井澤由美子の食薬ごはん Yumiko Izawa

食薬ごよみ

四季のサイクルに合わせて食すことが、身体を健やかに導く手助けをしてくれます。
季節の食材とその由来や歴史、食にまつわるお話をご紹介します。

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ニラ・韮・血行不良・ニラ玉・ナムル

食養生・薬膳・韮・ニラのナムル・疲労回復

写真は今号のマガジンハウスクロワッサンに掲載されている免疫力を上げるニラのナムル。滋養が高く肝機能を改善し、血流を良くします。

寒くなると肩がこりますね、ほぐしたいので今日は適度なストレッチと改善ごはんにします。腸の掃除機と言われるニラは体を温める作用も高い。合わせて腸内環境をよくしつつ、血液循環を高めます。血行がよくなるので、冷えによる肩こり、腰痛や血行不良による目の下のクマ改善も期待できます。

ささっとできるニラ玉もお勧め、2人分です。ニラは洗って4㎝幅に切り、卵4個、めんつゆ大さじ2と混ぜる。フライパンを中火にかけ熱くなったらごま油大さじ1をなじませ、卵液を一気に流しいれ、30秒おいて大きく混ぜてふんわり焼き、器に盛る。小鍋に出汁1カップ、醤油、みりん各大さじ2、酢、おろし生姜の絞り汁各小さじ1を煮立て、葛か片栗粉大さじ1を水大さじ2で溶いたものを加えてとろみをつける。生姜を加えたあんかけでさらに温まります、熱々をいただいて下さい。

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白菜・オレンジ白菜・鍋

食養生・薬膳・白菜・ハクサイ・鍋・白菜鍋・冬野菜

白菜は水分が多く低カロリー。ビタミンC、マグネシウム、カリウム、食物繊維が豊富な冬の代表野菜ですね。一度に沢山の量が食べられるのでビタミンCを多く取り入れる事が出来ます。薬膳では胃腸の熱を沈めるので、消化によく、二日良いにも良いとされている野菜です。

オレンジ白菜は柔らかく甘みがあるので生のままでいただいても食べやすい、塩をふってオイルとレモン果汁を馴染ませるとさっぱりとしたサラダに。あるいはピリ辛のヤンニョム(薬念)ペーストとあえるのもお勧め。にんにく、生姜、りんご、唐辛子などがたっぷり入っているので、白菜のカロテンやビタミンC、食物繊維と合わさって、免疫力を高める手伝いもします。

鍋物に大活躍する白菜ですが、下茹でして3枚重ね、手前からクルクルと巻いて輪切りにしてからお鍋や煮物に入れる。茹で汁に白菜の甘みが移っているので、出汁を足してお鍋に加えると美味しくなり栄養価も摂取出来ます。

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七草粥・お粥の炊き方

食養生・薬膳・お粥・七草粥・七草粥の作り方。食養生・無尿息災。土鍋

七草粥は無病息災や健康長寿を願っていただくお粥です。元は中国の「人日の節句」で「七種菜羹」とい言う温かい汁物を食べる風習が伝わり、日本の「若菜摘み」と結びついたと言われています。
春の七草(スズナ(蕪)・スズシロ(大根)・セリ、ナズナ(ペンペン草)・ゴギョウ・ハコベラ・ホトケノザ)で七草入りの粥を「朝」作ります。スズナやスズシロは叩き(切っても)、葉ものも食べやすく切ります。今日はお粥の粒先がひらくような食感のよい作り方をご紹介します=米半合は洗って、できればザルにひろげて30分ほど乾かします。鍋にお米の10倍量の湯を沸騰させて米を入れ、ひと混ぜだけする。再度煮立ったら米油か菜種油を小さじ半ほど加えフタをして弱火でゆっくり25分ほど炊き、切った七草を入れ5分煮て5分蒸らします。最後に粗塩2つまみを加えると塩梅よく、みずみずしい仕上がりになります。
七草粥はお正月のご馳走や祝い酒などで疲れた胃を休めることも目的です。朝粥は普段の朝食にもお勧めです、胃にもたれず元気がでるので1日のスタートにもふさわしい食事と言えますね。

