井澤由美子の食薬ごはん Yumiko Izawa

食薬ごよみ

四季のサイクルに合わせて食すことが、身体を健やかに導く手助けをしてくれます。
季節の食材とその由来や歴史、食にまつわるお話をご紹介します。

2/5

白菜・オレンジ白菜・鍋

食養生・薬膳・白菜・ハクサイ・鍋・白菜鍋・冬野菜

白菜は水分が多く低カロリー。ビタミンC、マグネシウム、カリウム、食物繊維が豊富な冬の代表野菜ですね。一度に沢山の量が食べられるのでビタミンCを多く取り入れる事が出来ます。薬膳では胃腸の熱を沈めるので、消化によく、二日良いにも良いとされている野菜です。今年度最後のオレンジ白菜、柔らかく甘みがあるので生のままでいただいても食べやすい、栄養価も損ないません。塩をふってオイルとレモンを馴染ませる、あるいはピリ辛のヤンニョム(薬念)のサラダにして、キムチ味だけれど食感を楽しむサラダにすることも。にんにくや生姜、唐辛子などがたっぷりのペーストなので、免疫力を高める手伝いもします。鍋物に大活躍する白菜ですが、下茹でして3枚重ね、手前からクルクルと巻いて輪切りにしてからお鍋や煮物に入れる。茹で汁に白菜の甘みが移っているので、昆布を足してお鍋に加えると美味しくなり栄養価も摂取出来ます。

2/4

ハトムギ・薏苡仁・よくいにん・デトックス・薬膳

ハトムギ・薏苡仁・よくいにん・デトックス

まだまだ寒さがありますが、春の日差しを感じられます。体内のエネルギーが高まり、新陳代謝が上がる春先。デトックス効果の上がるこの時期に、旬野菜やそろそろ顔を出し始める山菜類の助けも借りて毒出ししましょう。出回るめかぶや若芽、ひじき、アカモクなどの海藻類も老廃物や余分な水分を排出する効能があります。その他の毒出し食材にはごぼう、コンニャク、黒きくらげなどがありますが、ハトムギは高い効果が期待できます、ご飯を炊くときやスープに入れてもいいですね。流行りの台湾スイーツは身体に優しいものばかり。小豆やハトムギなどを優しい甘さのシロップで煮ると、美味しくデトックスできるおやつになります。薬膳でハトムギは薏苡仁(よくいにん)と呼ばれる生薬です、若干の風味に食べにくさを感じる方は、粉状もありますし、色々な状態で販売されています。白玉粉などと合わせて白玉にすれば気になりません。お好み焼きなどに加えても手軽です

2/3

黒豆・黒豆茶・老化防止・薬膳

黒豆・くろまめ・丹波黒豆・老化防止・黒豆茶

黒豆好きなので、いつも小袋に持ち歩いています。水で優しく洗って、皮が弾けるまで10分ほど気長に弱火で炒ります。そのまま口に入れると、柔らかく香ばしくて美味しいですよ。
アントシアニンが豊富な黒豆の抗酸化作用は、様々な健康効果を生み出し、老化防止に良いと言われいます。お茶にするのも理にかなっています。黒豆のアントシアニンは水に溶けやすく熱に強いと言われています。いただくとホッと和む風味、お茶にした後は実も柔らかいので料理に展開できます。
黒豆は白髪防止にも良いようです、良質なタンパク質ですし、ミネラルも含みます。白髪ができやすい人は、しょっぱいものが好きな傾向にあるそうで、塩気の強い食が原因だと耳にすることも、控えてみましょう。薬膳では、白髪や足腰の弱りは腎機能の低下からおこるものでもあり、ケアとして黒いものを食べるとよいとされています。気になる症状がある方は黒ごま、黒豆、今が旬の海藻など、黒い食材を日々意識して摂取してみて下さい。写真は、農家さんが送って下さった丹波黒豆、乾燥すると殻がパチンパチンと自然に開き、その様が可愛いのです

