井澤由美子の食薬ごはん Yumiko Izawa

column

2017.6.01

梅干し(うめぼし)・塩あそび

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青梅が出回り始めましたね、黄塾した梅を待って今年もたっぷり仕込むつもりです。
梅干しは薬でもあり、食の毒、水の毒、血の毒の三毒を断つと言われ、抗菌力の高さからその薬効の高さがうかがえます。梅干しは便秘や下痢にもよく、発熱時にはおでこに貼るなど頼もしい食薬。
日本の昔ながらの塩分量で作り、3年ほど寝かせて薬効を高くします。30年後にも楽しみたいので、毎年せっせと仕込む。
築地のいつもの八百屋さんにも出向きますが、取り寄せもいろいろ。
配合を変える、干す時間をずらす、料理に使いやすい柔らかさを模索する、氷砂糖やスパイスを加えたりと楽しみながら。ジップロックで20個位から簡単に作れる梅干しの作り方を保存食の本に乗せています。私にとって梅干しもレモン塩も乳酸キャベツも塩辛も複数の塩を使う野菜の漬物さえも塩遊びの一つ、塩は私の一生nのテーマです。

2017.5.10

酢・昆布酢・昆布酢もやし・酢もやし・発酵調味料・発酵食品

昆布酢・もやし酢・生春巻き・発酵食・発酵調味料・ダイエット

キッチンに酢を常備して置くならば、昆布と一緒に漬けて保存されることをお勧めしています。酢の酸味が取れてまろやかになり、旨味もつきます。何より昆布のカルシウムは、酢に漬けることでを体に摂取しやすくなり、骨を元気にします。酢の物やお浸し、骨つきの肉や魚と煮ると酢の効果で肉や魚のカルシウムを吸収でき、魚の骨などは骨ごと食べられる程に柔らかくなります。
冷蔵庫に「昆布酢」に茹でたもやしを漬けて置く「昆布酢もやし」を作り置くと便利です。お出汁を足して、酢浸しにしてもいいし、水気を拭いてクリームチーズやむきエビ、漬物と巻いて旨味や彩を足せば、食物繊維がたっぷりとれる少しお洒落なフィンガフードサラダになります。写真はきょうの料理でご紹介させて頂いた生春巻きで、春号なのでミントなどのハーブもふんだんに加えています。
そのほか、生姜焼きと一緒に炒めたり、麺類と和えたり何かと重宝、加熱すると酸味が抑えられます。もやし以外にも、玉ねぎはさらに血液をサラサラにする効果が高まるなど、野菜によって効能が変わります、ピクルスのように気軽に捉えて下さい。
酢は内脂肪を減らしますが、ストレートで口にされる時は大さじ1半くらいまで。米酢・リンゴ酢・黒酢・バルサミコなどお好みで、上手に日々のお料理やドリンクに活用され、疲労回復にも役立てて下さい

2017.4.28

お酢・ピクルス・pickles

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野菜の食感や風味が残り、香りの強すぎないピクルスが私は好きです。スタンダードなピクルス液の作り方をご紹介します。小鍋に水150cc、酢100cc、粗塩大さじ1、きび砂糖大さじ3半〜5、昆布1枚、赤唐辛子1本を入れて煮立ったら中弱火で3〜5分煮て冷まします。ホールのブラックペッパーやマスタード、シナモン、山椒、生姜、にんにく、ローリエ、レモンなど好みのものを加えても。酢は原料も様々ですが、どれも血の巡りをよくし、疲れを取る作用があります。時が経つと酸味がマイルドになり、味もこなれてくる保存食のピクルス。野菜は余ったものなどなんでもよいですが、胡瓜などはピクルス液をしっかり冷ましてから入れないと、色も食感も悪くなってしまうので気をつけます。野菜の頭までピクルス液がくるようにして、冷蔵保存して下さい。ピクルスは冷たいうちにいただくのもお味のうちです。

2017.4.22

酢・昆布酢・旨味酢・もやし酢・発酵調味料

昆布酢・昆布酢もやし・酢もやし・発酵調味料・発酵食

NHKきょうの料理・5月号のもやし特集では「もやし酢」をご紹介しました。昆布のカルシウムは酢につけると酢酸カルシウムになり、体に吸収しやすくなります。昆布の旨味で酸味が丸くなり、酢のもが美味しくなって健康効果が上がるので、キッチンに酢と昆布のつけ置きの「昆布酢」をお勧めしています。
表紙はカラッと揚げた唐揚げに、昆布酢に砂糖を少し加えた甘酸っぱいもやしあんをたっぷりかけたもの。酢の効果で、揚げ物も胃もたれ少なく食べることができ、鶏肉と合わせると疲労を回復させる効果が倍増します。
酢は世界最最古の発酵調味料と言われており、内脂肪を減少させる効果がある事が分かっています。ダイエットされたい方や、血糖値が気になる方、便通作用を促したい方には、「昆布酢もやし」はお勧めです。ヘルシーな食べ方や調理法で日々お料理に取り入れてみてください。

簡単生もやし春巻きは、下味のついたもやしとクリームチーズやむきエビ、漬物を巻いて美味しさと食物繊維をたっぷりとれるフィンガフードサラダです。酢の効果で、揚げ物も胃もたれ少なく食べることができ、鶏肉と合わせると疲労を回復させる効果が倍増します

