井澤由美子の食薬ごはん Yumiko Izawa

食薬ごよみ

四季のサイクルに合わせて食すことが、身体を健やかに導く手助けをしてくれます。
季節の食材とその由来や歴史、食にまつわるお話をご紹介します。

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冷え症・貧血予防・鉄分

鉄分が不足すると、代謝が落ちて冷えの症状がでやすくなります。鉄分を摂取する時は、ビタミンCとタンパク質と一緒に食すと体に吸収されやすくなりますよ。お薬も大切ですが、普段から豆類、魚、レバー・赤身肉、ほうれん草・卵などを食すよう心がけましょう。体が温まる食材とビタミンCが多い野菜と合わせて調理するのがお勧め。例えば「レバニラ」などはさっと作れて簡単です。レバーの鉄分、にんにくの温効果、ニラの豊富なβカロテンやビタミンCとシンプルですがバランスがとても良い一皿なのです。「魚のみぞれ和え」は、大根おろしを合わせることがポイント、生の大根に含まれる酵素とビタミンC、そこに酢と一味唐辛子を加えと代謝もアップに繋がります

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富士宮焼きそば・削り節・ご当地グルメ

富士宮焼きそばが大好きです。しっかりした食べ応えのある麺で、初めて口にして以来、そのコシの強さにやみつきになっています(中でも黒文字のメーカーさんの麺がお気に入り)。肉かすとイワシやサバの削り節を使用するのが特徴です。削り節工場に見学に行き、カツオとはまたひと味違う風味の削りたてを、お味見させて頂きました。必須アミノ酸やカルシウムがたっぷりで、削り節には美肌効果もありますよ。削り節を購入したら、酸化しやすいので出来るだけ空気を抜いて冷蔵、または冷凍庫保存しましょう)。焼きそばやラーメンなどの麺類は、よくB1グランプリに登場しますね。例えば極太麺の道頓堀焼きそば、ボリュームたっぷりの小樽のあんかけ焼きそばも有名ですね。それぞれのご当地グルメは、それぞれのストーリーがあってとても楽しい

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鯖・さば・サバ・へしこ・熟鮓・福井県小浜市・発酵食

鯖の熟鮓・サバ・なれ鮨・鯖・へしこ・郷土料理

3月8日は鯖の日だそうです。下処理などの手間が一切かからず調理がしやすい鯖缶は、近年大変人気がありますね。良質なタンパク質、ビタミン類、EPA・DHAなどの豊富な栄養素を丸々含みます。日本で鯖を食べられてきた歴史は古く、縄文時代からだそうで馴染みの深い魚です。出張先の京都から福井に抜ける山道を車で走りました。昔から鯖街道と呼ばれるこの道筋には数件の鯖寿司店があります。オーダーを受けてから作られる鯖寿司には数種あって、どれも絶品。鯖は酢で〆ることが多い魚ですが、食あたりを防ぐ調理法、急速に鮮度が落ちるので「さばの生き腐れ・さばを読む」などの言葉も生まれました。近年では技術が発達して美味しく食べやすい状態で色々販売されています。
街道を抜けた小浜市で、素晴らしい鯖の発酵食に出会いました。福井県の昔ながらの糠で漬ける(さばのへしこ)、そしてこのへしこからさらに漬けられる「さばのなれ鮨」。まったく生臭みがなく、むしろたっぷりの乳酸菌の爽やかな香りが鼻を抜けた時には驚きました。丁寧な作業と時間が生み出す郷土食でもあるこの魚の発酵食に出会え、佐助さんに取材させていただけた事に感謝しています。

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美容薬膳・薬膳・漢方・薬膳ベースの素・免疫力

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本日のちふれ化粧品さんのイベント(有楽町マリオン)でご紹介した「薬膳ベースの素」レシピです。ご興味のある方はご参照下さい、インスタクラムでは判りやすくレシピ立てにしています。ノンオイルレシピです。鍋に鶏ももひき肉400g、酒1カップ、皮つきでおろし生姜とおろしにんにく各2かけ分、おろし新玉ねぎ大1個分、皮つきでおろした人参1本分、粗塩小さじ1、粗挽きこしょう適宜、唐辛子1本分(刻まない)をひと混ぜしてから中火にかけ、沸騰したら弱火で肉に火が通るまで10〜15分ゆっくり煮込む。冷ましてから冷蔵、または冷凍します。ここまでがベース。好みで血行不良や疲れに効く紅花、大茴香(八角)、大棗(なつめ)、丁子(クローブ)、陳皮(ちんぴ)、クミン、若返りのスパイスと言われるナツメグなどを適宜加え、香りや体への相乗効果を上げるとさらによいですね。このベースにカレー粉を足すだけでドライカレーができます。その他豆乳を加えてソイシチュー、トマトホールを加えればミートソース、じゃが芋を足せば肉じゃが、キャベツで巻いて煮込めばロールキャベツなど幅広く活用できます。写真は醤油と砂糖を加えたそぼろ丼で、乳酸紫キャベツを添えています。冷えと疲労が重なると血の巡りが悪くなって、肌のくすみやクマができたり、体調不良などの原因に。食材の相乗効果で体を温めて、免疫力も高めましょう。

