2022.9.26

旬のフルーツ・果物・薬膳・桃・桃仁・井澤由美子・食養生・

新鮮な桃は手か布でうぶ毛をこすり取るように水洗いして、皮ごと食べるのだと山梨の友達から初めて聞いた時はびっくりしました。食べてみて納得、確かにその方が桃の香りも立って美味しい。写真の桃は熟しても実が硬いタイプ、切ると真っ白な果肉に紅色がなんとも艶やかです。

それまでは桃と言えば柔らかく完熟させてこそ美味しい果物と認識していたので、そのシャリシャリとした食感は新感覚でした。かたい桃はフルーツビネガーに漬けてピクルスにしても良いもので、生ハムやチーズに添えたり、魚介類とマリネしても美味。とは言え、芳醇な香りが立つ柔らかな桃を年に一度は思いっきり口にしたいので、少し冷やして薄皮を剥いてかぶりつく。体を冷やす果物が多い中で、温性の桃は胃腸が弱っている時にも安心して食べられる果物です。

以前、イギリスとスペインの市場をハシゴした時に見かけた桃は、身が締まっていて潰れたような楕円形。プラムと共に日本と同じような季節に出回っている様子、安くて美味しいので沢山買い込んではアパートメントで朝食とし、味比べをしていた想い出が有ります。桃はココナッツクリームとの相性が良いので、たっぷり添えたり、アイスにしたりと楽しみました。

桃の葉は薬効があり、日本の民間療法でもあせもや湿疹、神経痛などに効く入浴剤になっていますね。中国では邪気を払い長寿の果物とされ、つぼみや花は白桃花と呼ばれる生薬、むくみや無月経などに使用されます。種は桃仁と呼ばれ、血行を良くし、下腹部痛、更年期障害などに有効、漢方薬の桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)の主成分でもあります。

桃はデリケートな果物です。硬い時は紙袋に入れておくと塾生が早くなります。保存する時は、キッチンペーパーなどで一巻きしておくと持ちが良くなります。