井澤由美子の食薬ごはん Yumiko Izawa

食薬ごよみ

四季のサイクルに合わせて食すことが、身体を健やかに導く手助けをしてくれます。
季節の食材とその由来や歴史、食にまつわるお話をご紹介します。

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多汗・のぼせ・更年期障害

風邪や病気による発熱が要因の発汗ではなく、いわゆる更年期障害による上半身に出る多汗。いきなり吹き出す汗には手をやきますね、できるなら少しでもおさえたいものです。直ぐに試せるものとして、のどにも優しい「黒酢のはちみつホットドリンク」をご紹介。(純粋はちみつ大さじ1半を150ccの湯で溶かし、黒酢小さじ2を加えて混ぜる)蜂蜜の甘味と酢の酸味が気血を調和し、発汗を抑える作用があります。この他、清熱作用がある緑茶を飲んだり、山芋、栗、かぼちゃ、小松菜、ほうれん草、ニガウリ、胡瓜、ハトムギ、海藻、梅、レモン、あさり、しじみなども有効です。

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台湾・薬膳・食薬ごはん

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胃が疲れたり体調不良になると体に優しいものを求めるが、この国の食とは何をいただくにしても日々食薬。例えばふらりと立ち寄った甘味やさんで、冷やしたトマトをただいただくだけでも、黒砂糖と生姜の手作りソースが付いてくる。
暑いので少し冷たいトマトを食べるとスッキリする、でも体を冷やし過ぎないよう、疲れがとれるようにただのトマトにも配慮する。地元の定食屋さんでも毎日の活力を生む為、生薬が何気なく当たり前に入っていて本当に感心する。
手間を惜しまず料理する、健やかに居られる美味しい国です。

11/25

鶏肉(とりにく)・アンチエイジング

お肉の中で一番消化がよく、脂肪分が少ない鶏肉。保湿成分であるコラーゲンが豊富で、粘膜の炎症を抑えるナイアシンが多く含まれています。ビタミンAは豚肉や牛肉より数倍多く含まれます。ささみや胸肉はコレストロールを気にしなくてもよいのでダイエットに最適。鶏皮はカロリーが高めですが、肌に良いので、カリッと焼いたり煮込んだりして、ぜひ美味しくいただいて下さい。
鶏肉は必須アミノ酸がバランスよく含まれています。手羽など気軽にお鍋に入れれば旨味たっぷりの美容スープベースが直ぐにできますよ、10本ほどに塩適宜をこすりつけてから、かぶる位の水、酒50cc、15分ほど中弱火で煮出だすのがポイントです

11/22

玄米(げんまい)・硬米(こうべい)・ダイエット

お米の栄養価、ビタミンB1、B6やEがたっぷり含まれる玄米は、米の籾殻を取った状態で、食物繊維そのもの。便通作用を促す効果があります。フィチン酸という成分を含むので、デトックス作用が高いので、体内の毒素を排出する効能が高いのです。
私は粗塩少々と控えめにひとつかみのもち米を加えて炊いたものが好きです。そのままでもよいですが、大人味の玄米リゾットがおすすめ。作り方は、玉ねぎの薄切りをソテーし、炊いた玄米ごはん、鶏ガラスープ、生クリーム、ブルーチーズでコクを加だす。仕上げに潰した黒こしょうをふる。
玄米は漢方では硬米(こうべい)と言われる生薬。ただ、消化が悪いので胃腸が弱っている時は控えた方がよいようです。

11/11

ヨーグルトパワー・ホエー・発酵食品

ヨーグルトは牛乳に含まれる発酵食品。発酵によって、牛乳に含まれるカルシウムやたんぱく質などが体に吸収されやすくなっています。乳酸菌が善玉菌を活発にし、悪玉菌の活動を押さえるというように、腸内環境のバランスを整えます。そうすると免疫力が高まり(体の免疫細胞の6、7割は腸に集中している)アレルギーなどの症状も抑えることが期待できます。
水切りヨーグルトはお料理に使いやすいですよ。残ったホエー(乳性)にもヨーグルトの栄養がたっぷり。朝食にいただくと体が活性化する気がします(飲む美容ドリンク)。酸味がマイルドなので納豆やドレッシング、お浸しに加えるのもお勧めです。

11/7

納豆(なっとう)・骨粗鬆症予防

納豆に含まれるビタミンk2は、特に骨を丈夫にする作用が強く、骨粗鬆症を予する効果が期待出来ます。納豆の脂質の50%をしめるリノール酸はコレストロールを低下させるので、動脈硬化、心臓病、高血圧の予防に効果があります。消化酵素が多い納豆とごはんの組み合わせは栄養の吸収の点でも相乗効果があります。

