井澤由美子の食薬ごはん Yumiko Izawa

食薬ごよみ

四季のサイクルに合わせて食すことが、身体を健やかに導く手助けをしてくれます。
季節の食材とその由来や歴史、食にまつわるお話をご紹介します。

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手作りグリーンマヨネーズ・ハーブ・木の芽・ストレス

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山椒の葉がスクスクと育っています。摘みたてを若いパセリと合わせてグリーンマヨネーズを作りました。ボウルに卵黄1個、粒マスタード小さじ1、酢小さじ1〜2、(きび砂糖、こしょう各少々は好み)、粗塩小さじ半を合わせて、ハンドミキサーや泡立て器でよく混ぜる。そこへ、米油(菜種油、オリーブオイル、ミックス等でも)大さじ2〜3を少しずつ垂らしながら混ぜ続けると、とろみのついたマヨネーズができます(油を多くするともったり感が高まる)。仕上げに柑橘果汁を少し絞ると程よい甘さと香りがプラスされるので、私の常です。

爽やかなこの自家製マヨネーズは、蒸したり茹でたりした旬の新じゃが芋、アスパラ、山菜や生の新玉ねぎにもとてもよく合います。ゆで海老、白身魚、卵料理にもお勧めですよ。ハーブは好みでミントやバジルでもよく、市販のマヨネーズに刻んで簡単に加えるだけでも、目先が変わって楽しめます。

この頃は木の芽どきと言いますね、春の食養生は大切です。木の芽は胃腸を整える働きと、気分の落ち込みを緩和します。パセリにはビタミンエース、カロテン、カリウム、鉄分、繊維が豊富。良質なタンパク質とトリプトファンを含む卵と合わせれば、アンチエイジング、貧血予防、ストレス緩和に相乗効果が生まれます。手作りマヨネーズは加熱をしないので栄養を効率よく吸収できますし、香りもイキイキしています。

 

 

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しらす・ちりめんじゃこ・春の食養生

しらす・じゃこ・お弁当・旬

カルシウムたっぷりのしらす、旬ですね。骨を強くし、DHAで脳神経を活発にする効果が期待できます。減塩食の方は、塩気があるしらすや雑魚を上手に料理に取り入れると一石二鳥です。
しらすとは、イカナゴ、ウナギ、アユ、ニシン、マイワシ、ウルメイワシなど、白や透明無色の稚魚。マイワシやウルメイワシも流通していますが、いわゆるしらすのほとんどは、かたくちいわしの稚魚です。
しらすは釜茹でされたもの、しらす干し、それから更に乾燥させたものがちりめんじゃこですが、地方によって呼び名は多少異なるようです。通年出回りますが、春と秋が産卵のピーク。
新鮮な生しらすが手に入ったらぜひ試していただきたいレシピがあります。バケットに、にんにくの切り口をこすりつけて塩とオイルをふってカリカリにトーストする。生しらすをたっぷりのせ、オイルをふってほうばって下さい、ヨーロッパ風の食べ方で、冷えたワインとピッタリです。
しらすや小魚は、酢と合わせるとカルシウムの吸収がよくなるので、酢の物にもぜひ加えて下さい。酢飯にしらすとごまを、刻んだシソを入れたおむすびは運動後や暑い日に元気になりますし、しらすと青のりをたっぷりのせたしらす弁当もお勧め、旬をシンプルに楽しめます。

4/23

一汁三菜・まごはやさしい・食養生・シニアの元気

食養生・一汁三菜・まごはやさしい・井澤由美子・食薬ごはん・まいにち食薬養生帖・健康・卵焼き・薬膳・山薬

週末の朝ごはんやお昼には一汁三菜が多い。だいたい作り置きや余った食材のリメイクを少しずつお皿にのせて楽しんでいます。今日は、3cmほど残っていた長芋をおろして卵焼きに加えました。昆布出汁、味醂、醤油を混ぜて焼けば滋養があり、しっとりとした食感の卵焼きになります。冷凍してあった玄米餅米の筍おこわと、キャベツのはし切れを蒸し器におく。キャベツの芯まで甘く柔らかになります、梅干しとおかかを和えたお浸しにして消化よく。今日は少し暑かったので、海藻の昆布酢漬けにきゅうりを加えて。作り置きの糠つけ沢庵と辛味の効きすぎてしまったわさび漬も添えました。干し椎茸のお味噌汁には新玉ねぎと黒すりごまをたっぷり入れてカルシウムuP。気づくと(まごはやさしい)献立になっていました。

山芋・長芋類は山の薬と書いて山薬(さんやく)と呼ばれるほど元気になる効能が高い野菜です。食物繊維もあるので、もともと良質なたんぱく質の卵と合わせると大変滋養が高くなります。薬膳と栄養学の観点からは、トリプトファンを含む卵と腎機能を高める山芋の組み合わせで 安眠効果が期待できます。

まごはやさしいを毎日少しずつ取り入れていくのはバランスの良い食卓の目安になりますね。「ま→豆(大豆類)、ご→ごま(すりごまが良い)、わ→わかめ(海藻類)、や→(野菜類)、さ→魚、し→しいたけ(きのこ類)、い→いも(芋類)」特にシニアの元気にはお勧めです、日々実践して美味しく楽しく召し上がって下さい。

