井澤由美子の食薬ごはん Yumiko Izawa

食薬ごよみ

四季のサイクルに合わせて食すことが、身体を健やかに導く手助けをしてくれます。
季節の食材とその由来や歴史、食にまつわるお話をご紹介します。

10/17

白菜(はくさい)・ホワイトシチュー・味噌・菌運ごはん

温かくヘルシーで、食べ応えのあるシチューはいかがでしょう。まず3、4枚分の白菜の軸と緑の葉の部分を切り分けざく切りに、にんにく1かけ分はスライス、鶏もも肉1枚分を食べやすく切る。フライパンにオリーブオイルかごま油大さじ1を熱し、にんにくと鶏肉を炒める。色が変わったら白菜の白い部分だけを加えてしんなりするまで炒め、塩、胡椒する。豆乳2カップと白みそ(みそ)大さじ1〜2を入れて煮立て、残りの白菜を加え中弱火で3〜5分ほど煮込む。白菜の軸は炒めると、とろりとして甘みが増すのですが、この一手間でグンとコクがでて美味しくなります。最後に大さじ1の葛粉を少々の水で溶いて加え、とろみをつける。鶏肉の代わりに牡蠣を加えると精神を安定させる効果が高まり、更年期障害のイライラや落ち込みを改善します。その他白菜は胃腸を整え、お酒の解毒効果があるので二日酔いやむくみに有効、朝のお味噌汁などにもいいですね。ビタミンCや繊維も多く便通も良くしますよ、発酵食品の味噌と同じ大豆の豆乳を合わせると、特に女性の健康維持にかかせないイソフラボン(味噌にも豆乳にも多く含まれている)のダブル効果で、骨量もふやす菌運ごはんになります。

10/13

フレンチローズ・にんにく・黒にんにく・菌運ごはん

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薬味は薬という字を書きますが、にんにく、生姜、ねぎ、しそなどはだいたい香りが強い。ハーブやスパイスもそうですが、香りが強いものは、薬効が非常に高いのです。掘り立てのにんにくを薄くスライスし、醤油をまとわせた「にんにくのお刺身」はとても美味しいですよ、匂いや味はそのままですが、1、2日以内なら辛味も立ちません旬の楽しみです。
にんにくはとても抗酸化作用が強く、ガン細胞を抑制する効果なども高い素晴らしい野菜。ですがその成分が強い分、食べ過ぎると胃を傷つけたりお腹をこわしたりすることがあります。加熱すると多少の効力は落ちますが、なくなる訳ではありませんし、甘みも増しますので加熱した方が美味しくいただけます。にんにくの糖度は意外に高く、発酵させた黒にんにくは凝縮され、匂いも抜けて煮詰めたプルーンのよう。
私が普段使用しているにんにくは石狩の畑さんで作られる「フレンチローズ」。加熱するとより美味しさを発揮し、旨味の強さを感じます(菌や発酵食品と合わせるとさらに元気UP)。皮をむいた時の美しいローズ色にもテンションが上がります!畑は自然栽培無農薬、お手伝いに行って土から元気をもらい、摘み食いも楽しむ。

10/12

ヨーグルト・菌・発酵食品・菌運ごはん

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ヨーグルトの歴史はとても古く、なんと約7千年ほど前から食されていたようです。古代から体に良いと判っていたのですね。腸内の善玉菌の生育を助け、体に有害な悪玉菌を減らす作用があるなど、腸内環境を整えるヨーグルト。動物性の乳酸菌は胃酸によって死滅してしまうことも多いのですが、死んでしまっても効果がなくなるわけではなく、整腸作用を助けて腸の動きをサポートします。ヨーグルトは牛乳に含まれているタンパク質やカルシウムなどを、発酵の力によって体に吸収されやすい状態にしています。最近では生きたまま腸に届く、いろいろな菌のヨーグルトが開発されていますね。どちらにしてもヨーグルトは食後にいただきましょう。胃酸によって死滅することが少なくなリ、効果を発揮しやすいからです。いろいろ試してみて(1、2週間)、体が心地よく感じられたら、運命のヨーグルトに出会えたのかもしれません。
私は無糖ヨーグルトにクコの実を2日間ほど漬けて食します。クコの実が干される前の状態に戻って柔らかく、消化もよくなります。また、白味噌と合わせてふんわりディップにすると和とも洋とも言えない感じ、美味しく楽しい。

