井澤由美子の食薬ごはん Yumiko Izawa

食薬ごよみ

四季のサイクルに合わせて食すことが、身体を健やかに導く手助けをしてくれます。
季節の食材とその由来や歴史、食にまつわるお話をご紹介します。

6/23

枇杷(びわ)

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枇杷は実を食べるだけでなく、葉もその高い薬効から日本、インド、中国で昔から民間難病治療などに使われてきました。実より薬効の高い葉は血液を浄化し、炎症を抑える効果があるそうで、お灸と共に使われることもあります。自然食品店などでも購入できます。粒が大きめで完熟している枇杷の果肉は、繊細な香りとさらりとした上品な甘み。肉厚の食べ頃のものはみずみずしく、皮もスーッと剥きやすい。コンポートなども良いですが高貴な香りを吸い込みながら、まずは冷やした完熟をそのままいただくのが正解。今年は皮と種を取り、ブランデーと氷砂糖に漬けて枇杷種を作りました。

6/21

メロン

メロンは本当は果菜(野菜)の定義。しかし、市場や栄養学上の分類では果実、果物として取り扱われます(苺やスイカも同じです)。一般的にメロンは糖度が高い果物というイメージですが、カリウムが特に多く塩分が気になる高血圧やむくみの気になる方にはオススメです。メロンのビシソワーズはよい組み合わせ、配合がよければとても美味しいジャガイモのスープになります。ワインのお供としては生ハムメロンが定着していますが、メロンの熟し加減でこその美味しさ。旬のメロンをポンと割って種を取り、ビンごと凍らせたトロリと冷たいジンでジンメロンもアダルトでいいし、ソーダにアイスを乗せて本物メロンクリームソーダも楽しい。オススメはキリッと冷やしたメロン、少し辛味のあるオリーブオイル、摘みたてバジルを散らしたバジルメロン!

6/17

朝活・甘酒バナナスムージー    

スムージーの中でスタッフに1番人気なのは、やっぱり甘酒スムージー。どなたが飲まれても美味しく感じるのと、デイリーに作れ、お腹にしっかり効能があり、エネルギーチャージが速やかに出来る。色々な材料を揃える必要もなく、氷も入れないので薄まらず美味しい。バナナが甘酒をさらに飲みやすくします。発酵食であるブドウ糖とビタミン豊富な甘酒、バナナの水溶性と不溶性の植物繊維と合わせると善玉菌を増やし腸がさらに元気になります。お子さんや高齢者の方にもお勧めですよ。バナナを輪切りにして冷凍し、甘酒とミキサーにかけるだけ(氷代わりに冷凍カットバナナを浮かべるだけでも)、仕上げにふるシナモンは香りとともに、活血(かっけつ)作用があり、身体を温める効能が期待できます。

6/15

パン・天然酵母

毎年訪れる蘭島(小樽)の岬のてっぺんにあるAiguse Vives(エグ・ヴィヴ)さん。お店に入ると香ばしい香りと凛とした空気がただよう、パンに力があるからでしょうか。
良質な水と天然酵母で作られたどっしりとした重いパン達は噛むとどれも味わい深く力強い。上質なチョコレート、フルーツ、ナッツなどがを使った素敵な大人菓子も焼いている。バターが香るクロワッサンに関しては、口溶けがよくてビックリする。本物のクロワッサンはただサクサクしているだけではないと言った、ジョエル・ロブションさんのコメントを想いだした。料理はお皿の中に自分がでる、パンも作った人に似ると思う。私は、こちらのパンのファンです。

6/12

ニューサマーオレンジ・日向夏(ひゅうがなつ)・柑橘

レモンイエローのビタミンカラー、日向夏は高知県、宮崎県、静岡県などで生産される柑橘類の一つ。穏やかな酸味が食べやすく、爽やかな香りが心地いい。特徴は、りんごを剥くように外側の黄色い皮だけを剥いて、白皮(アルベド)部分と実を一緒に食せること。1㎝位の輪切りにしたり、真ん中に集まっている種をよけて、斜めそぎ切りにしても。旅先の農家のお父さんは塩一つまみをふりかけて食べるのが最高!と言ってましたが、こんなに鮮やかな黄色で、食べやすい柑橘類は大人になってから口に出来るようになりました。みずみずしさと柚子のような香り、果肉のジューシーさに感動します。地方によって、土佐小夏、小夏みかん、ニューサマーオレンジと呼ばれることも。クエン酸を含み、体内の酸性物質を減少させて疲れをとります。

