井澤由美子の食薬ごはん Yumiko Izawa

食薬ごよみ

四季のサイクルに合わせて食すことが、身体を健やかに導く手助けをしてくれます。
季節の食材とその由来や歴史、食にまつわるお話をご紹介します。

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空豆・蚕豆・そら豆・天豆・一寸豆・お多福豆・がん豆・豆板醤

まいにち食薬養生帖・健康・薬膳・豆板醤・薬味・蚕豆・空豆・天豆・がん豆・一寸豆・お多福豆・豆

日本ではいろいろな呼び名が可愛らしいそら豆は、世界で最も古い農作物の一つだそうです。中国の調味料の豆板醤が作られた当初は、唐辛子は入っていませんでした。現在では、空豆に唐辛子と麹を加えて熟成させ作る辛いものが主流です。ちょっとヒラメいて旬のそら豆を使ったて、味料を作ってみました。ソラ豆を蒸し、すり鉢に入れて塩麹とほんの少しのごま油を加えて滑らかなペーストにします。えびやほたてのムースと合わせて型に流して固めれば、色鮮やかな一品になります。
そら豆は、たんぱく質、ビタミンB1、B2が豊富で、疲労回復にや胃腸機能を高める効果が期待できます。また、利尿作用があり、余分な水分を排出してくれるのも嬉しいですね。
そら豆は鮮度が落ちやすいので、さや付きを購入して調理する直前にさやから出しましょう。新鮮なものは皮も柔らか、栄養や食物繊維があります。
さやごと調理してもいいですよ。数カ所穴をあけて、さやごと酒蒸しにしたり、グリルや炭でさやが黒くなるまで焼くとふっくらと蒸し焼き状態になります。穴を開ける場所は、豆のないくびれた部分を狙って刺して下さい。大人になってから良さがわかったそら豆、見かけるとついつい手が伸びます。

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フジテレビ「四季彩キッチン」葉生姜

食養生・体温め・井澤由美子・中医学・料理教室・生姜・葉生姜・新生姜・旬野菜

「葉しょうが」は柔らかく筋がないのにシャキシャキとした食感が魅力的です。旬は5月から8月頃まで、みずみずしく清涼感のある爽やかな香りが際立って、辛味が何とも心地良い野菜です。葉生姜や生姜の辛味成分には食欲増進効果があり、胃もたれした時などにもおすすめ。薬膳では吐き気止めにも効果があるとされ「生姜は百邪を防衛する」と、漢方の古書にも書いてあるほど、薬効が高い生薬です。生は殺菌力が高く、加熱すると体の芯から温める効果が生まれます。
葉生姜は柔らかいのでそのままみそやマヨネーズで食べても。スパイスと黒糖で煮詰めたジンジャーシロップや甘酢漬けにすると美日持ちもします。
番組でご紹介したつくねは、葉生姜の消化を促進する成分が、肉の油っこさを軽減し、肉の脂で生姜の辛味がやわらいで食べやすくなっています。焼き鳥屋さんに期間限定であったらつい頼んでしまうような大人好みつくね。番組進行役の林修先生は、「こりゃ美味いよっ!」とおっしゃっていました。。
レシピをご紹介します

●葉生姜つくね
 材料(約10本分)
鶏ひき肉     200〜250g
卵        1個
おろし玉葱    大さじ2
塩、胡椒     各少々
タレ(醤油・酒・水各大さじ1・みりん大さじ2)
ごま油      小さじ2
作り方
1、葉生姜の葉をフライパンに入る長さに切り、3本を手で折って離しておく。
2、ボウルにひき肉と塩、こしょうを入れてよく混ぜる。水気をきったおろし玉ねぎ大さじ2、卵白1個分を入れてよく混ぜる。1の葉生姜の先端4、5cmを芯にして、ひき肉だねを包むようにして形を整える。
3、フライパンにごま油を熱し、2を入れて中火で全体に焦げ目をつけるように焼く。フタをして火が通るまで中弱火にして2分ほど蒸し焼きにし、タレの材料を混ぜて、鍋肌から加えてからめる。器に盛理、卵黄を添える

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四季彩キッチン・おかひじき・アグレッティ

ボンゴレ・野菜・おかひじき・オカヒジキ・アグレッテイー

フジテレビ「四季彩キッチン」でご紹介した「醤油風味のボンゴレ・アグレッティー」
番組進行役の林修先生は、召し上がって「個人的にパスタより好きかも!」 とのコメントでした。
アグレッティはイタリア語で、おかひじきのことです。シャキシャキ感が何といっても一番の魅力で、イタリアでは春野菜として親しまれています。他の食材にはない食感で、食べると心地よさを感じます。クセがないので使いやすく、おみそ汁や和え物など幅広く使用できます。
おかひじきの由来は、海藻のひじきに似ているからだそうで、元々は海岸の砂地に自生するアカザ科の野草。ものによっては口に含むと微かな塩気を感じることも。おかひじきの栽培は難しく、発祥地とされる山形県南楊町では細心の注意を払ってハウス栽培されています。水分が足りないと固くなり、温度、湿度が適切でないと特徴である歯ざわりが失われてしまうそう。殺虫剤を使う事が出来ないので、虫がつかないように日々の管理もしっかり行われています、ほぼ無農薬のおかひじき、安心してたっぷり食べられるのも嬉しいですね。
おかひじきはカロテンやカリウムが豊富で、免疫力を高め視力回復も手伝います。カロテンは油と調理すると体への吸収がよくなりますよ。にんにくのアリシンも加えて免疫力をさらに上げた一皿に。

