井澤由美子の食薬ごはん Yumiko Izawa

食薬ごよみ

四季のサイクルに合わせて食すことが、身体を健やかに導く手助けをしてくれます。
季節の食材とその由来や歴史、食にまつわるお話をご紹介します。

10/11

お日様きのこ・干しきのこ・キノコ

井澤由美子・食養生・毎日食薬養生帖・お日様きのこ・干しきのこ・きのこ・キノコ・干し野菜

きのこが美味しい季節ですね。きのこは、きのこ自身が子実体の菌、食物繊維や栄養が豊富です。ヘルシーて旨味がある上、それそれの薬効が高いので日々の食卓に使わない手はありません。
しいたけ、えのき、えりんぎ、まいたけ、しめじなど様々なきのこがありますが、日光に30分でも当てると倍増したビタミンDが効率よく体に吸収されやすくなります。カルシウムは骨を元気にし、免疫機能も高まる効果が期待できます。
スーパーなどで売っているきのこは水で洗わず、汚れが気になる時は優しく拭き取ります。石付きを切り落とし、後はなるべく手でさいてザルなどに広げて天日干しします。好みの硬さに干して、コリコリとした食感を楽しんで下さい。残ったら冷凍します、旨味が増えると言われています。

10/7

スーパーフード・ゴールデンベリー・食用ほうずき

井澤由美子・美人モデル・シニアモデル・美容・食用ほうずき・ほうずき・ゴールデンベリー・インカベリー

少しココナッツやパイナップルの風味もする甘酸っぱい食用ほうずき。干したものは美容やアンチエイジングによいと、海外では人気だそうです。ゴールデンベリー・インカベリーとも呼ばれ、日本でもスパーフードとして認知度が上がっています。ビタミン類が豊富ですし、血液サラサラ効果もあるそうです。
ナチュラルな甘みで軽く酸味があるので疲れた時など、大人のおやつにお勧めです。
北海道の農園にお邪魔した時に、紙風船のようなそれは愛らしい色合いの道産ほうずきに出会いました。薄い外皮に包まれた生ほうずき、秋が深まるにつれて甘くなります。

10/5

秋の食養生・梨・柿・イチジク・コンポート

井澤由美子・美容薬膳・食養生・漢方・薬膳・コンポート・無花果・柿・梨・喉を潤す・薬膳

自然のサイクルは偉大です。人間の体調に合わせるべく、四季の食物が先手を打つように流動していく。秋のこの季節は体の内も外も乾燥のケアが大切になってきます。肺や呼吸器を潤すと水分がより良く体に巡るので、肌もキレイになります。今が旬の梨、イチジク、柿などの呼吸器系の状態を整える果物や、氷砂糖を使ったコンポートはお勧めのデザートです。柿は体を冷やしますし、肌寒くなってきたので体を温めて気のめぐりも良くするシナモンや八角などのスパイスと合わせます。作り方ですが、果物は皮をむき、食べやすい大きさに切ります。鍋に500ccの水、白ワイン50cc、氷砂糖150〜200g、八角、シナモン、カルダモンなど好みのスパイスを適宜加え中火煮る。氷砂糖が溶けたら、梨を加えて10分ほど弱火で煮て、柿とイチジクを加えてさらに10分ほど煮て冷やします。好みで蜂蜜やほんの少しの柑橘をしぼっても美味。日々の食を何となく口にするより、食材の持つさまざまな効能を実感しながら、心と体が潤うメニューを心がけると免疫力もアップし、お料理も楽しくなりますね。

