井澤由美子の食薬ごはん Yumiko Izawa

食薬ごよみ

四季のサイクルに合わせて食すことが、身体を健やかに導く手助けをしてくれます。
季節の食材とその由来や歴史、食にまつわるお話をご紹介します。

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グレープフルーツ・グレープフルーツカード・スイーツ

グレープフルーツはビタミンCがたっぷり。シミ、ソバカス、動脈硬化や生活習慣病の予防、肝機能にも良い効能があります。何より食べると食欲が落ち着くのでダイエットに向いていますよ。寒さに弱いので国産は少ないのが残念です。今日は夏に美味しいグレープフルーツカード(カードはカスタードクリームのこと)作り方をご紹介します。
ボウルに卵1個と卵黄を入れ解きほぐし、きび砂糖100gを入れて泡立て器でよく混ぜる。小鍋にバター50g。グレープフルーツ果汁1個分とレモン果汁大さじ1を入れ、中弱火にかけてバターが溶けたら火からおろして冷ます。それを卵液に加え、とろみがつくまで弱火でゆっくり煮ると、コクと甘みの中にすっきりとしたカスタードが出来上がります

8/8

鰯(いわし)

いわしには血液をさらさらにし、動脈硬化を防ぎ、気力を高めるオメガ3系のEPA,DHAが豊富。身や骨が柔らかいので、骨ごといただくような調理をするとカルシウムも同時に摂取できます。
また、インスリンの合成にも関わっているので、糖尿病の方にもお勧めの食材です。
新鮮ないわしならお刺身や酢締め、梅煮などにすると美味しいですよ。
中医学では糖尿病は消渇(しょうかつ)といい、その名の通り喉の渇く症状が多く見られます。痩せて足腰が弱くなり、夜間のトイレの回数が増えたり、尿が濁ったりという症状も。腎臓が弱っているので、塩分、糖分を控え、山芋や黒豆、黒ごま、海藻など黒いものをいただくように日々意識し、疲れすぎない程度に適度な運動を心がけるとも大切です。

8/5

8月5日発酵・醗酵の日(はっこうのひ)

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今日は発酵の日だそうです。日本は世界有数の発酵食大国、おみそ汁一つとってもおみそ&鰹節の発酵食ダブル使いですね。発酵食が身体に良いのは、腸には免疫細胞の67、割が集中種ています。発酵食が体に良いとされるのは、その腸を健やかな状態にするからです。
発酵食はとてもナチュラル。ぜひ自然発酵した本物の発酵食を幅広く食し、腸に貯菌して腸力を上げて下さい。第二の脳と言われる腸は、実は思考をもポジティブにします。今日は特に、身近にある発酵食を意識した食卓にしてみてはいかがでしょう。

8/4

発酵調味料・酢・ドライフルーツ昆布酢・あさイチ

あさイチ・井澤由美子

本日14時からたまプラーザテラスにてレーズン昆布酢イベントがあります、ぜひ遊びにいらしてください!
一昨日NHK「あさイチ」でもご紹介させていただきました、ドライフルーツ昆布酢。書籍『レーズン昆布酢』として書籍でも販売となりました。昨年の春頃から、雑誌「きょうの料理」で撮影し、数回にわたってご紹介してきたものをまとめた一冊です。
ドライフルーツのナチュラルな甘味が酢に移り、昆布のカルシウムが酢に溶け出し、酢酸カルシウムになって体に摂取されやすくなります。疲れた時や夏バテ気味の時は、酢のクエン酸で元気を回復します。内臓脂肪を減少させる、消化を促進させるなど効能がたくさん。料理にドリンクにと、使いやすい手作り調味料です。頭をスッキリさせ、心和ませ、カラダをもうるおす、夏に特にお勧めの発酵調味料です。

8/3

オクラ・昆布酢・疲労回復

独特のネバネバ食感が楽しいオクラは、切った断面が星形なのも可愛い。ベランダ菜園でもスクスク育ちますが、きゅうりと同じようにベストな時期を見逃して大きくなってしまったものは硬くなるのでご注意を。オクラはビタミンと繊維が豊富、細胞の老化を抑え、胃粘膜を保護します。
オクラと納豆、昆布酢と混ぜた酢のものは疲労回復効果が高く、便通作用も抜群ですよ。お夕飯にいただくと特によいですね。ガクは切り落とすより、角の部分を丁寧にむくほうがお勧め。ネットの上から塩をかけてもんでうぶ毛を取り(ネットのおかげで産毛が取りやすい)、1分弱茹でてそのまま冷ます。滋養強壮にも良いとされるオクラ。グリルで焼いた焼きオクラ、素揚げオクラも食感がかわって美味しいので是非お試しください。