6/10

山椒(さんしょう)・実山椒

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店先に山椒の実、小梅、青梅、らっきょうが並びワクワクしています。うかうかしていると、時期を逃してしまうので早起きして保存食作りに勤しみます。山椒醤油、山椒の実の塩漬け、山椒オイルを手始めに作りますが、この時期だけの淀みのない鮮烈な青い香りと辛味を逃さず、ギュッと詰める為に毎年試行錯誤を楽しみながら繰り返しています。山椒の実は沸騰させた湯に塩少々を入れ3分ほど茹で、氷水に1時間ほどさらす。枝から実をとって水気をしっかりふき(ここで冷凍しても)、清潔な密封容器に山椒をいれ、醤油をかぶるくらいに注ぐ。山椒オイルは下処理した山椒に米油、ごま油、オリーブオイルなど好みのものをそそぐ(冷暗所か冷蔵庫で保存)。シンプルで思いもよらぬ食べ方を発見できた時は特に嬉しい。青々した山椒のチリソースを作って、エビやホタテに絡めると眼にも舌にも鮮烈です。山椒は消化不良や胃腸の調子を整え、身体の冷えに効果があります。何よりその高貴な香りに胸がスッとします

6/7

クルミ・マカデミアナッツ・アーモンド・美肌・ダイエット

小腹が空いた時に食事の約30分くらい前に5〜10粒のナッツ類をよく噛んで食べると、食事後の血統値の上昇が緩やかになります。私はクルミ好きなので、いつも持ち歩いています、中医学ではボケ防止にも有効とされ、栄養学的にもクルミに良質な脂に効能があることが判っています。ナッツの中でもGI値が低く、悪玉コレストロールを減少させるオメガ3脂肪酸をとても多く含みます。
マカダミアナッツは風味が美味しい、含まれるパルミトレイン酸は血管を強くし、肌や髪をキレイにします。アーモンはビタミンEが豊富、美女のアンチエイジング、ダイエットに最適なのは有名ですね。

6/5

発酵食・漬物(つけもの)・糠漬け(ぬかつけ)

糠漬けつくりは発酵しやすいこの季節におすすめです、本格的な梅作業の前に楽しまれてはいかがでしょう。精米したての生糠(ぬか)500gを用意します。鍋に水2カップ強の水と粗塩70gを入れ溶かし冷ます、ホーローなどの密封容器にぬかを入れ、冷ました塩水を少ずつ柔らかく(ぬかどこらしく)なるまで加えてよく手で馴染ませる。赤唐辛子2本、角切り昆布3㎝角2枚、あれば実山椒や生姜、粉辛子、干し椎茸などを適宜好みで加え混ぜる。捨て漬け野菜を毎日変えて5、6日して熟れたらきゅうり等、軽く塩もみしてから本漬けします。朝晩かき混ぜるのが理想ですが、最低でも1日1回は混ぜる、容器のフチについたぬかはキレイにふきとり、表面は平らにならして保存するとカビが生えにくくなります。管理が難しい時は発酵してから冷蔵庫保存します。乳酸菌やギャバがたっぷりの糠漬け、免疫力を上げイライラも防ぐ効果が期待できます

6/2

甘海老(あまえび)

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北海道が約7割の水揚げをほこる甘えび。北国赤海老又は南蛮海老とも呼ばれ、南蛮は赤い唐辛子や葱などの料理を南蛮料理と呼ぶことからの由来。春から夏にかけて青緑色の卵をつけるのですが、後味に微かな酸味を感じます。甘えびは、アスタキサンチンやビタミンEなども豊富なので美容にも◎。刺身や揚げ物、贅沢に塩辛などもいいですが、紹興酒に漬けたものも絶品です。とれたてはプリプリ、次の日はねっとり感がでて甘みを増します。余市にある燻製屋さんで初めて丸ごと甘エビの燻製を口にしたのはかれこれ10年以上前、殻ごと楽しめます。写真は北海道天売島に船上する前、甘エビ漁が盛んな周辺の食堂にて。

5/26

アロエ

アロエの語源は苦いと言う意味の(アロッホ)アラビア語から来ています。昔からの民間療法で火傷や蜂刺され、胃腸薬などに使用されてきました。医者いらずと言われるアロエは古代エジプトの壁画にも書かれており、当時から薬として珍重されていたようです。
これからの季節、海辺や山で日焼けした肌にも有効、火照りを沈めるのはもちろん、くすみ改善や保湿効果もあるそうです。実際に炎天下の奄美大島で日焼けしすぎてしまった時、宿の方が庭のアロエを下さり、切り口を塗ったら見事に鎮静し、修復も早かったように思います(念の為、酷過ぎる火傷や肌の弱い方は気をつけて下さい)。
便秘改善効果もあるのでヨーグルトと適宜合わせて食べやすくしたものは理にかなっています。
苦味が少なく一般的にアロエと呼ばれる食用はアロエベラです、キダチアロエは苦味が強い。乾燥につよく、日当たりのよい場所なら手間いらずで育ちます。