10/4

レンコン・蓮根・ハス

薬膳・漢方・レンコン・蓮根・れんこん・喉の不調・薬膳

蓮根は調理の仕方によって、いくらでも表情を変えることが出来る魅力的な野菜。蓮根に含まれるポリフェノールには抗酸化作用や殺菌作用があると言われていますが、この成分はわずかながら皮の方に多いのです。なので、剥いてしまうのはもったいない。私はたわしでこすって調理します、香ばしさも感じて美味しいなぁと思うのですが、皮の硬さが気になる方は包丁の背でこそげたり、薄く剥いて下さい。すって加熱すると自然なとろみがつき、葛湯に入れると喉の痛みや咳をしずめます。スッと糸引く縦切りもお勧め、切り方や厚さによって食感が変わります。散らし寿司やお稲荷さんには薄切りでさっと茹でて甘酢漬けにし、胡麻と合わせると美味。蓮根はビタミンCも豊富、レバーなど鉄分が多い食材と合わせた煮物や炒めものなどにすると相乗効果で貧血予防にも良い一皿になります。
コロンと丸い小さめの先方部分はシャキシャキした食感、掘り立ては生でも食べれ、梨のような風味です。長方形の部分はデンプンが多いのでとろみが多いようです、料理によって使い分けてみて下さい。

10/3

本味醂・みりん・伝統調味料・発酵調味料

本味醂・疲労回復・みりん・味醂・搾りたて・発酵調味料・伝統調味料・疲労回復

今日は疲れたなぁと思った時は、みりんをいただく事があります。甘酒も良いですが、甘露なみりんがスッと心地よく喉を通るので、寝酒に少し。
甘酒は、飲む点滴とも言われるほど滋養が高いですが、みりんも負けていません。もち米を9割、うるち米を1割の割合で作った、熟成した味醂はそのまま飲んでもとても美味しく、元気になります。砂糖より入手しやすかった昔は、女性にも親しみやすいお酒で、お正月にいただくお屠蘇(おとそ)でもありました。「密醂」「美醂」とも書かれるみりんは、時代の流れでお料理に使われる調味料となりました。上質なみりんはさっと煮詰めるだけで、品のよいシロップにもなります。手間暇かけて丁寧に作られる日本の伝統調味料は技の巧み、身体にも優しいので使わないのはもったいないですね。
和食にはみりんが欠かせませんが、卵焼きはふんわり仕上がり、煮魚に使うのは煮崩れを防ぐためでもあります。深いコクや旨煮をからめたつやつやの照りは、なんとも食をそそります。

9/29

小豆・あずき茶・小豆・デトックス

小豆・あずき・豆・デトックス

あんまり甘いものが得意じゃない私でも、小豆たっぷりの豆大福などをいただくとホッとして気持ちが穏やかになります。甘みや舌触りもさることながら、身体にたまった余分な湿(水滞・すいたい)を取る小豆を心地よく感じるのかもしれません。特にむくみが気になる方(雨季に体が重い、頭痛がする、膝などの関節が痛い、睡眠が浅いなどの症状が出やすい方も)に、お勧めです。
昔から日本で食されている小豆は、湿をとり解毒作用があると言われています。利尿作用が高いので体の余分な水分を排出し、むくみ解消に有効です。ハトムギをプラスするとさらに効果が高まります。
最近では、食べやすい蒸し小豆なども販売されているので、そのままつまんでおやつにしてもよし、シチューやスープ、サラダに加えても。私はむくみが気になる時は、洗ったあずきをゆっくりから炒りし、煮出したあずき茶を飲用します。

9/28

味噌・豆みそ・八丁味噌

今日は豆みそのお話です。出張などで名古屋に行くと、コクのある重めの赤黒いみそでコシの強い煮込みうどん(山本煮込み)や、甘めの煮込み料理(土手煮込み)をいただくのですが、これが楽しみ。おでんの玉子や大根も見事に真っ黒! でも味は濃すぎることはありません。
豆みそは他のみそと違い、煮込むほど美味しくなります。どっしりとしたこのみそは、蒸した大豆をみそ玉にして発酵熟成させたもの、水分が抜けて色が濃くなっています。主に愛知県、三重県、岐阜県の東海地方の三つの県で作られており、三河地方沿岸の吉良の塩と、矢作大豆が手に入りやすかった事と、風土の影響で独特の作り方が生まれて豆みそが作られるようになりました。名物のみそカツやこんにゃくおでんの甘だれは、三河味醂やザラメ・八丁みそで調理されています。かすかな苦味と酸味が感じられるのも特徴です、これが良い風味を醸し出しています。
皮膚の再生力も高い豆みそ、酢とメープルシロップでなめらかに伸ばしてタレにします。焼きなす、湯豆腐、茹で野菜など美味しくいただけます。

