井澤由美子の食薬ごはん Yumiko Izawa

食薬ごよみ

四季のサイクルに合わせて食すことが、身体を健やかに導く手助けをしてくれます。
季節の食材とその由来や歴史、食にまつわるお話をご紹介します。

10/30

赤みそ・味噌・あかみそ・糖尿病

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みその中でも特に赤みそに多い「メラノイジン」は、糖分の吸収スピードを抑えるので、食後に血糖値が急激に上がりません。おみそ汁はもとより、酢みそ噌などにすると更に効果が上がりますね「酢も血糖値の上昇をゆるやかにする為)。糖尿病の方にもお勧めです。気になるみその塩分ですが、みそに含まれる大豆ペプチドには血圧を下げて緩和する効果があり、そちらの方がメリットがあり大きいそう。じゃが芋、さと芋、ほうれん草、春菊、大豆、納豆、ひじき、エリンギ、アボガドなどはカリウムを多く含み、体内の塩分を排出します。気になる方は、みそと合わせてとるとよいですね。
赤みそは約2年以上と熟成期間が長く、独特の香りと深い旨みが体にじんわり染み入ります。今の季節はゼラチン質が多いツルツルのナメコと合わせるのが私は最高だと思います。
赤みそ作りで有名な、愛知県の碧南で蔵巡りを楽しみました。写真は昔ながらの美味しい赤みそを作る(南蔵)さん。いい乳酸菌の香りで充満していました。

10/27

玄米(げんまい)・ギャバ・食物繊維

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玄米はしっかり洗うことから始めます。美味しく炊けないという方は、まず研ぎ方が足りない。両手でしっかりこすり合わせて洗うのが基本です、独特の匂いが和らぎ、もっちりと炊けます。そして次に大事なのが浸水時間で、水に8〜12時間くらい水にひたすのが理想。味や食感の為でもありますが、水に長く浸すことで精神を安定させるアミノ酸の一種のギャバが増えます。あとは表示通りの水加減に粗塩少々を加えて炊く。私は昆布も一切れ加えます。さらにモチモチ感が欲しければ、もちきびなどの雑穀類を加えても。玄米の美味しさを生かすには、素朴なおかずを合わせるのが一番です。梅干しやたくあん、納豆、おみそ汁、野菜の煮物など。添加物の入っていない食品を選んだり、作ったりすること。食材そのもの、本来の味を感じられます。食べ慣れると、自然に舌や体がよいものを選び、それを喜ぶ脳や体になってきます。写真は時間が無い時の私のお弁当です(笑)!

10/26

羊・ラム・マトン・冷え性・ダイエット

寒い地方では羊肉をよく食べますね(特に北海道など)。きっと体を温める作用があるからでしょう、疲れやすい人にもお勧めの食材です。羊肉にL-カルニチンはミノ酸の一種で、身体の脂肪を燃焼させる効果があり、ダイエットに最適です。また、ビタミンやミネラルも含み、肌を潤し老化防止に役立ちます。亜鉛や鉄分も豊富なので、貧血予防や免疫力を高める効果が期待できますよ。
ビタミンCやカロチンたっぷりの野菜と一緒にいただくのがお薦めです。
家庭でも簡単に作れるジンギスカンをご紹介します。フライパンにニラ、もやし、せり、ピーマン、キャベツなど食べやすく切った野菜をしき、タレに漬け込んだ薄切りのラム肉をのせてふたをして中火で蒸し焼きにします。野菜でお肉が蒸されて柔らかく、とてもヘルシーにいただけます。ラムは生後1年未満の子羊です。高タンパクで低カロリー、臭みも少なく柔らかいので、お子さんやご年配の方にもお勧めです。

10/13

銀杏(ぎんなん)

近所にある小石川植物園の丘の上に大きな銀杏の木があ流。この季節になると、母に言われて銀杏拾いに行かされた想い出があります。
銀杏の葉から注出したエキスには、脳の血流を高める効能があるので、ドイツでは頭痛薬やアルツハイマー病予防などの医薬品に利用されています。中医学では銀杏は、老化防止の生薬とされ、疲労回復、高血圧などに有効です(1日に10粒程度まで)。
大人になった今では、ツヤツヤとした大ぶりの銀杏の食感、微かな苦みを美味しく感じます。
銀杏を布で包み、ペンチや綿棒などで殻を割り(亀裂を入れるだけでOK)、香ばしく乾煎りします。殻をむき、粗塩にほんの少し昆布茶を忍ばせた塩をふる、銀杏ごはんもいいですね。
真っ黄色に色つく続く長いのびる銀杏並木は美しく風情があって素敵。フォトジェニックです。

10/10

ニュージーランド・アボカド・美肌・ツヤ髪

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老化をふせぎ、若返りのビタミンと呼ばれるビタミンEが豊富なアボカド。高い抗酸化作用もあり、女性には特に嬉しいスーパーフードです。アボガトは脂質も栄養価もとても高い果物に分類されます。アボカドの資質の大半は、リノール酸やオレイン酸などの不飽和脂肪酸で、動脈硬化を予防し悪玉コレストロールを減少させます。繊維も多く、1個でさまざまな栄養が摂取できますよ(ただしエネルギーが高いので、食べ過ぎには注意)。中医学では胃腸の働きを良くし、年齢と共に体力の衰えを感じる方にもよいとされています。
温かいアボガト料理も結構いけますよ、半分に割って種をとり、トースターで焼いて醤油とわさびを添えてどうぞ。その他、ねっとりとした舌触りで濃厚な味わいのアボカドにはイムをたっぷり絞り、粗塩で食すのが一番だとアボガト農家さんに伺ったことがあります。
中でもニュージーランド産のアボガトは、あっさりしているようで上質なクリーミーさを合わせ持ちます。アボカド好きも納得するハイクオリティー!何よりビタミンEが豊富なアボカト。高い抗酸化作用があり