2/1

いちご・苺・イチゴ・肌養生

井澤由美子・薬膳:漢方・喉の渇き・苺・いちご・イチゴ・肌養生・風邪予防

冬から出回るいちごですが、だんだん香り豊かで美味しさがましてきました。ビタミンCが豊富で肌養生や風邪予防にも良いもの、コラーゲンの育成にも役立ちます。いちごは体にこもった余分な熱を下げたい時にもお勧めの果物(果実的野菜)、1日5粒程度食べると効能が得られるそうです。出来るだけ葉が緑でピンと張り、実に傷がないものを購入します。いちごを洗う時はヘタ付きのままでサッと洗うようにしましょう、ビタミンCの流出を防いで栄養価を逃しません。毎年作る苺のビネガーシロップは姪っ子達にも大人気、ミルクを加えるとヨーグルトのような食感になります。
いちごに練乳をかけるのは食べやすさだけでなく、いちごの栄養素と乳製品の脂質と合わせると体への吸収がよくなるからです。

1/30

牡蠣・牡蠣フライの作り方・味覚障害

牡蠣・カキ・味覚障害・牡蠣フライの作り方

牡蠣が美味しい季節ですね。腎の働きを高める牡蠣は亜鉛を多く含み、肌や爪、髪の艶をよくしエイジングケアにも有効とされ、味覚を改善する手助けをします。今日は、はがれにくい洋食屋さんのサクサク衣のテクニックのご紹介。ひと手間でグンとパン粉が落ちにくくなって、サクサクに揚がります。衣を作り方です・ボウルに卵L玉1個、小麦粉大さじ1、水を大さじ1を加えてよく混ぜる(料理用語でこの衣をバッター液と言います。粉と卵、水やミルクを混ぜた混合物の意味です)。後は、具材の水分をキッチンペーなどでしっかりとって塩、こしょうをふり、小麦粉を全体に軽く叩いたあと、衣にくぐらせてパン粉をしっかり押し付ける。揚げると、ツノが立つような生パン粉がサクサクして私は好きですが、お好みで乾燥パン粉でも。

1/29

梅干し・梅醤番茶・民間療法

梅干し・民間療法・梅しょう番茶

子供の頃、風邪をひいて熱を出すとペタペタとこめかみやおデコに梅干しを貼られた記憶があります。冷たくグニャッとして子供心には嫌なのですが、起きると梅干しはパリパリになってはがれ落ちていきました。高熱を取り、頭痛を抑える解毒作用があるからですね、昔人の知恵民間療法です。頭痛がする時、こめかみに貼るのは丁度血行の流れを良くするツボがあるからで、とても理にかなっています。毎年趣向を凝らして梅干しを作り3年以上寝かせてから食しますが、同じ味にはなりません、そこも手造りの愛しさです。塩分をしっかり効かせた長期熟成できる梅干しは味噌と同じで効能が高くなると言われています。疲れた時やデトックスしたい時は、梅しょう番茶(湯飲みに梅干し1個、醤油少々、熱い番茶を注いだもの)をいただくと、胃腸の調子も整え元気になりますよ。

1/28

スープ・シチュー・養生スープ・養生三宝・お弁当・温活

養生スープ・健康スープ・スープ・シチュー・クロワッサン・お弁当・ランチスープ

お弁当好きです。撮影日以外の日は、お弁当を持って近所のオフィスで原稿書きや校正です。おにぎりが好きだし、海苔弁も好き、焼きそばやパッタイ、パスタなどの麺類等なんでも。時にはお粥の事もありますが、今日は昨夜の残りの麻婆豆腐弁当で、卵チャーハンと茹で野菜を詰めました。必ず温かいスープを魔法瓶に入れ季節のお茶も持参します。今日は、昨日作った「冬の養生三宝」のお味噌汁と黒豆茶です。今日は窓の外は雪が舞っていて、養生三宝にしてよかったなぁと、つくずく思ったお昼ごはん。養生三宝とは(大根・白菜・豆腐)の3つの白い食材で、滋養があります。不老長寿の願いから、中国からきた薬膳です。寒がりの人は、ここに玉ねぎやねぎ、にんにく、生姜などを加えてさらに養生しても。
クロワッサン特別編集のお弁当部が発売になりました。私はアンカーページで、体調に寄り添ったボリューム健康スープを、11品ご紹介させて頂いています。美味しそうな沢山のお弁当がギュッと詰め込まれています、美しい詰め方や、大賞お弁当も載っていますよ。お弁当好きさんぜひご覧ください

