井澤由美子の食薬ごはん Yumiko Izawa

食薬ごよみ

四季のサイクルに合わせて食すことが、身体を健やかに導く手助けをしてくれます。
季節の食材とその由来や歴史、食にまつわるお話をご紹介します。

11/11

ヨーグルトパワー・ホエー・発酵食品

ヨーグルトは牛乳に含まれる発酵食品。発酵によって、牛乳に含まれるカルシウムやたんぱく質などが体に吸収されやすくなっています。乳酸菌が善玉菌を活発にし、悪玉菌の活動を押さえるというように、腸内環境のバランスを整えます。そうすると免疫力が高まり(体の免疫細胞の6、7割は腸に集中している)アレルギーなどの症状も抑えることが期待できます。
水切りヨーグルトはお料理に使いやすいですよ。残ったホエー(乳性)にもヨーグルトの栄養がたっぷり。朝食にいただくと体が活性化する気がします(飲む美容ドリンク)。酸味がマイルドなので納豆やドレッシング、お浸しに加えるのもお勧めです。

11/7

納豆(なっとう)・骨粗鬆症予防

納豆に含まれるビタミンk2は、特に骨を丈夫にする作用が強く、骨粗鬆症を予する効果が期待出来ます。納豆の脂質の50%をしめるリノール酸はコレストロールを低下させるので、動脈硬化、心臓病、高血圧の予防に効果があります。消化酵素が多い納豆とごはんの組み合わせは栄養の吸収の点でも相乗効果があります。

11/5

ラム(子羊)・マトン(羊)・冷え性・ダイエット

羊、鹿肉は身体を温める効果があります、北海道や東北などの寒い地域ではラムやマトン料理をよく食すのは理にかなっていますね。その他、ラムには脂肪燃焼効果のあるL-カルニチンと言われる成分が含まれ、低脂肪低カロリーなので、体内に栄養分や脂肪分を溜め込もうとするこの季節にぴったり。年末に向けて、ラムチョップなどお手頃価格で出回り始めます、鉄分やビタミンなども多いので貧血予防にも有効、女子会などにもお勧めです。表面をこんがり焼いて塩、胡椒でも十分ですが、ミントソースや、ふんわり削ったホースラディッシュを雪のように添えるのもお勧めです。

10/26

しらす・しらすおむすび

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しらす干しには、リジンという体の成長を促進する成分が含まれています。成長期のお子さんには特にお勧めですよ。また、肌に弾力を与えるエラスチンと言う成分も含み、酢と一緒にとると、カルシウムの摂取をアップます。オムレツ、お浸し、パスタ、チーズと合わせてパンやピザなどに。バリエーションを増やして日々食し、たるみの予防をしましょう。
しらすが入った炊きたての銀シャリおにぎりは最高、私にとって1、2を争う好きな具材でもあります。絶対にしらすをたっぷりがお約束、そうでなくては意味がありません。お米を引き立てる苦味の少ない粗塩と、お気に入りのすりごまをほんのり効かせる。お米はお結びの為にブレンドされたこだわり米、絶妙な加減でふんわり握られ、海苔はいただく直前におのおのが巻いて食し、好みの量の追いしらすで!撮影ランチでいただいた本日の「三角や」さんの和歌山県産のしらすお結び、午後から力がでました、日本のファストフードは偉大です。

10/23

蜜柑(みかん)・美容食・乾燥・美肌・人参ドレッシング

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乾燥するこの季節。外からの潤いも大切ですが、やはり体内から潤さなければハリやツヤは生まれませんね。毛穴が目立って気になる方にもおすすめのサラダのご紹介です。何より大事な保水力を上げるには、ビタミンC、コラーゲン、カロチンの組み合わせ。加えて、肺機能と胃腸の働きを良くすることが大切です。食べやすく切った鶏もも肉とキャベツを鍋かフライパンに入れて、塩、こしょうをふり、オリーブオイルを回しかけて中弱火で蒸し煮にし、温かいサラダにする。すりおろしたにんじん大さじ2、オリーブオイル大さじ1半、しぼりたてのみかん果汁1個分、粗塩、こしょうを混ぜだドレッシングなどをかけていただきます、簡単なようで最上の組み合わせですよ、キャベツは便通も良くします。白木耳(銀耳)を茹でたものを加えると、さらに効果がアップします。漢方では「貴婦人の美容食」と言われるくらい美肌効果があります。
私は庭のみかんやすだちの採りたてをギュッと絞るのですが、ビタミンCはストレスも軽減します、イライラが多い肝鬱気滞の方などにも、柑橘類の爽やかな香りは心身によいのでお勧めです。

