井澤由美子の食薬ごはん Yumiko Izawa

食薬ごよみ

四季のサイクルに合わせて食すことが、身体を健やかに導く手助けをしてくれます。
季節の食材とその由来や歴史、食にまつわるお話をご紹介します。

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柏餅(かしわもち)・お赤飯

お赤飯

子供の日ですね。幼少のころ菖蒲の湯に浸かったことがありますが、皆さんはどうでしょう?中国から伝わった習わしで、薬草を摘んで邪気を払うといった端午の行事。尚武(しょうぶ=武をたっとぶ)と菖蒲をかけています。ちまき(中国由来)や、柏餅をいただく風習がありますが、我が家では江戸で生まれ、日本独自に発展した柏餅の登場率が高かった。玉にちまきを頂くとその巻き方に心惹かれ、子供心にゆっくりゆっくりほどいて楽しんでいました。今日は大人ばかりなので健康に過ごせるようにとお赤飯を炊きました。お天気が良いし、庭を眺めながら縁側ピクニック、祖父母や猫とよく座っていた場所で。想い出に残る食と風景は心の宝物です。
お弁当をいつも作って遊びに連れ出してくれた母にも感謝しています。もうすぐ母の日ですね。

4/30

ホヤ・赤ホヤ

藤の咲く頃が美味しいと言われ、海のパイナップルとも呼ばれるホヤ。貝類でも魚でもなく、脊索動物で、おたまじゃくしの様に泳いでいますが、成体になると海底の岩に張り付いています。小樽の市場で見かける旬の赤ホヤは、鮮やかな朱色がまるで高級なアップルマンゴーの様。むき方は簡単ですよ、ツノの様に尖っている頭部の突起部分2つを切り落とし、穴からハサミを入れ縦方向に切ります。外側の硬い部分から中身を取り出し(ホヤは水で洗わないそう)、包丁で開いて黒い部分を取り除き、後は食べやすく切るだけです。ほんのりしたほろ苦さを感じますが、ホヤは苦味、塩味、酸味、旨味の5つを持つ珍しい海の幸なのだとか、独特の食感も美味しさの内ですね。三杯酢につけて冷やし、少しのおろし生姜か山わさびを添えていただくのもお勧めです。ホヤの天婦羅も粋、どちらにしても日本酒の恋人と呼ばれる訳に納得です。ホヤは疲労回復に良いそうです

4/25

スペアリブ&焼肉(やきにく)・バーベキュー

写真 2

ゴールデンウイーク目前、アウトドアを楽しむ方々もいらっしゃいますね。大人にも子供にも人気の骨つきスペアリブは野外料理で特にお勧めです。骨にかぶりつく醍醐味も緑の中ではさらに美味しく感じます。スペアリブ専門店の1番人気は醤油味、似た味を再現できますよ。密封袋にフォークで穴を開けたスペアリブ、3倍濃縮のめんつゆ、潰したにんにく、ガラムマサラを多めに加えて袋の上からよく揉む。後は現場に持って行くだけなので、前夜に作って冷蔵庫に入れておけばOK、翌日には調度味が染みて柔らかくなっています。もう1つ大人に人気なベトナム風焼肉のご紹介、焼肉用肉400g、ナンプラー、醤油各おさじ1、きび砂糖小さじ2、塩、胡椒各少々、つぶしにんにく1、あればレモングラス3本をよく馴染ませる。こんがり焼いてサニーレタスやミント、シソ、新玉ねぎなどお好みの野菜をたくさん重ねて包む。タレはナンプラー小さじ1、きび砂糖小さじ2、レモン果汁大さじ1〜好み、みじん赤唐辛子適宜をチャチャっと混ぜたものでいただきます。

4/20

苺(いちご)・いちごシロップ・いちごジャム・ジャムの日

苺・いちご・イチゴシロップ

苺は唾液の分泌をうながすので、口内の乾燥を和らげます。含まれるビタミンCは果物の中でもトップクラス、程よい酸味と甘みで良い香り、ストレスを暖和させて風邪予防にも良いですね。ヨーグルトと合わせると便通作用がさらに高まり、アレルギーなどにも効き目があります。苺がお手頃価格になってきたので、苺シロップやジャムを作りましょう。シロップは簡単です、清潔なビンにヘタを取った苺、苺の量より少し多めの氷砂糖の順に入れ、ラップをかぶせる。水分が出てきたら玉にビンごとふるだけ(ここにりんご酢を足せばストロベリービネガー)。
クツクツと幸せの香り広がる苺ジャムは休日にぜひ!最後にミントや黒胡椒をほんの少し加えた大人味に私は仕上げます。

4/17

よもぎ・よもぎ餅(草餅)