4/23

春キャベツ・乳酸キャベツ・快腸美肌・発酵食

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柔らかな春キャベツが出回っています。
乳酸キャベツは、シュークルートやザワークラウトと同じ発酵キャベツの漬物で、井澤家の呼び名です。なんてことない漬物ですが効能が高いのと、作り方が極簡単なのでお勧めです。

基本材料はキャベツ、粗塩、きび砂糖の3つ。細切りキャベツ1Kg、塩小さじ4、きび砂糖小さじ2を馴染ませ、重石をして常温で2日たったら清潔な保存容器に入れて冷蔵庫へ。お好みで唐辛子や粒胡椒、スパイスなどを加えても良いですし、私はたっぷりの山椒の塩漬けや針生姜を加えた和風を常備しています。

発酵食は単体で口にしても腸には効きにくく、食物繊維を足すことで整えやすくなります。乳酸キャベツは発酵食でありながら、食物繊維、ビタミン類などと、乳酸菌が豊富。一つで賄える優れたお漬け物で、一番シンプルな発酵食だと思います。ギャバも豊富です、毎日食べると胃腸や体がスッキリします。

4/22

新玉ねぎ・玉ねぎ・柔らか煮

春野菜・井澤由美子・食養生・血液サラサラ・春野菜・新玉葱・新玉ねぎ・レシピ

真っ白で柔らかな新玉ねぎが美味しそうです。辛味が少なく水みずしいので、まずはスライスなどでたっぷりいただきます。産地の農家さんは栄養価も逃げるからと、水にさらしません。調理をする時も火入れ時間を短くするメニューが多いそうですよ。

今日はシニアの父が好きな(新玉ねぎと鶏肉の柔らか煮)をご紹介します、材料は新玉ねぎ、生姜、鶏肉の3つ。

新玉ねぎ1個分を少し厚目のくし切りにし、生姜はたっぷり細切りにする。食べやすく切った鶏肉1枚(230g)に醤油少々を揉み込み、片栗粉適宜をふる。ごま油で鶏肉を炒め、色が変わったら端に寄せる。玉ねぎを加え炒め、油が回ったら全体を合わせて、水大さじ4、酒、醤油、きび砂糖各大さじ1、生姜を加えフタをして汁気が無くなるまで6〜8分弱火で蒸し煮にする。衣に味がからんでつるんとした口当たり、肉も柔らかです。

玉ねぎの生食は血液サラサラ効果が高いのですが、こちらは通常の玉ねぎの方が含有量が高いようです。しかし、新玉ねぎのシャキシャキとした食感は心地よく、甘味があって美味しいのと、殺菌効果も感じるので旬には山盛りを堪能したくなります。新玉ねぎは腸内環境を良くし、疲労回復を手伝う効果が期待出来ます。薬膳では消化不良を改善し、お腹のはり、ゲップや吐き気などに有効とされています。

購入する時は隙間がなく、ずっしりと重ためで球状、先端が細めのものを選びます。新玉ねぎでも匂いや辛味を感じて気になる方は、空気に触れさせて少し置いてからいただくと多少違うようです

4/21

ごま油

卵道具・食養生・食薬ごはん・豆腐

ごま油のふくよかで香ばしい香りと風味が好きです。自宅でも現場でも、井澤家では登場率が最も高いごま油、種類も豊富に揃えています。主成分は不飽和脂肪酸のリノール酸(オメガ6)、オレイン酸(オメガ9)、セサミン。生活習慣病の血中コレストロールや中性脂肪を軽減させる作用が期待出来ます。殺菌効果もあり、アーユルヴェーダでは白ごま油でうがいをするほどです。

揚げ物の油に少し加えると食をそそる香ばしさが加わり、酸化しにくくなるなどのメリットがあります。お豆腐や煮物、お浸し、茶碗蒸しなどにかけるだけでもぐっと風味がたちますし、韓国海苔巻きのキンパにごま油が使われるように、卵かけごはんや炊き込みごはんなどの仕上げにも◎。納豆にもお勧めで、ビタミンK2の吸収率が高まると共に便通作用を促します。

サラリとした白いごま油は生搾りなので繊細な料理に使いやすい。素材の味を邪魔しないので、おかし作りにも使用されることも。エイジングケアにも効能が期待できる黒ごま油は、焙煎しているので香りが強く香ばしい。低温で焙煎しているものは薄茶色で、高温で焙煎しているものは濃い茶色をしています。抽出方法が書いてあるなど、良質で不純物の少ないごま油を選びます。

4/20

椎茸・焼きしいたけ・養生ごはんのススメ

薬膳・まいにち食薬養生帖・きのこ・椎茸・しいたけ・免疫力

きのこは秋のイメージがありますが、しいたけの旬は3月〜5月頃と9月〜11月頃。春のしいたけは春子と呼ばれ、旨味があります。

一番美味しくてシンプルなしいたけの食べ方は、魚焼きグリルにヒダがある面を上向きに置き、塩をパラリとふる焼きしいたけ。ひだに水分がじんわり出てくる頃、良い香りが漂っているはずです。軸の部分から手で割いて香ばしく焼かれたしいたけを口に含むと、コリコリとしてちょっとアワビのような食感です(マッシュルームも同じく美味)。