9/27

新米・米・仁多米・奥出雲

新米・炊きたて・ごはん・米

新米の季節になりましたね。毎年日本のお米は世界一だと、お茶碗の中にピカリと光る銀しゃりをみて深く思います。炊き立ての良い香りが鼻に抜けて甘みが口中に広がる幸せ。好きなお米の一つに奥出雲の「仁多米」があるのですが、もちもちとした食感が特徴です。山間が広がる畑の中の田植えは楽しく、稲刈りをお手伝いしている時期もまりました。
お楽しみのご褒美はお結びです。お米が育った新鮮な水で炊かれていて、東京ではマネのできない贅沢さ。新米の季節は、ほぼ毎日炊きたてを楽しみます。
湯気の立つごはんにおろしたての山葵でいただく卵かけごはん、ジュワッとごはんに溶けるバター醤油ごはん、黒胡麻と海苔を佃煮風に炊いたものなど、気分によってシンプルに楽しんでいます。お米を食べると体力気力ともパワーが出ますが、人の脾胃にもっとも優しいのもお米です。

9/22

茄子・ナス・焼きなす

なす・茄子・旬野菜・焼きなす

秋なすの美味しい季節になりましたね。
なすの原産地はインドと考えられています。16世紀のフランスでは有毒だとみなされて観賞用だったとか。なすを眺めていたなんて何だか面白いですね。
日本には平安時代の8世紀頃にお目見えしました。花も紫色で可愛いですが、採りたては鋭いトゲがあって刺さると痛いのでご注意を。なすの種類には、関東によく出回る千両なすを始め、長なす、水ます、米ます、地域特有のブランドなす、最近では美しい明るい紫色の丸Nasuなど多様に出回っています、海外にも青なすや白なすがありますが、卵のようなその形からエッグプラントとも呼ばれています。
秋の気配がすると食べたくなる焼きなす。皮ごと真っ黒に焼きますが、中まで柔らかくなるまでしっかり焼いて下さい。皮を剥くときは水に取らず、竹串やキッチンペーパーで手早く剥き、食べやすく切ります。香ばしく焼けたナスはヘタも美味しいものですよ。シンプルなおかか生姜醤油も美味しいし、お椀に入れて、熱い赤出汁を注ぎ、辛子をちょこんとのせたお椀もお勧めです。
なすはほてりやのぼせによく、利尿作用があるのでむくみ改善にも良い野菜です。

9/18

白きくらげ・木耳・銀耳・美肌スープ・薬膳

白木耳・木耳・きくらげ・美肌食

朝夕は肌寒くなり、道行くとイチョウの木に銀杏がたわわです、秋ですね。
肌の乾燥が気になり始めるのもこの頃。肺も潤す美容食として人気の白きくらげは、料理やデザートに大活躍します。私のお勧めの下処理は、たっぷりの湯でとろみがでるまで約1時間半ほど下茹でします。ふるふると柔らかく、多めに茹でて小分け冷凍すればいつでも楽しめます。
肌に良いスープとして、コラーゲンと旨味の素となる骨つき鶏(塩麹をもみこむ)と一緒にさらに煮込むと、最強のツヤ肌に。その際、体を温め滋養のあるものをプラスします。生姜のスライス、松の実、クコの実、ナツメ、玉ねぎや長ねぎなどを加えてゆっくり煮込み、薄味に仕上げる。胃腸を整え、冷えも改善する丁子(クローブ)をアクセントに加えても良いでしょう。器によそい粗塩を添え、好みで黒こしょうや山椒をふって全体を引き締めると美味。