よもぎ餅・蓬・草餅・食養生

新芽のよもぎを見かけるとついつい手にとってしまいます。やわらかいよもぎは風味も優しい、緑茶に加えていただくとその香りと効能で私はシャキッとします。よもぎ餅も作ります、よもぎはよく洗って汚れを取り除き、硬い部分があれば落とします。大きめの鍋に湯を沸かしてよもぎと重曹少々を入れて茹で、冷水にとる。後は水気をしっかり絞ってハンドミキサーにかけるか、包丁で細かく刻めば下ごしらえは完了。よもぎには炎症作用や止血作用もあるので、傷や虫さされには葉をもんで貼るとよいそう、お風呂に入れる風習も昔からありますね。邪気を払い、神経痛や肌荒れにも効果があり、婦人病にもよいようで。韓国のよもぎ蒸しなど有名ですね。つきたての柔らかい餅を香ばしく焼いてお醤油をひと垂らし、苦味のような緑香が口いっぱいに広まって元気がでます。

4/14

筍・竹の子ごはん・炊き込みごはん

炊きごみごはんが好きなので季節の食材で楽しみます。今日はたけの子ごはんを作ります。米を研いで水につけて30分置き、ザルにあげる。油揚げ1枚は湯どうしして水気をしぼり細切りにします。下処理した竹の子180gも食べやすく切る。土鍋に酒、みりん各大さじ2、醤油大さじ1と濃いめの出汁を足し、2合分の水分量にして土鍋に入れる。ここに洗った米を入れて混ぜ、具材をのせて強火にかける。沸騰したら弱火にして10〜15分炊き、5分蒸らす(濃いめの味が好きな方は、みりんと醤油各大さじ1を足す)。山椒花をさっと湯がいて御浸しにしたものを添えたり、新芽葉をたっぷり散らす

4/12

パン・パンの日

今日はパンの日です。パンのふっくらとした外観や焼けたこうばしい香りは、幸福な気持ちにしてくれますね。今では世界中に広がって主食になっているパンですが、起原をたどってみると、約8000年前の古代メソポタミアで小麦粉を水でこね、薄く焼いただけのものを食べていたようで、これがパンの原形だそう。発酵の始めはいつも偶然から生まれます、古代エジプトでもおそらくこの偶然から(発酵パン)が生まれ、時代を経ていつしか葡萄液からのパン種が作られるようになり、美味しくなって世界中の人々の食卓に上がるようになりました。日本の日常的なパン、海外の本場仕立ての多種多様なパンが入所できる現代、食べ方まで様々です。世界のパンについて深く掘り下げていくと大変楽しいものです。パン販売に苦戦していた日本で、あんこを入れて大ヒットしたアンパン、ジャムパンも開発した木村屋さん、最初のジャムは杏子ジャムだったそうです

4/7

鯛・たい・桜鯛・花見鯛・鯛茶

春を代表する旬魚の鯛。朱色をまとって北上する桜の季節の真鯛を「桜鯛」「花見鯛」と美しい名で呼びます。鯛は海老を食べるのですが、殻に含まれるアスタキサンチンが身に影響するからだそう。縁起の良い魚として昔から珍重される鯛ですが栄養価も高く、タウリンが豊富で低脂肪、高タンパク、低カロリー、消化吸収もよいので胃腸の弱い人やお年寄りにもお勧めです(鯛の骨には充分気をつけて)。鯛は漬けなどの塩分が入ると表面がねっとりとする魚で、それが美味しくてお鮨や散らし寿しにすることもありますが、やはりお勧めは山葵をたっぷり添えた鯛茶です。ゴマにクルミやカシューナッツ、松の実など好みで入れて乾煎りし、すり鉢でめんつゆ味程度のタレとすり混ぜる。切り身を濃厚ゴマだれにくぐらせて炊きたてのごはんと半分いただき、あとはお好みで煎茶をかけて2度楽しんで下さい

4/6

お花見・炊き込みごはん・混ぜごはん

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関東は桜満開。今日はうららかな暖かい土曜日、桜の下で宴を囲んでお花見を楽しまれている方々も多いと思います。桜えびの旬ももうすぐ、まだ青い富士さんのふもとが、満開の芝桜でピンクに染まって、それはそれはきれいな光景になります。桜えびをごま油で香ばしく揚げ焼きにして塩少々ふる。梅干しと昆布を入れておこわを炊き、切ったカリカリ梅とゆかりを混ぜ、器によそってさらに桜えびをタップリのせる、何杯でもおかわりしたくなるカルシウムたっぷりの混ぜご飯です。桜えびはお好み焼きやかき揚げに入れるとその旨みや香りが広がって極上、茄子と煮たりパスタに入れてもいいものです。

4/5

タンポポコーヒー

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コーヒーと言ってもコーヒー豆から作られる飲み物ではなく、タンポポの根を乾燥させて炒ったもの。独自の苦みがコ―ヒ―に似ているので “ タンポポコーヒー ” と呼ばれています。カフェインが含まれていないので、胃腸の調子が悪い方や妊婦さん、就寝前でも安心していただけるハーブなのです。蒲公英根(ホコウエイコン)とも呼ばれ、利尿作用や清熱解毒にも役立ちます。