井澤由美子の食薬ごはん Yumiko Izawa

食薬ごよみ

四季のサイクルに合わせて食すことが、身体を健やかに導く手助けをしてくれます。
季節の食材とその由来や歴史、食にまつわるお話をご紹介します。

4/11

卵・玉子料理・温サラダ・春の養生

目玉焼き・卵・タマゴ焼き・玉子・薬膳・春の養生・滋養・精神安定・温サラダ・井澤由美子・食養生

今日は半熟の目玉焼きを作って温サラダに。店先に出回り始めたアスパラとブロッコリー、胸肉のしっとりチキン、雑穀パンをクルトンにしてサラダボウルに入れる。目玉焼きは、少し多めの油でゆっくりと弱火で焼くと白身はカリカリ、黄身はちょうど良い半熟に。後はサラダに乗せて、ドレッシングと胡椒をかけ、割りほぐしながら全体を混ぜる。コクが出て塩気のある目玉焼きがとても良い仕事をします。良質なタンパク質の卵、胸肉、ブロッコリー、アスパラは筋力トレーニング前後にとてもお勧めのコンビですし、簡単でバランスが良いので朝食やランチにもピッタリです。

先日、NHKあさイチさんでご紹介した卵料理も、パッと作れてホッとする味わいの2品。一つは出汁いらずでご飯が進むフルフルの卵豆腐。もう一つはフレンチトーストで浸さないタイプ。温めたミルクに香りつけのシトラスの皮、甜菜糖を入れ、パンを加えてさっと煮る。卵をくぐらせてバターでこんがり焼けば、どんなに硬いパンでも5分です。朝ごはんや休日ブランチにもお勧めの和風と洋風でした。

卵は昔から滋養があるとされ、薬膳では血液を補い、体を潤す効果があるといわれています。幸せホルモンを作るトリプトファンも含まれていて、バナナやミルク、豆乳などにも豊富、合わせると相乗効果が期待出来ます。日々口にするもので少しでも安心効果(安らか)を得たい。それにはやはり手作りの料理が良いようです。

 

 

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花わさび・山葵・花山葵の酢漬け

井澤由美子・抗菌作用・食養生・ヒーリングフード・薬膳・花わさび・三杯酢・レシピ・春野菜・山菜

旬の花わさび、白い小花が可憐ですね。清らかな清流に流れるわさび畑には、白や黄色の蝶が舞っていました。山葵は花のつぼみや葉もたべれます、爽やかでピリッと美味しい酢漬けの作り方を農家さんに教わりました。

350g程のわさびの葉や茎はよく洗い、2、3cmのざく切りにしてボウルに入れます。粗塩適宜を全体にふってしんなりするまで塩もみします、よく揉むと細胞が壊れて山葵の辛味や香りが立ちます、このまま少し置きます。この間に清潔な密封容器に調味料を合わせます(昆布酢か酢150cc、きび砂糖80g、醤油小さじ2)。塩もみした花わさびをざっと水で洗って、ギュッと絞って漬けます。冷蔵庫で1日ほど寝かせると美味、3日くらいそのままの風味が楽しめます。私はここに、少し甘みのある旬の柑橘を絞り、酸味を和らげて香りをプラスします。

抗菌作用の高い山葵は解毒作用もあります、花や葉は、歯ざわりもあって爽やか、辛味がクセになります。

4/6

春野菜・セロリ・薬膳・食養生

・まいにち食薬養生帖・セロリ・オランダ三つ葉・食薬

もともと薬草だったセロリの香り成分には、春先に起こりやすいストレスを軽減する効果が期待できると言われています。キャベツと同じように、ビタミンuも含まれているので、胃の粘膜を修復する手助けもします。特に栄養価が高い葉は、刻むなどしてぜひ調理して下さい。カリウムも豊富、血圧が気になる方にお勧めの野菜です。
セロリのフレッシュサラダの作り方です。セロリの筋を取ったら新玉ねぎと薄切りにして、冷水でパリッとさせ器に盛ります。出回る柑橘類と塩麹、胡椒とオリーブオイルを小瓶などに合わせてシェイクし、乳化させます。美肌効果もあるこのドレッシングを好きなだけかけて出来上がりです。
春には酸味が大事なので、酢や梅干しも良いですが、少々の甘味でケアする必要もあります。今出回っている柑橘類をたっぷり使いましょう。柑橘の香り、酸味、甘味とセロリを合わせると、気の巡りを良くする相乗効果が増し、自律神経を整える手伝いをします

4/4

そら豆・蚕豆・発酵調味料

まいにち食薬養生帖・健康・薬膳・豆板醤・薬味・蚕豆・空豆・天豆・がん豆・一寸豆・お多福豆・豆

日本では、蚕豆・天豆・一寸豆・お多福豆・がん豆など色々な可愛らしい呼び名があるそら豆。世界で最も古い農作物の一つだそうです。
中国調味料の豆板醤が最初に作られた時は、唐辛子は入っていなかったようで、現在では辛いものが流通し、唐辛子と麹を空豆に加えて熟成させています。

