井澤由美子の食薬ごはん Yumiko Izawa

食薬ごよみ

四季のサイクルに合わせて食すことが、身体を健やかに導く手助けをしてくれます。
季節の食材とその由来や歴史、食にまつわるお話をご紹介します。

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大根(だいこん)・胃もたれ・食養生

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昨日は小寒でしたね、寒さが厳しくなります。こんな季節は、熱々の厚切り大根の煮物やおでんなどが染み入りますね。少し厚めに皮を剥いて、下茹でしてから煮ると余分なアクや雑味が消えます。煮物に適しているのは真ん中の部分、柔らかく旨味があります。上の方はビタミンが多くシャキシャキしているのでサラダなどに良いですね、下の方は酵素が特に多く辛味があるのでおろしに向いています。大根おろしは胃もたれによいものですが、薬膳的には興奮状態を押さえたり、ストレスを感じだ時に気持ちを落ち着かせる効果も期待できます。葉にはビタミンC、カリウムがたっぷり、よく洗ってみじん切りにして塩もみしていただきます。胡麻油やオリーブオイルで炒めると、抗酸化作用のカロテンの吸収率がアップ。沢庵などを漬けるとき、葉付きのまま干しますが、乾いた葉っぱは食べる以外にも活用できます。大根葉(干葉・ひば)を、お風呂に入れ体を温める民間療法がありますね。

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白菜(はくさい)・オレンジ白菜・冬野菜

白菜・オレンジ白菜・畑仕事・冬野菜・ハクサイ

白菜は水分が多く低カロリー。ビタミンC、マグネシウム、カルシウム等を含み、食物繊維たっぷりの冬の代表野菜です。胃腸に優しく二日酔いにも酔いそう、たっぷりいただきましょう。フライパンを中火にかけてごま油大さじ1をなじませ、豚バラ肉100gを炒めて一度とり出します。生姜みじん切り大さじ1、ネギ薄切り5cm分、豆板醤と甜麺醤各小さじ1を入れ香りがでるまで炒めたら、白菜2枚分をざく切りにし、芯の部分から炒めます。脂がまわったら豚肉を戻して酒。醤油、きび砂糖少々で味を整える。熱を加えると芯の部分はとろりとして甘さも増しますね。
写真は千葉の畑から採取して来た小ぶりのオレンジ白菜、栄養価もちょっぴり高くサラダなど生食にも向いています。下茹でして重ね、クルクルと海苔巻きのように丸めて輪切りにしてからお鍋や煮物に入れると、一手間ですが鍋中が華やかになり、いつも歓声が上がります。

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葱(ねぎ)・葱白(そうはく)・冷え・風邪予防

ねぎの美味しい季節です、しっとりと煮えた下仁田ねぎなど甘みが最上でこたえられません。
ねぎの白い部分は葱白(そうはく)という生薬でもあり、体を温める薬効が高いのです。咳や痰、喉や関節の痛みなどの症状にも有効で、炎症をおさえて痛みや熱を取りのぞく効果があり、焼いて喉に巻くなどの民間療法も昔から日本には伝わっています。
ねぎは辛味のある野菜ですが、加熱調理をすると柔らかくなり甘みが出て食べやすくなります。寒邪(かんじゃ)から身を守る風邪の特効薬でもあるので寒い日に沢山いただきたいですね。冷えが大敵な風邪のひき始めや肩こりがひどい時は、血のめぐりをさらに良くする食材と合わせて相乗効果を狙います。ねぎとビタミンb1を含む豚肉やラムなどを、油を使って炒めたり蒸したりする調理法は体に効率よく吸収できるので、特におすすめです。