8/2

酢・発酵食・ドライフルーツ昆布酢・あさイチ

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酢は世界最古の発酵調味料と言われています。食欲を増進、内臓脂肪減少、疲れをとるなどの様々な効能があります。ドライフルーツ昆布酢は昆布の旨みにドライフルーツのナチュラルな甘みが加わり、柔らかな酸味で芳醇な味わいが楽しめます。いつもの酢のものやドレッシングに使うのはもちろん、煮物や炒め物に加えるとコクが出て、少ない塩分でも満足できて減塩につながります。また酢の醋酸と昆布のカルシウムが結びつくと酢酸カルシウムになって、カルシウムの吸収率が良くなります。カラダと心をもいやす、ドライフーつ昆布酢、は元気になる作り置き調味料です。
本日NHK「あさイチ」でご紹介したドライフルーツ昆布酢を使って作る豚肉の酢き焼きは、豚肉のビタミンB1を摂取しやすくするのでスタミナアップや疲労回復にとても効果的な一品です。
8月4日14時からたまプラーザテラスでドライフルーツ昆布酢のベントがあります、お近くの方はぜひ遊びにいらして下さい。

7/27

蛸・たこ・タコ・タウリン

タコはお刺身、酢の物、アヒージョ、タコ飯など和洋中どんな料理にも使いやすい海の幸。タコがとれる地方では15㎝くらいの足を揚げたタコ天がお総菜屋さんに並んでいるのを見かけます。
醤油風味のタコ飯も、タコの旨味がじんわり広がって美味しいですね、暑い季節には酸味があるトマトと合わせたさっぱり味のゾットも食べやすいもの。滋養がつくにんにくを入れたアイオリソース(マヨネーズベース)を添えるとさらに食が進みます。アイオリソースにチリパウダーを加えれば鮮やかなオレンジ色に、イカスミを加えて黒いアイオリソースも美味しくて楽しいもの、BBQなどにもいいですね。
タコには疲労回復に役立つタウリンが豊富。また、味覚力も正常に保つ亜鉛を含んでいます。
薬膳では、血を補う作用があるとされ、生理痛、整理不純などを改善する手助けをするため、女性にとって嬉しい食材です

7/23

カレー・カシミールカレー

夏本番を前に、本屋さんでカレー特集の雑誌が目立ちますね。ついつい立ち読みなどして、食べたくなってしまいます。私が大好きな市販のレトルトカレーは、カシミールカレー(デリー)です。キッチンにストックしておかないと落ち着かないほどの中毒で、気分をスカッとさせたい時はこれを食べます。冬瓜やなす(他の夏野菜でも)を出汁で煮て冷やしたものが相性抜群なんのです。
玄米に野菜をのせてカシミールカレーをかけるだけですが、この組み合わせはぜひ試してみて下さい。かなりスパイシーなので、出汁をたっぷり含んだ冷たい野菜を口に入れるとちょうどよくなるバランス。
このカレー、なぜか納豆と千切った海苔、卵黄のせなど和風にの具にも合う。薬膳ではスパイスの独特の香りは気の巡りをよくし、その働きは胃液の分泌をよくし、消化不良を改善します

7/22

莢隠元(さやいんげん)

さやいんげんはいんげん豆の若いさやで、原産は中南米です。ヨーロッパ経由で中国に伝わり、中国の高僧の隠元によって伝えられたのでこの名がついたとされています。
主に関西では、三度豆とも呼ばれ、1年に数回収穫できます。購入したらできるだけ早く調理して、味と栄養を逃さないようにしまょう。ビタミンB群やβカロテンが豊富で、薬膳(漢方)では腎機能を活性化して身体の湿を取り除くとされています。太めのさやいんげんはたまに筋がありますが、近頃のいんげんは筋の無いものが多く、両端の硬い部分を落とすだけでOK。沸騰した湯で、いつもより心もち塩を多めに入れて好みの加減に茹でます。

7/18

桃(もも)・桃仁(とうにん)・薬膳・漢方

旬のフルーツ・果物・薬膳・桃・桃仁・井澤由美子・食養生・

新鮮な桃は水で洗いながらうぶ毛をこすりとるように布で洗い、皮ごと食べるのだと山梨の友達から初めて聞いた時はびっくりしました。食べてみて納得。その方が、桃の香りが立って美味しい。写真のももは熟しても実が硬いタイプ、切ると真っ白な果肉に紅色がなんとも艶やか。

それまでは桃は完熟した柔らかい果物と認識していたので、そのシャリシャリとした食感は新感覚でした。かたい桃はフルーツビネガーに漬けてピクルスにしても美味しそうです。

桃の葉は日本でも民間療法であせもや湿疹、神経痛などに効く入浴剤になっていますね。中国では邪気を払い長寿の果物とされ、つぼみや花は漢方の生薬(白桃花)、むくみや無月経などに使用されます。種は(桃仁)と呼ばれ、血行を良くし、下腹部痛、更年期障害などに有効、漢方薬の桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)の主成分でもあります。