井澤由美子の食薬ごはん Yumiko Izawa

食薬ごよみ

四季のサイクルに合わせて食すことが、身体を健やかに導く手助けをしてくれます。
季節の食材とその由来や歴史、食にまつわるお話をご紹介します。

3/22

人参・にんじん・ニンジン・carrot・眼精疲労

美肌・春の美肌・養生・井澤由美子・人参・眼精疲労・ニンジン・にんじん・carrot

昨日は久しぶりの激しい雨模様でした。春の陽気で乾燥気味だった庭の草木やミントなどのハーブ達は喜んでいるようです。
しかし人には、雨が降っても目の乾燥や花粉症状のかゆみなどが気になることも。加えてパソコン作業、携帯、テレビなどの眼精疲労などもあるので改善したい。こんな時は、春人参を多く食べるようにしています。スーパーに行くとみずみずしく柔らかそうな葉付き春人参を見かけます、良い香りで甘さもあります。
人参サラダの作り方です。皮ごとの人参をタワシでこすり洗いし、千切りにします。レモンやオレンジのしぼりたて果汁、オリーブオイル、粗塩をふって馴染ませれば、酵素、ビタミンC、カロテン、繊維がたっぷりなサラダ。今なら金柑を加えても良いですね、甘み、香り、色が冴えた美しい一品になります。同じように千切りした人参を醤油と辛子で和え、粒マスタードやクミン、コリアンダーなどを油で熱して香りを写した熱々のシードオイルをかけるとエスニック風。さらに、花粉症が気になる方はヨーグルトと合わせても。人参はカロテンの王様、油類と合わせると効率よく体に摂取できます。皮膚の粘膜を潤す作用もあり、薬膳では血と津液を作り栄養不足を補うとされます。人参を購入する時は、ヘタの部分の丸が小さ目のものを選ぶと美味しいようです

3/20

アサリ・あさり・浅利・あさりの砂抜き

食薬養生超・食養生・井澤由美子・薬膳・漢方・浅利・あさり・アサリ・お味噌汁

今日は春分です。日が長くなり初めて日中は温かい日が増えてきましたね、早咲きの桜は満開です。
スーパーで大粒のアサリが出回っています。身がぷっくりした旬のアサリは、旨みと栄養価がたっぷり。殻にはカルシウムなどのミネラルが豊富、ぜひ殻付きを調理するようにして下さい。加熱する最初に「少々」の酢を入れると吸収をよくします(少量なら酸味は飛びます)。
砂抜きは、バットにあさりを広げて塩水(海水程度約水500cc塩大さじ1)をかぶる程度に入れ、新聞紙などをかぶせて暗くして(海の中と似た状態)半日置きます。時間がない時は50位の湯に3分ほど浸すと良いそうです。その後、水気を切ってポリ袋に入れ、酒少々を加えて上から揉んで汚れをスッキリ落とします。お味噌汁は、鍋に水とアサリ(好みで昆布一切れ)を入れ中強火にかけます。煮立ってきたら味噌を溶き入れ、口が開いた順にアサリを椀に盛り、熱々のお味噌汁を注ぎます。
アサリのタウリンは肝機能を高めることが知られていますが、春は肝機能をケアすることが大切なので理にかなっていますね。味噌の沢山の機能性成分、メラノイジンと合わさり疲労回復効果や健康効果が倍増します。しみじみ美味しいあさりの椀物、たっぷり堪能したい春です。

3/18

ふきのとう・蕗の薹・ふきのとう味噌

蕗の薹・ふきのとう・井澤由美子・食養生・食薬ごはん・山菜・デトックス・薬膳・

春の訪れを告げるふきのとうは日本原産の山菜、春先のスキー場で見つけては母にお土産にしていたのが懐かしい想い出です。ふきのとうを手にしたら、とにかく早く調理して香りと水分が逃げないうちにいただきましょう。摘みたてを天麩羅にすると香りがグンと開きます、葉を広げるようにして薄い衣に潜らせてサッと揚げると花のようになって可愛らしい。白身と混ぜてお椀に落としたしんじょうは、おかわりしたくなる美味しさです。ふきみそは、ごはんのお供や、田楽、和え物など何にでも合うので毎年沢山作りおきます。まず、ふきのとうを開いて水で洗い、熱湯でさっと塩茹でたら冷水に晒して水気をギュと絞ります。刻んでごま油で炒め、味噌、きび砂糖、酒を馴染ませ、隠し味にほんの少しのお醤油を。細かく切って白味噌とすれば料亭風、ほろ苦がみが美味しいふき味噌の出来上がりです。
春の山菜の苦みは、冬に溜まった体の老廃物や毒素を排出するなどデトックス効果が高いので、この時期は特に口にしたい食材。花粉症などのアレルギー症状を緩和する手伝いも期待できそうです。旬は短し、様々な春の苦味を堪能します