10/7

納豆(なっとう)・菌運ごはん

寒くなりましたね。納豆に含まれる酵素が血行を促進し、冷えも改善してくれる優れた発酵食品。カロチンが多い野菜やリコピンが多いトマト、とろみのあるめかぶや山芋などと合わせていただくと、お肌への潤い効果がさらに期待できます。私は粗塩と酢を加えてサラダのようにいただきます。じゃこやしらすなどを加えるとカルシウムが体に吸収されやすくなります。先日個人タクシーさんにのったら、運転手さんはだいぶ高齢の元気なおばぁちゃまで、楽しくなって色々お話していたら、物凄く肌がキレイなことに気付きました。何を食されていますか?の質問の答えは納豆。大好きで毎日6パックくらい頂くそう。きっと体に合うのですね。自分の体が喜ぶ菌や発酵食を見つけられたら美肌への近道です。納豆は夜に食べ、お腹に菌を長く止めるとさらなる効果が期待できます。

9/25

味噌(みそ)・味噌だし

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味噌は大豆、麦、米などを蒸して、麹や塩を混ぜて発酵させた日本古来の伝統調味料。味噌だけで沢山の栄養価や効能、効果があります。厚切りの鰹節で出汁をとり、好みの味噌を溶いて椀に注ぐ。香りも、のど越しも邪魔するものは何もない。ただみそ椀を楽しむ、そういう時もあって良いと思う。温かいものをいただくだけで、脾や胃や脳が緩やかに動きだすのを感じます。慈悲深さをゆっくり堪能する一時は、心も穏やかになっていくようです。

9/23

セルフィーュの根・セルフイーユ・チュペロー

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例えようのない風味の野菜でした。じゃが芋、里芋、栗、ヤーコンの4つを足して割ったようなお味。そこにユリ根の食感とウイキョウの香りを足した印象です。少しねっとりとした食感で香りが高く甘みも強い、美味しいとは聞いていましたが、ここまでのエレガントさを持ち合わせた美味さは感動的。
ミニパーティーで出した食通の友人たちもみんなが初めてで、賞賛の嵐。マッシュしたり、ソースで伸ばしても良いと思いますが、ローストや蒸し立てを熱い内にシンプルにいただくのが私のお勧め。元はフランス野菜、北海道自然農法・石狩の畑から届いたセルフィーユの根のご紹介でした

9/20

餅玄米(もちげんまい)

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餅玄米は餅米と玄米両方の長所を持つ玄米。精白した米と違って外皮がついたままなので、マグネシュウムやビタミンB1が豊富。食感はぷちぷちモチモチとして食べやすく、玄米が苦手な方にもお勧めです。
秋のきのこと豚肉の組み合わせで、少し濃いめの味付けのおこわを炊いても美味だし、香ばしい玄米餅にするのもお勧め。餅を薄切りにして炙り、からすみと挟むともう最高!

9/18

乳酸菌(にゅうさんきん)

糖を分解して栄養分にする乳酸菌は、乳酸を生みだしながら繁殖しながら作る細菌です。乳酸菌には、ヨーグルトやチーズなどに含まれる動物性と漬物や醤油、味噌などに含まれる植物性がありますが、幅広くいろいろな菌を日々摂取する事が大切。私の場合、ぬか漬けやキャベツのザワークラウトなどを食べると、腸が喜ぶのがわかります。まさに人それぞれの乳酸菌ですが、とりあえず、目でみて食べたくなるものは、体が欲していることが多いものです。

8/31

天婦羅(てんぷら)

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今日で8月もおしまい。夏の終わりまでにどうしても食べておかなければ、悔やみきれないお料理があります(それを楽しみに仕事も頑張る)。贅沢だけれど、シャンパーニュとグビッと合わせるのもゆずれない。海老から始まり、夏野菜、その内に穴子の番になって、目の前で2つに割って下さる。ジュッと聞こえる音と立ちのぼる湯気が、圧巻。天婦羅という技法は、どんな調理より食材の旨味と香りを生かすと思う、ゆえに技術も食す。どれもこれも本当に最高ですが青紫蘇で挟まれた、たっぷりの雲丹の天婦羅(粗塩で食す)は、みかわ是山居さんのスペシャリテかも。ボルサリーノ帽の形をしたダクトがある空間も、私の命薬(ぬちぐすい)でございます。
*「命薬・ぬちぐすい」沖縄の方言で、心と身体を潤す食べ物や場所

8/26

カレーパン

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暑い時は頻繁にカレーが食べたくなります。炒めるだけのカレーだったり、玉ねぎや香辛料をソテーしてじっくり煮込んだものだったり、気分で欲するカレーも違う。スパイスの香りや刺激には、消化を促し、食欲を増進させる薬のような効能があります。食材との相性を考慮して組み合わせるのも楽しい。
先日、日本カレーパン協会さんなるものを発見。カレーパン専門店も増えていて、カレーパンのお祭りなどあって人気の様子が伺えますね。もしも煮詰まったカレーがあったら、薄切りのパンに挟んでフィークで端を押して止め、衣にくぐらせて揚げると即席カレーパンに。近所にある美味しいパン屋さんの期間限定、ナスと牛肉のカレーパンは、パンの甘みが引き立つスパイシーさ。バランスが絶妙で流石でした。