井澤由美子の食薬ごはん Yumiko Izawa

食薬ごよみ

四季のサイクルに合わせて食すことが、身体を健やかに導く手助けをしてくれます。
季節の食材とその由来や歴史、食にまつわるお話をご紹介します。

10/21

目光・メヒカリ・旬魚

すだち・酢橘・柑橘類・秋の味覚・果物

秋に美味しいメヒカリ。

水深200〜300mにいる深海魚で底引き網漁です。本名はアオメエソ。あだ名の由来は、緑色の目がキラリと光るから目光。

初めて食べたのは港近くの定食屋さん、近所の市場でも沢山売られていました。フライで頂きましたが、身が柔らかで骨まで食べられる白身が美味。傷みやすいという事で、当時は東京ではあまり見かけませんでしたが、今では都内のスーパーでも見かけるようになりました。サイズも小ぶりで10cm前後、下処理もあまり無いので調理もしやすい。先日も、市場でふくよかなメヒカリを見つけたからと、わざわざ一夜干しにして届けてくれた友人がいました。炙りも美味しいですが、良い塩梅の干し加減なので天麩羅も楽しみました。庭から酢橘をもいできてさっと絞り、粗塩で熱々をいただく。白身の香りが立ち、柔らかな身がホロリとほどけます。骨ごと頂けるのでカルシウムもたっぷり。ちなみにカルシウムはビタミンCと一緒に摂取すると効率よく体に吸収できます。

10/18

べったら漬け・べったら市・大根漬け・漬物

肌寒さが増すこの時期になると、賑やかな「べったら市」が頭を過ぎります。毎年日本橋で開催され、賑わいを見せていました。このべったら市は、江戸中期に宝田恵比寿神社の門前で野菜などを売る市があり、中でもべったらの売れ行きが良かったのでべったら市と名ずけられたそう。べったらは塩漬けした大根を麹と砂糖で漬ける東京の伝統的な漬物で、そのベタベタした風防からこの名がついたようです。

ツウは贔屓の店があり、毎年同じ店で購入するとか。太めに切ってパリパリとした食感を楽しむのが江戸っ子流の食べ方だと伺いました。風流な魅せ方の市が好きで、私も何度か寄らせて頂きました。小耳に挟んだ美味しいべったら漬けをさ迷いながら買い求め、後はお店の方の笑顔だったり、直感だったりで数種類購入して食べ比べを楽しむ。

もう少し寒くなって沢庵用の皮付き大根が出回り始めたら、自家製甘酒を作って本味醂、切り昆布、赤唐辛子で好みのべったら漬けを仕込みます。お茶うけにも最適なべったら漬けは、野菜嫌いなお子さんにも食べやすく、麹パワーで元気も出ます。

10/15

じゃが芋・ジャガイモ・ポテト・肉じゃが

じゃが芋・ポテト・肉じゃが・食養生・煮物・秋の味覚

肌寒さを感じるようになると、ほっこりした甘辛い肉じゃがが脳裏をよぎります。じゃが芋4個は4、5等分に切って水に5分放してザルに上げる。玉ねぎ1個は1㎝幅のくし切り、生姜半かけは細切り、鍋を中火にかけごま油大さじ1で生姜と牛細肉250gを炒めて取り出す。同じ鍋で切った野菜をよく炒め、水1カップ、きび砂糖大さじ2、醤油大さじ1を入れて厚手のキッチンペーパーをかぶせフタをして10分煮る。煮汁が半量になったら醤油大さじ2、肉を戻し入れまぜ、時々鍋を揺すりながら10分煮て出来上がり。
じゃが芋のビタミンCはデンプンに守られているので、熱に強く調理に向いています。カリウムの王様とも飛ばれていますよ、塩分を排出するので気になる方におすすめです。薬膳では、胃腸の調子が悪い時や気力を養いたい時にもよいとされる、頼もしい野菜です。