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黒豆・黒豆茶(くろまめちゃ)・白髪予防・薬膳

黒豆好きなので、いつも持ち歩いています。水に3時間ほど浸して水気をきり、皮が弾けるまで10分ほど気長に弱火で炒ります。そのまま口に入れると香ばしくて美味しいですよ。アントシアニンが豊富な黒豆の抗酸化作用は、様々な健康効果を生み出し、老化防止に良いと言われいます。お茶にして楽しんでも良いですね(いった黒豆を水から4、5分煮出す)黒豆のアントシアニンは水に溶けやすく、熱に強いのです。そしてほんのりした甘味、炒った香ばしさが立っていただくとホッとします。お茶にした後は、柔らかいので料理に展開できます。
黒豆は白髪防止にも良いようですよ、白髪ができやすい人は、しょっぱいものが好きな傾向にあるそうで、塩気の強いご飯のお供やおやつなども要因の一つとされています。薬膳では、白髪や足腰の弱りは腎機能の低下からおこるものでもあり、ケアとして黒いものを食べるとよいとされています。
黒ごま、黒豆、海藻など日々意識して黒い食材を摂取すると、良い効果が期待できます。

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三つ葉・気のめぐり

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今日は仲良しのカメラマンさんのアイスランドのオーロラ写真の個展があり、私はおいでいただくお客様にお出しする、アイスランドのフィッシュスープを作ります。スタッフの差し入れには、古代米と昆布を加えた炊きたてのご飯にゆかりとすりゴマを入れまぜ、最後に刻んだ三つ葉をたっぷりと加えてさっくりと混ぜ込んだ小結です。2口ほどで食べられるサイズにして、「小結のおしのぎ」です。三つ葉の香りは気のめぐりをよくするので、リラックス効果や気の高まりを沈めますよ、香りの元の成分はミツバエン、クリプトーネン、血流もよくします。

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新そば・そば粉・ 蕎麦がき

そば畑を持ち、ご自分でひかれる島根県のおそば屋さんからひきたてのそば粉をいただきました。大好きな蕎麦がきの作り方を教わって来ましたよ。鍋がきの手法です。鍋にそば粉30g、美味しい水250ccを加えて木べらでよく混ぜてから、火にかける。混ぜながら練って、ある程度とろみが出てきたら弱火でつやが出るまでまぜる。ポイントは一生懸命にかき混ぜること。冷めるともう少し固まります。
お椀に練りたての蕎麦がきを入れ、おろし山葵や生姜、ねぎなどでも上等ですが、昆布出汁を張り、はまぐりと酒少々を加えた熱々の出汁を注ぐとおもてなし椀にもなります(あればゆず皮を加えて)。
蕎麦のポリフェノールが血圧を下げるのは有名ですね、疲れている時にもおそばはお勧めです。

2/21

乳酸キャベツ・まかないレシピ・美腸

今日の撮影は、初夏の行楽サンドイッチ特集。バスケットに乳酸キャベツのビンとハムやツナ、オイルサーディン、ゆで卵などのタンパク質食材と好みのソースやディップを詰め込む。青空の下でも歯触りのよい野菜たっぷりのサンドイッチがすぐ出来上がります。乳酸キャベツはスープに加えたり、肉、魚の付け合わせにあるととても便利。胃腸を整える効果もあって頼もしい存在です。また、みそにみりんとごま油少々を溶いて甘みそをつくり、フライパンに乳酸キャベツ、厚揚げ、溶いたみその順におき、フタをして蒸し焼きにするとごはんが進むおかずになります。明日はNHKのあさイチで乳酸キャベツの作り方と、簡単アレンジのご紹介予定です。

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発酵食・糠(ぬか)・ぬか床料理・ぬか床チキン

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野菜を漬けたぬか床で美味しい一皿が生まれます。ポリ袋に鶏もも肉を入れてぬか床を加え、袋の上から全体になじませる。二日間くらい冷蔵庫で寝かせるだけですが、しっとり柔らかで塩分もちょうどいい感じに。ぬか床のおかげで、魚焼きグリルで焼けば美味しそうな焦げ目まで付くおまけ付き。騙されたと思ってぜひ作っていただきたい発酵エコクッキングです。ここに実山椒を加えた、ぬか漬けチキンは大のお気に入り、写真はぬか漬けチキンに乳酸紫キャベツと酢橘を添えたものです。

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菜の花・春野菜

菜の花・春野菜・春の訪れ

春の訪れを感じさせじる菜の花は、ほんのり苦みがある花野菜です。ビタミンCやカロテン、鉄、カルシウムが多く、産後の肥立ちが悪い方にも有効です。購入するときは、花が咲き過ぎていない、緑色が濃いものを選び、茎の部分を1cmほど切ってたっぷりの水に放してあげましょう。背伸びをするようにイキイキしてきます。水分をたっぷり吸収すると、火を通した時も熱伝導が良くなりシャキッと美味しく仕上がります。風味を楽しめるおひたしや辛子和えはおすすめ。さらにオリーブオイルやごま油等と合わせると、カロテンの吸収が良くなります。