3/16

菜の花・菜花

菜の花・なばな・視力回復・カロテン

アブラナ科の菜の花は、キャベツやブロッッコーリーの仲間です。カロテンやビタミン類が豊富、葉酸や鉄分も多い野菜です。今日は体に吸収されやすい簡単料理法をご紹介します。茎や筋のかたい部分を落としてボールに入れ、たっぷりの水に10分ほど浸して汚れを落としてシャキッとさせる(これ大事)。フライパンに2、3等分に切った菜の花、オリーブオイル、菜種油やごま油など好みのオイルをふりかけ、粗塩を全体にふってフタをして強火にパッとかけるだけ、しんなりしたら出来上がりです。簡単シンプルですが、色鮮やかな菜の花の蒸し煮は美味しさや香りが逃げず凝縮した春の味を堪能できます。調理はパパッと!が菜の花の栄養分を逃さない大切なポイントです。写真は満開の葉の花畑から届いた写真です。青い海と菜の花畑のコントラストが映画のワンシーンのようです

3/12

蛍烏賊・ほたるいか・ホタルイカ

3月から5月頃が旬のほたるいかは、日本海側の水揚げが多いようです。特に産卵期の為に、岸に近づいて来るふくよかな富山県産は美味しくて有名ですね。酢みそを添えても、しょうが醤油でいただいても美味。セミドライに干してあぶったり、沖漬けも捨てがたいのですが、濃厚なワタが溶け出たアヒージョもまた格別で、バケットをついついお代わりしてしまいます。店先では、産地で茹でられたものを多く見かけますが、透き通った生の美しいほたるいかを見かけることもあります。生ものは、寄生虫などの関係で冷凍後のものか、内臓を取り除くように書いてあります、よく読んで調理して下さい。口あたりが気になる方は、目と口の部分をピンセットなどで取り除き、さらに気になる方は軟骨も引き抜いて下さい。茹でるなら1分前後塩茹でしてから気になる部分を取り除いても。
きちんと下処理されたほたるいかなら自家製沖漬けも楽しめます。ほぼ同量の酒、醤油、本みりんを煮立て冷まし(味醂が気持ち多くても)冷蔵庫で半日以上漬け込みます。沖漬けにして冷凍する方法もあります、店頭で処理を確認して楽しんで下さい。
タウリンやビタミンEが豊富なほたるいか、肝機能が低下しやすいこの季節の症状をケアしてくれるようです、お酒のアテにも最適です

3/11

玉子・卵料理・ポーチドエッグの作り方

嬢・薬膳・たまご・卵・玉子・ポーチドエッグ

ポーチドエッグの作り方はとてもシンプルです。少しのコツさえつかめれば、とろりと美味しそうなカフェ風も簡単です。まず、小鍋にたっぷりの湯を沸かし(15cm高さくらい)、酢を大さじ1ほど加えます。ポコポコと沸騰させた湯に静かに卵を落としますが、この時に何か小さな容器に卵を入れる事が失敗しないポイントです。鍋中をグルグルと大きくかき混ぜながら対流を作って卵を落とす方法もありますが、初めてなら鍋のはじの方に静かに落とすだけでもいいでしょう。白身が固まってきたらお玉で卵をそっとすくい、固まり加減をみます。好みの加減で引き上げて、余熱で火が入らないように氷水に浸してキッチンペーパーなどに置きます。もしも温かい温サラダや肉のソテー、パンなどにのせる場合は、水気をとってそのままのせて温かい内にいただく方が美味しく感じます。
卵は完全栄養食、食物繊維の野菜やビタミンを足せばバランスの良い食事が簡単にとれます。幸せホルモンのトリプトファンも含まれています

