井澤由美子の食薬ごはん Yumiko Izawa

食薬ごよみ

四季のサイクルに合わせて食すことが、身体を健やかに導く手助けをしてくれます。
季節の食材とその由来や歴史、食にまつわるお話をご紹介します。

7/14

納豆(なっとう)・発酵食品

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納豆は昔から食されている、日本の代表的な発酵食品で、栄養、健康効果も非常に良くできています。血圧を下げるアミノ酸やペプチドも豊富、納豆菌そのものは腸内の環境を整え、食物繊維もあるので便通を良くします。納豆に酢と粗塩を加えてしゅわしゅわの泡が立つまで混ぜると、暑い日や朝などもスルスルと胃に流れて行く。じゃこや刻んだ野菜を加えると組み合わせの相乗効果でカルシウムの吸収が高まります。神田明神の天野屋さん大粒納豆は近所のスーパーでも売られていて嬉しい。納豆の豆の旨味と粘りの力強いひきがいい、ここぞという勝負の時に験(げん)を担いでかっこみ、心身共にパワー倍増、ついでに美肌効果も最強!

7/13

薬膳・美白薬膳・夏バテ防止

暑いですねぇ。オフィスに行くまでの照りつける太陽をバシバシ感じながら自転車を飛ばしていると、美白予防をしなくては〜と、外からと内からの両方のケアを頭の中で考える。ビタミンC(熱にも強い)が豊富なゴーヤと、疲れを予防する豚肉とにんにくを加えたレシピに(沖縄のチャンプルーはとても理にかなっています)、カリウムが多いピーマンを加える。油で炒めることでビタミンAの吸収がさらによくなります、器に盛りつけたらおかかもたっぷりふります。下茹でした薏苡仁(ヨクイニン・はと麦)を加えたトマトのスープも添えたらシミ対策にかなり有効なハズ!

7/12

牡丹海老(ぼたんえび)・銀鱗荘・小樽

ボタン海老・海老・刺身・銀鱗荘・牡丹海老小樽

タラバエビ科のぼたん海老。赤い斑点があり、牡丹の花のように見えることが名前の由来。深海に生息し、底引き網のみの捕獲なので、漁獲量が少なく希少価値が高いのです。ぼたんエビをたまに食す事がありますが、小樽銀鱗荘さんのきらきら透き通るこのえびには、胸躍りました(本当に踊り食い)。殻を持って帰りたいくらい美しい。甘みもありますが、ぷりぷりコリっとしています。その他にいただいた、蟹やあわび、鰊のお料理もシンプルな食べ方、素材が良いので直球です。
お料理をいただいた銀鱗荘は高台にあり、石狩湾や小樽全景を見渡せ、北の迎賓館の異名を持ちます。細部にまで贅を凝らした鰊御殿は、明治、大正の小樽も表していて豪壮優美な温泉宿。窓から望む初夏の美しい景色もごちそうで、忘れられないひと時でした

7/4

レモーネ・ペペロンチーノ・とうがらし

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アーリオ・オーリオ・ペペロンチーノは、イタリア語で、にんにく、オリーブオイル、唐辛子の意味です。今日のランチは、レモーネ・オーリオ・ペペロンチーノ、つまりレモン風味のペペロンチーノに決定。奄美や沖縄の島唐辛子はそれは辛味が効いていますが、甘い香りがして辛いもの好きの私などはその豊香にうっとり。天日干しが完成し、保存しようと思ったら味見がしたくなって、パスタを作ろうと思い立ちました。唐辛子は小さいけれど1本で充分、3年寝かせたレモン塩と摘んできた庭のバジルでシンプルに仕上げました、ほんの少しの鶏ガラスープの素を加えても美味。
NHKきょうの料理やあさイチでご紹介したレモン塩はいつしか、塩レモンとして商品化などもされていますが、手作りのものは香りが違います。唐辛子は細胞の代謝を促進し、カプサイシンの発汗作用の他に適度なら、滋養にも良いものです。

7/3

枝豆(えだまめ)・味噌

お味噌を造るのに、空気の良い場所で枝豆と黒枝豆を育てています。味噌の原料は大豆ですが、実は収穫時期が異なるだけで、大豆と枝豆は同じものです。枝豆は、大豆が熟し切る前の青い状態で収穫したものです。大豆と同様にタンパク質、ビタミB1やB2、鉄分、繊維などを含みますが、枝豆にはアルコールの分解を促進するメチオニンと言う物資が含まれ、肝機能を高める効果が期待できます。中医学では血の巡りをよくし、疲労回復にも効能があるとされていますよ。女性に嬉しいイソフラボン、葉酸もあるので妊婦さんにもお勧めです。手作りの味噌は少し粒の残ったタイプ。美味しくなるのは仕込んでから2、3年後ですが、熟成させたお味噌は手前味噌でも感激するおいしさです

7/1

鰯(いわし)