1/27

人参・ドライアイ・花粉症・キャロットラペの作り方

食養生・薬膳・漢方・食薬ごはん・まいにち食薬養生帖・人参・にんじん・キャロットラペ・ドライアイ

今日は暖かな日和。なんとなく目のかゆみやドライアイなど、気になる症状が出て来く方も。人参は目のトラブルなどに良いとされ、皮膚や粘膜を健康に保つ野菜です。これから出回る春人参はみずみずしく甘さもあって良い香りがします、生でいただくと栄養価もそのまま。人参サラダのキャロットラペの作り方です。皮ごとの人参をタワシでこすり洗いし、千切りにします。粗塩を振って5分ほどおき、水分をとります。レモンやオレンジのしぼりたて果汁、オリーブオイル適宜ふって馴染ませる。酵素、ビタミンC、カロテン、繊維がたっぷりなサラダです。今なら金柑を加えても良いですね、甘み、香り、色が冴えた美しい一品になります。
花粉症が気になる方はヨーグルトと合わせて。薬膳では、人参を日々取り入れると血と津液を作り栄養不足を補うとされています。人参を購入する時は、ヘタの部分の丸が小さ目のものを選んで下さい。

1/26

ホタテ・帆立・ほたて・貝 ・疲労回復

帆立・ホタテ・ほたて

旬のホタテは旨味や甘味がギュッとしています。鮮度が良いホタテは閉じようとする力も強いので、貝口の両脇を指でしっかり支えながら身の下に素早くナイフを滑りこませるのがポイントです。これに慣れている私ですが、手の平の上でこちらに向かってパクパクと噛み付くように動いた帆立に出逢った時はビックリしました。ブルターニュの岬の市場で、指を挟まれないように格闘した忘れられない想い出、貝殻が厚くて美しいピンク色の天然物です。写真の卵巣が鮮やかなホタテはパリの朝市。
ホタテはタウリンが豊富、ビタミンB12、亜鉛なども含まれ、疲労回復や肝機能も向上させるので、お酒のお供、二日酔いにもお勧めです。薬膳では干し貝柱にし、効能を上げて特に腎をケアします。生ホタテの好きな食べ方があります。貝柱は横に切ったり包丁を使わずに、縦に手でちぎる。この千切ったホタテにフレークソルトとオリーブオイルをふり、手作りのレモン胡椒を添えると最高です。

1/25

発酵・発酵バター・イングリッシュマフィン

発酵バター・発酵・バター・マフイン

最近、イギリスの朝食によく出てくる丸いイングリッシュマフィンにハマっています。カリカリっと香ばしくトーストされた匂いがキッチンに広がると、パンを焼くだけなのに幸福感がいっぱい。発酵バターと目についた果物をきび砂糖とレモンなどで煮るのですが(今は柑橘や苺が出回っていますね)温かいジャムを添えるのがまたよくて。甘い香りにも癒されて、セロトニン(脳内幸せ伝達物資)をたくさん分泌してくれます。神経を休めるたっぷりのカモミールミルクティーがよく合います。マフィンはナイフで切らずに、横にして、半分の高さにフォークでさして一週し、手で割ったものをこんがりトーストしてみて下さい、表面がサクサクして美味しく感じますよ。発酵バターはクリームに乳酸菌を加えて発酵させたもの。普通のバターより少し高価ですが、芳醇な香りや栄養分、満足感も高く、少しリッチです