井澤由美子の食薬ごはん Yumiko Izawa

食薬ごよみ

四季のサイクルに合わせて食すことが、身体を健やかに導く手助けをしてくれます。
季節の食材とその由来や歴史、食にまつわるお話をご紹介します。

12/6

美容薬膳・カリフラワー

カリフラワーはさっと茹でてピクルスに入れる、スパイスと炒めるなど食感を残して楽しんでも良いですし、ゆっくり火を入れてほっこり柔らかく調理するのもおすすめです。なめらかにマッシュすると、じゃが芋よりもう少しエレガントな口当たりと風味になるのでおもてなしにも。カリフワラーに豊富に含まれるビタミンCは熱に強いので調理に向いています。肉や魚との相性も抜群、鶏や豚肉、鮭などのコラーゲン豊富な食材と一緒に摂取するとカラダへの吸収率が高まり、美肌に導きます。シチューやお鍋に入れて相乗効果を担って下さい。茎に栄養があります、捨てずに皮を剥いて加えます。白い食材とよく合う塩糀と、カリフラワー、豚肉のかたまり肉との相性は良いもの、お肉もしっとり仕上がります。

12/4

白子・タチ・菊子・雲子

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白子を購入したら、身を潰さないように筋部分を切って一口サイズの小分けにし、粗塩と酒適宜をふる。熱湯でさっと茹で(ここが肝心です、小樽のお寿司屋さんの大将のお話では数秒)氷水に落とし、キッチンペーパーで水気をとります。さすがの北海道、鱈から出したばかりのたち(北海道では白子をタチと呼びます)なのですから鮮度が違います。さっと茹でた白子は奥の方がうっすらピンクで色っぽいくらいでした(写真は、すし飯にのせて下さったもの)ポン酢と紅葉おろし少々がのせてありました。白子はフリットや天婦羅にすると表面だけカリッとして、中からトロリと流れだすクリーミーさも絶品ですね。苺が美味しくなったら、粉をはたいた白子をカリッとバターソテーし、バルサミコで炒め合わせた一皿も絶妙です。茶筅で作る熱燗白子酒もまた楽し。白子にはビタミンB群、D、Eタンパク質などが豊富で肌をきれいにします、視力低下防止や疲れ目回復にも良いようです。

12/3

白菜(はくさい)・白菜と鶏の煮込み・肌荒れ

ビタミンCや繊維が多く、風邪予防、肌荒れ、便秘、二日酔いなどにも良いとされる白菜。葉がみずみずしく、黒い斑点が少ないものを選びましょう。体が潤う簡単レシピをご紹介します。コラーゲンたっぷりの鶏肉と白菜だけの煮込みですが、鶏の旨みと脂をとろりと煮えた白菜がまとい、白菜の甘みが鶏にからんだ最高のシンプル鍋です。厚手のお鍋に材料2つを放り込むだけなのに、慈悲深い味わい。骨つき鶏肉全体に塩麹か塩を馴染ませる(20分から一晩おく)。厚手の鍋にざく切りにした白菜芯部分をいれ、塩を馴染ませた鶏肉を上におき、全体にオリーブオイルか胡麻油大さじ3〜4をかけ、あればナツメグや胡椒ホールを10粒ほど入れる。フタをして弱火で30〜40分ほど時々様子をみながらゆっくり煮込むと、素材から凝縮した旨味の水分がでる。残ったら麺やおじやにを加え〆てもよいし、シチューやカレーに変身させても美味。

11/25

蓮根・れんこん・れんこん葛湯

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れんこんは胃腸を保護し、貧血予防や止血効果も期待できるパワーのある野菜。含まれるタンニンは咳止めにとても効果があります。小鍋に水150Ccと葛小さじ1半を混ぜる。皮ごとすったれんこん大さじ1半を茶こしでこし入れ、火にかけて透明感が出るまで木べらでかき混ぜる。このれんこん葛湯は昔からの日本の民間療法、さらにはちみつを入れると飲みやすくなり、抗菌作用で効き目が上がります。
蓮根はビタミンCや食物繊維が多く、葉や花弁も薬用にされます。青葉を器にしいた清々するような和食のお料理を見かけますし、アジアの海外では乾燥させた葉で食材を包むんで蒸し料理に使用して、香りよく仕上げるなど葉も多目的です。

11/24

鴨肉(かもにく)・昆布酢・鴨そば汁

鴨肉は体液を潤し乾燥を防ぎ腎機能を高めると言われています、疲れやすい人や虚弱体質の人にお勧めです。今日は柔らかくさっぱりした一品をご紹介します。かも塊肉に軽く塩と粗挽き胡椒をもみこむ。皮目からフライパンに入れてじっくり脂を引き出すようにこんがり焼き目をつけ(7割りしっかり焼くイメージ)返して両面焼きます。小鍋に濃いめの出汁、醤油、みりん、昆布酢を入れ煮立てめんつゆ程度の味付けにする。焼いた鴨肉を丸まま入れ2、3分煮たら火を止める。そのまま置いて余熱で火を通し、肉がロゼ色になったところで6、7㎜にそぎ切りにする。付け合せは芹や茹でた黒もやしがぴったり、たっぷりかもに添えて煮汁をかける。好みで溶き辛子を添えてどうぞ。かもの美味しい脂が馴染んだ漬け汁は、蕎麦やうどんにも最適です。