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お雑煮・栃餅(とちもち) Part2

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お餅、お雑煮が大好きです。年末になると青のり入りや豆入り餅を自分でも作りますが(機械ですが)、美味しいお米やさんや和菓子屋さんで搗き立てのお餅を見かけると通りすがれず、ついつい購入してしまいます。数年前に出会った鳥取県は智頭町の栃の実のお餅は感動的でした。それまで栃もちや栃の実せんべいは食したことがありましたが、作りたて、つきたての贅沢なお雑煮は初めて。硬い皮むき、雪の中の灰汁抜きという大変な手間をかけたその栃の実が豊富に含まれる風味は稀、病みつきになりました。お土産にいただいた栃の実羊羹もとてもオツなものでした。
五臓を強くし、保蔵の為にも食されてきた雑煮。古来から民間薬ともされてきた栃入りのお雑煮を今年はお取寄せしました。また、1年を健やかにすごせる気が致します。

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元旦・お正月と祝い箸

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2021年 明けまして御芽出度うございます 本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます
お正月は旧年の収穫や様々な出来事の感謝をし、総ての生命の更新を喜び祝う一年で一番おめでたい日です。
元旦朝に水引がついた中太両細の純朴の木で作られたお箸を使う意味は、片側を神様が使いもう片側を人が使うという風習が古来からあるからで「神人共食」を意味し、年神様の恩恵を預かるのです。洗って3が日か、七草、松の内(地方によって異なるのですが、門松をたてている期間1月7日まで)が終わるまで使用します。この祝い箸は末広がりの八寸(約24cm)で縁起がよく、両方の先端が細くなっていて「両口箸」とも呼ばれます。その他、丈夫で神聖な木とされる柳で作られるので柳箸と言われたり、五穀豊穣を願った米俵をイメージした俵箸と呼ばれることもあります。箸は神様の方を使わないように気をつけます。。歳神様に守って頂けるよう、箸袋に筆で名前を書いて願いを込めましょう。
皆様にとって良い年となるようお祈り申し上げます

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お餅(おもち)・お雑煮・もち

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お餅は古くから神仏へ捧げる神聖な食べものであり、お雑煮は備え下げたお餅を料理して旧年の収穫や出来事に感謝し、新しい年の豊作、幸運、健康、家内安全を祈る日本の伝統食です。
我が家はお餅好きなので、浅草育ちの祖母に習ったお雑煮を毎年暮れから鶏ガラと和出を合わせてたっぷり用意します(骨つき撮をネギや野菜の端切れとゆっくり煮て、和出汁と合わせて味がまとまったら酒、しょうゆ、塩、みりんで食べた後に塩辛くならないように考慮し調味します)。
お餅は大根おろし、磯部巻き、おぜんざい、しょうゆ砂糖、きなこ和三盆、納豆たらこ酢漬け、塩うに、からすみなどの珍味まで何にでも広くよく合いますね。つきたてが最高なので(機械ですが)毎年楽しんでオリジナルを作りますよ、甘えびとカニを練りこんだ紅色の宝餅、青のりとペッコリーノチーズの組み合わせなど、香ばしく焼くと最高です。
お餅を上手に焼くには、表面に十文字の切り込みを浅く入れ、予熱したトースターや網に切り目を上にして焼くとプクッときれいに焼けます。お餅は余ったら1個ずつラップをしてくるんで冷凍保存、ごはんを炊くときに1枚加えるとおこわになります。お餅は母乳の出をよくすると言われています

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伊達巻(だてまき)・玉子カステラ・おせち

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華やかさから「伊達」と冠された卵焼きで、学問や習い事の成祝を願う縁起物です。上品な甘さの伊達巻の作り方のご紹介。ボウルに魚の白身150g、はんぺん1枚、卵5個、きび砂糖大さじ4、薄口醤油小さじ1、みりん大さじ2、塩ひとつまみをハンドミサーで撹拌する。20✖️20cmの方にオーブン「ペーパーをしき、生地を流し200度のオーブンで18〜20分焼く。熱い内に鬼巻きすに焼き色が付いた面をおき、卵焼きの内側に3㎝くらいの間隔で横に浅く切り目を入れる。手前からしっかりまき、ゴムで止めて立てて冷まして1、5㎝幅くらいに切って盛る。
簡単な玉子カステラの作り方は卵2個、はんぺん1枚、きび砂糖、酒各大さじ1、みりん大さじ2をボールに入れてハンドミサキーで滑らかになるまで混ぜる(袋に入れて上からよくもむだけでも)。耐熱容器のバットなどにオーブンペーパーをしき、生地を流して200度に予熱したオーブンで表面に焼き色がつくまで約15分焼く。粗熱がとれたら端を切り食べやすく切って器に盛る。簡単なのにきちんと作れる「おせち料理」成美堂出版P34、38より〜

