井澤由美子の食薬ごはん Yumiko Izawa

食薬ごよみ

四季のサイクルに合わせて食すことが、身体を健やかに導く手助けをしてくれます。
季節の食材とその由来や歴史、食にまつわるお話をご紹介します。

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発酵食・乳酸キャベツ(にゅうさんキャベツ)2

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乳酸キャベツ(シュークルート・ザワークラウトも仲間)は基本キャベツと塩で作ります。そこに好みのスパイスを加えて保存(スパイスは体に良い効能があり、殺菌効果があります。お好みに調節して楽しんで下さい)。基本の乳酸キャベツに、胃薬でもある丁子(西洋ではクローブ、中医学では丁香)と黒胡椒を多めに入れたバージョンの乳酸キャベツもよく作ります(余談ですが、丁子、シナモン、クコの実を紅茶と煮出すとほんのり甘くてよい香り、何とも安らぐブレンドです)。月並みですが保存食を作る時は、清潔な調理道具(まな板、包丁、箸、トング、袋など)と、消毒した保存容器やビンを使います。保存袋にキャベツを入れて粗塩と砂糖を加え、袋の上からよく揉んだ後、しんなりしたら空気をしっかり抜いて、重石をしっかりおくのもポイントです。3〜6日くらいたち、泡が出て(発酵した泡は見えにくものですが)、酸味をおびた酸っぱい香りや味がしてきたら合図です。保存容器にうつし、冷蔵庫で保存して下さい。

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雛祭り(ひなまつり)・錦糸卵

今日は雛祭り(ひなまつり)ですね。錦糸卵がたっぷりのったちらし寿司は華やかでふんわりした口当たり。卵2個にみりん少々と水溶き片栗粉小さじ1弱を加えてよく溶く。フライパンを熱して、油を薄くぬり(熱くなりすぎたらホットケーキを焼く要領でぬらしたフキンの上に1度置く)、溶いた卵液をフライパンに流して薄く広げて表面が乾くまで焼く、返して数秒焼いて火を通す。これを数回くりかえし、粗熱がとれたら重ねて丸め、ごく細切りにする。やぶれにくく黄色のきれいな錦糸卵の作り方です。中医学では卵はストレス性の不眠によいとされています。

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Nikolaschka(ニコラシカ)・カクテル・カルヴァトス・カルヴァ

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香りのよい大好きなカルヴァドス(林檎のブランデー)。ソーダ割りを楽しんだ後(品が良いので食中酒にも最適)、食後にクッといただくカクテルはニコラシカ。グラスに好みの量のカルヴァドスを注ぐ。国産ノーワックスのレモンの皮を水にぬらし、粗塩少々をこすりつけて水で洗い流し、水気をふく。これを3mmの薄さにスライス(酸味と苦味が苦手な人は半月切りにし、レモンがお好きな方は輪切りで)その上にきび砂糖を適宜のせてグラスのフチにおく(お酒の量、砂糖の量や種類は、好みや体調に合わせて調節して良いと思います)砂糖を落とさないようにレモンで挟んで口に放り込んだら、かみしめて一気にカルヴァドスを流し込む。甘酸っぱさ、芳醇な香りと強いアルコールが口中で混ざりあって完成する、アダルトで寒夜にお勧めのショットカクテル。産地のノルマンデイ地方では、食事途中で強いお酒を楽しみ消化を助ける(トゥルー・ノルマン)という粋な習慣がありました。

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もやしとパクチーのナムルサラダ

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ダイエットに最適なもやしは、カルシウムやカリウム、葉酸、食物繊維などがふくまれ、しゃきしゃきした歯触りに仕上げると、私は脳が心地よくなります。今日は大好きな簡単ナムルサラダのご紹介(もやし1袋はさっと茹でて冷水にとり、水気をふく。パクチー3、4本は2㎝幅に切り、青唐辛子半本分は薄く切る。ボウルに野菜とごま油、粗塩少々を混ぜ、ナンプラー少々を隠し味にプラス。(好みでおろしにんにくを加えても)。時間がたっても美味しいので、多めに作って冷蔵庫で冷やしたものも楽しんで下さい、たくさん作ってもあっと言う間になくなってしまいます。

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ジビエ・鹿肉(しかにく)

