井澤由美子の食薬ごはん Yumiko Izawa

食薬ごよみ

四季のサイクルに合わせて食すことが、身体を健やかに導く手助けをしてくれます。
季節の食材とその由来や歴史、食にまつわるお話をご紹介します。

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セモリナ粉・プディング

生パスタを手作りするのにセモリナ粉を使って余ったので、お菓子を作ってみました。
デュラム小麦を粗く精製したもので薄い黄色をしており、ラテン語では穀粉を意味します。パスタやクスクスなどに使用される事が多いですね。セモリナ粉がちょっと余った時にお菓子はいかがですか?小鍋に牛乳500ccを入れ弱火で温めたら、セモリナ粉50gを加えて混ぜながら10分ほど煮る。きび砂糖30gを加えてさらにもったりするまで10分ほど煮込んで、水で濡らした型(エンゼル型やドーム型、何でもOK)に流し入れて冷蔵庫で固まるまで2、3時冷やす。
好みで牛乳を温める時にシナモンやバニラビーンズを加えて香りをつけても良いし、食べる時にホイップしたクリームや旬のフルーツを添えても。このお菓子は、オランダの家庭で親しまれているホッとくつろげるデザート、セモリナプディングです。

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苺・ベリーパイ・イチゴ・ブルーベリー・ラズベリー

いちごのお菓子

国産のブルーベリーがもう直ぐ出回り始める頃です。目にも鮮やかな苺やブルーベリーの酸味は肝機能を向上させるので眼にも良く、お酒をいただく時のお供にもお勧めです。苺は美肌効果が高く、生理不順にも◎。生クリームメーカーのカタログレシピで、簡単ベリーパイをご紹介しています。トッピングなどは、お子さんもお手伝いできるので、親子で楽しんでいただいてもいいですね。泡立てた生クリームに苺のシロップを混ぜて風味つけします。焼いたパイに苺風味のクリームをたっぷり挟み、ベリー類を飾り、溶けないパウダーシュガーを仕上げにふっています。見栄えのアクセントとして、パイ皮をもう1枚焼いて砕き、フルーツと一緒に刺すように飾るとちょっと可愛く見えますよ。

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苺・いちご・ビタミンC

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苺はメロンやスイカと同じで木にならず、畑でなるので、農林水産省の統計調査などでは野菜に分類されますが、市場では一般的に果物として流通しています。
苺は身体の余分な熱をとり、程よい酸味が胃腸を整え、豊富なビタミンCが肌をきれいにし、風邪などを予防します。酸味が疲労回復を担います。完熟苺をシロップにしました。鮮やかな色の苺シロップは、見た目も可愛らしく、キッチンがパッと華やぎます。苺シロップと甘酒とレモンを合わせたドレッシングは鮮やかで美しく、栄養的にも良いものです。

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納豆(なっとう)・乳酸菌・多汗症

ホルモンのバランスの乱れや精神的な緊張などから多量に汗をかいてしまうケースがあります。総合的に言えるのは、脂肪分の高い動物性タンパク質の過剰摂取や発汗作用のある辛いもの、脂っこいものは極力控え、豆や乳酸菌をたっぷり摂取しましょう。納豆に発酵食の乳酸キャベツやキムチ、ぬか漬けなど植物性乳酸菌を加えて、美味しさと栄養価を上げる食べ方などおすすめです。ゴーヤやキュウリ、トマトなどを加えると体の余分な熱が排出されます。
深呼吸をしながら軽くストレッチをすると気持ちいいですね、ストレスを緩和になりますね。

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ハーブ・ハーブオイル

ハーブがスクスクと育つ頃季節。香りを吸収しやすい油の性質を利用して、フレッシュハーブで香りをつけたハーブオイルを作っています。
小瓶に色々並べると、キッチンがパッと華やぎます。作り方はタイム、セージ、バジル、ローズマリーなど好みのハーブを軽く揉んで香りを立て、枝ごと清潔な瓶に入れてかぶるくらいのオイルを注ぐだけ。
ハーブは花や実がつく頃が一番香りが強いです。洗うと傷みやすくなるので香りが飛んでしまうので、なるべく洗わずに使います。気が付いた時に瓶ごと振って2、3週間したらこす。
パスタ、ピザの仕上げ、マリネ、ドレッシングなど幅広く使えます。抗菌、鎮静作用など、ハーブごとに異なる効能があるので、香りにプラスアルファで楽しめます。島根県邑南町にある広々としたオーガニックハーブガーデンでは、ローズマリーや唐辛子、にんにく、酢などをブレンドして手作りの虫除剤を作って使用しています、素敵ですね。

