井澤由美子の食薬ごはん Yumiko Izawa

食薬ごよみ

四季のサイクルに合わせて食すことが、身体を健やかに導く手助けをしてくれます。
季節の食材とその由来や歴史、食にまつわるお話をご紹介します。

8/9

立秋・梨・薬膳・漢方・喉・食養生

梨・薬膳・漢方・井澤由美子・まいにち食薬養生帖・健やかごはん・養生。健康。・薬膳・漢方・栄養学・簡単レシピ

まだまだ暑さが募りますが、暦の上では立秋に入りました。庭の酢橘や梨も大きくなって、ツクツクボウシの鳴き声も、そろそろ聞こえて来そうです。

新生姜と梨が一緒に出回る時期はとても短い。今日は、梨の薬膳ジンジャーシロップのレシピを急いで書きます。新生姜は皮ごと、梨は皮と芯を取ってミキサーやブレンダーにかける。鍋に清潔な布をひいたザルを置き、ブレンダーの中身を注ぐ。ある程度水分が落ちたら、包んでギュッと絞りながら果汁を全部入れる。甜菜糖を加えて半量くらいになるまで煮詰めて、冷めたら冷蔵庫で保存してください。喉の調子が悪い時や消化不良が気になる時、寒さを感じた時などにお勧めのシロップです。漬物やカレーの隠し味などにも、一役買います。

それから、定番の蒸し梨もお勧めですこちらは、まいにち食薬養生帖204ページご覧ください。

梨は喉に良い果物、乾燥を防ぎ空咳を抑えます。果糖の一種、ソルビートが豊富なので整腸作用が有り、便秘解消に有効です。

梨は若いときはザラザラ、完熟すると表面がツルツルになります。保存するときは紙で包んでヘタを下にして冷蔵庫へ。

8/5

発酵の日・発酵食・腸活

漬け物・糠漬け・発酵食・腸活・美容・元気・発酵食・やる気アップ・美容・井澤由美子

本日8月5日はハッコーの日(語呂合わせ)。日本は世界でも有数の発酵食大国、普段使う味噌、醤油、味醂、酒、酢などの調味料を使うだけでも腸活になっています。その他にも、納豆や漬け物など普段の食卓に上がりますが、これらの植物性乳酸菌は特に日本人の体質に合う要素が多く含まれています。味噌やぬか漬けなどの腸へのアプローチは、世界からも注目を集めていますね。

暑い日に冷たく冷えた漬け物を口にすると、疲労がスッと回復しませんか?頃合いよく漬かった漬け物の塩分や酸味、野菜の歯触りが心地よく感じます。そして漬け物には交感神経を落ち着かせるギャバが多く含まれているので、イライラやストレスを和らげ、リラックスする効果が期待できます。安眠効果も期待できるので、お夕飯時に特にお勧め。日々いただくと肌も艶やかになります、心身共に元気にする乳酸菌たっぷりの漬け物は私にとってスーパーフードです。

ヨーグルトもお腹に良いことで有名です。日本の大手メーカーが製造しているヨーグルトの乳酸菌は特定の機能性が認められたものを選択し、培養されたものなので食べ続けると良い腸内環境を保つことが出来ます(1日1カップが目安)。野菜やドライフルーツなどの食物繊維と一緒に摂取すると、更に腸へのアプローチが高まります。

腸内環境を改善する→自律神経のバランスが整う→メンタルが元気になる→様々なことへのやる気アップに繋がる。腸は第2の脳と呼ばれる所以、実は思考をもポジティブにします。

今日は特に、身近にある発酵食を意識した食卓にしてみてはいかがでしょうか。

8/4

桃・桃仁・漢方・薬膳・生理痛

桃・夏の果物・桃仁・食養生・ピーチ・薬膳・漢方

「仙人の果物」とも呼ばれる桃。みずみずしく香りよく、見るからに美味しそうな桃が出回っていますね。果汁が滴るような熟れた完熟桃を2時間ほど冷やして、薄皮をむいてかぶりつくのが一番美味しいと思っていましたが、桃の里ではかたいけれども完熟している桃を皮ごと食べそう、桃の一番甘い箇所は皮と実の間の部分ですから腑に落ちました。購入する時は白い斑点(果物)があると、糖度が上がっているそうなので目安にします。

