井澤由美子の食薬ごはん Yumiko Izawa

食薬ごよみ

四季のサイクルに合わせて食すことが、身体を健やかに導く手助けをしてくれます。
季節の食材とその由来や歴史、食にまつわるお話をご紹介します。

2/24

三つ葉・気のめぐり

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今日は仲良しのカメラマンさんのアイスランドのオーロラ写真の個展があり、私はおいでいただくお客様にお出しする、アイスランドのフィッシュスープを作ります。スタッフの差し入れには、古代米と昆布を加えた炊きたてのご飯にゆかりとすりゴマを入れまぜ、最後に刻んだ三つ葉をたっぷりと加えてさっくりと混ぜ込んだ小結です。2口ほどで食べられるサイズにして、「小結のおしのぎ」です。三つ葉の香りは気のめぐりをよくするので、リラックス効果や気の高まりを沈めますよ、香りの元の成分はミツバエン、クリプトーネン、血流もよくします。

2/23

新そば・そば粉・ 蕎麦がき

そば畑を持ち、ご自分でひかれる島根県のおそば屋さんからひきたてのそば粉をいただきました。大好きな蕎麦がきの作り方を教わって来ましたよ。鍋がきの手法です。鍋にそば粉30g、美味しい水250ccを加えて木べらでよく混ぜてから、火にかける。混ぜながら練って、ある程度とろみが出てきたら弱火でつやが出るまでまぜる。ポイントは一生懸命にかき混ぜること。冷めるともう少し固まります。
お椀に練りたての蕎麦がきを入れ、おろし山葵や生姜、ねぎなどでも上等ですが、昆布出汁を張り、はまぐりと酒少々を加えた熱々の出汁を注ぐとおもてなし椀にもなります(あればゆず皮を加えて)。
蕎麦のポリフェノールが血圧を下げるのは有名ですね、疲れている時にもおそばはお勧めです。

2/21

乳酸キャベツ・まかないレシピ・美腸

今日の撮影は、初夏の行楽サンドイッチ特集。バスケットに乳酸キャベツのビンとハムやツナ、オイルサーディン、ゆで卵などのタンパク質食材と好みのソースやディップを詰め込む。青空の下でも歯触りのよい野菜たっぷりのサンドイッチがすぐ出来上がります。乳酸キャベツはスープに加えたり、肉、魚の付け合わせにあるととても便利。胃腸を整える効果もあって頼もしい存在です。また、みそにみりんとごま油少々を溶いて甘みそをつくり、フライパンに乳酸キャベツ、厚揚げ、溶いたみその順におき、フタをして蒸し焼きにするとごはんが進むおかずになります。明日はNHKのあさイチで乳酸キャベツの作り方と、簡単アレンジのご紹介予定です。

2/18

発酵食・糠(ぬか)・ぬか床料理・ぬか床チキン

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野菜を漬けたぬか床で美味しい一皿が生まれます。ポリ袋に鶏もも肉を入れてぬか床を加え、袋の上から全体になじませる。二日間くらい冷蔵庫で寝かせるだけですが、しっとり柔らかで塩分もちょうどいい感じに。ぬか床のおかげで、魚焼きグリルで焼けば美味しそうな焦げ目まで付くおまけ付き。騙されたと思ってぜひ作っていただきたい発酵エコクッキングです。ここに実山椒を加えた、ぬか漬けチキンは大のお気に入り、写真はぬか漬けチキンに乳酸紫キャベツと酢橘を添えたものです。

2/17

菜の花・春野菜

菜の花・春野菜・春の訪れ

春の訪れを感じさせじる菜の花は、ほんのり苦みがある花野菜です。ビタミンCやカロテン、鉄、カルシウムが多く、産後の肥立ちが悪い方にも有効です。購入するときは、花が咲き過ぎていない、緑色が濃いものを選び、茎の部分を1cmほど切ってたっぷりの水に放してあげましょう。背伸びをするようにイキイキしてきます。水分をたっぷり吸収すると、火を通した時も熱伝導が良くなりシャキッと美味しく仕上がります。風味を楽しめるおひたしや辛子和えはおすすめ。さらにオリーブオイルやごま油等と合わせると、カロテンの吸収が良くなります。

2/12

乳酸菌・ヨーグルト・昔風ハヤシライス

ハヤシライス・乳酸菌・ヨーグルト・ハヤシライスの作り方・乳酸キャベツ

動物性乳酸菌のヨーグルトは、カルシウムが豊富な発酵食です。食べる量は、1日1カップが目安。今日は、ヨーグルトのまろかで自然な酸味を利用し、お家にある調味料でササッと作れるクイックハヤシライスの作り方・2人分のご紹介です。新玉ねぎ1個は薄切りにし、舞茸は手でほぐす。フライパンに油小さじ1をなじませ、牛こま肉適宜をさっと炒めて取り出す。バター大さじ1と切った玉ねぎを入れてしんなりするまで炒めたら、小麦粉大さじ2を全体にふりかけ炒め合わせ、舞茸、水1カップ半、味噌、ケチャップ各大さじ1、ソース大さじ2〜3、(好みで加減)を加え、全体にとろみがでるまでフタして6、7分煮る。
火を止めて一呼吸おいてからプレーンヨーグルト大さじ3〜4をまぜ、ごはんにかける。そうそう舞茸は栄養や繊維が豊富なだけでなく、お肉を柔らかくする嬉しい効果もあります