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乳酸キャベツ・植物性乳酸菌・キャベツ

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植物性乳酸菌は酸に強く、胃酸に負けず生きたまま腸に届く確率が高いと考えられています。
腸内環境のバランスを整え、免疫力を高め、アレルギーなどの症状を抑える効能が期待できます。
植物性乳酸菌の代表格は漬物です。野菜の表面に元々ついている乳酸菌が活性化し、また発酵する時に乳酸という酸ができ、酸味になりますす。ですから糠漬け、野沢菜、すぐき漬け、キムチ、メンマ、ザーサイ、みそなどにも乳酸菌は含まれています。私のお勧めは乳酸キャベツ(シュークルート)。乳酸キャベツはキャベツと粗塩、ほんの少しのきび砂糖だけで作れます。
保存性が高く旨味も強いので、調味料がわりにスープや煮込みに入れても美味しいです。私は実山椒をいれた乳酸キャベツがお気に入り。時間が生む、味わい深さもぜひ楽しんで下さい。

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発酵シロップ・金柑・レモン・生姜・苺シロップ

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写真はキンカン、レモンなど柑橘類をミックスした発酵シロップで、いい具合に発酵しています。暑くなってきたので水や炭酸を加えて水分補給にちょこちょこ飲む。お酒で割ったり、ヨーグルトにかけたり、ドレッシングにと大活躍しています。今の季節は暖かいので発酵しやすく、イチゴや生姜など色々な種類の発酵シロップを仕込んでみました。イチゴの発酵シロップをイチゴミルクはスタッフに大人気。生姜の発酵シロップは、かき氷の他に、煮込み料理などにも活用できます。
作り方は、清潔な保存ビンに果物を入れ、それより少し多めに氷砂糖を入れ、ほんの少しの米麹を加えます。そのまま数日置いて、気がついた時にビンごとふって、とろみがつき発酵したら出来上がり。果物はミックスしてもいいですよ、発酵したら冷蔵庫で保存してください

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発酵調味料・酢・薬膳酢・ちらしずし

知人の個展最終日で打ち上げがあり、ちらしずしを作りました。炊きたてのごはんに薬膳酢(酢・昆布・枸杞の実)をかけながらしゃもじで混ぜる。干ししいたけと人参を甘辛く炊き、去年作った実山椒の塩漬けともに酢飯をにまぜる。あとはたっぷりの錦糸卵を散らして出来上がり。疲れると肝臓が酸を求めるので、すっぱいものが食べたくなります。果実酢に多く含まれるクエン酸は、食べものがエネルギーに変わるときに役立つ成分。栄養バランスもよいちらしずしは身体への吸収もよく、細胞を元気にします。

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北海道・アスパラ・天婦羅

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お日様に向かってスクスク育った北海道のアスパラは、太くてみずみずしく美味しそうです!いきなりですが、やっぱりアスパラは軽い衣の天婦羅にしたい。揚げたてを口に含むと濃縮した青い香りが鼻を抜け、水分が滴る感じは初夏の醍醐味です。どんな調理法でも美味しいけれど、揚げるという調理法以上に旨味を閉じ込める技はない。揚げ物は油で揚げていますが、食材の水分と香りを逃さない調理法の為、その点では蒸しものに近い。テクニックを食すと言っても過言ではないので、食材、温度、時間の総合判断をしないといけないので、真剣勝負です。
もう一つ好きな食べ方がアスパラの昆布締め。アスパラの歯ごたえを少し残すように茹でるのがコツです。昆布のヨードがキーンと冷えたスパークリングや白ワインと季節の風に、とてもよく合うと思うのです。
特に先の方に多く含まれるアミノ酸のアスパラギン酸は美肌効果が期待できます。

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アップルミント・ミントの花

遅目の春から初夏にかけてスクスクと育つハーブ。ハーブガーデンのミントの花は清々しいアイスパープルで、今が満開です。今日は摘みたてのミントミルクゼリーのご紹介。牛乳に千切ったミントを入れ数分間煮出し、はちみつを溶かして甘みをほんのりつける。後は肌を潤すゼラチンをいれて、粗熱が取れたら冷蔵庫で冷やしてフルフルに仕上げたら出来上がり。なんとも心安らぐ香りがしますね。
ハウス栽培のものは色も香りも優しく、露地物は香りが強く色も濃いので好みで使い分けます。