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けんちん汁・大浦ごぼう・根菜

けんちん汁・巻繊汁・豚汁・煮物・芋煮

今朝は東京でも雪が降りました、初雪です。

こんな日は温かい汁物や鍋ものを作りたくなりますね。千葉県の伝統野菜、大浦ごぼうを頂きました。縁起物として珍重され、太くて大きなごぼうです。見た目はごつごつとしていて扱いにくそうですが、煮るとほくほくして甘くとても美味しい。そのごぼうに、下ゆでした里芋とこんにゃく、人参、焼き豆腐、豚肉、油揚げと一緒に鍋に入れて、お酒と濃いめの出汁、醤油で煮込みます。
シメには、合わせみそ・みりん・ザラメかきび砂糖を足して濃いめに味を整え、コシのある太めのうどんとネギ、落とし卵を加えてクツクツ煮込み、煮汁がうどんに染み込む頃が食べごろです。

寒くなると運動不足でお腹が張ったり、血の巡りも悪くなりやすい。積極的に体を動かすように心がけ、繊維や発酵食を積極的に摂取します。特に根菜類の里芋やごぼうは食物繊維が豊富、コレストロールが気になる方もたっぷり召し上がって養生して下さい。ちなみにごぼうの種は生薬で喉の治療薬です。

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本味醂・伝統調味料・疲労回復

本味醂・疲労回復・みりん・味醂・搾りたて・発酵調味料・伝統調味料・疲労回復

今日は疲れたなぁと思った時は、本みりんをいただく事があります。甘酒も良いですが、甘露な本みりんがスッと心地よく喉を通るので、寝酒に少し。甘酒は、飲む点滴とも言われるほど滋養が高いですが、本みりんも負けていません。

もち米を9割、うるち米を1割の割合で作った、熟成した本味醂はそのまま飲んでもとても美味しく、元気になります。砂糖より入手しやすかった昔は、女性にも親しみやすいお酒で、お正月にいただくお屠蘇(おとそ)でもありました。「密醂」「美醂」とも書かれるみりんは、時代の流れでお料理に使われる調味料となりました。上質なみりんはさっと煮詰めるだけで、品のよいシロップにもなります。手間暇かけて丁寧に作られる日本の伝統調味料は技の巧み、身体にも優しいので使わないのはもったいないですね。卵焼きはふんわり仕上がり、肉や魚に煮からめたつやつやの照りは、なんとも食をそそります。

写真は三河味醂、取材先での搾りたてでフレッシュ!寝かせると琥珀色になります。

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お雑煮・お餅・お正月

お雑煮・餅・正月・お正月料理・食養生・伝統食・和食・御節

新年御目出度う御座います。本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。

お餅好きで通年を通していただきますが、お正月にいただくお雑煮は背筋が伸びます。お餅は古くから神仏へ捧げる神聖な食べものであり、お雑煮は備え下げたお餅を料理して旧年の収穫や出来事に感謝し、新しい年の豊作、幸運、健康、家内安全を祈る日本の伝統食です。

我が家は浅草育ちの祖母に習ったお雑煮を毎年暮れから鶏ガラと和出を合わせてたっぷり用意します(骨つき撮をネギや野菜の端切れとゆっくり煮て、和出汁と合わせて味がまとまったら酒、しょうゆ、塩、みりんで味付け)。
お餅は大根おろし、磯部巻き、おぜんざい、しょうゆ砂糖、きなこ和三盆、納豆たらこ酢漬け、塩うに、からすみなどの珍味まで何にでよく合いますね。
お餅を上手に焼くには、表面に十文字の切り込みを浅く入れ、予熱したトースターや網に切り目を上にして焼くとプクッときれいに焼けます。醤油をたらして焼くと網にくっつきにくくなります。お餅は余ったら1個ずつラップをしてくるんで冷凍保存、ごはんを炊くときに1枚加えるとおこわになります。お餅は母乳の出をよくすると言われています

12/28

黒豆・お正月・美容御節

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御節料理は祝い肴の「黒豆、田作り、なます」この3種を作ればきます!見た目に美しく、簡単で、若い方々の口にも合うレシピがお題の美容薬膳御節を「美ST」(光文社)にてご紹介です。

まず手始めに風味が変わらず、日持ちのする黒豆から。今年は、シナモン蜜煮のサラリとしたタイプ、スプーンですくって煮汁ごといただきます。シナモン、黒糖、赤ワインを加え、めぐりのいい体に。シナモンでスッキリとした仕上がりで、素材の力も体感できます。