体を冷やす傾向が多い果物の中で、桃は体を温める性質があります。腸を潤して胃腸の働きを整えるので、お通じを良くしたり食欲不振時にも効果的です。

桃はコンポートなどのデザートに最適ですが、料理にも。白胡麻と豆腐を合わせてまったりと擦った白和えに、茹でたエビを合わせ、品の良い風味の桃を少し忍ばせると極上の一皿に。エビも体を温める食材です、色合いも美しいのでぜひお試し下さい。

漢方での桃仁とは、桃の種「かたい殻の中の種子」のことで、日干しさせた生薬。血行障害で起こる無月経、月経痛に効能があるとされ、血の巡りをよくする血薬として用います。コロコロとした乾燥便秘にも効果的だそう。乾燥させた葉は、汗もなどに良いとされ、昔から浴剤(桃湯)で親しまれています。桃は女性特有の症状によく効くようです

8/3

ヨーグルト・発酵食・ホエー・乳清・美容

ホエー・ヨーグルト・サラダ・井澤由美子・発酵食品。食養生

ヨーグルトは牛乳に含まれる発酵食品。発酵によって、含まれるカルシウムやたんぱく質などが体に吸収されやすくなっています。乳酸菌が善玉菌を活発にし、悪玉菌の活動を押さえるというように、腸内環境のバランスを整える。免疫力が高まり(体の免疫細胞の6、7割は腸に集中している)アレルギーなどの症状も抑えることが期待できます。

水切りヨーグルトは料理やデザートに使いやすく、今ならスイカや桃と合わせたティーサンドイッチなどにもお勧めです。

残ったホエー(乳清)にもヨーグルトの栄養がたっぷり。冷たく冷やして朝食などにいただくと体が活性化する気がします(まるで飲む美容ドリンク)。酸味がマイルドなので、酢の代わりにサラダのドレッシングやつけもの、お浸しに加えるのもお勧めです。動物性乳酸菌と植物性乳酸菌 、どちらもバランスよく日々に取り入れて、美味しくいだだくと効果倍増です。

7/30

梅干し・梅・梅干しの日・食養生

初夏の手仕事・梅仕事・食養生・東京食薬Labo・井澤由美子・三毒を消す・ume・梅干し・梅料理・井澤由美子・食養生・食薬・まいにち食薬養生帖・健康・美容・和食

日本では「梅はその日の何のがれ」と昔からの言い伝えがありますね。梅干しを食べると、その日1日の災難から逃れられると言う意味合いですが、薬のなかった時代に下痢や便秘、疲労回復、生物などの殺菌効果や、旅先での病よけなどの意味合いも含まれていたと思います。子供の頃、高熱が出ると母におでこに梅干しを貼られるのが嫌で逃げ回っていましたが、翌朝目を覚ますと梅干しは私の熱を吸ってカラカラに乾いていたものでした。「食・水・血」の三毒を断つとも言われる梅干し、色々な効果効能があることを昔の人々は感覚的によく知っていたのですね。

7月に地方に行くと、農家さんの庭先にずらっと並んだ梅干しを見かけます。夏の風物詩でもある梅の土用干しの景観はそれは壮観、もっとも日本らしい風景です。7月30日は梅干しの日だそうで、梅で有名な和歌山県みなべ町の東農園さんが設定されました、7(なん)が30(去る)の語呂合わせだと伺いました。

汗で塩分が排出されていくので、暑い日の塩梅の良い梅干しは美味しく感じます。白米や玄米、バターを加えた夏野菜のピラフなどを炊く時に梅干しを、ポトンと一粒落とします。出汁をとる時に加えるのもこの時期の防腐効果や養生になります。

