井澤由美子の食薬ごはん Yumiko Izawa

食薬ごよみ

四季のサイクルに合わせて食すことが、身体を健やかに導く手助けをしてくれます。
季節の食材とその由来や歴史、食にまつわるお話をご紹介します。

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春の息吹・山菜(さんさい)・うど・うるい・デトックス

デトックス・蓬・ヨモギ・山菜・春の息吹・デトックス

つくし、かんぞう、うど菜、うるい、行者にんにくなどの柔らかい山菜を、昆布出汁でしゃぶしゃぶにしていただくのが毎年の楽しみ。山菜は春の息吹。香りが豊かで繊維が豊富(食べ慣れない方はほどほどの量で楽しんで下さい)。春野菜の苦味は、虫から身を守るためのアルカノイドに由来する成分で、デトックス効果が高いです。菜の花やふきのとう、こごみ、たけのこ、うどなどは独特の香りと風味、食感を楽しめる時期がとても短いので、私はこの時期は毎日何かしら毎日口にしています。香りは気の巡りもよくするのでストレス緩和にも良く、リフレッシュできます。
少し暖かい日は緑茶に柔らかな蓬を浮かべると、香りと成分で頭がスッキリします。

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山芋・長芋・山薬・さんやく・元気・滋養

井澤由美子・食養生・薬膳・漢方・山芋・長芋・芋・さんやく・山薬・とろろ・滋養・元気

まだ少し肌寒いこんな日は、温かい椀ものと簡単で滋養のあるものを食したい。ちょうど昨日、みずみずしい春大根と山芋に出会ったので、今日は大根たっぷりの豚汁ととろろごはんにします。
山芋には血糖値を下げる効能があるので、糖尿病や成人病予防に特にお勧め。ぬめりが滋養強壮効果を高めるので、おろしてとろろ汁にするとより身体に吸収されやすくなります。みそや梅肉を混ぜるお味もよくなり、胃腸の働きを促進する効果も上がります。よそ行きにしたい時は卵白を泡だて、とろろに混ぜ込むとフワフワに。器に入れて、残りの卵黄を添えていただきます。春掘りの長芋は今が旬で、栄養価も高いので私は日常的に口にしています。
薬膳では山芋は山の薬とかいて山薬(さんやく)と呼ばれるほど滋養があると言われています。身体がちょっと疲れた時、胃の調子が悪い時、元気になりたい時にもとろろはおすすめです。温かい具沢山の汁物と合わせれば、バランスの良いご馳走に。腸内環境もよくするので免疫力を上げる手助けとなります。

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花祭り(お釈迦様の誕生日)    ・甘茶・灌仏会

甘茶・灌仏会・花祭り・花まつり

お釈迦者様の誕生日は灌仏会(かんぶつえ)、仏生会(ぶっしょうえ)ともいい、明治以降に花祭りと呼ばれるようになりました。4月8日は、お堂を春の花で華やかに飾る風習があり、お釈迦様の頭上から甘茶を注ぎ、参拝します。これは “ お釈迦様がお生まれになった日に、天から甘露の雨(つゆ)が降った ” という由来からだそうです。甘茶は、砂糖より何倍もの甘さがあります。
甘茶(アマチャ)は植物名で、山紫陽花の変種。夏に葉を採取し、茎や葉を蒸したり、発酵させたりした後、乾燥させて煎じたものです。
葉は生薬で、苦味があります。抗アレルギー作用、抗菌作用、利尿作用などがあり、口臭除去や食欲不振に良いそうです。

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花わさび・花山葵・三杯酢・甘酢漬け

井澤由美子・抗菌作用・食養生・ヒーリングフード・薬膳・花わさび・三杯酢・レシピ・春野菜・山菜

2月頃〜4月頃までが旬の花わさびは、白い小花が可憐ですね。清らかな清流が流れる畑には、蝶が舞っていました。わさびは花のつぼみや葉もたべられます。爽やかでピリッと美味しいわさびの酢漬けの作り方を農家さんに教わりました。
花わさび(約350g)は、葉や茎をよく洗い、2、3cmのざく切りにしてボウルに入れます。粗塩適宜を全体にふってしんなりするまで塩もみします。よくもむと細胞が壊れてわさびの辛味や香りが立ちます。この間に密封容器に甘酢(昆布酢か酢150cc、きび砂糖80g、醤油小さじ2)を合わせます。
塩もみした花わさびをざっと水で洗って熱湯をまわしかけ、ギュッと水気を絞る。冷蔵庫に1日置いて食べられますが、3日くらい経っても美味。私はここに、少し甘みのある柑橘を絞り、春の風味を満喫します。
抗菌作用の高い山葵は解毒作用もありますね。花や葉は、歯ざわりもあって爽やかな辛味がクセになります。

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新玉ねぎ

春野菜・井澤由美子・食養生・血液サラサラ・春野菜・新玉葱・新玉ねぎ・レシピ

みずみずしく真っ白な新玉ねぎは3月〜4月が旬。辛味が少なく甘みがあって美味しいですね。薄くスライスして、おかかやおろし生姜で頂くなど、生食を楽しんで下さい。それから毎年楽しむ一皿に、新玉ねぎとチキンの山椒煮があります。水を1滴も使わないのに驚くほど水分が出ます。骨つきの鶏もも肉2本は粗塩を全体に揉み込みひと晩おく。厚手の鍋に半分に切っ新玉ねぎ2個分を入れ、鶏肉をのせ、山椒の実の塩漬け大さじ1半、オリーブオイル大さじ3~4を全体にまわしかける。ふたをし、時々鍋ごとゆすりながら中弱火で40分ほど煮込みます。鶏のうまみを新玉ねぎが吸い、新玉ねぎは鶏肉をホロリと柔らかくして全体に甘味をつけます。ここに山椒の実が入って味を引き締める。シンプルイズベストの春のひと皿です。

