2021.10.18
肌寒さが増すこの時期になると、賑やかな「べったら市」が頭を過ぎります。毎年日本橋で開催され、賑わいを見せていました。このべったら市は、江戸中期に宝田恵比寿神社の門前で野菜などを売る市があり、中でもべったらの売れ行きが良かったのでべったら市と名ずけられたそう。べったらは塩漬けした大根を麹と砂糖で漬ける東京の伝統的な漬物で、そのベタベタした風防からこの名がついたようです。
ツウは贔屓の店があり、毎年同じ店で購入するとか。太めに切ってパリパリとした食感を楽しむのが江戸っ子流の食べ方だと伺いました。風流な魅せ方の市が好きで、私も何度か寄らせて頂きました。小耳に挟んだ美味しいべったら漬けをさ迷いながら買い求め、後はお店の方の笑顔だったり、直感だったりで数種類購入して食べ比べを楽しむ。
もう少し寒くなって沢庵用の皮付き大根が出回り始めたら、自家製甘酒を作って本味醂、切り昆布、赤唐辛子で好みのべったら漬けを仕込みます。お茶うけにも最適なべったら漬けは、野菜嫌いなお子さんにも食べやすく、麹パワーで元気も出ます。