井澤由美子の食薬ごはん Yumiko Izawa

column

2020.7.10

梅干し・梅酒・梅・露茜

露茜・梅干し・梅酒

梅干しは昔ながらの漬け方で3年以上寝かせて熟成させたものが味もこなれて私は好きです。血液浄化作用や色々な健康効果が期待できます。変化も楽しみながら毎年いろいろ配合や手法で漬け、干し加減も大きさになどによって変えています。体調をコントロールするために海外旅行や出張に必ず持参する梅干し、小粒を一粒口に入れるとさっと元気になります。昔の人はお腹の具合が悪くなると(下痢や便秘)梅干しを薬代わりにしていました、梅干しが食べにくい人は、コップに梅干しとおろし生姜を入れて湯でわって飲む、葛(くず)と溶いても美味しいですよ。夏はクーラーで体が冷えるので、温める効果のある生姜や葛はお勧めです。
やわらかい大粒の梅干しを一粒だけ入れた超シンプルな茶碗蒸し、梅の酸味がやわらぎ、出汁と卵に溶け合って、夏でも冬でもおすすめです。
私はこの梅干し茶碗蒸しのために完熟黄梅4Lサイズを毎年せっせと仕込んで、軽めに2日ほど干した後に梅酢にまた浸して保存。
今年は初めて見た美しい都農町の露茜で、梅酒とちょっぴり梅干しも漬けてみました

2020.6.08

辣韮(らっきょう)・薤白(がいはく)

井澤由美子・食養生・まいにち食薬養生帖・疲労回復・らっきょう・ラッキョウ・甘酢漬け・漬物・きび酢

薬膳でのらっきょうは、薤白(がいはく)と言う生薬。硫化アリルの血液サラサラ効果や疲労回復効果、スタミナ増強に調整作用などがあり、胸のつかえ、咳や痰に効くなどの効能も期待できます。毎日数個ずついただけば、夏バテ知らず。熟れた酢漬けや味噌漬けを冷蔵庫に入れてキーンと冷やしていただくと、さらに美味しく感じます。
甘酢漬けの作り方です=らっきょう1㎏は茎と根元ギリギリの部分を切り、ボールに入れて流水で薄皮を取るようにこすり洗いする(剥きにくい時は、包丁で切った部分から引っ張るようにするとよい、傷んでいるものがあれば除くか、包丁で剥く)塩大さじ2でもんで20分ほど置き、ざっと水で流す。熱湯で8〜10秒茹でてそのままザルに広げて冷まし、消毒した保存容器に入れ、種を取った赤唐辛子2本と昆布一切れを加える。小鍋に水160cc、グラニュー糖か氷砂糖(ハチミツやきび砂糖でも)250g入れて溶かし、酢350ccをまぜて冷ましたらっきょうの入った瓶に注ぐ、2週間後から食べられる。大事なのは、芽が成長するので購入したらその日に仕込むこと、後は時間が美味しくしてくれます。

2020.3.12

いちご・苺・ストロベリービネガーシロップ

苺・苺のビネガー酢シロップ・ストロベリービネガーシロップ

毎年作る苺のビネガーシロップは苺色が可愛らしく良い香りになので、小さな姪っ子達にも大人気。ミルクを加えると ヨーグルトのような食感になります。乳製品と合わせると苺の栄養素を体に吸収しやすくなりますよ、ヨーグルトと合わせたり生クリームとデザートにしてもいいですね。ソーダやお酒で割ったり、酢のものやソース、ドレッシングに加えたりと香り付きビネガーシロップはステキに活躍します
●ストロべりービネガーシロップ
材料
苺            1パック(15〜20粒)
リンゴ酢        瓶に入れて苺かぶるくらい
甜菜糖(きび砂糖)    半カップ〜1カップ(好みで増量)
レモン(国産)     輪切り2、3枚
作り方
1、清潔なビンに、洗ってからヘタを取り、水気をよくふいた苺と林檎、レモンを入れる。上からグラニュー糖、酢を材料がかぶる位い加えて苺の顔が出ないようにラップをかぶせ、フタをする。
2、 砂糖が溶けるまでビンを1日1回ふる。砂糖と苺が馴染んだら出来上がり
(早く作りたいときは、小鍋に苺と砂糖を入れてからめ、弱火にかけて砂糖が溶けたら冷まして瓶に入れ、酢を注ぐ)

