2020.9.14

たまり醤油・醤油・発酵調味料

凝縮された旨味のたまり醤油は、とても魅力的です。普段のお惣菜では、使いやすく香ばしい香りの濃口醤油を使いますが、ここぞという時にはたまり醤油が登場します。旨味が凝縮されていて、色が濃いのに醤油の中でも比較的塩分が低いのもいいですね
濃口醤油の原型はたまり醤油で、主原料が違います。濃口醤油は小麦と大豆、たまりは旨味の元となる大豆がほとんどです。水に浸した大豆を、蒸してつぶし味噌玉を作ります。表面に麹菌をまぶしてムロに入れると、数日で麹菌が成長して発熱するので、室内の温度調節をし、熱を逃がすように手でほぐすなどの工程があります。ここまでの管理によって良品になるかが決まるそうです。この後、木桶に入れ食塩水を加えて重石をのせる。底のたまった液体(たまり)を下から上に循環させる工程を繰り返した後、3年間熟成させます。もろみを布に入れ、圧搾してやっと完成です。愛知県武豊町には昔ながらの木桶で作る志し高い蔵が密集していて、蔵に入るとそれぞれ違う香りがします(写真は桶に乗せた重石)。
地元ではお刺身や照り焼き、お煎餅になくてはならない調味料。霜降りしたマグロの漬けタレに、麻婆豆腐や焼き飯、デミグラスソースにもひとたらしするとグーンと美味しさが増します。
醤油の油という字ですが、油は使っていませんね。醤から出るとろみの意味合いから使われるようになったそうです。