井澤由美子の食薬ごはん Yumiko Izawa

食薬ごよみ

四季のサイクルに合わせて食すことが、身体を健やかに導く手助けをしてくれます。
季節の食材とその由来や歴史、食にまつわるお話をご紹介します。

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手羽先・コラーゲン

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手羽先と水を一緒にコトコト煮るだけでとても美味しいスープが作れますよ。手羽先はポリ袋などに入れて粗塩をふって馴染ませ、1時間以上、できれば1晩置く。鶏の余分な水分や臭みが出るので、さっと洗うか拭いてから調理すると地鶏の様な美味しさに(鶏もも肉をソテーする時にもこの方法はお勧め)。柔らかく旨みたっぷりのスープは、少しの脂が浮かんで澄んでおり、食をそそります。コラーゲンやヒアルロン酸は骨や皮の部分に多く含まれていて、皮膚を潤し血管を丈夫にします。高額な美容液もいいけれど、とり手羽先は内側からキレイを生み出してくれて効果大、しかもお手頃価格。カラリと揚げた手羽先もいいですね、熱いうちに甘辛ダレをジュッとからめ、消化を助けるみずみずしいたっぷりの春キャベツを添えて晩酌にどうぞ。

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ヒイラギ(ニロギ&春ホタレ)

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春ホタレ?ニロギ?関東育ちの私にはどちらも聞き慣れぬ言葉です。ヒイラギみたいな平べったい魚はニロギと言って、岡山県ではギギ、ゲッケ、千葉県ではギラ、静岡ではネコゴロシ、淡路島ではネコクワズ、浜名湖ではネコナカセ(きっとネコが嫌いなんですね?面白い)とも呼ばれ、産地によって異なるよう。もうひとつの魚は春ホタレと呼ばれ、脂の乗ったカタクチイワシです。どちらも地産地消の地元で愛されている海産物。「ひいといぼし」(土佐弁で一夜干しの意)にし、炙ったり香ばしく乾煎りしたり頭からバリバリ頂きます。生姜や柚子、鰹などでも有名な高知県の美味しいお魚達。カルシウムをとってイライラを抑え骨元気をめざしましょう。

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ゴールドキウイ・キウイ ビタミンC

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ニュージーランドから遥々やって来るゴールドキウイ。さっぱりしていますが、甘くて柔らかい完熟果肉にハマって暑い日のおやつにしています。半分にポンッと切ってスプーンですくって食せるのも手間なしでいいところ。ちなみにグリーンキウイが硬いときは、バナナやリンゴなどエチレンガスを出す果物と一緒に袋に入れて2、3日袋置くと早く熟れます。キウイに含まれるビタミンCはみかんより多いのです。ビタミンChは紫外線対策にも有効なので、紫外線が気になるこの季節に特におすすめ。
キウイに含まれる酵素はタンパク質を柔らかくする作用があります。ゼラチンもタンパク質なのでキウイをゼリーを作る時は、固まりにくくなるので注意が必要です(パイナップルも同様です)。ちなみに薬膳では、吐き気どめなどに良いとされているので、乗り物酔いをするお子さんの遠足などのお弁当に添えられてもいいですね。

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ハーブ・ミント・のどの痛み

この季節のハーブは鉢植えでも日に日にスクスク伸びます。今我が家にあるのは、ハーブ。ミント、レモンバーム、レモンタイム、レモングラス等の爽やかな香りのハーブ達。レモンバームはトマトのコンパニオンプランツにも利用されますよ(虫がつきにくくなる)。毎朝スペアミントを摘んできて、ハチミツや氷砂糖を少し加えてミントティーにしています。ミントは歯磨き粉、ガム、お酒のリキュール、お菓子、料理にと多様され、日本でもとても親しみのあるハーブ。喉の痛みに効き、炎症を和らげて体の余分な熱をとる効果があり、体に熱がこもった時y解熱したい時にもお勧めの薬草だそう。最近の私のお気に入りはレモンバジル! 飛騨高山の農家さんの畑で味わってトリコになりました。

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昆布酢・もやしで大満足おかず・NHK「きょうの料理」5月号

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木香薔薇が咲き乱れ、新緑美しい季節は過ごしやすいですね、皆様楽しい休日になりますように。本日夜9時からと明日の朝11時からNHKの「きょうの料理」(テーマはもやし大満足おかず)が放送されます。番組内で「昆布酢もやし」をたっぷり使ったもやし料理をご紹介しています。お手頃価格で家計の強い味方、何にでも合わせやすくボリュームがでるのにヘルシー。もやしは足が早いのですが、昆布酢につけると長く楽しめ、さっぱりして量も沢山いただけます。表紙にもなっていますが、唐揚げなどの揚げ物等にあんかけにすると胃もたれがしにくく内臓脂肪も気にならなくなります。ボリューム生春春巻きはサラダ代わりに。酢には疲れをいやす効果があり、昆布を浸すことで、昆布のカルシウムが溶け出して吸収もアップします。
昆布甘酢は少量で使いやすいレシピです。私はいつも大きめの保存瓶に色々な種類の昆布をぎゅーつと詰め込んで、気に入りのさとうきび酢を入れて寝かせたものを使っています。