7/29

サマーオレンジ・西瓜・食養生

井澤由美子・NHKカルチャーセンター・西瓜・スイカ・夏の養生・食養生・食薬・利尿作用・リコピン・井澤由美子・薬膳・漢方

サマーオレンジは、柑橘類のような名前ですが実はスイカです。北海道で出逢った感動した食材の一つ。口にしてみたらよくある黄色いスイカとは違い、何となくメロンのような甘さが有ります。舌触りもクリーミーで、いつものサクサクしたスイカとは様子が違います。色はクリームイエロー、種も少ないのが特徴でした。聞けば、生産方法も変わっていて、夕顔に接木して育てているのだとか。サマーオレンジは(夕陽色)の意味合いだそうで、農家さんは、目の前に広がる水平線に沈む夕日を毎日毎日眺めながら味見をするのが日課で、その様子を楽しそうに教えてくださいました。早々に持ち帰って、スイカのクリームティーサンドを作って冷たいアイスティーと合わせたら、眼にも舌にも楽しめる大人のオヤツになりました。

スイカはカリウムが豊富、利尿作用があります、赤いスイカはトマトと同じリコピン、黄色いスカイかはカロテンを含みます。シャリシャリと冷んやり冷えたスイカを食べると、糖分やミネラルを含むので体を潤していくのが判ります。塩をふって食べると甘さが引き立つだけではなく、スポーツドリンクと似た内容になります、熱中症対策にも最適ですね。

7/28

青唐辛子・青柚子・夏野菜・柚子胡椒・手作り調味料

青柚子・柚子胡椒・しそこしょう・ガスパチョ・食養生・食薬ごはん・井澤由美子・美肌・秘湯回復・薬味・NHK

青唐辛子や青ゆずが出回る季節。青唐辛子はピリっとしますが、穏やかな青々とした辛味が心地いい。

青唐辛子と青柚子を組み合わせて仕込む手作り「青柚子胡椒」を作ってみました。青唐辛子4〜5本は縦半分に切って、種を好みの量こそげて粗みじん切りにし、すり鉢に入れる。青ゆずの皮だけを1個分すりおろし、種をのぞいて果汁を加え塩を混ぜる。塩加減は好みで調整種てください(小さじ1くらいから味を見ながら)塩分が少ない場合は、冷凍保存がお勧めです。シンプルにグリルした肉やシーフード、穴子の白焼き、冷や汁、そうめん、冷奴などによく合います。

青ゆずこしょうで作る涼やかな美しいガスパチョの作り方です。作りたての青柚子胡椒少々をボウルに入れ、きゅうり1本、しそ4、5枚、パンひとかけ、オリーブオイル小さじ2を加えてハンドミキサーで攪拌します(様子をみて水分を足す)。好みで酢少々を加えても爽やかです。

青唐辛子、ゆずは消化を促進し、香りで気の巡りを良くして暑苦しさを緩和します。

7/27

アーモンド・スーパーフード・健康・美容サラダ

サラダ・アーモンド・夏野菜・食養生・健康・美容・

アーモンドは低糖質なのでダイエット中のおやつにする方も多いですね。抗酸化作用が高く、体のサビを取るなどのアンチエイジング効果があり、血糖値の上昇を抑えるなどデトックス作用もあるスーパーフードです。

薬膳では血行を促進させ、神経を活性化させる若返りの食材とされています。中でも良質なオレイン酸、ビタミンE、ビタミンB2などが豊富で、悪玉コレストロールを抑制する美容食としても有名ですね。食物繊維がたっぷりなので便通をうながし、腸や肌をきれいにする。その一粒一粒に天然の美容成分を凝縮させています。

料理に使うとコクが出たり、よいアクセントになります。今日は夏バテ防止にもなり、肌の再生力を高めるサラダに。砕いたアーモンドをオリーブオイル、レモン果汁、おろし生姜のドレッシングに加え、好みのサラダにかけたりマリネします。葉野菜の他に、人参、セロリ、トマト、りんご、きのこなどの野菜によく合います。

