井澤由美子の食薬ごはん Yumiko Izawa

食薬ごよみ

四季のサイクルに合わせて食すことが、身体を健やかに導く手助けをしてくれます。
季節の食材とその由来や歴史、食にまつわるお話をご紹介します。

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鏡もち(かがみもち)

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年神様へのお供えものはされましか?人の魂を模したことから丸い形になり、月(影)・日(陽)を表す大小2つを重ねて「福徳」を重ねると言われています。1月11日に鏡開き(かがみびらき)をします。切るのは縁起が悪いことから、包丁を使わず手やめん棒などで割って(開く)のが習わしです。このお餅をいただくことで、その年の無病息災が約束されると言われています。お雑煮やお汁粉にしたり、小さく割れたものを揚げてそのままカリカリといただいても美味しいし、お椀に落としてもよいものです。私は毎年キッチンの年神様も、庭の果実をちょんとのせて気持ちを込めてお供えしています。

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伊勢うどん・玉うどん

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「一生に一度は伊勢参り」「おかげ参り」と言われますね、伊勢からのお土産をいただきました、年初めに頂いたので何だか縁起がよくなる気がします。伊勢うどんは、江戸時代以前から農民がたまり醤油をかけて食していたのが始まりとか。とても柔らかく食べやすいおうどんで、こしや喉ごしを楽しむものとはまた違った美味しさがあります。うどん屋さんでは、次から次へと来る参拝客に直ぐに提供できるように常にうどんを茹で続けていたそうです。あたたかく柔らかいので消化もよく、長旅で疲れた旅人にも適していたはずですね(お酒の飲み過ぎや風邪などで弱った胃にもぴったり)。太めの市販うどんを、長めに茹でると同じ感じになりますよ、ネギを添え、卵を落とし、濃く甘めのタレ(たまり醤油か醤油大さじ3、みりん、出汁各大さじ3、きび砂糖小さじ2を煮立たせる)をトロリとかけて七味をふって、シンプルに卵をからめて熱々のうちにいただきます。たらこを入れるとお酒のアテにも!

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たたきごぼう・おせち・祝い肴4

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地中深く根を貼るごぼうは、長寿や、家の土台がしっかりして家業が堅固になることを願って食べられます。ゆでたごぼうをたたいて繊維をほぐし、味のなじみをよくしてさらに食べやすくします。食物繊維たっぷりで香り豊かなごぼうは、つい食べ過ぎるお正月の体調も整えてくれます。
作り方=皮を包丁の背でこそげ取ったごぼう2本(150g)を20㎝くらいに切って酢水に10分ほどさらす。フライパンを弱火にかけ、白ごま大さじ6を入れ、絶えず揺すりながら香ばしい香りがする。熱いうちにすり鉢に入れて半ずりにし、きび砂糖大さじ1半、酢、醤油各大さじ2を加え混ぜあわせる。鍋にたっぷりの湯を沸かし(1リットルなら酢大さじ1を入れ)3、4分茹で、熱いうちに麺棒などで軽く叩いて5㎝幅に切る。熱い内にごまだれと和える。『簡単なのにきちんと作れるおせち料理』成美堂出版P24より

12/24

鱈子(たらこ)・たらこごはん

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たらこは鱈の腹子を塩漬けしたもの。ビタミンB2が豊富で、肌の粘膜を保護します。私は特に炙りたらこなど大好きです。ごはんにもお酒のおつまみにも最高。今日はたらこごはんの作り方をご紹介します。米2合を研いで鍋に入れ、水と昆布を入れ20分浸す。酒、醤油、粗塩少々を加え、ふたをして強火にかけます。沸騰してきたら弱火にして10分ほど炊き、たらこ大きめ一腹を加えて火を止めて5分蒸らします。ざっと粗くほぐしいただきます、海苔で包んだり、少しワサビを添えたり、柚子の皮をちらすなど、お好みでどうぞ。

12/20

芽キャベツ・ビタミンC

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キャベツは何よりビタミンCが豊富。ビタミンCはコラーゲンの合成をサポートするので積極的にとりたいですね。
キャベツの収穫時期は11月〜3月頃です。少し苦味がある芽キャベツは、シンプルなソテーがお勧めです。湯をわかして芽キャベツを少し硬めに塩ゆでする。油をひかずにベーコンをフライパンで焦げ目がつくまでカリカリに焼き、芽キャベツを加えて脂が回るまで炒めて軽く塩、胡椒する

