井澤由美子の食薬ごはん Yumiko Izawa

食薬ごよみ

四季のサイクルに合わせて食すことが、身体を健やかに導く手助けをしてくれます。
季節の食材とその由来や歴史、食にまつわるお話をご紹介します。

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チョコレート

今日はバレンタインが近いのでチョコレートのお話しを少し。チョコレートは抗酸化作用やポリフェノール、ミネラルがたっぷり。チョコレートやココアを食べると、尖った神経が安らいでいく感覚を経験したことはありませんか?神経を鎮静させる効能があり、集中力も高めます。かつて18世紀頃のフランスではルイ16世やマリーアントワネットの不調時に(カカオが医薬品として珍重されていた)胃薬としてチョコレートを処方していたとか。今年は家族にガトー・オ・ショコラを作ろうと思います。それぞれの家庭に伝わるレシピで作られる素朴であたたかいフランスのチョコレートケーキです。

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浅利(あさり)・あさりのお吸い物・肝機能

食薬養生超・食養生・井澤由美子・薬膳・漢方・浅利・あさり・アサリ・お味噌汁

身がぷっくりした旬のアサリは旨みと栄養価がたっぷり。殻にはカリウムなどのミネラルが豊富なので、ぜひ殻付きを調理するようにし下さい。砂抜き(海の中の状態と似せるために海水程度の塩水をボールではなく、バットなどにあさりを入れて広げ新聞紙などをかぶせて暗くする)した後は、ポリ袋に入れ酒少々を加えて上から揉むと汚れも取れ、身離れが良くなります。鍋に昆布とアサリを入れゆっくり煮出し、アクと昆布を取りのぞいたら、酒、薄口醤油、粗塩で味を整える。

アサリのタウリンは肝機能を高めることが知られていますが、春は肝機能をケアすることが大切なので理にかなっていますね、お味噌汁にすれば味噌の沢山の機能性成分、メラノイジンと合わさり疲労回復効果や健康効果が倍増します。しみじみ美味しいあさりの椀物、たっぷり堪能してください・

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立春の朝搾り・日本酒・恵方巻き

井澤由美子・養生ごはん・美人・二十四節気・恵方巻き・節分・立春・海苔巻き・太巻き・食養生

旧暦のお正月にあたる立春は春の始まりとされる日。雪やみぞれが降ったりと一年でもっとも寒い頃ですが、早咲きの梅は既に満開です。寒さ厳しい中にも日射しものびて、春の訪れを感じるこの頃。立春搾りを知ったのは最近なのですが、節分の夜からもろみを一晩中搾り続ける生原酒のことで、言葉の響きも美しくて素敵。搾り上がりが2月4日と決まっているので、微妙な調整、完璧な管理が必要だそう。また、搾り上がったらすぐに瓶詰め出荷しなければならならず、蔵人さん始め、酒屋さんは夜中から徹夜での作業をされるようです。日本酒は従来お供え物として始まったもの、江戸川橋酢飯屋さんの素晴らしすぎる恵方巻きと共にお供えし、邪気を払い無病息災を祈ります。
今年は東北東ですよ

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ラム・羊

北海道など寒い地方で羊肉をよく食べますね。体を温める作用があり、疲れやすい方にもお勧めです。よく言われるLカルニチンはアミノ酸の一種で、身体の脂肪を燃焼させる効果が期待でき、ダイエットに最適です。含まれるビタミン、ミネラル、亜鉛、鉄分は肌を潤し身体を元気にし、アンチエイジングにも有効。ビタミンCやカロテンを含む野菜といただくと吸収率が高まります。簡単レシピです・フライパンにキャベツ、もやし、ピーマン、ニラ、せり、にんじんなど食べやすく切った野菜を置き、タレをもみ込んだラムをおいてオリーブオイル少々をふってフタをし、中火で蒸し焼きにします。野菜でお肉が蒸されて柔らかく、肉の旨みが野菜にからまるのでヘルシーに美味しくいただけますよ。高タンパクで低カロリー、臭みもなく柔らかいのでお子さんやご年配の方にもお勧めです。薬膳的には補腎助温です

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花びら餅・和菓子・手土産

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新年最初にいただく花びら餅。甘く煮たふくさごぼうと白味噌を合わせた和菓子です。新年に御所へお納めしている「菱葩」(ひしはなびら)を原形とし、もとは宮中のおせち料理で、平安時代に長寿を願う歯固めの風習から伝承されているそうです。茶道の初釜でも用いられる気品ある洗練された和菓子です。清く潔いフカフカの真っ白な表面と、うっすら透ける中身の紅がよい年の幕開けを暗示するよう。贔屓にするお店に訪問する時、幼少の頃から親しんでいる近所の和菓子屋さん(一幸庵)の花びら餅をいそいそと買い込み、ご挨拶兼ねて毎年の手土産にしています。