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えんどう豆・グリーンピース・green peas

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先日から春告鳥の鶯が、庭の花々をつつきに遊びに来ています。毎年楽しみな鳴き声。鶯の色から例えた鶯色の食べ物は風流ですね。和菓子の鶯もちや鶯豆などがあります。鶯豆に使う豆はグリーンピース、これからが旬です。
毎年必ず作るグリーンピースご飯は豆をたっぷり加えて、昆布と粗塩、少々の酒と米油でシンプルに炊きます。ミルクとグリーンピースで作るポタージュも美しい。ご飯やパンのはし切れと一緒に炊いて撹拌すると、トとろみが出て腹持ちも良くなります。
イタリア語でグリーンピースをピゼッリと呼びます。サヤから実を取り出した後、日本では捨ててしまう部分のサヤをイタリアのマンマやシェフ達は、スープで煮てピュレやソースにしたり、フリットなどの揚げ物にします。
グリーンピースをさっと塩茹でし、バターとハーブ(バジル、ミント、タイム)で炒めて、茹で立ての平麺と合わせたパスタは豆とバターの香りが絡まって美味。
グリンピースはカロテン、カリウム、食物繊維、豊富で良質なたんぱく質を含み、薬膳では脾に優しく、余分な湿を排出するとされます。

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スープカレー・薬膳カレー

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免疫力を上げるスパイスにシナモンやターメリックがあります。今日はシナモンやクローブを使って、スープカレーを作りました。合わせるのは手に入りやすい生薬(生姜、にんにく、新玉ねぎ)。コトコト煮込んで野菜の甘みを引き出し、水分を多めにしたサラサラタイプのカレーです。揚げたてのえびフライも添えてみました。
スープカレーは北海道が発祥の地で、スパイスと漢方から生まれた薬膳カレーが大元なんですよ。ごはんにレモンを絞り、ごはんをスプーンですくって、それをカレーに浸して食べるのが道産子の食べ方だそう。体温が1℃下がると免疫力が30%下がそうです。 寒い冬は特に体温を上げるために、温かいものを食したいですね。その点でもカレーはぴったり! 

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蕗・ふき

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ふきはキク科の多年草。天然物は3月〜5月に、栽培物は秋以降に出荷されます。食物繊維たっぷりで、独特の食感と風味がありますね。鮮度が落ちやすいので、購入したらなるべく早く調理しましょう。太さが1、5㎝前後のものが食べやすく、香りも良い気がします。葉を落とし、まな板にのせて塩をふって上下に転がして板ずりし、沸かした湯に太い部分から入れて1分半ほど茹でて冷水にとります。冷めたら切り口から引くようにして皮を剥きます。出汁で炊いたふき煮にすると、少し汗ばむ日には生姜少々を加えた歯ごたえの良いふきの甘酢漬けなど、清々しくておすすめです。

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人参・春人参・にんじん・眼精疲労

食養生・薬膳・漢方・食薬ごはん・まいにち食薬養生帖・人参・にんじん・キャロットラペ・ドライアイ

花粉が舞うこの時期は、特に目のかゆみや乾燥が気になりますね。にんじんは鼻や喉の粘膜を健康に保つビタミンAが豊富な野菜。
春にんじんはみずみずしく甘さもあって良い香りがします、生でいただくと栄養を丸ごといただけます。キャロットラペ(人参サラダ)の作り方です。皮付きの人参をタワシでこすり洗いし、千切りにします。レモンやオレンジのしぼりたての果汁、オリーブオイル、粗塩をふって馴染ませる。にんじんの酵素、ビタミンC、カロテン、繊維がたっぷりなサラダです。今なら金柑を加えても良いですね、甘み、香り、色が冴えた美しい一品になります。
花粉症が気になる方はヨーグルトと合わせて。薬膳では人参は日々取り入れると血と津液を作る手助けをします。

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シナモン・桂枝(けいし)・肉桂(にっけい)・スパイス

冷え・食養生・スパイス ・spice・冷え・薬膳・漢方・シナモン・スパイス・肉桂

シナモンスティックやシナモンパウダーを適宜お茶に入れるのが日課です。
シナモンはスリランカ、インド南部が原産地。日本でも国産のシナモンが温かい地方で栽培され、春に収穫されます。薬膳の肉桂(桂枝)は根っこ部分、樹木のシナモンとは種類が違うのですが、薬効は似ています。冷えをとり五臓を活性化させるとされており、関節痛などの痛みや、血のめぐりの改善に欠かせない生薬です。
体を温める作用は生姜以上とされ、指先などの毛細血管まで温めるそう。体温が上ると免疫力も高まります。身体はなるだけ冷やさないように日頃から気をつけます(首、手首、足首、腰などは特に)。
香りが良いので、リラックスしたい時のお茶にもピッタリです、シナモンをポキっと折った半本と丁子(クローブ)2個、紅茶などの発酵茶適宜を合わせてブレンドティーに。
シナモンはアップルパイなどのお菓子に欠かせませんが、カレーや、醤油味の煮込みにも意外とお勧めです。
私はワインビネガーやお酢にスティックごと漬けてシナモンビネガーとして素敵な香りと効能を楽しんでいます。ドレッシングに加えたリ、マリネに使うとひと味違います。