2020.3.03

酒粕の甘酒

酒粕・紅麹・甘酒・発酵食・

お酒をしぼった後の副産物の酒粕には、ミネラルや食物繊維が豊富。美肌効果も高く、旬の魚や野菜と煮込むとカラダが温まり、美味しいものです。写真の桃色の酒粕は赤米や紅麹の天然由来の色素によるもの、写真は豆乳ときび砂糖で甘酒に仕立てています。可愛らしい色合いなので晴れの日やおもてなしのソースなどに取り入れたりして楽しんでいます、お節句にもよいですね。アルコールが弱い方は75度以上でゆっくり加熱してください。

2019.10.01

お日様きのこ・干しきのこ・キノコ・干し野菜

井澤由美子・食養生・毎日食薬養生帖・お日様きのこ・干しきのこ・きのこ・キノコ・干し野菜

きのこが美味しい季節ですね。きのこは、きのこ自身が子実体の菌、食物繊維や栄養が豊富です。ヘルシーて旨味がある上、それそれの薬効が高いので日々の食卓に使わない手はありません。
しいたけ、えのき、えりんぎ、まいたけ、しめじなど様々なきのこがありますが、日光に30分でも当てるとビタミンDが増え、カルシウムがグンと増えて体に効率よく摂取できます。
スーパーなどで売っているきのこは水で洗わず、汚れが気になる時は優しく拭き取ります。石付きを切り落とし、後はなるべく手でさいてザルなどに広げて天日干しします。好みの硬さに干して、コリコリとした食感を楽しんで下さい。残ったら冷凍します、旨味が増えると言われています。

2019.9.25

鮭・筋子・いくら

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産卵直前の川に上がる前の鮭、メスのお腹を裂くと「生すじこ」が出てきます。膜がついたまま塩漬けや味噌漬けにしたものを「すじこ」と呼び、膜を取り除き、塩や醤油にばらして漬けるといくらになり、バラ子とも呼ばれます。走りのすじこは柔らかく、段々と硬めになって行くので作業は加減します。まず、タレの作り方ですが小鍋にたっぷりの酒と、同量より少なめのみりんを合わせて煮きる。5、6割の醤油と昆布ひとかけらを加えて清潔な密封容器に冷ましておきます。小樽の南樽市場の魚屋さんで教わった作り方は実際にお店でも使っている2重の網でこす方法、釧路の漁師さんに教わった方法は箸で混ぜる作り方です。ボウルですじこと海水程度の塩水を入れ太い筋だけを取る様にザッと洗います。塩水を捨て、かぶるくらいの湯(70度くらい)で素早く箸でグルグル混ぜると膜が箸についてくる。これを2回繰り返します。後は2、3回冷水でキレイにすすいでキッチンペーパーを敷いたザルに3分ほど上げ、作りおいたタレ少々と馴染ませ、水気を捨てます(こうすると持ちが良くなる)。全体が浸るくらいのタレに入れ本漬けすれば完成、赤くなって2、3時間後くらいから食べごろとなります。

2018.12.15

薄切り干し柿・柿

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美味しすぎる庄内柿。先日、山形に行った時に焼酎で食べやすくした食べごろの柿を沢山買い込んできました。そのままでたっぷりいただいた後は、いくらとさっと和えたり、酢の物にしたり、コンポートにしたりと楽します。柿は体を冷やす傾向にありますが、カロテンやビタミンCが豊富でお酒の解毒作用もあります。調味してその辺りを補って楽しみます。
地元農家の大変料理上手なお母さんに手製の干し柿をいただきました、手間暇と自然がおりなす素晴らしい甘みが惹きだされています。柿の皮とヘタを剥いて薄切りにし、ザルに広げて陰干しにすると時間もあまりかからず、携帯おやつにちょうど良い干し柿ができます。カロチンも豊富な自然の甘みのおやつです。