簡単なそら豆醬の作り方です。ソラマメを蒸したら、すり鉢に入れて塩麹とほんの少しのごま油を加えて滑らかなペーストにします。タレやソースとして美味、えびやホタテと合わせてペーストにし、型で冷やすと美しい一皿に。
空豆は、タンパク質、ビタミンB1,B2が豊富です。疲労回復によく、胃腸機能を高め、余分な水分を排出する効能が期待できます。
鮮度が落ちやすいので、さや付きを購入して調理する直前にさやから出しましょう。新鮮なものは皮も柔らか、栄養価も高くそのまま食べられます。
サヤに数カ所穴をあけて、酒蒸しにしたり、熱したグリルや炭で皮が黒くなるまで焼くと、蒸し焼き状態になってふっくらとします(穴を開ける場所ですが、豆の無いくびれた部分を狙って刺して下さい)大人になってから良さがわかったそら豆、見かけるとついつい手が伸びます。

4/2

ホタルイカ

蛍烏賊・ホタルイカ・旬食材・食養生・健康

3月から5月頃が旬のほたるいかは、日本海側の水揚げが多いようです。特に産卵期の為に、岸に近づいて来るふくよかな富山県産は美味しくて有名ですね。酢みそを添えても、しょうが醤油でいただいても美味。セミドライに干してあぶったり、沖漬けも捨てがたいのですが、濃厚なワタが溶け出たアヒージョもまた格別で、バケットをついついお代わりしてしまいます。店先では、産地で茹でられたものを多く見かけますが、透き通った生の美しいほたるいかを見かけることもあります。生ものは、寄生虫などの関係で冷凍後のものか、内臓を取り除くように書いてあります、よく読んで調理して下さい。口あたりが気になる方は、目と口の部分をピンセットなどで取り除き、さらに気になる方は軟骨も引き抜いて下さい。茹でるなら1分前後塩茹でしてから気になる部分を取り除いても。
きちんと下処理されたほたるいかなら自家製沖漬けも楽しめます。ほぼ同量の酒、醤油、本みりんを煮立て冷まし(味醂が気持ち多くても)冷蔵庫で半日以上漬け込みます。沖漬けにして冷凍する方法もあります、店頭で処理を確認して楽しんで下さい。
タウリンやビタミンEが豊富なほたるいか、肝機能が低下しやすいこの季節の症状をケアしてくれるようです、お酒のアテにも最適です

3/31

筍・食養生

井澤由美子・食養生・山菜・春野菜・筍・たけの子・竹の子・山菜

茹でたての筍がスーパーなどでも売っています。季節のたけの子と木の芽の相性や、香ばしく醤油で焼かれた香りには日本人のDNAも手伝うのか、太刀打ち出来ませんね。
たけの子はなんと言っても繊維が豊富、体の老廃物を排出し、コレストロールの吸収を抑え、脳を活性化させる効果が期待できます。竹皮には防腐効果や殺菌作用ががあるので、昔はおむすびなどお弁当を包んで腐敗を防いでいました。
地中に埋まっていた掘り立ての筍のお刺身は、旬の息吹を感じられ、食べてもアクをあまり感じません。時間が経つとアク抜きが必要になります、購入したら直ぐに下処理してしまいましょう。大きめの鍋にたっぷりの水を入れ、米ぬか1カップ(または重曹大さじ1、あるいは米のとぎ汁)、赤唐辛子2本を加えて中火にかける。筍の皮を数枚むき、穂先を斜めに4、5cm落とし、剥きやすいように縦に浅く切り込みを入れます。落し蓋や厚手のキッチンペーパーをかぶせて中弱火で(大きさによる)1〜2時間程下茹でし、後は穂先は縦斬りにするなど食べやすく切って調理します。
一瞬で大きくなるたけの子、エネルギーと共に色々な調理法で楽しみながらいただきます。

3/30

牡蠣・カキの炊き込みご飯

井澤由美子・美容・美人・美味しい・炊き込みご飯・食薬ごはん・食養生・食の知識・牡蠣・牡蠣の炊き込みご飯の作り方・炊き込みごはん・亜鉛

見るからに美味しそうなぷっくりとした牡蠣。牡蠣は味覚障害を緩和する手伝いをするそうで、亜鉛と鉄分を多く含むので貧血予防や不眠にもお勧め、栄養豊富です。
牡蠣は「酒毒を消す」とも言われており、お酒のお供にも。生食なら、剥きたての冷たい牡蠣にレモンをギュッとしぼり、ぜひタバスコ少々ふって下さい。全体がしまって美味しいのと、殺菌効果や生臭さを消す作用もあります(タバスコは牡蠣の為に作られた説もありますね)。
牡蠣の旨味と香りをたっぷり堪能できる炊き込みごはんは、酒、醤油、本みりんを煮立て牡蠣をさっと煮て、一度取り出します。旨味のでた煮汁に水を足し、お米と炊きます。炊き上がったら牡蠣をもどして少し蒸らします。さっくりと混ぜて器によそい、柚子の皮を削るか、山椒の葉を散らせば至福の時が来ます