DHAがたっぷりのいわしは世界中で親しまれている青魚。刺身、塩焼き、煮物など和食にもよく登場しますね。いわしに軽く塩、胡椒、ミックスハーブのブレンドをふり、香ばしく焼いて骨を抜く。ミニバケットには、美味しいオリーブオイルが滴るくらいかけてある。具はいわしだけでも、摘みたての香りが鮮烈な柔らかいディルを一緒にはさんであるだけで、とても贅沢な味した。畑でいただくランチは、野菜や土のパワーもからまって、とても素敵なご馳走でした。贅沢とはこういうコトですね。

6/25

私の朝活おいしいスタイル・夏のあさごはん

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昨年放送されたNHK「趣味どきっ!」夏のあさごはんバージョンをNHKライフ(NHkのウエブサイト)で、パンやスープなど手軽に作れるラインナップのご紹介、クリームチーズ&パクチーの楽しい相性、ベイクドトマトをソース代わりにのせたパンのワンプレート、カリカリジャコの和風クレソンサラダ、乳酸キャベツなどなど。乳酸キャベツは作ると、とても便利。加えるスパイスのお勧めは実山椒の塩漬け。胃腸を整える効能もあり、お味噌汁や納豆に加えても相性が良い。植物性の乳酸菌は腸に届きやすく、繊維も豊富。オリーブオイルをひと垂らしすると、さらに美肌の相乗効果が期待できます。いろいろなダイエットにトライされている作家の林真理子さんも気にいってくださっているご様子。材料も少なく作り方も簡単な体がよろこぶ発酵保存食です。パンやスープ、和え物などにさっとアレンジできる作り置は、朝ごはんにとても向いていますよ。

6/20

とうもろこし・玉蜀黍・モロコシ・とうもろこしごはん

井澤由美子・玉蜀黍・もろこし・とうもろこしごはん・美しい人・健康ごはん・_食養生・旬の味

メロンより糖度の高いトウモロコシが宮崎県から毎年届きます。店頭でも鮮やかな黄色や、白いトウモロコシが並んでいて美味しそうです。完熟しているトウモロコシはヒゲが茶色くなっていて沢山生えているものが最高です。そして何より大切なのは、スピード感。手元に来たら、急いで茹でたり蒸したりして堪能する事です。置きっぱなしにすると糖度やフェレッシュ感が減少していきます。今日は撮影の賄いにトウモロコシご飯を作りました。カレーがお題でしたので、数種類のカレーと玄米とトウモロコシごはん!お好みでチョイスできるランチタイムに。

バター醤油のとうもろこしごはんの作り方です。トウモロコシは半分に切って、芯からそぎ切りにする。20分浸水させたお米にトウモロコシの芯と粗塩と昆布を入れ普通に炊きます(昆布の代わりに鶏ガラスープの素でも大丈夫です・炊き上がったら芯を取り除く)。たっぷりのバターと生コーンを炒めて、フライパンの鍋肌から醤油を加えからめ、少し強火で炒めて香ばしく焼きあげます。炊きたてのごはんに煮汁ごと混ぜ込んで器に盛る、潰したての黒胡椒やちぎったバジルを散らしても。

6/15

梅じゃむ

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梅ジャムのjamはカタカナでも英語でもなく、なぜか「梅じゃむ」とひらがなで書きたくなります、日本のイメージが強いからでしょうか。梅干し用の完熟梅が余ったら(キズがついたものでもOK)ジャムにします。1時間くらい水につけ、竹串でヘタを取ってホウロウなどの鍋に入れる。グラニュー糖を適宜加えまぜて弱火で煮て、水分が出てきたら、厚手のキッチンペーパーをかぶせてゆっくり煮る。梅が煮えてきたら、味をみてグラニュー糖を足す。ツヤがでて香りが立ち、甘さを好みに決めたら火を止める。この後、消毒したビンに詰めるワケですが、私は種ごと入れる。種の回りが美味しいから甘いものが食べたいときにポンと口に入れたり、煮物に使ったり。誰かが言った、脳天直撃の美味しさの「梅のじゃむ」は手作りならでは。

6/12

パッションフルーツ・果物時計草・奄美大島

パッションフルーツの別名はクダモノトケイソウ。βカロテン、ビタミンCやB6などのビタミン類が多く、貧血予防にも有効。完熟すると皮にシワがよってきて、酸味がやわらぎ甘みが立ってきます。奄美大島で海から上がったばかりの新鮮なもずくと出会いました。パッションフルーツの甘酸っぱい香りと爽やかな酸味と甘みを調味料代わりに使って、もずく酢を作ってみました。少し醤油を加えたらドンピシャの美味しさ。暑い日差しの中の出会いもの、キリッと器ごと冷やしていただきます。地元の方はこんな食べ方はしないようですが、もずくの食感とパッションフルーツの甘酸っぱさが何とも美味。カラダも脳もリフレッシュします。奄美大島の永村農園さんに遊びに行ったら、パッションフルーツの花に一つ一つ手作業での受粉体験もさせていただきました、大切に育てられた無農薬パッションフルーツはひと味もふた味も違います。