2/10

マイヤーレモンスフレ・レモンスフレ

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仕事以外では、めったに甘物を作らぬ私ですが、国産マイヤーレモンが手に入った時だけは別。マイヤーレモンはオレンジとレモンの掛け合わせで、マーサスチュワート編集部のテストキッチン時代に初めて口にした時の衝撃を今も忘れられません。今日は、どこのお宅にもある材料で、トースターでさっと焼けるスフレの作り方をご紹介。もちろんレモンでも作れますが、少し甘みを足すかオレンジを加えて下さいね。①マイヤーレモンは縦半分に切り、果肉をフォークで取り出して果汁を絞る(皮は容器として使うので取っておく)。②皮はアルミホイルで包むようにし、座りを良くする。③卵白1個分を角が立つまでしっかり泡立てる。④別のボウルに卵黄1個分、砂糖大さじ1、水切りヨーグルト大さじ1、❶の果汁小さじ1を入れ、泡立て器で混ぜて全体がなじんだら、小麦粉大さじ1を加えてさらに混ぜる。⑤❸の1/3量を❹に加え、泡立て器でしっかり混ぜる。残りの❸を加え、ゴムベラでさっくりとまぜたら、❷のレモンの皮に入れる。少量の水を張った天板にのせ、オーブントースター(750W)で7〜8分焼く。

2/6

帆立・ほたて・ホタテ・タウリン

帆立・ホタテ・ほたて

鮮度が良いホタテは閉じようとする力も強いので、貝口の両脇を指でしっかり支えながら身の下に素早くナイフを滑りこませるのがポイントです。これに慣れている私ですが、手の平の上でこちらに向かってパクパクと噛み付くように元気に動いたホタテを扱ったのは初めて(指を挟まれないように格闘したくらい)。ブルターニュの岬の市場で買った生ホタテは、貝殻が厚くて少しピンクがかっていてとてもキレイ、見るからに天然物です。この写真のホタテは数年前のパリの朝市でみかけたものですが、身がプリプリでツヤやか、日本のものより色が濃い。
ホタテは善玉菌コレストロールを増やし、動脈硬化や老化防止などに有効、タウリンも豊富なので肝機能を向上させる。薬膳では干し貝柱(生よりも効能が高い)を調理に多用します。粉末にしたものをスープや炒め物に入れるとグッと美味しくなる。生の貝柱は包丁を使わずに横に切りがちですが、それはもったいない!ぜひ縦に手でちぎって下さい。甘みが立ち、食感が良くお勧めです。

2/3

チーズ・カマンベール・粘膜保護

発酵バター・発酵・バター・マフイン

カマンベールは伝統的な製法で作られるフランス、ノルマンディーの特産品チーズでカマンベール・ドゥ・ノルマンディ(Camembert de Normandie) が正式な名称です。少し苦味を感じることもありますが、芳醇な香りと柔らかくクリーミーでマイルドなお味は、どなたでも食べやすい白カビのチーズ。そのままいただいても、火を入れてさらにとろりとさせても美味しい。タンパク質やカルシウムの吸収率はミルクよりもよく、粘膜の保護に有効なビタミンB2が豊富。私は洋ナシやリンゴなど、フルーツと合わせてビタミンCと一緒に食し、美味しさと栄養面への相乗効果にアプローチ。寝る前にチーズをいただくと、含まれるトリプトファンのおかげで安眠できる効果も。今日の写真はノルマンディーの隣のブルターニュ、(民宿のような感じですが、風情がステキ)シャンブルドットの小さなキッチンの小窓から〜。

2/1

乳酸キャベツ・にんにく 花粉症予防

梅がチラホラ咲き出す頃となりました、こんな時期は毎年なんとなく鼻の調子が悪い、風邪なのか花粉なのかわからないという症状が出る方もいらっしゃる頃。どちらにしても、免疫力を上げて体を温める食材をいただきましょう。胃腸をいたわることも大切です。キャベツのポタージュなどお勧めですよ。鍋に乳酸キャベツ、にんにく、かぶるくらいの水を入れて柔らかく煮て、ハンドミキサーで粗いペーストにする。豆乳、白味噌、少しの鶏ガラスープの素、塩、胡椒で味付けする(ご飯やチーズ、卵を加えてリゾット風にしても)。

ネトルのハーブティーも花粉症に効くのでお試を。生もの、甘すぎるもの、脂っこいもの、体を冷やすものは出来るだけさけます。日々少しづつ幅広い種類の発酵食を(納豆、漬物、麹類、味噌、キムチ、ヨーグルト、チーズ等)できれば3種以上、とりいれるように心がけると腸が整い免疫力UPします。まさに貯菌による、体質改善ですね。本日は今から新幹線に乗って、阪急梅田ホールにて美容薬膳のお話を少し!