作り方です。黒豆250gは洗い、割れているものは除く。大鍋に水1500mlを沸かし、弱火にして混ぜながらシナモン3本・黒糖200g・醤油50ml・赤玉ワイ80ml・重曹小さじ半(少し加えると早く柔らかに)を入れる。黒豆を加え、厚手のキッチンペーパーをかぶせてひと晩おく。キッチンペーパーをかぶせたまま中火にかけ、フタをして温まったらごく弱火にし、3~4時間煮て、そのまま冷ます。

 豆の中でも特に滋養が高い黒豆。薬膳・漢方では腎をケアし、老化防止に役立つ代表食材です。黒豆のポリフェノールは血流を良くし、肝機能もケア。上質な植物性たんぱく質でありながら腸に負担をかけず、体を元気にしてくれます。

 (従来の黒豆の煮方は、HPにもありますが、「簡単なのにきちんと作れる・おせち料理」(成美堂出版)14Pにも掲載。黒豆には、まめに働きまめに(健康に)暮らせるようにと無病息災の意味が込められています。

12/25

リンゴ・林檎・りんご・食薬

林檎・カービング・林檎バター・アップルバター・りんご

子供の頃、体調を崩すと母がよくりんごをすってくれたものです。りんごは85%以上が水分、ビタミンC、カリウム、食物繊維、リンゴ酸、クエン酸、糖分の栄養価が胃腸に優しく作用します。おろす、するという調理法も手伝って、病気改善、疲労回復に役立っていたのですね。
身体の余分な熱もとるので楽になります、黄色い鼻水が出る時は体内に熱がこもっているサインです。逆に白い鼻水が出る時は身体が冷えている証拠です、身体を温める作用がある、にんにく、ねぎ、生姜など温めるものを消化よく調理していただくといいですね。

アップルパイ、ジャム、コンポート色々ありますが、甘酸っぱいりんごのフルーツバターもおすすめです。作り方は、小鍋に乱切りにしたりんご1個分を入れ、レモン果汁を混ぜておく。好みの加減のグラニュー糖を加えて煮ます。あとは室温に戻したバター60gと混ぜるだけです。

12/24

クリスマスチキン・鶏の丸焼き

チキン・クリスマスチキン・丸鶏

急いでチキンの丸鶏を焼く時は(オーブンを220度に温めておく)内臓を水ですすいで、水気を拭き塩も腹中にふる。叩いたにんにくとパキパキ折ったセロリを葉ごとギュウギュウにつめる。鶏全体に、にんにくの切り口をところどころこすりつけ、粗塩を満遍なく少し多いかな?くらいにすり込みます。手羽先の部分が下になるように置き、オリーブオイルを表面に適宜たらしたら、10分焼いて200度にして20〜30分焼く。皮付きのまま食べやすく切ったじゃがいもやごぼう、人参、たまねぎなどを鶏の回りにおく。再度220度にオーブンを温め、鶏からしっかり脂がでて(途中2度ほど、スプーンで脂をすくってかける)こんがりするまでパリッと焼く(庫内の大きさによりますが、焦げそうになる部分があったらホイルをかぶせる)。チキンと野菜を器に盛り、焼いた天板を中火にかけ、脂をこそげるようにワインを注いで馴染ませる。生クリームかミルクを加えて煮詰めてソースを作る、ナツメグの削りたてや胡椒、醤油少々を加えても。鶏肉の部位ごとに栄養価が違います、レバーは貧血、手羽先はコラーゲン、鶏胸肉は疲労回復ですが、食べ合わせを考えるとそれぞれ効果が増します。

12/23

チーズ・カマンベール

カマンベールは伝統的な製法で作られるフランス、ノルマンディーの特産品チーズでカマンベール・ドゥ・ノルマンディ(Camembert de Normandie) が正式な名称です。少し苦味を感じることもありますが、芳醇な香りと柔らかくクリーミーでマイルドなお味は、どなたでも食べやすい白カビのチーズ。そのままいただいても、火を入れてさらにとろりとさせても美味しい。私は洋ナシやリンゴなど、フルーツと合わせてビタミンCと一緒に食し、美味しさと栄養面への相乗効果にアプローチ。フルーツやスパイスとの組み合わせは、クリスマス会などにお出ししても、小洒落れています。

タンパク質やカルシウムの吸収率はミルクよりもよく、粘膜の保護に有効なビタミンB2が豊富。寝る前にチーズをいただくと、含まれるトリプトファンのおかげで安眠できる効果も期待できます。