3/29

はまぐり・蛤・食養生

温泉の露天風呂では、いつも思わぬ情報が得られるから侮れない。千葉県・九十九里の漁師さんの奥さんが言うには、「はまぐりは、冬は小さくて夏は固くなる。3月終わりか4月初めくらいが一番良いだしが出て、柔らかくておいしいよ!」と教えてくれます。地域によって多少異なる旬ですが、旨味が凝縮したはまぐりを食べたくなりました。
いつもは酒蒸しやお椀、煮はまや焼きはまいただきますが、ベトナブ風もお勧めです。はまぐり、酒、パイナップルの薄切り、レモングラスをフライパンに入れてふたをして蒸し焼きにし、貝が開いた順に取り出す。シンプルながらも旬のうまみと、爽やかな香りがクセになります。キリッと冷やした泡や、白ワインが相性ば抜群。

はまぐりは旨みが強いだけでなく、カルシウム、亜鉛、マグネシウム、鉄分、アスパラギン酸などが含まれており、疲労回復にも効果的です。

3/28

蓬・よもぎ餅・和ハーブ・薬草・yomogi

井澤由美子・デトックス・まいにち食薬養生帖・蓬・よもぎ・春草・薬草・yomogi 山菜・和ハーブ

新芽のよもぎを見かけるとついつい手にとってしまいます。やわらかいよもぎは風味も優しい、緑茶に加えていただくとその香りと効能で脳がシャキッとします。

野草は春の息吹、香りが豊かで繊維が豊富(食べ慣れない方は、ほどほどの量で楽しみます)。苦味は、虫から身を守るためのアルカノイドに由来する成分で、デトックス効果が高いそうです。香りは気の巡りもよくするので、ストレス緩和にも良く、リフレッシュできます。汗ばむ日も出て来ました、緑茶に柔らかなよもぎを浮かべると、穏やかな良い香りと成分で頭がスッキりします。

春ならではの滋養がいっぱいのよもぎ餅は格別、作り方です。よもぎはよく洗って汚れを取り除き、硬い部分があれば落とします。大きめの鍋に湯を沸かしてよもぎと重曹少々を入れて茹で、冷水にとる。後は水気をしっかり絞ってハンドミキサーにかけるか、包丁で細かく刻めば下ごしらえは完了。もち米と合わせた、つきたての柔らかいよもぎ餅を香ばしく焼く。お醤油はひと垂らし、苦味のような緑香が口いっぱいに広まって元気がでます。

よもぎには炎症作用や止血作用もあるので、傷や虫さされには葉をもんで貼るとよいそう、お風呂に入れる風習も昔からありますね。邪気を払い、神経痛や肌荒れにも効果がありお灸にも使用されています。婦人病にもよいので韓国のよもぎ蒸しなどは有名ですね。

よもぎはアイヌ語でカムイノヤ「神の草」と呼ばれ、さまざまな料理にも使われています。フランスではエルブロワイヤル「王の草」、中国では「医草」と呼ばれ、薬膳では血をきれいにするとされており、世界中でその効能が認められています。

 

3/24

カモミール・カモミールミルクティー・ハーブ・安眠

安眠・カモミール・ハーブ・薬草・安眠・生薬

目覚め時やお休み前にハーブティーの中でも特におすすめのカモミールティー。林檎を思わせる香りや鎮静作用でリラックし、安眠効果も得られるようです。

新生活が始まって何かと緊張感が多いフレッシャーズのみなさんの生活も、元気が出るようにそっと後押ししてくれますよ。カモミールは、マサーハーブ(お母さんのハーブ)と呼ばれるほど安らぎ効果の高い薬草で、古代からその鎮静作用や健脾(食欲不振など、胃に優しく作用する)に効果があるとされています。

大きく分けるとジャーマンカモミールとローマンカモミールがあり、今丁度ハーブティーに向いているジャーマンカモミールの旬です。心身をリラックスさせる効果があることで有名なカモミール、手に入ればフレッシュカモミールティーも楽しんでみて下さい。

日中にいただく、ふんわりと優しいカモミールミルクティーの作り方です。小鍋にお湯をブクブクとしっかり沸かし、紅茶の茶葉とカモミールの茶葉を入れて煮出します。もしあれば、濃いめのミルク(低温殺菌処理牛乳など)を入れ、沸騰直前で火を止めて茶こしを通してカップに注ぎます。好みで生クリームと砂糖(甜菜糖や贅沢ですが和三盆もお勧め)で、好きな甘さに調整します。ハチミツやメープルシロップを使っても美味。

電子レンジで作るときは、耐熱カップに紅茶のティーバッグ、カモミールのティーバッグ、吹きこぼれないくらいの水を入れて加熱します。カップごと温まりますし、オフィスなどでも手軽にお楽しめますね。