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ハーブ・ドライハーブ

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穀雨の雨を浴びたハーブ達はぐんぐん育ちます。ぜひ束ねて、窓辺につるしてみてください。心地よい香りが風にのって部屋に広がり、気が鎮まり眠りも良質になりますよ。ローズマリーは海の雫が由来と言うステキ。中医学では頭をすっきりさせる生薬で、記憶のハーブとも呼ばれています。甘いりんごの香りがするカモミール、可愛らしい小さな花をつけたタイムは強力な抗菌作用があります。お好みのハーブを束ねて逆さにつるす、この季節に楽しめる天然フレッシュアロマ。香りだけでく、いろいろな作用が香部屋中に充満します。お風呂に入れたり、お料理に使ったりと香りと効能を楽しんで。

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補腎薬膳・黒木耳(くろきくらげ)・

黒木耳を水で戻して、水と酒少々、醤油、みりんで柔らかく煮た、黒きくらげの醤油にはコリっとした食感とはまた違って楽しいですよ。納豆に付属の辛子をよく混ぜフルフルの木耳の醤油煮を和えるだけですが、よくからんで美味。黒木耳は不老長寿の食材と言われ、黒ゴマやごま油(茶色)を足すとさらに腎機能が高まり、身体に吸収されやすくなります。足腰が弱くなったり、老化が気になる方は率先して黒い色のものをいただいて下さい、便通を促し、皮膚の再生力も高める効果が期待できます。

3/20

賢い作りおきおかず・お惣菜

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お惣菜は熱を入れ保存効果の高い醤油や砂糖、油など使うと日持ちがしますね。定番のきんぴらやひじきの煮物などは美味しいだけではなく、栄養価や食物繊維などもたっぷり。作りおくとごはんにもパンにも合うので、とても重宝します。私が良く作るのは煮卵、魚の煮付けやすき焼きなど(残った美味しい煮汁は他の料理に使い回すと深い味になります)。先日発売されたエイい作りおきおかずの中の「定番の作り置きだからこそトクベツ美味しくひと工夫!」のページを担当しています。ちょっとしたことですが、ポイントを抑えればグッと美味しくなる秘訣とアレンジです。あるとホッとするお惣菜のひじきの五目煮、ごぼうとにんじんのきんぴら、半熟煮卵、牛肉のしぐれ煮などの定番中の定番のご紹介。(そこに、煮卵や魚の煮汁に入れると美味しくなる)その他いろいろな知恵が詰まっていますよ〜宜しければご覧ください。

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当帰(とうき)・当帰補血湯・冷え・薬膳・生薬

当帰・とうき・生薬・ホップ

当帰(とうき)の名は小耳にはさんだことがあると思いますが、婦人科の病気に用いられることが多い生薬です。月経不順や瘀血(おけつ・血のかたまり)、血行不良に使用し活血(かっけつ・血を巡らせる)に身響きます。便秘の種類としては血虚便秘のタイプの便秘(血が不足して起きる)効果があるとされています。足腰の冷えが気になる、めまいや耳鳴り、肩こり、寒部の痛みにも効能があります。冷えが気になる方は、当帰に黄耆をシンプルに配合したものが「当帰補血湯」試してみるといいですね。頭寒足熱といって、頭は冷やし、足は大事に温めるようにします。
市販されている当帰は、根を乾燥させたのですが、生の当帰の葉は少しセロリや芹のような風味がしますよ。農家さんは天麩羅にする事が多いと伺いました。もしも柔らかい若葉が手に入った時は、茹でたり炒めたりと料理に使用出来ます。
生薬としての当帰は、鶏のスープを作る時にポンと入れる、あるいはスペアリブの煮込み料理、カレーなどに加えます。黄耆(おうぎ)を加えると、さらに滋養が高まりますよ。当帰に黄耆をシンプルに配合したものが「当帰補血湯」です。

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休日のお粥(おかゆ)

毎日フル回転の胃や肝臓を少し休ませてあげたいので、私は週末にお粥にすることが多いです。薬膳では(後煎と言う手法があり例えば繊細な香りもののしそ、三つ葉、木の芽、パクチーなどや食間をふんわり残したい魚介などは後から加えます。戻す必要のある乾物や根菜類、硬い肉類は下茹でしてから加えますがこちらは(薬米同煮)と言います。今日は少し風邪気味なので、はり生姜をたっぷり加えた鶏肝粥。まさに以蔵補蔵(蔵を持って蔵を補う)ですね、身も心もゆっくり栄養を吸収し、体を温めます。