酒粕・酒粕コーヒー・発酵食・温活

井澤由美子・腸活・美容・健康・発酵食品生活・美人を作る・酒粕コーヒー・酒粕・発酵食・

ビタミンなどの栄養価は周知の通りの酒粕。健康効果も素晴らしく、豊富な食物繊維で排便を促しますが、含まれる成分のレジスタントプロテインが、悪玉菌コレストロールを減少させます。肥満予防やガン、高血圧抑制効果も医学的に効果があると期待されています。
腸を美しくすることは直接美肌にもつながりますね、健康、美容はいつも表面一体です。ダイエットしたい時もお勧めの酒粕は素晴らしい発酵食です。
今日は小鍋でお餅を茹でたのですが、その後のとろみのある水分に酒粕とスープの素やスパイス、野菜を入れてお餅と酒粕のシチューにしました、好みで豆乳や牛乳を加えてもいいですね。それから、気に入りのドリンクに酒粕コーヒーがあります。寒さが厳しい日に、蔵でいただい酒粕コーヒーは身に沁みました、おろし生姜を添えて温まります

2018.1.20

みりん・味醂・発酵調味料・伝統調味料・疲労回復

本味醂・疲労回復・みりん・味醂・搾りたて・発酵調味料・伝統調味料・疲労回復

疲れたなぁと思った時は、みりんをいただく事があります。甘酒も良いですが、甘露なみりんがスッと心地よく喉を通るので、寝酒に少し。戦国時代に生まれたみりんは、江戸時代に料理人が使用するようになったので隠し味に使う調味料のイメージがついたそうですが、コクがあって美味しいお酒です。
甘酒は、飲む点滴とも言われるほど滋養が高いですが、みりんも負けていません。もち米を9割、うるち米を1割の割合で作った、熟成した味醂はそのまま飲んでも美味、そして元気になります。砂糖より入手しやすかった昔は、女性にも親しみやすいお酒で、お正月にいただくお屠蘇(おとそ)でもありました。「密醂」「美醂」とも書かれるみりんは、時代の流れでお料理に使われる調味料となりました。上質なみりんはさっと煮詰めるだけで、品のよいシロップにもなります。手間暇かけて丁寧に作られる日本の伝統調味料は技の巧み、身体にも優しいので使わないのはもったいないですね。卵焼きはふんわり仕上がり、肉や魚に煮からめたつやつやの照りは、なんとも食をそそります。写真は三河味醂、取材先での搾りたてでフレッシュ!寝かせると琥珀色になります。

2017.11.01

ダークラム・シナモン・スパイス・ナツメグ・ホットミルク

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ダークラムにシナモンスティックをポンと入れて、ラムシナモンを作ります。ダークラムは、小瓶も販売されているので、シナモンスティックをそのまま入れて保存すると便利。シナモンは末端神経まで温めると言われる甘い香りのスパイス。ドリンクや料理、お菓子作りにも重宝します。
寒い夜に最高のホットミルクの作り方です。温めておいたカップに、好みの量のラムシナモンを入れ、温めたミルクを注ぐ。仕上げにメイプルシロップを加えてひと混ぜします。このままでも充分美味しいのですが、カップの上でナツメグを少々けずります。ナツメグは若返りのスパイスとも呼ばれ、胃腸の調子を整えて、精神を安定させる作用があるのでとてもリラックスします。ナツメグホールもシナモンスティックもデパートやスーパー、ネットなどで簡単に購入できます。甘くスパイシーな香りはストレスを軽減します