11/19

アボカド

少し冷たいアボカドを食べやすくカットし、ライムをたっぷりしぼって美味しい粗塩をつけていただく。単純ですが1番好きな食べ方です、アボカド畑の農家のお父さん(ニュージーランド人)に教わりました。その他に半分に割って種を取り、卵を落として焦げ目がつくまでトーストすると、実はトロリとし、卵は半熟で絶妙です。醤油とわさびを少々、一緒に焼いたパンでですくっていただきます。アボガトに少々のレモン果汁をかけて色止めし、白味噌と混ぜてペーストディップにしたり、ごま油、少々のニンニク、塩、胡椒でアボガトナムルにしてもオツです。
アボカドを購入する時は皮が黒くてハリがあるものを。森のバターと形容されるアボカドは抗酸化作用のビタミンEが豊富、悪玉コレストロールを減少させる、女性が好きなアボカドは女性の強い味方なのです。

11/10

豚肉・茹で豚

バラ肉で柔らかい茹で豚を作り、キムチや白菜漬で巻いて食べると美味しいですね。作り方も簡単です。厚手の鍋に酒50cc、山椒の実の塩漬け、皮付き生姜スライス、あればタマネギやネギのはしきれをいれます、山椒の実塩漬けは胡椒のホールでもよいでしょう。かたまり肉に塩麹か粗塩をもみ込んだもの300gと、かぶるくらいの水を入れ、厚手のキッチンペーパーをかぶせて沸騰したらコトコトと30〜40分ほど火にかけてそのまま冷ますだけです。6,7mm薄の薄切りにして、叩いた梅肉に蜂蜜を少し加えまぜたものや(マヨネーズを入れるとお子さんも好きな味)、韓国味噌、酢橘と粗塩、辛子と醤油、ごま油と粗塩などお好みで。豚肉に含まれるビタミンB群は、中々取れない疲れをサポートしてくれますし、皮膚の粘膜もケアします。めっきり寒くなった今日この頃、発酵食と合わせて免疫力も上げましょう。

11/8

小鍋・鍋・なべ・主婦の友社

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沢山のいろいろな種類の具材が入ったお鍋も美味しいですが、単純シンプルな(野菜とたんぱく質が1対1くらいの)常夜鍋などは素材が生きて味が濁らず、お互いを引き立てるのでそれぞれを深く味わえる醍醐味があります。甘みと香りのつよいちぢれほうれん草をさっと茹で、豚しゃぶと合わせてポン酢でいただく、塩麹をもみ込んだ手羽とトロリと甘く煮える蕪、あさりと薄切り大根は塩こぶと、酒粕とタラと里芋もはオツ、炙りうなぎとごぼうを甘辛出汁で煮た小鍋も最高、砂肝鍋は全てお酒だけで炊き、唐辛子と煮て最後にさっと芹と合わせる(次の日にはプルンプルンの煮凝りができており、これまた美味しいのです!)大人ならではの楽しみがいっぱいの小鍋仕立て、一人鍋もぜひ楽しんで下さい。「爆ラク!小鍋」主婦の友社よりポケットサイズに、ギュッと色々詰まってます!

11/5

ドライカレー・キーマカレー

キーマカレーのキーマはひき肉の意味。インドでは宗教上の理由から豚や牛ではなく、マトンや鶏が主流。水分が多少多目で、日本のドライカレーの原型とされています。ドライカレーは明治時代に日本人のコックさんがヨーロッパ航路の客船で考案したそうです。炒め煮なのでルーは使わず、カレー粉と家にあるスパイスで短時間で調理できますね。玉ねぎをラップに包んで600wで約5分加熱し、ざっくり刻んでフライパンに入れる。ここにカレースパイス類を入れて馴染ませるように炒める。脂溶性のスパイスは油で炒めると良い香りが立って食材にからみます。後はひき肉や刻んだ旬野菜を加えて炒めるだけ。
スパイスの調合はお好みですが、クミン、チリパウダー、コリアンダー、ターメリック、シナモン等はおすすめです。スパイスは胃腸の調子を整え、代謝をよくして免疫力を高めます。上手に食卓に取り入れて風邪予防になどに役立て下さい。

10/28

白菜サラダ・ジャム・スープ

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冬野菜の白菜は大根・豆腐と並んで「養生三宝・ようじょうさんぽう」の一つ、冬の風邪予防や免疫力向上に効果的なので特に食べたい野菜です。95%以上が水分ですが、バランスよくビタミンやミネラル類を含み食物繊維が豊富。疲れた胃をケアし、美肌効果もあります。
本日「NHKあさイチ」さんでご紹介した我が家の「ジャムで作る、みずみずしい白菜の浅漬けサラダ」。ジャムは甘みをつけるのではなく、旨味とまるみをつける為です、フルーツのフレーバーもほんのり香る。ジャムは柑橘系がよく合います、番組では手に入りやすいマーマレードでしたが、日向夏のマーマレードもよく合いますし、白菜が美味しい季節に実るりんご、みかん、柚子はお勧めです。私は季節のジャムやコンポートを作るので、組み合わせが特に楽しく、手作りされている方はぜひ。春のキャベツとグレープフルーツ、夏のキュウリとレモンなど季節のメドレーでサラダをたっぷりいただきます。寒い頃にはスープがお勧めです、漬け汁は旨味があるのでスープに加えるとグッと美味しくなります。朝のスープは目覚めをよくし、昼のスープはリラックスし、夜のスープは滋養がとれると良いことづくめ。汁物は簡単で、栄養素を効率よく吸収できます。