12/29

栗きんとん・安納芋きんとん・おせち

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漢字で「金団=きんとん」と書き、黄金色の財宝を表す縁起物。商売繁盛や金運に恵まれた豊かな暮らしを願って食されます。作り方です=安納芋2本(さつま芋を使う場合は皮をむいて2cm輪切りにしたさつま芋とクチナシを柔らかく煮ます)を水で濡らしてアルミホイルに包みオーブンで柔らかくなるまで焼き、中身を小鍋に入れて栗の甘露煮のシロップ半カップ分(充分甘いお芋のなので、好みで少なくしても)と粗塩ひとつまみを加えて ピュレ状に木べらか泡立て器で混ぜる。栗を加えてさっくり混ぜあわせる(お芋が黄色いのでクチナシは無し)。密封容器に広げて冷ます。りんごを煮たものや柚子を加えて少しさわやかにしてもよいものです。私は数ミリの角切り生姜あられを水にさっと放して水気をしっかり拭いたものを散らし、甘い中にもキリッと〆るきんとんを作ります。

12/28

田作り・おせち・祝い肴 

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その昔、小いわしを田んぼの肥やしにしたところ大豊作になったことから田作りになりました。小さいけれど尾頭付きの祝い肴、ベタベタ甘すぎないすっきりめの田作りのご紹介です。カルシウムたっぷりで冷蔵庫で2週間くらい日持ちしますよ。作り方=ごまめ50gを600wのレンジにかけて2分加熱する(フライパンでカリカリにな香ばしくなるまで弱火で13分ほど箸で乾煎りしてもよい、温めたオーブンなら130Cで10分)。フライパンに醤油、酒、メープルシロッ各大さじ2を煮立て飴色になつたら、ごまめを加えて折れないように煮からめる。種をとって細切りにした赤唐辛子1本分とごま大さじ1半(好みで砕いて乾煎りしたクルミ大さじ3を加えても)をふり混ぜ、オーブンペーパーを敷いたバットなどに入れて広げて冷まします。
簡単なのにきちんと作れる「おせち料理」成美堂出版P20より〜

12/27

味醂・みりん・お屠蘇(おとそ)

みりん・味醂・搾りたて・発酵調味料・伝統調味料・疲労回復

日本のお正月に欠かせないお屠蘇、無病長寿を祈って味醂に生薬を加えて家族といただくのが毎年恒例です。味醂は、お米の美味しさが丸ごと出ている甘味滋養飲料。数年前に、愛知県東部の三河味醂で有名な三河産地に御縁があって、3社に伺ってきました。国産の米麹、蒸したもち米、米焼酎を糖化して熟成させ、ゆっくりゆっくり上からの重みだけで絞った味醂。搾りたてを初めて口にしましたが、多少のアルコール(14パーセント前後)を感じながらも、琥珀色のとろんとした味醂はそれはそれはふくよか。
味醂は米麹の酵素がもち米のタンパク質をアミノ酸にし、デンプンをブドウ糖に分解して甘みや旨みを生成します。江戸時代には女性やアルコールの苦手な人々に嗜まれた高級酒であり嗜好品でした。エネルギーが高く、ビタミンB1、B2、B6などのビタミンB群が豊富なので、甘酒のように栄養ドリンクの役割も果たしていたようです(昔は麹を作る技術が今ほど発達していなかったので甘みは少し薄かったそう)。
料理にもかかせない調味料となって、タンパク質を固める作用で煮崩れをふせぐ、ツヤやテリをつけます。アルコールで(気化)臭みが一緒に抜ける効果もあるので煮魚・うなぎなどには特にかかせません。お料理には飲んでも美味しいみりんを使います。