アーモンドは輸入品が多いイメージですが、日本で栽培されているアーモンドもあります、花は櫻に似ています。杏、桃、桜桃、季などと同じバラ科なのでお皿の上でも良い相性、今なら桃がお勧めです。

7/26

一汁三菜・夏の和食・薬膳・食養生

和食・食べ合わせ・一汁三菜・薬膳・井澤由美子

大暑の盛りですね、皆様ご自愛下さい。今日は食材の効能を生かした猛暑にお勧めの食べ合わせの、簡単な一汁三菜をご紹介致します。和食はご飯、お味噌汁、お浸し、シンプル調理の魚や肉、漬物、梅干しなどのバランスのとれた薬膳そのものです。旬を取り入れ、地域に密着した四季折々の食材は健康効果が高く、理にかなっています。

野菜料理の小鉢は暑熱を解消し体を涼しくする代表野菜のゴーヤと、消化を助ける茗荷の梅浸し。浸し汁の出汁に疲労回復効果のある梅干しを加えて煮立てて冷まし、薄切りゴーヤと茗荷を浸しす。

薬膳での五畜は羊になります。エルカルニチンでダイエット効果も高いヘルシーな羊肉を醤油麹とおろしにんにく(好みのスパイスを加えても)に漬けて柔らかくし、魚グリルやフライパンでソテーします。好みで夏バテに良い豚肉やカツオ、マグロなどでもよいでしょう。

ご飯は白米でも玄米でも良いですが、少し柔らかめに炊いて胃腸を労わります、すりごまと粗塩少々をすり混ぜてご飯にかけ、ゆっくりと良く噛んでいただいて下さい。

汁物はセロトニンを含む卵とギャバの多いトマト、効果的に体に取り入れる生姜を加えてをかき玉にし、体を潤し安眠効果を上げて養生する。あれば塩分補給にもなる糠つけなど、腸活する発酵食を添えていただきます。

 

 

 

 

 

7/25

きょうの料理・きゅうりの水キムチ・ 乳酸菌飲料・ 腸活・夏バテ予防

美容食・美肌・腸活・食養生・きゅうりの水キムチ・井澤由美子・まいにち食薬養生帖・薬膳・漢方・保存食・発酵食・乳酸菌・乳酸菌飲料・きゅうりの乳酸水キムチ

うだるような暑さから帰宅して冷蔵庫を開け、キーンと冷たいサッパリとした水キムチの漬け汁をゴクンと飲む。塩分と糖分、野菜や薬味の風味、程よく発酵した酸味が入りじまっています。たっぷりの乳酸菌を感じる事ができますよ、体も脳も直後に元気が回復します。水キムチは、水分がたっぷりで辛味がほとんどない食べやすいキムチ。漬け汁に沢山の乳酸菌が含まれています、そのまま飲んだり冷麺や冷し中華などの漬け汁に加えるなど、余す事なくいただいて下さい。

今回は(はじめての手仕事・夏の恵みで保存食)と言う事で、簡単に作れる乳酸菌飲料を使いました、発酵オタクの裏技です。米の研ぎ汁などでも良いですが、乳酸菌飲料はそれ自体に効果効能があるので安定した発酵力を醸し、漬け汁の乳酸菌も容易に増える。きゅうりの繊維も手伝って腸活にうってつけです。しかも、丁度良い酸味や甘さがあるので美味くなる嬉しいおまけ付き。このレシピは、初めての保存食や発酵食作りを試したい方に特におすすめです、手軽に失敗なく作れるのでぜひトライしてみて下さい。

HNK「きょうの料理」7月号でご紹介しています。多少レシピが違いますが「365日の食が心とからだの薬になる・まいにち食薬養生帖」(リトルモア)8月5日の182ページでも掲載しています。この水キムチを井澤家では、「イマドキ水キムチ」と呼んでいます。きゅうりは体を涼しくします、夏バテ防止にもぜひ!