実感できます。乳酸菌と食物繊維の働きにより、腸内環境が整い、便通がよくなります(少しオイルを垂らすとさらに効果が上がります)。 キャベツに含まれるビタミンU(別名:キャベジン)は、その名の通り胃腸薬にもなる程で、春に起こりがちな不調もケア。ストレスや緊張感が多い4月には特に適しています。

腸の調子がよくなると、幸せホルモンと呼ばれる「セロトニン」の分泌が促され、精神的にも安定するそうです。材料は、キャベツ800〜1キロ、粗塩大さじ1〜1半、ときび砂糖小さじ2だけ。しんなりするまで清潔な手か袋の上から揉み、保存容器に入れて2、3日常温におきます。酸味が出て、発酵したら冷蔵庫で、約1か月ほど保存出来ます。 そのまま食べてもよし、さまざまなメニューに取り入れてもよし、 使いやすいのも魅力のひとつ。旬の山椒の実の塩つけもお勧めですよ。

写真は乳酸キャベツの著書本より掲載。井澤家の呼び方をそのまま使用しています、乳酸菌たっぷりの水分が出るのでこのネーミング。通年仕込み置きますが、春になると特にたっぷり作ります。冷蔵庫の扉をあけると、心地よい酸味のさっぱりとした冷たいキャベツサラダが待っています

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ルビーレッド・キウイ・

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4月から5月にかけての期間限定販売のルビー色のキウイ。

好きな一皿があります。剥き立ての生エビ、ぶつ切りの茹でタコ、サーモン、ホタテ、時には蒸した貝などを添えたセビーチェ風。香り野菜には、刻んだ紫玉ねぎ、ジンジャー、赤唐辛子、コリアンダーなど。味付けにはバージンオリーブオイル、軽く塩胡椒、ナンプラー、コジベリー、主役のルビーレッドキウイを合わせて、搾りたてのレモンを多めに加えます(レモンがライムになったり、唐辛子が山椒にしたり、あるもので作るのでそれもお楽しみ)。

このフレッシュなシーフードサラダは抗酸化作用が高い。アントシアニン、ビタミン類が豊富、美肌・美容に最適な他、免疫力UPも担います。ちなみに通常の緑キウイに含まれるビタミンCは100g中約88mg前後、黄色のサンゴールドは152mg。ルビーレッドに至っては、189mgを誇流ので、1個で1日の必要ビタミン量を美味しく摂取できてしまいます。

気の巡りを良くするコリアンダー、爽やかな香りの柑橘、少し辛くて甘酸っぱいドレッシングとコラーゲン豊富な魚介類を合わせれば女子力もアップ。冷えた泡や白ワインが美味しいこの季節、ベリーの味がする赤いキウイと合わせたおもてなしにはいつも歓声が上がります。疲れた夜や消化不良気味にもよきです。

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春ごぼう・牛蒡

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4月〜6月頃に出回る香り良い春ごぼう。秋に収穫する前のまだ若いごぼうで、白く柔らかいのが特徴です。ごぼうは不溶性と水溶性の両方を含み、食物繊維が豊富な代表野菜。食べやすく美味しい上に、春先に起こりやすい不調を緩和する手伝いをします。皮にポリフェノールがたっぷり含まれているので、削り過ぎず春ごぼうならではの柔らかを堪能して下さい。アク抜きは不要、えぐみを取るためにさっと水に潜らせるだけで充分です、香りも堪能して下さい。薬膳では古来より生薬、種はごぼうしと呼ばれ喉の炎症を抑える治療薬でもあります。

 

 

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大寒・二十四節気・酒粕コーヒー・発酵食

井澤由美子・腸活・美容・健康・発酵食品生活・美人を作る・酒粕コーヒー・酒粕・発酵食・

一年で一番寒いとされる大寒を迎えました。寒さ厳しいこの季節にいただく粕汁は、体にしみ入るように美味しく感じます。大人になってお酒をたしなむようになり、さらに好きになった発酵食の酒粕ですが、今が旬の大根、かぶ、にんじん、サケやブリのアラなどがとてもよく合います。私は白味噌、山椒、生姜を加えて一緒にグツグツ煮た粕汁が好きですが、風味はお好み、今だからこそのこっくりした温もりのある旨さがあります。

酒粕とは、お米、米麹、水で発酵させて漉した液体が日本酒で、しぼりかすが酒粕です(発酵が終わったもろみを絞ったもの、アルコール度数もビールほどあります)。このしぼりかすの酒粕ですが、アミノ酸、食物繊維、レジスタントプロテイン、ビタミン、酵母も豊富なので、非常に栄養価が高い発酵食品と言えます。「酒粕メンテナンス」をすると、肌や腸が潤いますよ。運動不足で腸がスッキリしたい方のショートブレイクには、酒粕とコーヒー、砂糖をポッたりとするまで煮詰めた酒粕コーヒーがお勧めです。