井澤由美子の食薬ごはん Yumiko Izawa

食薬ごよみ

四季のサイクルに合わせて食すことが、身体を健やかに導く手助けをしてくれます。
季節の食材とその由来や歴史、食にまつわるお話をご紹介します。

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桃(もも)・桃仁(とうにん)・薬膳・漢方

旬のフルーツ・果物・薬膳・桃・桃仁・井澤由美子・食養生・

新鮮な桃は水で洗いながらうぶ毛をこすりとるように布で洗い、皮ごと食べるのだと山梨の友達から初めて聞いた時はびっくりしました。食べてみて納得。その方が、桃の香りが立って美味しい。写真のももは熟しても実が硬いタイプ、切ると真っ白な果肉に紅色がなんとも艶やか。

それまでは桃は完熟した柔らかい果物と認識していたので、そのシャリシャリとした食感は新感覚でした。かたい桃はフルーツビネガーに漬けてピクルスにしても美味しそうです。

桃の葉は日本でも民間療法であせもや湿疹、神経痛などに効く入浴剤になっていますね。中国では邪気を払い長寿の果物とされ、つぼみや花は漢方の生薬(白桃花)、むくみや無月経などに使用されます。種は(桃仁)と呼ばれ、血行を良くし、下腹部痛、更年期障害などに有効、漢方薬の桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)の主成分でもあります。

7/15

北海道仁木町・アイコのトマトジュース

北海道の仁木町のある農園でトマトジュースを頂いて、そのお味にビックリ。とっても甘くて旨味が濃い!なんと、糖度が9度以上もあるそう。原料となるトマトは「アイコ」と言う品種で、仁木町はその生産地として名高いのです。
アイコは少しほぞ長いプラム形をしたミニトマトで、その小さな身に秘められたパワーは凄いのです。普通のトマトの約2倍ものリコピンを含み、ビタミン、ミネラルもとても豊富。リコポンの高い抗酸化作用は、老化やガンを引き起こす活性酸素を除去するので美容と健康を守りたい人にお勧めです。
とろみもあるアイコのトマトジュースを半分凍らせて、おろし生姜やすりごま、自家製のめんつゆを混ぜ、そうめんタレを作ったら美味しそう。「氷トマトそうめん」って、熱い時にはそそられます。

7/13

玉蜀黍(とうもろこし・とうきび)・とうもろこしの冷たい昆布スープ

とうもろこしは米、麦に並ぶ世界3大穀物の一つ。糖分が高いので、エネルギーの補給源にもなります。購入したら栄養価が急速に下がるので、なるべく早めに直調理しましょう。毎年、生のトウモロコシを炊き込みごはんにしたり、かき揚げにするのが楽しみ。甘みを生かしたすっきりとした和風スープもいいものです。作り方は昆布を水につけておき、とうもろこしの実を削いだ後の芯と玉ねぎを入れて弱火にかけてフタをし、20分ほどゆっくり煮る。とうもろこしの実を加え、好みの加減に煮たらハンドミキサーで撹拌し、白みそを溶き入れる。冷たく冷やすして夏向きの冷製スープもいいですが、温かくても美味しいものです。とうもろこしは利尿作用が高く、繊維も多いので便秘やむくみを改善します。

7/12

味噌・みそ・長期熟成

みそは発酵食品なので、様々な健康効果が期待出来ます。発酵・熟成の過程でできる色素成分「メラノイジン」は、食物繊維のような働きをし、
腸内の善玉菌を増やして悪玉菌を減らすのに、一役買います。また、抗酸化作用も高まり、廊下の素となる活性酸素を減少させる事も、わかっています。私が日常使いしているみそは長期熟成褪せたもの。塩分はしっかりめですが、寝かせることによって角がとれ、奥深い旨味に変わります。保存食は、原料が上質なものなら、寝かせる時間が美味しさを引き出してくれる。
美味しい大豆、良い生米麹、天然の塩にこだわって作る味噌蔵のものを選びたいですね。
みそは手作りも簡単ですよ、私の適当に作る手前みそは毎年違う出来上がりになってしまうのですが、それはそれで面白い。お手製のみそに皮ごとおろした生姜とごま油少々を加えまぜる、きゅうりスティックなどをつけて食べると身体の余分な熱を健康的にとり除くことが出来ます。

7/8

蘇葉(そよう)・紫蘇(しそ)・大葉(おおば)・保存食

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蘇葉・紫蘇葉(そよう・むらさきそよう)は、しその生薬名。食用だけではなく、古来より使用されてきた薬草で、解毒作用や抗菌作用が高く理気薬でもあります。美しい発色の紫蘇ジュースは、貧血予防にも良く、咳なども止める薬効が期待出来ます。

お刺身のツマには青しそ、穂しそが添えられていますね。青しそはβカロテン、リノレン酸、ビタミンCが豊富なので美肌効果やアンチエイジングが期待出来ます。アレルギー症状の緩和、吐き気やつわりにも効能があるとされています。その香りは気を巡らせ、食欲増進を促す効果があ有ります。今日は庭やベランダに青しそがわさわさなっているのでクイック保存食を作ります。しそは葉を摘んで水に5分さらして重ね、手前から丸めてごく細切りにする。キッチンペーパーに包んでぎゅっと水気をしぼり、ほぐしながら密封容器に入れ、ごま油、おろしにんにく、粗塩を適宜加えてなじませ、好みですりごまを加えれば、しそのナムルの完成。パスタやそうめん、肉や魚と和えるだけで爽快な一皿に。

