井澤由美子の食薬ごはん Yumiko Izawa

食薬ごよみ

四季のサイクルに合わせて食すことが、身体を健やかに導く手助けをしてくれます。
季節の食材とその由来や歴史、食にまつわるお話をご紹介します。

12/12

牡蠣(かき)・カキフライの作り方・味覚障害

牡蠣が美味しい季節ですね。腎の働きを高める牡蠣は亜鉛を多く含み、肌や爪、髪の艶をよくしエイジングケアにも有効とされ、味覚を改善する手助けをします。今日は、はがれにくい洋食屋さんのサクサク衣のテクニックのご紹介。ひと手間でグンとパン粉が落ちにくくなって、サクサクに揚がります。衣を作り方です・ボウルに卵L玉1個、小麦粉大さじ1、水を大さじ1を加えてよく混ぜる(料理用語でこの衣をバッター液と言います。粉と卵、水やミルクを混ぜた混合物の意味です)。後は、具材の水分をキッチンペーなどでしっかりとって塩、こしょうをふり、小麦粉を全体に軽く叩いたあと、衣にくぐらせてパン粉をしっかり押し付ける。揚げると、ツノが立つような生パン粉がサクサクして私は好きですが、お好みで乾燥パン粉でも。

12/9

 鰤(ブリ)

脂がのった濃厚な寒ぶりは柔らかくて美味しいですね。先日、大分の別府出張で食べたブリはカボスを餌に混ぜているそうで、旨味の中にさっぱり感がありました。DHA、EPA、ビタミンE、良質なタンパク質、タウリンが豊富。含まれる良質な栄養素は、気血を補し体を温める効能があるので冷え性、関節痛、風邪、肌荒れ、認知症などにもお勧め。本日のレシピは漬けて焼くだけです(酒、醤油、みりん各大さじ1半、ごま油とおろし生姜少々に、水気をふいたブリの切り身2切れを2、30分ほど漬ける。汁気をとり、よく熱した魚焼きグリルで塩をふったきのこ、ねぎなどと焼いていただくと栄養摂取の相乗効果が上がります。器に盛って、ゆずやかぼすも忘れずに。

12/7

紅茶・熟成パウンドケーキ

発酵茶である紅茶は私の精神安定剤、特にアールグレイが好きなのですが、アイスティーの甘味ならメイプルシロップ、ミルクティーなら和三盆がベストです。美味しい紅茶を入れるために水道水のお水を勢い良く出してヤカンに入れて熱する、こうすると、酵素の量が増えてお茶がグンと美味しくなります。ゴールデンドロップを楽しんだ後は、スパイスを入れたミルクティーが冬の定番。シナモンスティクは指先まで温め、クローブは胃腸を整え、削りたてのナツメグは若返りのスパイスとして有名、芯から温める干し生姜を加えたりと、それぞれの効能と香りを紅茶の種類に合わせて楽しんでいます。
年末のお茶時に楽しむ為に、熟成フルーツパウンドケーキを仕込ます。刻んだ紅茶葉、様々なスパイス類、アーモンドプードル、クルミやアーモンド、洋酒に漬けたドライフルーツ、たっぷりのよいバターを加えたアダルトなパウンドケーキを焼いて、ガーゼにくるむ。ダークラムやカルバトスなどを時々ぬりながら3週間以上寝かせます。クリスマスやお正月に一切れ一切れいただくのが毎年の楽しみ、今もゆっくり熟成させています。

12/6

美容薬膳・カリフラワー

カリフラワーはさっと茹でてピクルスに入れる、スパイスと炒めるなど食感を残して楽しんでも良いですし、ゆっくり火を入れてほっこり柔らかく調理するのもおすすめです。なめらかにマッシュすると、じゃが芋よりもう少しエレガントな口当たりと風味になるのでおもてなしにも。カリフワラーに豊富に含まれるビタミンCは熱に強いので調理に向いています。肉や魚との相性も抜群、鶏や豚肉、鮭などのコラーゲン豊富な食材と一緒に摂取するとカラダへの吸収率が高まり、美肌に導きます。シチューやお鍋に入れて相乗効果を担って下さい。茎に栄養があります、捨てずに皮を剥いて加えます。白い食材とよく合う塩糀と、カリフラワー、豚肉のかたまり肉との相性は良いもの、お肉もしっとり仕上がります。

12/4

白子・タチ・菊子・雲子

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白子を購入したら、身を潰さないように筋部分を切って一口サイズの小分けにし、粗塩と酒適宜をふる。熱湯でさっと茹で(ここが肝心です、小樽のお寿司屋さんの大将のお話では数秒)氷水に落とし、キッチンペーパーで水気をとります。さすがの北海道、鱈から出したばかりのたち(北海道では白子をタチと呼びます)なのですから鮮度が違います。さっと茹でた白子は奥の方がうっすらピンクで色っぽいくらいでした(写真は、すし飯にのせて下さったもの)ポン酢と紅葉おろし少々がのせてありました。白子はフリットや天婦羅にすると表面だけカリッとして、中からトロリと流れだすクリーミーさも絶品ですね。苺が美味しくなったら、粉をはたいた白子をカリッとバターソテーし、バルサミコで炒め合わせた一皿も絶妙です。茶筅で作る熱燗白子酒もまた楽し。白子にはビタミンB群、D、Eタンパク質などが豊富で肌をきれいにします、視力低下防止や疲れ目回復にも良いようです。