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休日のフレンチトースト・パン

パンが入る大きさの容器に卵液と好みの厚さに切ったパン2枚を浸す(卵液=卵2個、ミルク1〜1カップ半、きび砂糖大さじ1〜2を混ぜる)一晩冷蔵庫に入れ卵液を吸わせる。(600Wのレンジに50秒〜1分かけ、返して50秒かけても)フライパンに大さじ1半のバターを溶かし、中弱火で両面がこんがりするまでゆっくり焼く(オーブンで焼いても)。器にのせ、好みでメイプルシロップやはちみつ、シナモンシュガーなどお好みで。スペインではオリーブオイルで揚げるなど、国によって調理法は違いますが、朝食やおやつに最適です。パンは食パンでもフランスパンでも何でも良いのですが、かたくなってしまったパンにも◎な調理法。ミルクや卵に含まれるセロトニンは神経をリラックスさせる効果があります、フルーツを一緒に添えて楽しんで下さい

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小豆粥・粥・小正月

小正月の朝に小豆粥をいただくのは、無病息災の意味が込められています。古来から小豆の赤色は邪気を払うとされており、疫病を払うという神秘な力が信じられていました、これは中国の風習に習ったものです。日本ではお祝い事があると、お赤飯を炊きますがこれも同じような風習から生まれ、米やもち米にあるパワーと合わせて体が元気になる組み合わせなので、事あるごとに食されています。特に日本は湿気が多いので、小豆の強い利尿作用と解毒作用は大切です。水の代謝を促すのでカラダの余分な水分を排出し、むくみや怠さの症状を軽減する効能が期待できますよ。その他ポリフェノール、サポニン、ビタミンなどが含まれており、中医学ではその高い効能から赤小豆と呼ばれる生薬でもあります。そして朝食に温かく胃腸に優しくほんのり甘いお粥は、1日のスタートにも最適な食事と言えます。

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吉田うどん・うどん

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空気が乾燥していますね、気温も低下するので、インフルエンザなどが横行します、手洗いをこまめにして気をつけましょう。
寒い時期はうどんが特に美味しく感じられます。山梨県富士吉田市郷土食の吉田うどんを毎年お正月が明けると食べに行きます。富士山の清らかな冷水で〆られた太めのうどんは、コシが強くもちもちとして1度食べると忘れられない食感です。茹でたキャベツや馬肉を使用、それから自家製唐辛子の辛味が必ずおいてあるのも特徴的です。出汁はお店ごとにこだわっており、しっかりとしていて麺とよく絡みます。鍋焼きうどん、冷やし、肉天うどんなど、どれもおすすめですが、冷たい麺を温かい肉汁につけて食べるタイプもオツ。昔ながらの何気ないお店の風景も含めじんわり暖かい、美しい白雪が積もった富士もまた壮観です。

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黒豆・黒豆納豆・納豆・発酵食・醸壺

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大の黒豆好きです。今年はプロデュースする島根県の発酵レストランそばにある、空気と水がそれはキレイな畑で収穫された丹波黒豆を沢山ゲットしました。新豆は乾燥していても柔らかく、水で戻すと極大粒、お正月用に煮た豆はツヤツヤとして豆の旨みが強い、煮汁ごとスプーンですくっていただくのが好きなので、きび砂糖と少しの醤油と粗塩で味付けをし、スッキリとした仕立てにします。
それから、煮豆を作る時に一晩水につけたものを少し取り置き、これを指で難なく潰れ区るくらいまで布などに包んで蒸します。後は、市販の納豆と混ぜてメーカーにかけるだけです。日常的に発酵実験が多いので、温度管理が出来るメーカ(kamoshico)を愛用しています。麹系調味料も甘酒もヨーグルトもオリジナル発酵食も作れるのでとても重宝しますよ。
黒豆は良質のタンパク源、腎機能も上げるので老化防止に有効です。

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煮物・酒粕煮・発酵食

芳醇な香りの酒粕をたくさんいただきました。関西から届いた上品な海老芋と、年末の塩鮭の頭もあるので、今日は絵に描いたような酒粕煮を作ります。鮭の頭はざく切りにして霜降り(熱湯でサッと下茹で)し、血合いなど臭みの素となるような部分は丁寧に水で洗って落とします。太めのイチョウ切りした大根やにんじんをごま油でざっと炒め、出汁をはって下処理した海老芋と鮭、好みで生姜スライス、赤唐辛子を加え20分ほどゆっくり煮込みます。煮汁で酒粕と白味噌を適宜溶いて加え、さらにコトコトと3、40分ほど煮込む。器に盛って、仕上げに柚子の皮をふって出来上がり。酒粕にはお酒を作るときに働いた菌や、その生産物が多く含まれていて、酵母菌は各種のビタミンがたっぷり、体も温まりアンチエイジングにも最適です。