10/17

白菜(はくさい)・ホワイトシチュー・味噌・菌運ごはん

温かくヘルシーで、食べ応えのあるシチューはいかがでしょう。まず3、4枚分の白菜の軸と緑の葉の部分を切り分けざく切りに、にんにく1かけ分はスライス、鶏もも肉1枚分を食べやすく切る。フライパンにオリーブオイルかごま油大さじ1を熱し、にんにくと鶏肉を炒める。色が変わったら白菜の白い部分だけを加えてしんなりするまで炒め、塩、胡椒する。豆乳2カップと白みそ(みそ)大さじ1〜2を入れて煮立て、残りの白菜を加え中弱火で3〜5分ほど煮込む。白菜の軸は炒めると、とろりとして甘みが増すのですが、この一手間でグンとコクがでて美味しくなります。最後に大さじ1の葛粉を少々の水で溶いて加え、とろみをつける。鶏肉の代わりに牡蠣を加えると精神を安定させる効果が高まり、更年期障害のイライラや落ち込みを改善します。その他白菜は胃腸を整え、お酒の解毒効果があるので二日酔いやむくみに有効、朝のお味噌汁などにもいいですね。ビタミンCや繊維も多く便通も良くしますよ、発酵食品の味噌と同じ大豆の豆乳を合わせると、特に女性の健康維持にかかせないイソフラボン(味噌にも豆乳にも多く含まれている)のダブル効果で、骨量もふやす菌運ごはんになります。

10/13

フレンチローズ・にんにく・黒にんにく・菌運ごはん

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薬味は薬という字を書きますが、にんにく、生姜、ねぎ、しそなどはだいたい香りが強い。ハーブやスパイスもそうですが、香りが強いものは、薬効が非常に高いのです。掘り立てのにんにくを薄くスライスし、醤油をまとわせた「にんにくのお刺身」はとても美味しいですよ、匂いや味はそのままですが、1、2日以内なら辛味も立ちません旬の楽しみです。
にんにくはとても抗酸化作用が強く、ガン細胞を抑制する効果なども高い素晴らしい野菜。ですがその成分が強い分、食べ過ぎると胃を傷つけたりお腹をこわしたりすることがあります。加熱すると多少の効力は落ちますが、なくなる訳ではありませんし、甘みも増しますので加熱した方が美味しくいただけます。にんにくの糖度は意外に高く、発酵させた黒にんにくは凝縮され、匂いも抜けて煮詰めたプルーンのよう。
私が普段使用しているにんにくは石狩の畑さんで作られる「フレンチローズ」。加熱するとより美味しさを発揮し、旨味の強さを感じます(菌や発酵食品と合わせるとさらに元気UP)。皮をむいた時の美しいローズ色にもテンションが上がります!畑は自然栽培無農薬、お手伝いに行って土から元気をもらい、摘み食いも楽しむ。

10/12

ヨーグルト・菌・発酵食品・菌運ごはん

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ヨーグルトの歴史はとても古く、なんと約7千年ほど前から食されていたようです。古代から体に良いと判っていたのですね。腸内の善玉菌の生育を助け、体に有害な悪玉菌を減らす作用があるなど、腸内環境を整えるヨーグルト。動物性の乳酸菌は胃酸によって死滅してしまうことも多いのですが、死んでしまっても効果がなくなるわけではなく、整腸作用を助けて腸の動きをサポートします。ヨーグルトは牛乳に含まれているタンパク質やカルシウムなどを、発酵の力によって体に吸収されやすい状態にしています。最近では生きたまま腸に届く、いろいろな菌のヨーグルトが開発されていますね。どちらにしてもヨーグルトは食後にいただきましょう。胃酸によって死滅することが少なくなリ、効果を発揮しやすいからです。いろいろ試してみて(1、2週間)、体が心地よく感じられたら、運命のヨーグルトに出会えたのかもしれません。
私は無糖ヨーグルトにクコの実を2日間ほど漬けて食します。クコの実が干される前の状態に戻って柔らかく、消化もよくなります。また、白味噌と合わせてふんわりディップにすると和とも洋とも言えない感じ、美味しく楽しい。

10/7

納豆(なっとう)・菌運ごはん

寒くなりましたね。納豆に含まれる酵素が血行を促進し、冷えも改善してくれる優れた発酵食品。カロチンが多い野菜やリコピンが多いトマト、とろみのあるめかぶや山芋などと合わせていただくと、お肌への潤い効果がさらに期待できます。私は粗塩と酢を加えてサラダのようにいただきます。じゃこやしらすなどを加えるとカルシウムが体に吸収されやすくなります。先日個人タクシーさんにのったら、運転手さんはだいぶ高齢の元気なおばぁちゃまで、楽しくなって色々お話していたら、物凄く肌がキレイなことに気付きました。何を食されていますか?の質問の答えは納豆。大好きで毎日6パックくらい頂くそう。きっと体に合うのですね。自分の体が喜ぶ菌や発酵食を見つけられたら美肌への近道です。納豆は夜に食べ、お腹に菌を長く止めるとさらなる効果が期待できます。

9/25

味噌(みそ)・味噌だし

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味噌は大豆、麦、米などを蒸して、麹や塩を混ぜて発酵させた日本古来の伝統調味料。味噌だけで沢山の栄養価や効能、効果があります。厚切りの鰹節で出汁をとり、好みの味噌を溶いて椀に注ぐ。香りも、のど越しも邪魔するものは何もない。ただみそ椀を楽しむ、そういう時もあって良いと思う。温かいものをいただくだけで、脾や胃や脳が緩やかに動きだすのを感じます。慈悲深さをゆっくり堪能する一時は、心も穏やかになっていくようです。