しいたけをザルに広げ、お日様に30分以上干すと骨を強くするビタミンDが増えます。私は料理の用途によって、その日の干し加減にします。余ったら冷凍にしますが、嬉しいことに旨味がアップしますよ。玉ねぎと刻んで炒め、牛乳と一煮立ちさせれば、骨を元気にするミルクスープの出来上がりです。

きのこは麹(こうじ)と同じ菌類の仲間で、「子実体」と呼ばれる菌そのもの。効能が高く、旨味が強くて低カロリー、調理しやすいのも嬉しいですね。豊富に含まれるβーグルカンは免疫力を上げ、生活習慣病予防や抗ガン作用が期待できます。中医学では気や血の流れを良くするとされており、色々滞る4月に特にお勧めです。

 

4/19

アスパラガス・オランダうど・食養生

食養生のススメ・薬膳・まいにち食薬養生帳・井澤由美子・アスパラ・昆布締め・グリーンアスパラ

お日様に向かってスクスク育つアスパラ。アスパラはどんな調理法でも美味しいのですが、旨味を一番楽しめるのは軽い衣の天婦羅。揚げたてを口に含むと濃縮した青い香りが鼻を抜け、水分が滴る感じはまさに初夏の醍醐味です。揚げるという調理法以上に旨味を閉じ込める技はないかも知れません。揚げ物は油で揚げていますが、実は蒸し料理。テクニックを食すと言っても過言ではないので、真剣勝負です。油と合わせると、アスパラのカロテンも効率よく摂取できますね。

その他、歯ごたえを残した塩茹でのアスパラに、旬のミントやパセリを加えた自家製のグリーンマヨネーズも見た目と共になんとも爽やか。それから塩茹でアスパラは昆布締めもオツです、昆布のヨードがよく冷えた白ワインやこの季節の新緑にとても良く合います。

薬膳でのアスパラは(清熱滋養)といって、元気をつけながら体の余分な熱を取る。また、利尿作用があり、血圧の上昇も抑える効能があるとされています。

アスパラには健康効果の高い抗酸化作用、血管を丈夫にして血流をよくするビタミンPのルチン、疲労回復や美肌効果が期待できるアミノ酸のアスパラギン酸などが豊富。穂先の方に栄養が多く含まれています。

 

4/17

クローブ・丁香・丁子・スパイス

生薬・クローブ・スパイス・丁子・丁香

温かいお茶が好きで朝から晩まで口にしていますが、カフェインなども含まれるので玉にはお休みして胃をケアする日を作ります。
白湯を作るのと同じように、水を入れたやかんのフタを開けて15分ほどプクプクと湯を沸かします。この時クローブも数粒一緒に入れて煮出し、蜂蜜を入れたカップに注ぎます。それをゆっくりいただくと、バニラのような甘い香りと、スパイシーな風味が立ち昇って心地よく、心身が緩んでくるのがわかります。
クローブは漢方では丁香と呼ばれる生薬で、体を温める効能があり、胃や脾、腎が冷えて痛いときにも有効なスパイスとして知られています。西洋ではクローブと呼ばれ、肉の塊に刺した煮込み料理やシチュー、カレーにも欠かせません。オレンジとの相性がよく、デザートやお菓子にも使われる他、オレンジに刺して乾燥させ、香りのポプリとしても親しまれています。
ネパールの民間療法では歯痛止めに使われたり、インドネシアではタバコの香付けに使われたり、虫除けスプレーに配合されたり、日本ではタンスに入れて虫除けとされていました。クローブは世界中でいろいろな用途に利用されている頼もしいスパイスなのです。

4/13

フレーク・シリアル・朝食

いちご・ドライストロベリー・フレーク・コーンフレーク

フレークは穀物(小麦・大麦・オーツ麦・トウモロコシ・米・玄米)を平らに押して加工したもので、ミネラル・ビタミン・繊維が多くとてもヘルシー。同世代の皆さんも初めて口にされたフレークはケロッグ社のコーンフレークだと思いますが、19世紀末に栄養食として生まれました。今では香ばしい色々なフレークが普及され浸透されていますね、グラノーラなどバリエーシォンも豊富です。フルーツやヨーグルトを添えると、バランスのよい朝食が手軽に出来るのも嬉しい、1日の必要なエネルギーを摂取できます。
保存容器に味噌を入れ豆乳を溶き、玄米フレークを加え混ぜて一晩寝かせると、しっとりした栄養豊富な離乳食や介護食になります、胃腸が弱っている時、歯の具合が悪い時などもお勧めです。
今日は旬の苺でドライストロベリーを作ったので、コーンフレークにトッピングしてミルクとシンプルに楽しみます。
イチゴの栄養素は乳製品と一緒に食べるとアップします、香りも良いので朝から爽快です。