JAグループ提供の四季彩キッチンは日本の農業の「いま」をプレゼンテーションする番組情報番組で、進行役は林修先生です。

「おかひじき」
5月25日(月)フジテレビ※関東 21:54~
5月27日(水)関西テレビ  21:54~
6月 3日(水)BSフジ 22:55~

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鯵・あじ・アジ

魚・アジ・鯵・あじ

鯵は味がよいのでその名がついたと言う由来があります。日本人の食卓には欠かせない魚ですね、年中美味しい鯵ですが産地によってメドレーで旬があり、真鯵、むろ鯵、め鯵、しま鯵などが一般的で、青魚の中でも旨味成分が強い。記憶力向上や老化防止などの効果があるDHA、骨粗症やイライラを抑えるカルシウムが豊富。鯵でなめろうを作る時、臭みを消すためにみょうが、しそ、生姜などを入れますが、細かく刻んだピーマンも加えると味を邪魔せず臭みを消すのでお勧めです。
鯵といえば思い出すのが九州でいただいだ、元は漁師さんのまかない飯(りゅうきゅう)。鯵、さば、ぶりなど地魚の細切れを漬けにし、ごまとたっぷりの薬味を混ぜた郷土料理。即席で作るなら、濃縮タイプのめんつゆにすりごま、おろし生姜かわさびを合わせ、香りの良い柑橘を少し絞る。良い香り。冷蔵庫で30分〜1時間ほどマリネし熱々のご飯にのせます。刻んだしそ、みょうがなど添えるとさらに美味。今日のような熱い日にぴったりです。
ちなみに鯵は目がキレイに澄んでいてエラが赤く、背中に丸みがあるものが鮮度よく脂のりがいいようです。購入時の目安にして下さい。

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パクチー・香菜・かめむし草・コリアンダー

パクチー・かめむし草・コリアンダー・パクチー・香菜

気温が上がってくると、無性にパクチーが食べたくなります。(英名はコリアンダー、和名はカメムシ草)。パクチーは消化を助ける働きがあるので、我が家では胃が疲れた時に食すお粥のトッピングにしばしば登場します。そのお供はみそずけ生姜、ちょうど出回っている新生姜を皮ごとポリ袋に入れ、味噌にみりんを少し混ぜたものを生姜に覆うように馴染ませて冷蔵庫に入れておく。おかゆに刻んだみそ漬け生姜、あれば醤油をからめたピータンを添え、たっぷりのパクチーを散らすと美味しい。パクチーの根は捨てずに活用し、香りが強いので叩いてお米と炊き込んだり、スープ等に加えるとよい風味。
パクチーはベランダ栽培でも健やかに育ちます。思い立った時に食べたいので、せっせと水やりしています。柔らかい摘みたての柔らかいパクチーは格別で、白い可憐な花をお料理に添えるのも密かな楽しみです。
パクチはー抗酸化作用が高いビタミン類が豊富で、美容効果が高いのが特徴。独特の香りが気の巡りをよくするように私は感じます。

5/24

油ぞうめん・油うどん・奄美大島(あまみおおしま)・きびなご

煮干しやじゃこの出汁を使って作る油ぞうめん。奄美でとれる今が旬のきびなごのいりこを使って、郷土料理の油ぞうめんを使うのがポイントです。作り方は、フライパンにたっぷりのきびなごを入れて乾煎りし、ひたひたくらいの水を加えて煮立て出汁をとります(自己流で今日は梅干しも一緒に煮ました)。酒と少しだけ甘みのある奄美のヤマア醤油、天然粗塩、油少々で味をつけ、フル(にんにくの香りのする葉)と、島唐辛子を刻んで加えます。奄美大島の西古見で、加商店のお母さん(早苗さん)からヒガシフーズの平うどん(乾麺)を頂いたので(作り方も教わった)、素麺の代わりにかために茹でて水気をきり、出汁に加えて煮含める。地元の人は入れないようですが、一緒にプリプリのもずくをたっぷり加えるとフワッとツルンと喉越しよくて美味しかった。出汁をとるのに使った煮干しやじゃこは柔らかくなるので、麺と一緒に食べられますよ。旨味もカルシウムもたっぷりで、簡単でとてもよい調理法と思います。
奄美大島の海や自然は色濃く美味しいし、素朴でステキです。またいつか出かけたい島の一つ。