2017.4.07

納豆・美肌食・なっとう・発酵食

納豆・発酵食・美容食・なっとう

NHKあさイチさんでもご紹介した「酢納豆」。納豆1パックに昆布酢小さじ2〜3、粗塩2つまみ、付属の辛子を加えてよく混ぜる。たったこれだけですが、白い泡がもくもくと立ち、喉越しの良いサラサラととした納豆になり、食べると胃腸がすっきりします。じゃこを加えると、カルシウムも酢の効果で体に摂取しやすくなりますね。
この塩酢納豆に、漬物、みょうが、しそ、生姜、おろしキュウリ、トマト、などを好みで刻んで加えると、サラダのように楽しめます。
その他の食べ合わせとして、納豆にすりごまやごま油、オリーブオイルなどの油分を加えると、高い便秘改善効果が生まれます、特にお夕飯時がお勧めです。
納豆をよく混ぜていつもより醤油を少し多めに加え、さらによく混ぜる。八分目によそったご飯にのせ(1人分約半パック)煎茶をかけていただく。かんずりや柚子胡椒、あられ、のりなどお好みでトッピングして。こちらは魯山人さんの好きな納豆茶漬けです。

2017.3.08

鯖・さば・サバ・へしこ・熟鮓・福井県小浜市・発酵食

鯖の熟鮓・サバ・なれ鮨・鯖・へしこ・郷土料理

3月8日は鯖の日だそうです。下処理などの手間が一切かからず調理がしやすい鯖缶は、近年大変人気がありますね。良質なタンパク質、ビタミン類、EPA・DHAなどの豊富な栄養素を丸々含みます。日本で鯖を食べられてきた歴史は古く、縄文時代からだそうで馴染みの深い魚です。出張先の京都から福井に抜ける山道を車で走りました。昔から鯖街道と呼ばれるこの道筋には数件の鯖寿司店があります。オーダーを受けてから作られる鯖寿司には数種あって、どれも絶品。鯖は酢で〆ることが多い魚ですが、食あたりを防ぐ調理法、急速に鮮度が落ちるので「さばの生き腐れ・さばを読む」などの言葉も生まれました。近年では技術が発達して美味しく食べやすい状態で色々販売されています。
街道を抜けた小浜市で、素晴らしい鯖の発酵食に出会いました。福井県の昔ながらの糠で漬ける(さばのへしこ)、そしてこのへしこからさらに漬けられる「さばのなれ鮨」。まったく生臭みがなく、むしろたっぷりの乳酸菌の爽やかな香りが鼻を抜けた時には驚きました。丁寧な作業と時間が生み出す郷土食でもあるこの魚の発酵食に出会え、佐助さんに取材させていただけた事に感謝しています。

2017.3.01

発酵フルーツシロップ・酵素シロップ

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撮影などでフルーツが余ると直ぐにシロップを作ります。キッチンは明るくなるし、香りも良いので気の巡りがよくなってストレスも緩和する。キンカン&シナモン、レモン&ジンジャー、ストロベリー&ローズマリーなど旬の果物をメドレーで漬けこみ、気分で生薬やスパイスなどを加えて調合します。私の作り方は、果物の量より少し多めの氷砂糖を入れ、麹を少々加えて寝かせます。
瓶と眼があったら、果物にシロップが回る様に瓶ごとふって馴染ませ、よく馴染んだら出来上がりです。涼しい場所がない場合、漉して冷蔵庫で保存します。

2016.12.28

たらこの酢漬け

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ちよっぴりいいたらこをぶつ切りにして、千鳥酢(米酢でも)をかぶるくらいにかける。これだけなのですが、そのままでもさっぱりして美味。茹で野菜と和えても、炊きたてごはんにのせても◎。たらこは、ビタミン類やタウリンがとても多く含まれています、酢につけると塩分の暖和にもなり、食欲増進、疲れ等をとります。その他コレストロールを下げ、肝臓の働きをよくするなどの効能があるのでお酒のおつまみにもピッタリですよ。

2016.9.12

いくらの醤油漬け

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小樽にある大好きな南樽市場に行きました。いくら専用の網?なるものを発見したのですが、半信半疑。でも場内を観察していたら、お魚屋さんのいくらの醤油漬けは、この2重構造網の大きいバージョンで作っていました。
面白いので即購入、確かに素晴らしく簡単にポロポロと卵がつぶれずに落ちる。ボールに塩水を張り、網を置き、皮を上にして優しく転がし、2、3度洗うと簡単にきれいになりました。
小鍋に酒を入れ煮切り、甘みのあるりんごたまり(市場側のお豆腐屋さんで売ってた)少々と醤油適宜を合わせて煮立てて冷ましたものに、2日間ほど酒にひたした柔らかい昆布1、2切れ入れと下処理したいくらと漬ける。今年は寝かせた塩麹をペーストにし、ほんの少しの柚子と漬けてみようと思う。

2016.5.11

5月 苺ジャム(ミント入り)

パンとジャム

洗って水気を拭き、ヘタを取った苺2パック分をホーロー鍋に入れる。レモン果汁大さじ1、グラニュー糖150gを加え混ぜて1時間ほどおく。強火にかけて煮立ったら弱火にしてアクを取りながら20〜30分煮詰める、苺は好みの加減に潰しても。キッチンに幸福感あふれる香りが広まったら、仕上げに少し、ホンの少しおまじない程度にフレッシュミントを加える、言われなければ誰も気が付かない程度に加えるのがエレガントな風味に仕上げるコツ。