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鉄分が多い鹿肉は高タンパクで低カロリー、ダイエットに最適です。そして体を温める作用があるので、貧血改善も含めて女性には特におすすめの食材。鹿肉が紅葉(もみじ)と言われるのは、花札が由来だそうで、そういえば見覚えがあります。時期なので鹿肉をローストしてみました、きつめに塩、こしょうをふり、ローズマリーとにんにくの風味を肉に移す。じゃが芋とパースニップ(白にんじん)と一緒にオリーブオイルをたらしてローストし、器に盛ってこのみで野菜にメープルシロップをかけていただきます。

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ヨーグルト・発酵食品・きょうの料理

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昨日と本日のNHK(きょうの料理)でご紹介させていただきました「柑橘ヨーグルトソース」に、庭のみかんを絞って加えました。今回はハンバーグのソースとしましたが、他の肉料理や温サラダによく合うと思います。ヨーグルトのさっぱりしたコク、みかんの香りと甘さがよい塩梅。レモンやユズで作る場合は少し甘みを足して下さい、発酵食品のヨーグルトと柑橘のビタミンC、それに肉のタンパク質を加えることで腸を元気に、さらに肌をきれいにする効能がアップします。(レシピ=ヨーグルト大さじ5、みかん果汁半個分、オリーブオイル大さじ1、 粗塩小さじ4分1、黒こしょうを混ぜる)発酵食は毎日いろんな種類を幅広く摂取することが大切ですが、日本は調味料の味噌など、見渡すと身近に発酵食品が沢山ありますね。

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小籠包(しょうろんぽう)

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もうすぐ1年で1番寒い大寒ですね、温かいものが恋しくなります。台湾に行くと必ず、店先で湯気がモウモウと立った小籠包の専門店に行きます。有名な大型店もいいですが、少し田舎にある小さなお店の方が私は好きです。小籠包と一緒にいただく生姜は皮付きでごく細切りにし、多めの水に放して辛味とアクを抜きをして水気をきる。この生姜を思いっきりたっぷり添えるのが美味しい。あとはお好みで酢や黒酢、醤油、ラー油などで熱々のうちにいただきます。手作りする時のあんの比率は、豚ひき肉200〜250gに対してゼラチンは約1袋(5g)を加えるのが目安です。

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ガレットデロワ・タルト・パイ 1月のおやつ

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1月のお菓子
フランスではアーモンドクリームが入っているパイ(ガレット・デ・ロワ)を1月6日のキリストが生まれた日にちなんで食べる風習があります。ガレットには紙で作った王冠が必ず添えられていて、ケーキの中に小さな陶器の人形(フェーブ・ソラマメの意)などが1つ入っており、これが当たると王様や女王様が誕生する楽しい行事。最後の一きれは、恵まれない人々に取り置く風習があるそうです。フランス人は1月いっぱいこのガレットを口にすると聞きました、私も習って楽しんでいます。寒い季節の休日にガレットを一口、カルヴァドス(りんごのブランデー)を一口、エスプレッソを一口、またガレットを一口の順でいただくのは至福の時。洋ナシやリンゴのタルトでもこのサイクルは美味。お店の内装もステキな目白の(エーグル・ドゥース)のシンプルなガレットが大好き、1月中は販売されています。

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クロテッドクリーム

クロテッドクリーム・クロスティーニ・パーティー・おつまみ

クロテッドクリームは、mascarpone(マスカルポーネ)と似た滑らかな濃厚なクリームです。スコーンにつけていただくイメージがありますね。シチューやグラタンのコクだしなどにも重宝します。チーズよりお手頃価格で購入できますよ。私はカジュアルな集まりにバケット、アンチョビ、クロテッドクリームを買って持ち寄り、現場で即席で一品作ります。アンチョビ(あればケッパー入り)を包丁で叩き細かくします。バケットにクロテッドクリームをたっぷり塗って、刻んだアンチョビをのせ、挽きたてか潰したての黒胡椒をふる。ちょっと小洒落ているし、簡単でお酒にもよく合う。お腹も舌も満足しますよ、新年会やミニパーティーにいかがでしょう?

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鏡もち(かがみもち)

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年神様へのお供えものはされましか?人の魂を模したことから丸い形になり、月(影)・日(陽)を表す大小2つを重ねて「福徳」を重ねると言われています。1月11日に鏡開き(かがみびらき)をします。切るのは縁起が悪いことから、包丁を使わず手やめん棒などで割って(開く)のが習わしです。このお餅をいただくことで、その年の無病息災が約束されると言われています。お雑煮やお汁粉にしたり、小さく割れたものを揚げてそのままカリカリといただいても美味しいし、お椀に落としてもよいものです。私は毎年キッチンの年神様も、庭の果実をちょんとのせて気持ちを込めてお供えしています。