井澤由美子の食薬ごはん Yumiko Izawa

食薬ごよみ

四季のサイクルに合わせて食すことが、身体を健やかに導く手助けをしてくれます。
季節の食材とその由来や歴史、食にまつわるお話をご紹介します。

9/22

秋鮭(あきざけ)・秋味(あきあじ)・秋の肌食養生

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産卵直前の川に上がる前の秋味、メスのお腹を裂くとすじこが出てきます。おろして切り身にし、2つに割った頭は一晩塩漬けにし、酒粕、白味噌、秋田味噌を加えて三平汁風にすると美味しい、大根、にんじん、ごぼう、生姜など根野菜をたっぷり入れます。鮭に多く含まれるアスタキサンチンは抗酸化力が高く、体を温め、肩こりや、眼精疲労、体の疲労感を回復するそう。シワやシミが薄くなるなど女性に特に嬉しい食材でもあるのです。ナマ食は控え、冷凍してからルイベなどにすると安心ですね。北海道に行くと珍味の「メフン」(鮭の腎臓の塩辛で、半年から1年くらい塩付けにしたもの)があります。日本酒のお供に最高ですが、塩辛のパスタがあるように「メフンのパスタ」なるものもあったりして面白い。

9/21

米・新米(しんまい)・奥出雲仁多米

新米・炊きたて・ごはん・米

新米の季節になりましたね。毎年日本のお米は世界一だと、お茶碗の中にピカリと光る銀しゃりをみて深く思います。炊き立ての良い香りが鼻に抜けて甘みが口中に広がる幸せ。好きなお米の一つに奥出雲の「仁多米」があるのですが、もちもちとした食感が特徴です。山間が広がる畑の中の田植えは楽しく、稲刈りもできるだけ参加します。お楽しみのご褒美はお結びです。お米が育った新鮮な水で炊かれていて、東京ではマネのできない贅沢さです。新米の季節はほぼ毎日炊きたてを楽しむのですが、湯気の立つごはんにおろしたての山葵でいただく卵かけごはん、ジュワッとごはんに溶けるバター醤油ごはん、黒胡麻と海苔を佃煮風に炊いたものなど気分によってシンプルに楽しんでいます。お米を食べると体力気力ともパワーが出ますが、人の脾胃にもっとも優しいのもお米です。

9/19

里芋(さといも)・煮っころがし

見るからに柔らかそうな里芋が出回っています。色々な調理法がありますが、200度くらいのオーブンで20〜30分ほど焼くと、皮ごとスルリと剥けます。粘りのある野菜は焼くだけで十分美味しく、熱々をシンプルにオリーブオイルと塩で堪能してみて下さい。ねっとりとした甘辛い里芋の煮っころがしは、これからの季節の醍醐味ですね。掘り立ての里芋はたわしやスポンジなどでこするだけでツルリと皮がむけるので調理が楽。鍋を熱し、ごま油大さじ1をなじませて里芋を炒め、出汁2カップ、酒50cc、きび砂糖大さじ2を加えて厚手のキッチンペーパーの落しぶたをし、10分ほど中弱火で煮る。醤油大さじ2を加えてさらに8〜10分ほど煮て、最後に強火でとろりとした煮汁をからめる。余ったら、薄く衣をつけて揚げ、熱々のおだしをかけたものもまた美味。中医学では、病気に対する抵抗力をつけ、胃腸の改善に特によいとされています。食が細い方や、病後の方にもおすすめです。里芋の粘りは粘膜を保護し、消化、吸収を高めるなど風邪予防にも有効な野菜です。

9/17

黒キクラゲ・木耳

まいにち食薬養生帖・井澤由美子・黒きくらげ・キクラゲ・木耳・薬膳・食養生

キクラゲはキノコの一種で黒、白の2種があります。薬膳で黒きくらげは老化防止、エイジングケアに良しとされ、昔から不老長寿の食材とされてきました。繊維も豊富なので便秘解消にも良いものです。近年では国産の生黒きくらげも出回り、手軽に購入出来るようになりました。ぷるぷるとしたものとコリコリとした独特の食感がなんとも楽しい。下処理として白い部分の石づき取り、熱湯で(表示通り、もしくは30秒ほど)さっと茹で食べやすく切ります。茹で黒キクラゲは生姜醤油や酢の物、マヨネーズと和える、春雨中華サラダに入れる、オムレツに加えるなどシンプルに楽しみます。その他、お噌汁やスープ、鍋物に入れる(私はおでんに加えるのが好き)など加熱調理するものは、下ゆでなしでも大丈夫です。豚肉に生姜を加えてごま油炒めする、八宝菜に加えるなど食感が生きます。キクラゲには鉄分なども豊富、タンパク質やビタミンCと摂取すると良いですね。

9/16

じゃが芋・パンケーキ・ポテトパンケーキ

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じやが芋はカリウムが豊富、体内の余分なナトリウムを排出するので、血圧が気になる方にもお勧めです。日持ちする野菜ですが、出来るだけ冷暗所に保存し、芽がでたら必ず取り除きましょう。料理やおやつに大活躍のじゃが芋です、多めに蒸したり茹でたりして、少しとりおいておくと便利。ゆっくり水から塩茹でし、柔らかくなったら湯を捨てて、水分を飛ばします。鍋の中でじゃが芋が乾いてくると皮に切れ目が入るのですが、剥きやすくなり、ほっこり美味しくなります。オムレツに加える、お味噌汁に入れる、サラダにするなど自由自在、今日は小麦粉と卵、チーズと加え混ぜてボリュームのあるパンケーキにしました。ベーコンや、ハム、ツナ、コンビーフなどを加えてもいいですね。メイプルシロップやはちみつ、バターなどは塩気のあるパンケーキにもよく合います。じゃが芋のビタミンCは熱に強いので調理に向いています、手羽先などと一緒に煮ると鶏肉のコラーゲンが体に摂取されやすくなります。

