煮干しは字のごとく、煮てから干すので煮干しです。当たり前の事ですが、煮干しを作ってみるまではその事実に赴きませんでした笑。
新鮮なカタクチイワシが手に入ったら水で洗う。粗塩(3〜3,5%の海水程度の塩分)を入れてグラグラ沸騰させたら強火の湯で3分ほど茹でます。手早く水気を拭いたらザルや網に広げて3〜4日風通しの良いところで干す(水気を拭いた後、扇風機などで半日ほど乾燥させ、ある程度の水気を飛ばすと実は失敗が少なく、余力があれば夜は冷蔵庫保存で)。
煮干しを使ったお勧めの簡単旨味調味料も春のイライラにとてもよく、疲労も回復するのでご紹介します。1カップの米酢や黒酢に好みの量の煮干しを漬けるだけ。30分ほどで煮干しは柔らかくなります。酢に煮干しを漬けると旨味が出て、酸味が押さえられるので、料理に使いやすいのです。ハラワタなどの苦味も感じません(煮干しの生臭みが気になる方は、ラップをせずにレンジに2分ほどかけてみて下さい)。
酢に漬けた「にぼ酢」は、そのままおやつに最適です。すり胡麻と合わせて胡麻和えに、片栗粉をはたいてサクッと揚げてフリットなどにしてもいいもので、言わなければ誰も元が煮干しだったとは気がつきません。合わせる食材や調理法で更に健康的に美味しくいただけます。
一番の利点は煮干し自身がやわらかくなり、小さなお子様や年配の方まで難なくいただけること。酢の酢酸と煮干しのカルシウムが合わさると「酢酸カルシウム」になり、単体で食べるよりグンと体への吸収率がアップします。育ち盛りの骨や歯を作る手伝いをしたり、骨粗しょう症の予防にもなりますね。カルシウムを含む「にぼ酢」は春の疲労も回復させ、料理を美味しくします。
(この「にぼ酢」は、2017年NHK「きょうの料理」で昆布酢・薬膳酢と共に滋養のある旨味酢としてご紹介させていただいたものです。)