2019.11.12

今日の北京中医大学日本校(現中医学院)での授業は、中医薬膳学の定義と内容、食物の四性五味、作用、帰経、昇降などの講義をさせて頂きました。そして、献立のたて方と調理実習。蒸して乾燥させた島根県の手詰み棗がちょうど出来たので、棗を入れた薬膳茶を飲みながらの進行です。
この季節は、寒さが増すにつれ、気血が滞り、寒邪の影響で冷えが伴い、骨の傷みや血管に纏わる症状が起こりやすくなります。そして生命力の要である腎においては、五臓六腑から受け取った精を貯蔵する機関、しっかりと養生したいものです。
今月の薬膳テーマは「腎」。腎の衰えは、耳が遠くなる、足腰が弱まる、白髪が増えるなどの老化現象が顕著に現れます。老化現象を緩やかに進める事は、アンチエイジングにも繋がるので、腎をケアする献立は美容薬膳になります。
日々の食事はバランスが一番大切ですが、冬は特に黒い食材の黒豆・黒ごま・海藻類・栗・うなぎ・牡蠣・きのこ類・レバーなどをとり入れます。その他には、山芋(山薬・さんやく)なども滋養が高いのでお勧めです。
先天の精(せんてんのせい)とは両親からいただいたエネルギー、成長と生殖を司り、生まれた時から備わっているものです。後天の精(こうてんのせい)は、食物や飲み物などから臓腑組織に栄養を行き渡らせ、自分自身で腎に貯蔵し、養っていく精です。人は食べたもので出来ている、食を知る事は生きやすさに繋がります。
薬膳とは、未病を防ぎ、体質を改善し、自然治癒力を高める手伝いをする食の知恵の集結です。肝腎要(かんじんかなめ)の腎、しっかり養生して健やかに暮らせるよう心がけたいですね


