井澤由美子の食薬ごはん Yumiko Izawa

食薬ごよみ

四季のサイクルに合わせて食すことが、身体を健やかに導く手助けをしてくれます。
季節の食材とその由来や歴史、食にまつわるお話をご紹介します。

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ヨーグルト・発酵食品・きょうの料理

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昨日と本日のNHK(きょうの料理)でご紹介させていただきました「柑橘ヨーグルトソース」に、庭のみかんを絞って加えました。今回はハンバーグのソースとしましたが、他の肉料理や温サラダによく合うと思います。ヨーグルトのさっぱりしたコク、みかんの香りと甘さがよい塩梅。レモンやユズで作る場合は少し甘みを足して下さい、発酵食品のヨーグルトと柑橘のビタミンC、それに肉のタンパク質を加えることで腸を元気に、さらに肌をきれいにする効能がアップします。(レシピ=ヨーグルト大さじ5、みかん果汁半個分、オリーブオイル大さじ1、 粗塩小さじ4分1、黒こしょうを混ぜる)発酵食は毎日いろんな種類を幅広く摂取することが大切ですが、日本は調味料の味噌など、見渡すと身近に発酵食品が沢山ありますね。

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小籠包(しょうろんぽう)

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もうすぐ1年で1番寒い大寒ですね、温かいものが恋しくなります。台湾に行くと必ず、店先で湯気がモウモウと立った小籠包の専門店に行きます。有名な大型店もいいですが、少し田舎にある小さなお店の方が私は好きです。小籠包と一緒にいただく生姜は皮付きでごく細切りにし、多めの水に放して辛味とアクを抜きをして水気をきる。この生姜を思いっきりたっぷり添えるのが美味しい。あとはお好みで酢や黒酢、醤油、ラー油などで熱々のうちにいただきます。手作りする時のあんの比率は、豚ひき肉200〜250gに対してゼラチンは約1袋(5g)を加えるのが目安です。

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ガレットデロワ・タルト・パイ 1月のおやつ

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1月のお菓子
フランスではアーモンドクリームが入っているパイ(ガレット・デ・ロワ)を1月6日のキリストが生まれた日にちなんで食べる風習があります。ガレットには紙で作った王冠が必ず添えられていて、ケーキの中に小さな陶器の人形(フェーブ・ソラマメの意)などが1つ入っており、これが当たると王様や女王様が誕生する楽しい行事。最後の一きれは、恵まれない人々に取り置く風習があるそうです。フランス人は1月いっぱいこのガレットを口にすると聞きました、私も習って楽しんでいます。寒い季節の休日にガレットを一口、カルヴァドス(りんごのブランデー)を一口、エスプレッソを一口、またガレットを一口の順でいただくのは至福の時。洋ナシやリンゴのタルトでもこのサイクルは美味。お店の内装もステキな目白の(エーグル・ドゥース)のシンプルなガレットが大好き、1月中は販売されています。

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クロテッドクリーム

クロテッドクリーム・クロスティーニ・パーティー・おつまみ

クロテッドクリームは、mascarpone(マスカルポーネ)と似た滑らかな濃厚なクリームです。スコーンにつけていただくイメージがありますね。シチューやグラタンのコクだしなどにも重宝します。チーズよりお手頃価格で購入できますよ。私はカジュアルな集まりにバケット、アンチョビ、クロテッドクリームを買って持ち寄り、現場で即席で一品作ります。アンチョビ(あればケッパー入り)を包丁で叩き細かくします。バケットにクロテッドクリームをたっぷり塗って、刻んだアンチョビをのせ、挽きたてか潰したての黒胡椒をふる。ちょっと小洒落ているし、簡単でお酒にもよく合う。お腹も舌も満足しますよ、新年会やミニパーティーにいかがでしょう?