10/7

美肌酒(びはだしゅ)・薬膳酒(やくぜんしゅ)

薬膳酒は簡単に作れますよ。梅酒を仕込む手間と同じです。適量のお酒は血行をよくし、リラックス効果がります。
薬膳種なら、生薬の効能が貧血や疲れを暖和し、滋養強壮に役立ちます。体の余分なものを排出する効果も期待できます。少し元気を出したい時は高麗人参を加えてもいいですね。密封できる瓶(消毒済み)などに、くこの実、なつめ、陳皮(ちんぴ・無農薬みかんの皮を乾燥させたもの)、乾煎りしたはと麦(薏苡仁・よくいにん)、ホワイトリカー、米焼酎などを注ぎ、2週間ほどおいて馴染ませる(たまにビンごと揺らす)。いただく時は好みで蜂蜜を加え、温かいお湯割りでいただくと寝酒にピッタリです。お酒を適量いただくと、胃があたたまり、体の緊張をゆるめてよい眠りに導いてくれます。

10/6

青魚・鰯(いわし)・オイルサーディン

寒くなると心不全や心筋梗塞などの、心血管系の病気を発症しやすいので、気になりますね。
予防効果が高い青魚は薬膳では、息切れなどにも良いとされています。丸みを帯びてピカピカのイワシが手に入ったら、おすすめなのがオイル漬け。頭と内臓を取り除き、洗ってお腹の中をきれいにして水気をふく(ここまでは魚屋さんにお任せしても)。塩を全体にふり、30分おいたらざっと洗って水気をふく。直火にかけられるほうろうの容器など(または小鍋)に入れ、いわしが浸かるくらいのオリーブオイルとサラダ油半々くらいを注ぎ、ローリエ1枚、つぶしたにんにく1かけ、鷹の爪1本を加え、弱火で20〜30分煮てそのまま冷ます

10/3

舞茸(まいたけ)・きのこ

まいたけは、きのこの中でも抗がん作用が群をぬいて高いと言われており、免疫力を上げるビタミンDやβ-グルカンが豊富です。
また、血圧や血糖値を正常にする効能もあるので、生活習慣病予防にもおすすめです。まいたけはこれから益々美味しくなり、出番も増えてきますね。肉厚のものを天婦羅にすると香り高く最高です。
購入する時は、かさがピンと張り、軸がかたくしまっているものを選んで下さい。金気を嫌うので、下ごしらえする時は、包丁で切らず、手でほぐしましょう。汁物や煮物に入れると、黒っぽくなるので、注意しましょう。ちなみに、舞茸にはお肉が柔らかくする効果があるので、肉と一緒に調理するのもお勧めです

10/2

秋の柑橘マヨネーズ・マヨネーズ・ポテトサラダ

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ボウルに卵黄1個、粒マスタード小さじ1、酢小さじ1〜2、きび砂糖とこしょう各少々、粗塩小さじ半を合わせて、泡立て器でよく混ぜる。オリーブオイル(菜種油、ピーナッツオイルなどでも)60ccを少しずつ垂らしながら混ぜ続けるとマヨネーズができます。粒マスタードは練りからしやホースラディッシュ(西洋わさび)でもOK。
今日は酢の代わりに、庭で実る酢橘とまだ青いみかん果汁をミックスして絞って入れてみました。爽やかな酸味と香り、ナチュラルな甘みで、マヨネーズが素晴らしく美味しくなります。皮もほんの少し削って加えるのもいい。柑橘の香りには気の巡りを良くする効能や美肌効果が見込めます。
この自家製マヨネーズは、蒸したり茹でたりしたじゃがいもやさつまいもにからめると最高ですよ。充分美味しいですが、コクをもう少し足したい時は、クリームチーズを加えても。

9/27

お酢・チリソース・冷え・疲労回復

朝夕涼しくなりましたね。今日はフライパンで混ぜるだけ、ヘルシーで体温め効果のありチリソーソースのご紹介です。
フライパンにみじん切りにした長ねぎ半本分、おろし生姜、きび砂糖、顆粒スープ各大さじ1、水1カップ、片栗粉大さじ1半、酢、酒、ケチャップ各大さじ2、豆板醤小さじ1弱を入れ、中火で混ぜながら加熱する。2〜3分してとろみがついたら下処理したエビや豆腐を入れ、具材が温まったら出来上がり(鶏や豚の揚げ物などを加えてからめても)。好みで香菜など添えて、酢をさらにかけてどうぞ。酢は殺菌効果が高く、血をきれいにして血行不良や肌荒れの改善に有効です。肉のタンパク質、ビタミンB1と一緒に食すと疲労回復効果が上がりますよ。さらにパプリカなどビタミンCが多い野菜と合わせると、お肉のコラーゲンを体に摂取しやすくなります。