5/21

新蓮根(しんれんこん)・レンコン

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日中は汗ばむ時もありますが、夜はまだ少し肌寒く、体調管理が難しい時期。ちょっと喉の調子が悪いなど体調の変化を感じても、薬を飲むほどではないなぁなんて時はありませんか? そんな時は民間療法で昔から薬効が伝えられているれんこんの出番。新れんこんは市場などで、5月ごろから熊本産、徳島産、茨城産の順で店頭に並びます。
真っ白で、切り口をみると水がしたたるような水々しさがあり、シャキシャキした爽快感が何とも心地よい。きんぴらやサラダなどにうってつけですが、喉のケアには皮ごとすりおろして椀物などにしていただきましょう。小鍋に1人分約150ccの水と大さじ2のすりおろしたれんこん(皮ごとすりおろす)を入れてひと煮立ちさせるととろみが付き、透明感がでます。醤油少々で味付けし、おぼろ昆布などを加えると喉の不調に効く椀物になります。まるでお粥のような優しいとろみがあるので、小さいお子さんやご年配の方も食べやすいですよ。
れんこんの特有の粘りは胃腸を保護します。造血のビタミンと呼ばれるビタミンB6も含むので、貧血の予防にもよいそうです。れんこんを料理する時は、酸化して黒くなるので鉄製での調理はさけましょう。

5/20

春キャベツ・乳酸キャベツ・快腸美肌・発酵食

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柔らかな春キャベツが出回っています。
乳酸キャベツは、シュークルートやザワークラウトと同じ発酵キャベツの漬物で、井澤家の呼び名です。
基本材料はキャベツ、粗塩、きび砂糖の3つ。細切りキャベツ(1個)1Kg、塩小さじ4〜5、きび砂糖小さじ2を馴染ませ、重石をして常温で2、3日たったら清潔な保存容器に入れて冷蔵庫へ。お好みで唐辛子や粒こしょう、カルダモン、キャラウエイやクミンなどのスパイスなどを加えてもよいですね。
発酵食は単体で口にするより食物繊維を足すことにより、腸を整えやすくなります。乳酸キャベツは発酵食でありながら、食物繊維、ビタミン類なども豊富。一つでまかなえる優れたお漬け物で、一番シンプルな発酵食だと思います。簡単なのでぜひ手作りしてみて下さい。毎日食べると、自分の体が変わるのが実感できます。

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新じゃが芋・じゃが芋・美肌

水分量が多くみずみずしい新じゃが芋。栄養は皮の近くに有ります。新じゃが芋は皮も薄く柔らかいので、炒め物や煮物などぜひまるごと調理してください。一番のお勧めの食べ方は、シンプルな粉ふき芋。皮をタワシで擦り洗いしたじゃが芋を、水から入れて低めの温度(60度)でゆっくり塩茹でします。じゃがい芋の澱粉が酵素によって分解され、甘みが増します。火が通ったら余分な湯を捨てて水分を飛ばし、皮がパンと弾けるように粉ふき状態にすると、じゃが芋のホクホクとした食感を味わえます。
もう一つお勧めの食べ方です。新じゃが芋をごくごく細切りにして水に放し、さっと茹でて冷水で〆るとシャキシャキ食感に。薄い麺つゆ程度の浸地につけたりや酢の物にしていただく和風の食べ方もいいですし、オリーブオイルと柑橘のドレッシングや、中華風の辛味ダレなど気分で楽しみます。
新じゃが芋は、普通のジャガ芋よりビタミンCが豊富です。ビタミンcはコラーゲンの生成にかかわるのでコラーゲンと多い食材と一緒に調理すると美肌効果がアップします

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玉蜀黍・トウモロコシ・コーン

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トウモロコシは世界三大穀物の一つ。日本では夏が旬ですが、地域によって多少異なります。
暑い沖縄では、今が旬のトウモロコシ。糖度が高くて生でも食べられ、みずみずしく口に含めばその甘さにビックリします。
剥きたて削ぎたてをサラダ、天ぷら、ピクルスにと、下処理なしで堪能したほうが醍醐味を味わえます。トウモロコシや枝豆は鮮度が命。手元に来たら直ぐに調理して、この美味しさを損なわないようにします。茹でる時は、ひげ根と一緒に加熱しましょう。煮物やスープ、炊き込みごはんにする時は、芯も加えて調理すると更に美味しさが増します。
トウモロコシは繊維が豊富で腸整作用も抜群。葉酸やカリウムを含むみ利尿作用があるのでむくみにも有効です。韓国にはトウモロコシのひげ茶がありますね。ほんのり甘くてノンカフェインで、美容にもよいそうです。
美味しいトウモロコシの見極めポイントを農家さんに伺いました。持った時に重めで、ひげにボリュームがあって茶色くなっているものは熟していて、粒もぎっしり詰まっている長です。購入時の目安にして下さい。