7/4

岩牡蠣・いわがき・夏牡蠣

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岩牡蠣は亜鉛を多く含み、味覚に正常に保つ働きがあります。タウリン、カルシウム、ビタミンA,ビタミンB群が豊富、夏バテ予防にも良いものです。私は一口で食べられるサイズが好み。口の中で一体化し、濃厚なクリーミーさとみずみずしさをバランスがよく堪能できるから。後から貝柱の美味しさと磯の香りがジワっと広がります。
写真は。隠岐の岩牡蠣「隠岐ひかる」です。島根県隠岐郡西ノ島町の中上養殖場は、日本で初めて岩牡蠣の種苗生産に成功し、その美味しさを広めたそう。岩牡蠣はそれはそれは絶品です。

7/2

朝活・朝ごはん・卵(たまご)

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朝起きたら常温のお水をコップ半〜1杯ほどゆっくり飲みましょう。そして朝ごはんには温かいお味噌汁やスープなどを添える。胃を温めると、身体が喜ぶように気持ち良く目覚めていくので、1日のスタートを快適に過ごすことが出来ます。ぜひ、そこにほぼ完全栄養食の卵を合わせて下さい。調理もクイックで出来るし、繊維とビタミンCを補えばバランスの良い朝食になります。ゆで卵なら、消化の良い半熟茹がお勧め、作り置きしておくと何かと重宝します。卵のおしりの方に画びょうでちょんと刺して一箇所穴をあけます。沸騰したお湯に塩と酢を少し加えて卵を入れ、4〜6分ほど茹でて好みの硬さにし、冷水にとるとツルリとむけます。

7/1

新にんにく・にんにく・ガーリックスパゲティー

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野菜が美味しくて有名な産直(島根県邑南町)で、大きくてピカピカな真っ白な新にんにくがで出回っていたので、たくさん購入しました。
フレッシュで柔らかいので、薄くスライスしてそのままで食べられますよ。生で食すのは、この時期だけの楽しみ方です。炊き込みごはんや素揚げにしてもホクホクで美味しい!皮を剥いて醤油やみそに漬けたり、オリーブオイルに漬けるなど、保存食もたくさん仕込みました。
にんにくは古代エジプトでピラミッドを作る現場でも配られていたくらい、滋養の高い食材。
今日は娘のリクエストに答えて貝の旨みをたっぷり含ませたにんにく風味のパスタを作りました、ゴロゴロと大きく切った方が美味しい。
ちなみに、アメリカの都市名のシカゴはネイティブ・アメリカンの言葉で「にんにく」と言う意味、野生にんにくがいっぱい生える場所だったのですね。

6/29

梅干し・赤しそ・便秘・下痢

梅・梅仕事・梅干し・うめ・民間療法

お天気がいいですね、日中は暑くなりそうです。晴れが続く予報だから今日は梅干し日和。天日干し作業にいつでも入れるように、ここ二十日ほど寝かせてある梅があります。毎年、赤しそを入れた赤梅バージョンと白梅バージョンを20日を用意。
ザルいっぱいに広げて天日干しにする作業が楽しいのです。日に数回返して皮をつまんで干し加減をみながら天候や梅の大きさによって2〜5日間干します。天日干しが終わったら、梅酢の瓶に戻して漬けます。ふっくらとして香り良く仕上がった梅干しは、料理にも大活躍します。
具は入れず、梅干しだけを加えたシンプルな茶碗蒸しは温かくても冷やしても美味しい。卵液に塩気が広がって、梅干しのクエン酸がゆっくりと疲れをほぐしてくれます。病中病後にもおすすめですね。
日本のおかゆに梅干しが添えられているのは、味付けだけが目的ではありません。梅干しを食べると唾液の分泌が良くなり、消化を促進するからです。便秘や下痢などにもよく、昔ながらの梅干しは薬としても重宝されてきたのです

6/25

夏の薬膳・ズッキーニ

ごく身近な食材からでも、薬膳の効能を得ることが出来ます。今日は相須(そうす・同じ薬効をもつ食材の組み合わせで効果を上げる)の一皿、茄子とズッキーニのあぶら味噌炒めをご紹介。なすは輪切りにして軽く塩もみする(こうすると油を吸いすぎない)、ズッキーニも輪切りにする。フライパンを中火にかけ、ごま油を馴染ませたら豚こま肉を色が変わるまで炒め、切った野菜を加える。しんなりしたら野菜がきび砂糖、油味噌、酒を混ぜて加え、全体にからめながら炒める。刻んだしそやすりごまで風味をつける、日持ちもするので常備菜にも◎。健康の為には食品添加物を多く使う食品、漂白や精製してある穀類できるだけ避けることが大事です。食物繊維が豊富な旬の野菜や果物、海藻、玄米、豆類などを食すようにしましょう。