3/9

マーラーカオ・蒸しカステラ・蒸したておやつ・オヤツ

マーラーカオ・おやつ・蒸し立てお菓子・蒸し器・

まだ少し肌寒い日には、ホカホカの蒸したてのおやつが食べたくなります。出来上がるまで30分で作れるマーラカオ、甘味を抑えて、ハムエッグなどを添えた朝ごはんにもお勧めです。マーラーはマレーシア、カオはケーキの意味だそうで、中国風の蒸しパンや蒸しカステラ風です。特別な材料などは必要ありません、作り方です。ボウルに卵2個、ミルク大さじ2、甜菜糖(きび砂糖・黒糖)大さじ3〜4、醤油小さじ1、ハチミツ(メイプル・練乳)大さじ1を混ぜます。ココナッツオイル大さじ1〜3を更に混ぜ、小麦粉100g、ベーキングパウダー小さじ1半をふるって加え、木べらで粉が消えるまでさっくり混ぜ込みます。型にぬらして絞った晒しさらし(オーブンペーパーでも)をしき、湯気がたった蒸し器にいれて、中火で約25分ほど蒸せば出来上がりです。ココナッツの風味がよいものですが、無ければ米油やサラダ油でも大丈夫です。
湯気が上がる熱々をほうばれるのは、おうちオヤツならではですね。滋養もあるオヤツなのに簡単です、ぜひお試し下さい。

3/6

ブロッコリー

ブロッコリーは野生のキャベツを品種改良したもので、さらに改良されたものがカリフラワーです。蕾の部分の緑黄色野菜、購入する時は、かたくしまって緑が濃いものを選びます。通年出回りますが、冬から春にかけてが旬です。
ブロッコリーは、胃腸に優しく、免疫力を高める野菜としてイタリアなどでも古くから栽培され、親しまれてきました。
カロテンやビタミンE、C、繊維が豊富です。甘味がある茎も、皮をむいて食べやすく切って一緒に調理しましょう。ブロッコリーのビタミンCは水に溶けやすいので、損失を補う塩を加えて基本的には短時間の調理にします。多少色が落ちますが、ブロッコリーを柔らかく蒸すとしっとりして美味しいなぁと思います。まずはそのままいただいて、残ったらスープやピュレなどにしても。簡単にフライパンでオイル蒸しにすれば、カロテンも効率よく体に吸収できます。疲れている時は豚肉と一緒に調理すると、疲労回復をグンと助けます。

3/5

卵・たまご・玉子・egg・オムレツ

玉子・卵・たまご・タマゴ・egg

お花屋さんの春のイメージカラーは黄色だそう。店先にはチューリップ、フリージア、ミモザなどの元気カラーの花々が。道端にはタンポポも揺れています。花々を愛で、陽気に誘われるこの頃、ふんわり柔らかなオムレツを食べたくなります。作り方のコツは、卵3つを溶いた卵液に小さじ2(生クリームかマヨネーズ)、塩少々を入れ、白身が切れるまでフォークで混ぜます。しっかり熱したフライパンにバターを溶かし、卵液を一気に流し入れる。ここで慌ててかき混ぜず、30~40秒ほど待ち、端の卵がプックリとしてきたら外側から大きなスプーンで2、3回かき混ぜてドレープを作って寄せます。最大のポイントは、フライパンをよく熱すること、立ち上がりにボリュームがでます。ホットケーキの要領で弱火で作る時もありますが、普段は手早くふんわり焼けるこの方法が気に入っています。
卵には幸せホルモンと呼ばれるセロトニンを増やすトリプトファンが含まれています。タンパク質の他、沢山の栄養成分が有りますが、何より手軽に調理できることと、黄色の幸福感は食卓を豊かに彩りますね

3/4

めかぶ・めかぶら・メカブ・和布蕪

海藻・若芽・和布蕪・めかぶ

春先だけに出回る和布蕪(めかぶ)は、わかめの根元にあるひらひらしている肉厚の部分。含まれるフコイダンやアルギン酸、ミネラルなどの成分は、様々な体の機能を上げることがわかっています。
食べると食感の粘りと独特のコリコリ感が楽しいですね。旬が短いので、ここのところ気がつくと調理しています。熱湯で茹でると鮮やかな緑色に変身します。色好く茹でて叩いてねばりをだし、納豆と和えたねばり和えを朝食にすることも。血糖値の上昇を緩やかにするそうなので食事の一番初めにいただくようにしています。薄くスライスしてヨーグルトとマヨネーズのソースと和え、旬の柑橘を絞ったサラダなどもお勧めです。発酵食と合わせた組み合わせ、豊富な食物繊維が腸内環境を抜群に良くします。腸が整うと花粉症予防にも有効ですね