10/14

胡桃・くるみ・ナッツ・滋養

脳を活性化させるくるみは、ボケ防止に良いと薬膳では昔から言われています。ナッツの中でも必須脂肪酸のオメガ3を多く含み、手軽に摂取できるのも嬉しいですね。私はいつも小さめのフィグ(イチジク)や手製のナツメなどのドライフルーツと小袋に入れて持ち歩き、小腹が空いた時に口にしています。
鯛茶漬けのタレにもくるみが必需品です。砕いたくるみ、カシューナッツ、ゴマを、順に加えて焦げないように小鍋で乾煎りしてすり鉢でよくすります。濃いめの麺つゆで好みの味に伸ばし、新鮮なお刺身をくぐらせる。後は、熱々ご飯にのせ、おろしわさびや海苔を好みで添えれば贅沢なお茶漬けの出来上がりです。
くるみは血流の改善を促したり、コレストロール値を下げるなどの他、良質な脂分が腸を潤し便秘改善にもお勧めのナッツ。1日に口にするだいたいの分量は、7、8粒くらいが目安のようです

10/12

卵・玉子料理・たまご・滋養

卵・卵料理・卵豆腐・茶碗蒸し・滋養

豊富な栄養バランスを含む卵。食物繊維とビタミンCを添えれば、ほぼ完全な栄養食です。昔から滋養があるとされ、薬膳では血液を補い、体を潤す効果があるといわれています。体調不良や滋養をつけたい時、季節の変わり目には特に摂取したい食材です。
本日あさイチさんでご紹介した卵料理は、簡単に作れてホッとする味わいの2品です。一つは熱々の卵豆腐をフライパンで簡単に作り、季節のきのこを加えたべっ甲あんをかけたもの。味がしっかりしているので、ご飯のおかずにもお勧めです。加えたきのこはザルに広げて30分ほど干したお日様きのこ、ビタミンDがアップするので、骨を強くします。この食べ合わせは免疫力を高める手伝いをします。
もう一つはお手軽フレンチトーストで、浸さないタイプ。時間をかけずに、どんなかたいパンでもふんわりする手法。朝ごはんや休日ブランチにもお勧めの和風と洋風です。
卵には、幸せホルモンを作るトリプトファンも含まれています。バナナやミルク、豆乳などにも含まれるので、合わせると効果が増しますね。肌寒くなってきます、滋養をつけて体を冷やさぬようにすることが冬の養生に繋がります。

10/11

お日様きのこ・干しきのこ・キノコ

井澤由美子・食養生・毎日食薬養生帖・お日様きのこ・干しきのこ・きのこ・キノコ・干し野菜

きのこが美味しい季節ですね。きのこは、きのこ自身が子実体の菌、食物繊維や栄養が豊富です。ヘルシーて旨味がある上、それそれの薬効が高いので日々の食卓に使わない手はありません。
しいたけ、えのき、えりんぎ、まいたけ、しめじなど様々なきのこがありますが、日光に30分でも当てると倍増したビタミンDが効率よく体に吸収されやすくなります。カルシウムは骨を元気にし、免疫機能も高まる効果が期待できます。
スーパーなどで売っているきのこは水で洗わず、汚れが気になる時は優しく拭き取ります。石付きを切り落とし、後はなるべく手でさいてザルなどに広げて天日干しします。好みの硬さに干して、コリコリとした食感を楽しんで下さい。残ったら冷凍します、旨味が増えると言われています。

10/7

スーパーフード・ゴールデンベリー・食用ほうずき

井澤由美子・美人モデル・シニアモデル・美容・食用ほうずき・ほうずき・ゴールデンベリー・インカベリー

少しココナッツやパイナップルの風味もする甘酸っぱい食用ほうずき。干したものは美容やアンチエイジングによいと、海外では人気だそうです。ゴールデンベリー・インカベリーとも呼ばれ、日本でもスパーフードとして認知度が上がっています。ビタミン類が豊富ですし、血液サラサラ効果もあるそうです。
ナチュラルな甘みで軽く酸味があるので疲れた時など、大人のおやつにお勧めです。
北海道の農園にお邪魔した時に、紙風船のようなそれは愛らしい色合いの道産ほうずきに出会いました。薄い外皮に包まれた生ほうずき、秋が深まるにつれて甘くなります。