11/5

ラム(子羊)・マトン(羊)・冷え性・ダイエット

羊、鹿肉は身体を温める効果があります、北海道や東北などの寒い地域ではラムやマトン料理をよく食すのは理にかなっていますね。その他、ラムには脂肪燃焼効果のあるL-カルニチンと言われる成分が含まれ、低脂肪低カロリーなので、体内に栄養分や脂肪分を溜め込もうとするこの季節にぴったり。年末に向けて、ラムチョップなどお手頃価格で出回り始めます、鉄分やビタミンなども多いので貧血予防にも有効、女子会などにもお勧めです。表面をこんがり焼いて塩、胡椒でも十分ですが、ミントソースや、ふんわり削ったホースラディッシュを雪のように添えるのもお勧めです。

10/26

しらす・しらすおむすび

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しらす干しには、リジンという体の成長を促進する成分が含まれています。成長期のお子さんには特にお勧めですよ。また、肌に弾力を与えるエラスチンと言う成分も含み、酢と一緒にとると、カルシウムの摂取をアップます。オムレツ、お浸し、パスタ、チーズと合わせてパンやピザなどに。バリエーションを増やして日々食し、たるみの予防をしましょう。
しらすが入った炊きたての銀シャリおにぎりは最高、私にとって1、2を争う好きな具材でもあります。絶対にしらすをたっぷりがお約束、そうでなくては意味がありません。お米を引き立てる苦味の少ない粗塩と、お気に入りのすりごまをほんのり効かせる。お米はお結びの為にブレンドされたこだわり米、絶妙な加減でふんわり握られ、海苔はいただく直前におのおのが巻いて食し、好みの量の追いしらすで!撮影ランチでいただいた本日の「三角や」さんの和歌山県産のしらすお結び、午後から力がでました、日本のファストフードは偉大です。

10/23

蜜柑(みかん)・美容食・乾燥・美肌・人参ドレッシング

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乾燥するこの季節。外からの潤いも大切ですが、やはり体内から潤さなければハリやツヤは生まれませんね。毛穴が目立って気になる方にもおすすめのサラダのご紹介です。何より大事な保水力を上げるには、ビタミンC、コラーゲン、カロチンの組み合わせ。加えて、肺機能と胃腸の働きを良くすることが大切です。食べやすく切った鶏もも肉とキャベツを鍋かフライパンに入れて、塩、こしょうをふり、オリーブオイルを回しかけて中弱火で蒸し煮にし、温かいサラダにする。すりおろしたにんじん大さじ2、オリーブオイル大さじ1半、しぼりたてのみかん果汁1個分、粗塩、こしょうを混ぜだドレッシングなどをかけていただきます、簡単なようで最上の組み合わせですよ、キャベツは便通も良くします。白木耳(銀耳)を茹でたものを加えると、さらに効果がアップします。漢方では「貴婦人の美容食」と言われるくらい美肌効果があります。
私は庭のみかんやすだちの採りたてをギュッと絞るのですが、ビタミンCはストレスも軽減します、イライラが多い肝鬱気滞の方などにも、柑橘類の爽やかな香りは心身によいのでお勧めです。

10/17

白菜(はくさい)・ホワイトシチュー・味噌・菌運ごはん

温かくヘルシーで、食べ応えのあるシチューはいかがでしょう。まず3、4枚分の白菜の軸と緑の葉の部分を切り分けざく切りに、にんにく1かけ分はスライス、鶏もも肉1枚分を食べやすく切る。フライパンにオリーブオイルかごま油大さじ1を熱し、にんにくと鶏肉を炒める。色が変わったら白菜の白い部分だけを加えてしんなりするまで炒め、塩、胡椒する。豆乳2カップと白みそ(みそ)大さじ1〜2を入れて煮立て、残りの白菜を加え中弱火で3〜5分ほど煮込む。白菜の軸は炒めると、とろりとして甘みが増すのですが、この一手間でグンとコクがでて美味しくなります。最後に大さじ1の葛粉を少々の水で溶いて加え、とろみをつける。鶏肉の代わりに牡蠣を加えると精神を安定させる効果が高まり、更年期障害のイライラや落ち込みを改善します。その他白菜は胃腸を整え、お酒の解毒効果があるので二日酔いやむくみに有効、朝のお味噌汁などにもいいですね。ビタミンCや繊維も多く便通も良くしますよ、発酵食品の味噌と同じ大豆の豆乳を合わせると、特に女性の健康維持にかかせないイソフラボン(味噌にも豆乳にも多く含まれている)のダブル効果で、骨量もふやす菌運ごはんになります。