12/6

多汗・のぼせ・更年期障害

風邪や病気による発熱が要因の発汗ではなく、いわゆる更年期障害による上半身に出る多汗。いきなり吹き出す汗には手をやきますね、できるなら少しでもおさえたいものです。直ぐに試せるものとして、のどにも優しい「黒酢のはちみつホットドリンク」をご紹介。(純粋はちみつ大さじ1半を150ccの湯で溶かし、黒酢小さじ2を加えて混ぜる)蜂蜜の甘味と酢の酸味が気血を調和し、発汗を抑える作用があります。この他、清熱作用がある緑茶を飲んだり、山芋、栗、かぼちゃ、小松菜、ほうれん草、ニガウリ、胡瓜、ハトムギ、海藻、梅、レモン、あさり、しじみなども有効です。

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台湾・薬膳・食薬ごはん

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胃が疲れたり体調不良になると体に優しいものを求めるが、この国の食とは何をいただくにしても日々食薬。例えばふらりと立ち寄った甘味やさんで、冷やしたトマトをただいただくだけでも、黒砂糖と生姜の手作りソースが付いてくる。
暑いので少し冷たいトマトを食べるとスッキリする、でも体を冷やし過ぎないよう、疲れがとれるようにただのトマトにも配慮する。地元の定食屋さんでも毎日の活力を生む為、生薬が何気なく当たり前に入っていて本当に感心する。
手間を惜しまず料理する、健やかに居られる美味しい国です。

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鶏肉(とりにく)・アンチエイジング

お肉の中で一番消化がよく、脂肪分が少ない鶏肉。保湿成分であるコラーゲンが豊富で、粘膜の炎症を抑えるナイアシンが多く含まれています。ビタミンAは豚肉や牛肉より数倍多く含まれます。ささみや胸肉はコレストロールを気にしなくてもよいのでダイエットに最適。鶏皮はカロリーが高めですが、肌に良いので、カリッと焼いたり煮込んだりして、ぜひ美味しくいただいて下さい。
鶏肉は必須アミノ酸がバランスよく含まれています。手羽など気軽にお鍋に入れれば旨味たっぷりの美容スープベースが直ぐにできますよ、10本ほどに塩適宜をこすりつけてから、かぶる位の水、酒50cc、15分ほど中弱火で煮出だすのがポイントです

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玄米(げんまい)・硬米(こうべい)・ダイエット

お米の栄養価、ビタミンB1、B6やEがたっぷり含まれる玄米は、米の籾殻を取った状態で、食物繊維そのもの。便通作用を促す効果があります。フィチン酸という成分を含むので、デトックス作用が高いので、体内の毒素を排出する効能が高いのです。
私は粗塩少々と控えめにひとつかみのもち米を加えて炊いたものが好きです。そのままでもよいですが、大人味の玄米リゾットがおすすめ。作り方は、玉ねぎの薄切りをソテーし、炊いた玄米ごはん、鶏ガラスープ、生クリーム、ブルーチーズでコクを加だす。仕上げに潰した黒こしょうをふる。
玄米は漢方では硬米(こうべい)と言われる生薬。ただ、消化が悪いので胃腸が弱っている時は控えた方がよいようです。

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ヨーグルトパワー・ホエー・発酵食品

ヨーグルトは牛乳に含まれる発酵食品。発酵によって、牛乳に含まれるカルシウムやたんぱく質などが体に吸収されやすくなっています。乳酸菌が善玉菌を活発にし、悪玉菌の活動を押さえるというように、腸内環境のバランスを整えます。そうすると免疫力が高まり(体の免疫細胞の6、7割は腸に集中している)アレルギーなどの症状も抑えることが期待できます。
水切りヨーグルトはお料理に使いやすいですよ。残ったホエー(乳性)にもヨーグルトの栄養がたっぷり。朝食にいただくと体が活性化する気がします(飲む美容ドリンク)。酸味がマイルドなので納豆やドレッシング、お浸しに加えるのもお勧めです。