9/13

秋刀魚(さんま)・肩こり

ピッカピカの銀色に輝く秋刀魚が出回っています。秋刀魚の美味しさを倍増させる酢橘や辛味大根を添え、塩焼きで思いっきり食べたくなります。大根おろしですが、先の方に酵素が有ります、おろし立ての薬効があるうちにいただきましょう。酢を少し垂らすとビタミンCの損失も少なくなります。骨まで柔らかい梅煮や薬味を効かせた秋刀魚のつみれも美味しいですね。新鮮なものは鉄分やビタミン類なども豊富なので、内臓もぜひいただいて下さい。オレイン酸やEPA、DHAなどは脳細胞を活性化させる効能も期待できます。滋養強壮作用があり、血管を傍聴して血行などが良くなる事から、肩こりや更年期障害、冷え性などを暖和するので瘀血(おけつ)を改善できます。「さんまが出るとあんまが引っ込む」と江戸時代には、言われていたとか。

9/8

葡萄(ぶどう)

葡萄・ぶどう・ブドウ・眼精疲労・貧血・井澤由美子

ぶどうの歴史はとても古く、世界で最も多く栽培されている果物です。日本へは中国を経て渡来し、12世紀頃に甲州(山梨)で栽培され始めました。実は8月〜10月頃熟し、食用の他、ジュースやジャム、ワインなどになります。日本では生食が圧倒的に多いでのすが、世界的にみるとワイン用葡萄が多く占ます。主成分のブドウ糖や果糖は、素早くエネルギーになって体力を回復させ疲れを癒やします。薬膳では血と気を補い、赤い皮の葡萄は貧血防止に良いとされています。
日本の中で、日照時間が長いと言われる山梨のワイン用ぶどう畑にお手伝いに行くことがあります。盆地なので夏は当然暑く、冬は寒くて八ヶ岳おろしと呼ばれる冷たい風を受けながら、体に毛布を巻いて剪定します。そうやって見事に育ったぶどうをつまみながら、数年前に同じ畑のぶどうから作られたワインをゆっくり口にし、ふくよかな液体が喉もとを通りすがる時は、まさに至福の時間です。

9/6

青魚・青背魚

新鮮な青魚や脂の乗っている白身魚を1日1回食べるようにしたいですね。脳への血流を良くし、機能を高める働きがあると言われている、DHA、IPAを効率よく摂取することが出来ます。魚の脂を逃さず食べるには、お刺身、蒸し煮、ムニエルなどがおすすめの調理方、鍋物や煮魚にするなら薄味に仕立てて汁ごといただきます。脂の酸化を防ぐビタミンが多い抗酸化作用たっぷりの野菜を一緒に摂取するとさらに脳の老化防止に効果的です。一食につき、野菜は100g強食べるといですね(1日にとりたい野菜は約350g)。直ぐに作れる一品です、水にさらした薄切り玉ねぎ、胡瓜、大根、人参、しそなどの細切り、ちぎりレタスなどを器に盛り、タレで和えた刺身を乗せて一緒にいただきます。タレは、おろしたニンニクとショウガ各小さじ半、すりごま、醤油各大さじ2、ごま油小さじ2、砂糖と酢を少し加えた味噌小さじ1を混ぜたもの、元気になる合わせダレです。

9/5

ごま油・セサミオイル

ごま油のふくよかで香ばしい香りと風味が好きです。自宅でも現場でも、登場率が最も高いごま油、種類も豊富に揃えています。主成分は不飽和脂肪酸のリノール酸とオレイン酸。生活習慣病の血中コレストロールや中性脂肪を軽減させる作用があります。お豆腐にかけるだけでもぐっと風味がたちますが、揚げ物の油に少し加えると食をそそる香ばしさが加わるだけでなく、酸化しにくくなるなどのメリットがあります。納豆に入れると美味しいのは勿論、ビタミンK2の吸収率が高まります。餃子や焼き物、煮物の仕上げに少し使うとツヤや風味が仕上がります。サラリとした白いごま油は生搾りなので、繊細な料理に使いやすく、素材の味を邪魔しないのでおかし作りにも使用されることも。エイジングケアにも効能が期待できる黒ごま油は、焙煎しているので香りが強く香ばしい。低音で焙煎しているものは薄茶、高温で焙煎しているものは濃い茶色をしています。

9/2

鮑・アワビ

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国産のアワビは主に4種有ります。クロアワビ・エゾアワビ・アカアワビ(メガイアワビ)・マダカアワビ、穴が多く小さめのもはトコブシです(エゾアワビは北で獲れ、旬は冬)。今が旬の大きく柔いマダカアワビは、遠浅だが岩場が入り組んでいる浜の千葉県産のものが多い。やわかで、甘みがあるので蒸したり焼いたりしても美味、地元の子供達はバター焼きで食べるそう贅沢ですね。アワビは滋養強壮や老化防止によく、皇帝の食べ物としても珍重されてきました。茹でて干された干しアワビは値が張りますが、旨味や食感が値段に比例します。
アワビの外し方ですが、塩をこすりつけて流水で流しながらタワシでこすり洗いする。アワビの口に塩を多めにのせて3分ほど立てかけておくと外しやすくなります。殻の低い方から貝殻に沿って、貝柱を離すようにスプーンやナイフを入れて外します。肝を傷つけないようにし、ヒダと固い口を除き、汚れやぬめりがあれば中身もタワシでこすります。耐熱容器にたっぷりの酒と大根の切れ端を入れて蒸し器にかけるとやわらか、厚めに切って山葵をつけていただきます。