10/5

秋の食養生・梨・柿・イチジク・コンポート

井澤由美子・美容薬膳・食養生・漢方・薬膳・コンポート・無花果・柿・梨・喉を潤す・薬膳

自然のサイクルは偉大です。人間の体調に合わせるべく、四季の食物が先手を打つように流動していく。秋のこの季節は体の内も外も乾燥のケアが大切になってきます。肺や呼吸器を潤すと水分がより良く体に巡るので、肌もキレイになります。今が旬の梨、イチジク、柿などの呼吸器系の状態を整える果物や、氷砂糖を使ったコンポートはお勧めのデザートです。柿は体を冷やしますし、肌寒くなってきたので体を温めて気のめぐりも良くするシナモンや八角などのスパイスと合わせます。作り方ですが、果物は皮をむき、食べやすい大きさに切ります。鍋に500ccの水、白ワイン50cc、氷砂糖150〜200g、八角、シナモン、カルダモンなど好みのスパイスを適宜加え中火煮る。氷砂糖が溶けたら、梨を加えて10分ほど弱火で煮て、柿とイチジクを加えてさらに10分ほど煮て冷やします。好みで蜂蜜やほんの少しの柑橘をしぼっても美味。日々の食を何となく口にするより、食材の持つさまざまな効能を実感しながら、心と体が潤うメニューを心がけると免疫力もアップし、お料理も楽しくなりますね。

10/4

レンコン・蓮根・ハス

薬膳・漢方・レンコン・蓮根・れんこん・喉の不調・薬膳

蓮根は調理の仕方によって、いくらでも表情を変えることが出来る魅力的な野菜。蓮根に含まれるポリフェノールには抗酸化作用や殺菌作用があると言われていますが、この成分はわずかながら皮の方に多いのです。なので、剥いてしまうのはもったいない。私はたわしでこすって調理します、香ばしさも感じて美味しいなぁと思うのですが、皮の硬さが気になる方は包丁の背でこそげたり、薄く剥いて下さい。すって加熱すると自然なとろみがつき、葛湯に入れると喉の痛みや咳をしずめます。スッと糸引く縦切りもお勧め、切り方や厚さによって食感が変わります。散らし寿司やお稲荷さんには薄切りでさっと茹でて甘酢漬けにし、胡麻と合わせると美味。蓮根はビタミンCも豊富、レバーなど鉄分が多い食材と合わせた煮物や炒めものなどにすると相乗効果で貧血予防にも良い一皿になります。
コロンと丸い小さめの先方部分はシャキシャキした食感、掘り立ては生でも食べれ、梨のような風味です。長方形の部分はデンプンが多いのでとろみが多いようです、料理によって使い分けてみて下さい。

10/3

本味醂・みりん・伝統調味料・発酵調味料

本味醂・疲労回復・みりん・味醂・搾りたて・発酵調味料・伝統調味料・疲労回復

今日は疲れたなぁと思った時は、みりんをいただく事があります。甘酒も良いですが、甘露なみりんがスッと心地よく喉を通るので、寝酒に少し。
甘酒は、飲む点滴とも言われるほど滋養が高いですが、みりんも負けていません。もち米を9割、うるち米を1割の割合で作った、熟成した味醂はそのまま飲んでもとても美味しく、元気になります。砂糖より入手しやすかった昔は、女性にも親しみやすいお酒で、お正月にいただくお屠蘇(おとそ)でもありました。「密醂」「美醂」とも書かれるみりんは、時代の流れでお料理に使われる調味料となりました。上質なみりんはさっと煮詰めるだけで、品のよいシロップにもなります。手間暇かけて丁寧に作られる日本の伝統調味料は技の巧み、身体にも優しいので使わないのはもったいないですね。
和食にはみりんが欠かせませんが、卵焼きはふんわり仕上がり、煮魚に使うのは煮崩れを防ぐためでもあります。深いコクや旨煮をからめたつやつやの照りは、なんとも食をそそります。