12/3

白菜(はくさい)・白菜と鶏の煮込み・肌荒れ

ビタミンCや繊維が多く、風邪予防、肌荒れ、便秘、二日酔いなどにも良いとされる白菜。葉がみずみずしく、黒い斑点が少ないものを選びましょう。体が潤う簡単レシピをご紹介します。コラーゲンたっぷりの鶏肉と白菜だけの煮込みですが、鶏の旨みと脂をとろりと煮えた白菜がまとい、白菜の甘みが鶏にからんだ最高のシンプル鍋です。厚手のお鍋に材料2つを放り込むだけなのに、慈悲深い味わい。骨つき鶏肉全体に塩麹か塩を馴染ませる(20分から一晩おく)。厚手の鍋にざく切りにした白菜芯部分をいれ、塩を馴染ませた鶏肉を上におき、全体にオリーブオイルか胡麻油大さじ3〜4をかけ、あればナツメグや胡椒ホールを10粒ほど入れる。フタをして弱火で30〜40分ほど時々様子をみながらゆっくり煮込むと、素材から凝縮した旨味の水分がでる。残ったら麺やおじやにを加え〆てもよいし、シチューやカレーに変身させても美味。

11/25

蓮根・れんこん・れんこん葛湯

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れんこんは胃腸を保護し、貧血予防や止血効果も期待できるパワーのある野菜。含まれるタンニンは咳止めにとても効果があります。小鍋に水150Ccと葛小さじ1半を混ぜる。皮ごとすったれんこん大さじ1半を茶こしでこし入れ、火にかけて透明感が出るまで木べらでかき混ぜる。このれんこん葛湯は昔からの日本の民間療法、さらにはちみつを入れると飲みやすくなり、抗菌作用で効き目が上がります。
蓮根はビタミンCや食物繊維が多く、葉や花弁も薬用にされます。青葉を器にしいた清々するような和食のお料理を見かけますし、アジアの海外では乾燥させた葉で食材を包むんで蒸し料理に使用して、香りよく仕上げるなど葉も多目的です。

11/24

鴨肉(かもにく)・昆布酢・鴨そば汁

鴨肉は体液を潤し乾燥を防ぎ腎機能を高めると言われています、疲れやすい人や虚弱体質の人にお勧めです。今日は柔らかくさっぱりした一品をご紹介します。かも塊肉に軽く塩と粗挽き胡椒をもみこむ。皮目からフライパンに入れてじっくり脂を引き出すようにこんがり焼き目をつけ(7割りしっかり焼くイメージ)返して両面焼きます。小鍋に濃いめの出汁、醤油、みりん、昆布酢を入れ煮立てめんつゆ程度の味付けにする。焼いた鴨肉を丸まま入れ2、3分煮たら火を止める。そのまま置いて余熱で火を通し、肉がロゼ色になったところで6、7㎜にそぎ切りにする。付け合せは芹や茹でた黒もやしがぴったり、たっぷりかもに添えて煮汁をかける。好みで溶き辛子を添えてどうぞ。かもの美味しい脂が馴染んだ漬け汁は、蕎麦やうどんにも最適です。

11/19

アボカド

少し冷たいアボカドを食べやすくカットし、ライムをたっぷりしぼって美味しい粗塩をつけていただく。単純ですが1番好きな食べ方です、アボカド畑の農家のお父さん(ニュージーランド人)に教わりました。その他に半分に割って種を取り、卵を落として焦げ目がつくまでトーストすると、実はトロリとし、卵は半熟で絶妙です。醤油とわさびを少々、一緒に焼いたパンでですくっていただきます。アボガトに少々のレモン果汁をかけて色止めし、白味噌と混ぜてペーストディップにしたり、ごま油、少々のニンニク、塩、胡椒でアボガトナムルにしてもオツです。
アボカドを購入する時は皮が黒くてハリがあるものを。森のバターと形容されるアボカドは抗酸化作用のビタミンEが豊富、悪玉コレストロールを減少させる、女性が好きなアボカドは女性の強い味方なのです。

11/10

豚肉・茹で豚

バラ肉で柔らかい茹で豚を作り、キムチや白菜漬で巻いて食べると美味しいですね。作り方も簡単です。厚手の鍋に酒50cc、山椒の実の塩漬け、皮付き生姜スライス、あればタマネギやネギのはしきれをいれます、山椒の実塩漬けは胡椒のホールでもよいでしょう。かたまり肉に塩麹か粗塩をもみ込んだもの300gと、かぶるくらいの水を入れ、厚手のキッチンペーパーをかぶせて沸騰したらコトコトと30〜40分ほど火にかけてそのまま冷ますだけです。6,7mm薄の薄切りにして、叩いた梅肉に蜂蜜を少し加えまぜたものや(マヨネーズを入れるとお子さんも好きな味)、韓国味噌、酢橘と粗塩、辛子と醤油、ごま油と粗塩などお好みで。豚肉に含まれるビタミンB群は、中々取れない疲れをサポートしてくれますし、皮膚の粘膜もケアします。めっきり寒くなった今日この頃、発酵食と合わせて免疫力も上げましょう。