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鏡もち(かがみもち)

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年神様へのお供えものはされましか?人の魂を模したことから丸い形になり、月(影)・日(陽)を表す大小2つを重ねて「福徳」を重ねると言われています。1月11日に鏡開き(かがみびらき)をします。切るのは縁起が悪いことから、包丁を使わず手やめん棒などで割って(開く)のが習わしです。このお餅をいただくことで、その年の無病息災が約束されると言われています。お雑煮やお汁粉にしたり、小さく割れたものを揚げてそのままカリカリといただいても美味しいし、お椀に落としてもよいものです。私は毎年キッチンの年神様も、庭の果実をちょんとのせて気持ちを込めてお供えしています。

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伊勢うどん・玉うどん

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「一生に一度は伊勢参り」「おかげ参り」と言われますね、伊勢からのお土産をいただきました、年初めに頂いたので何だか縁起がよくなる気がします。伊勢うどんは、江戸時代以前から農民がたまり醤油をかけて食していたのが始まりとか。とても柔らかく食べやすいおうどんで、こしや喉ごしを楽しむものとはまた違った美味しさがあります。うどん屋さんでは、次から次へと来る参拝客に直ぐに提供できるように常にうどんを茹で続けていたそうです。あたたかく柔らかいので消化もよく、長旅で疲れた旅人にも適していたはずですね(お酒の飲み過ぎや風邪などで弱った胃にもぴったり)。太めの市販うどんを、長めに茹でると同じ感じになりますよ、ネギを添え、卵を落とし、濃く甘めのタレ(たまり醤油か醤油大さじ3、みりん、出汁各大さじ3、きび砂糖小さじ2を煮立たせる)をトロリとかけて七味をふって、シンプルに卵をからめて熱々のうちにいただきます。たらこを入れるとお酒のアテにも!

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たたきごぼう・おせち・祝い肴4

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地中深く根を貼るごぼうは、長寿や、家の土台がしっかりして家業が堅固になることを願って食べられます。ゆでたごぼうをたたいて繊維をほぐし、味のなじみをよくしてさらに食べやすくします。食物繊維たっぷりで香り豊かなごぼうは、つい食べ過ぎるお正月の体調も整えてくれます。
作り方=皮を包丁の背でこそげ取ったごぼう2本(150g)を20㎝くらいに切って酢水に10分ほどさらす。フライパンを弱火にかけ、白ごま大さじ6を入れ、絶えず揺すりながら香ばしい香りがする。熱いうちにすり鉢に入れて半ずりにし、きび砂糖大さじ1半、酢、醤油各大さじ2を加え混ぜあわせる。鍋にたっぷりの湯を沸かし(1リットルなら酢大さじ1を入れ)3、4分茹で、熱いうちに麺棒などで軽く叩いて5㎝幅に切る。熱い内にごまだれと和える。『簡単なのにきちんと作れるおせち料理』成美堂出版P24より

12/24

鱈子(たらこ)・たらこごはん

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たらこは鱈の腹子を塩漬けしたもの。ビタミンB2が豊富で、肌の粘膜を保護します。私は特に炙りたらこなど大好きです。ごはんにもお酒のおつまみにも最高。今日はたらこごはんの作り方をご紹介します。米2合を研いで鍋に入れ、水と昆布を入れ20分浸す。酒、醤油、粗塩少々を加え、ふたをして強火にかけます。沸騰してきたら弱火にして10分ほど炊き、たらこ大きめ一腹を加えて火を止めて5分蒸らします。ざっと粗くほぐしいただきます、海苔で包んだり、少しワサビを添えたり、柚子の皮をちらすなど、お好みでどうぞ。

12/20

芽キャベツ・ビタミンC

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キャベツは何よりビタミンCが豊富。ビタミンCはコラーゲンの合成をサポートするので積極的にとりたいですね。
キャベツの収穫時期は11月〜3月頃です。少し苦味がある芽キャベツは、シンプルなソテーがお勧めです。湯をわかして芽キャベツを少し硬めに塩ゆでする。油をひかずにベーコンをフライパンで焦げ目がつくまでカリカリに焼き、芽キャベツを加えて脂が回るまで炒めて軽く塩、胡椒する

12/6

多汗・のぼせ・更年期障害

風邪や病気による発熱が要因の発汗ではなく、いわゆる更年期障害による上半身に出る多汗。いきなり吹き出す汗には手をやきますね、できるなら少しでもおさえたいものです。直ぐに試せるものとして、のどにも優しい「黒酢のはちみつホットドリンク」をご紹介。(純粋はちみつ大さじ1半を150ccの湯で溶かし、黒酢小さじ2を加えて混ぜる)蜂蜜の甘味と酢の酸味が気血を調和し、発汗を抑える作用があります。この他、清熱作用がある緑茶を飲んだり、山芋、栗、かぼちゃ、小松菜、ほうれん草、ニガウリ、胡瓜、ハトムギ、海藻、梅、レモン、あさり、しじみなども有効です。