井澤由美子の食薬ごはん Yumiko Izawa

食薬ごよみ

四季のサイクルに合わせて食すことが、身体を健やかに導く手助けをしてくれます。
季節の食材とその由来や歴史、食にまつわるお話をご紹介します。

5/25

行者にんにく・アイヌネギ・キトピロ・ヤマビル・ウシビル

まいにち食薬用養生帖・食薬・免疫力・行者にんにく・山菜・アイヌネギ・キトビロ・ヤマビル・醤油漬け・天麩羅

別名が可愛らしい行者にんにくは山菜です。種ができるまでに7年、花が咲いて食べ頃になるまで更に5〜7年ほどの長い期間がかかるそう。にんにく、ニラ、玉ねぎと同じユリ科のネギ属多年草で、北海道の天然ものは3月〜6月頃が旬となり、希少な特産品です。
アイヌの人達は春に採集し、乾燥させて保存もしていました。北海度で食べたアイヌ料理店の「オハウ」(鮭や鹿、野菜と煮たスープ)にも入っていて、滋養をつけながら魚の生臭さを緩和する効果もあるようです。
これまでの私の調理方は、さっと茹でて食べやすく切って醤油に漬けていましたが、茹でずにそのままザクザク切って漬けるだけの手法に切り替えました、山菜名人仕込みです。これを炊きたてのごはんに卵黄とのせてご馳走になったのですがとても美味しく病みつきになりました。それ以来私は、醤油に刻んだ行者にんにくと卵黄、昆布のはし切れを一緒に漬けて、炊きたてごはんのお供や、和え物に使っています。
行者にんにくは、抗菌作用が高くアリシンを多く含み、免疫力をあげますね、香りからしてとても元気が出ます。

5/25

山菜・うど・うるい・よもぎ・デトックス

デトックス・蓬・ヨモギ・山菜・春の息吹・デトックス

かんぞう、うど菜、うるい、行者にんにくなどの柔らかい山菜を昆布ダシでしゃぶしゃぶにしていただくのが毎年の楽しみ。山菜は、香りが豊かで繊維が豊富(食べ慣れない方は、ほどほどの量で楽しみます)。苦味のあるものは、虫から身を守るためのアルカノイドに由来する成分で、デトックス効果が高いそうです。こごみ、たけのこ、うどなど独特の香りと風味、食感を楽しめる時期はとても短いので何かしら毎日口にします。香りは気の巡りもよくするので、ストレス緩和にも良く、リフレッシュできます。汗ばむ日も出て来ました、緑茶に柔らかな蓬を浮かべると、穏やかな良い香りと成分で頭がスッキりします。

5/23

そら豆・天豆・疲労回復

そら豆・空豆・天豆・おたふく豆・蚕豆

千葉に畑を借りていろいろな野菜を栽培しています。5月からはそら豆が最盛期。見ためはお店で販売されているような美しさはないのですが、剥くと青々としてぷっくりとした大きな実が飛び出して、豆の香りがフン鼻をかすめます。採りたてのそら豆を熱湯に入れ、塩梅よく茹でますが、皮が柔らかいのでそのまま食べた方が美味しい。下ごしらえの皮の切り込みさえ入れなくていい程です。

そら豆ってこんなに美味しいものだったのかとつくづく思いながら、皮ごとの酒蒸しや、グリル焼きもシンプルに楽しんでいます。新にんにくも出回っているので、合わせた炊き込みおこわもお進めですよ。

そら豆にはビタミン、たんぱく質、カリウムが豊富で、豆の中でも栄養価が高く、疲労回復効果があります。
フジTVの「四季彩キッチン」でもご紹介したそら豆の素揚げは、皮に切り込みを入れて、中温から揚げるのがポイント。温度が適切だと、油の中で皮から実が勝手に取れるので手間いらず。鮮やかになって浮いてきた実から先に取り出し、皮は茶色く揚がったら引き上げます、、全体に軽く粗塩をふってどうぞ。皮もカリカリして実に良いつまみになります。お酒を提供するお店ではそら豆を(天豆)と書いてある事があります。心意気も粋なようで嬉しくなり、ついつい注文してしまいます。

5/19

小梅・梅仕事・5月の暮らし・12ヶ月の手仕事

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関東も、もう過ぐ梅雨入り。雨が降ると、庭の青々とした梅が小雨を受けて気持ちよさそうです。ちょうど500円玉弱くらいの大きさに育っています。

昨日、熊本から可愛らしい小梅が大量に届きました。去年は青梅のシロップ漬けが手始めの梅仕事でしたが、今年は小梅のカリカリ漬けにします。まず梅を洗って2、3時間水に浸してアクを抜く。その間に2、3時間卵を天日に干します(卵を割って、水で洗い殻の内側の薄い膜を剥がしてザルに広げて干し、乾いたら出汁袋やお茶パックに入れ砕く)。小梅の水気をしっかり拭いて傷があるものは避け、凹み部分のなり口を竹串で取る。小梅が1kgほどならアルコール度数の高い無臭の焼酎やホワイトリカー大さじ3〜4を梅にからめ、120〜130gの粗塩を全体に馴染ませます。清潔な容器に卵の殻と小梅を入れて重石をし、たまに返しながら2、3日間冷蔵庫で保存する。梅酢が上がり、1週間ほどしたら出来上がりです。卵の殻と冷温で梅がカリカリに仕上がりますよ。小梅の食べ方ですが、粗く刻んで揚げ焼きした桜海老やゆかりと混ぜたおこわは絶品です。

旅先に必ず持参する小梅。整腸作用を促したり、下痢や胃腸を整え、食中毒を予防する作用が期待出来ます。疲労回復に役立つクエン酸や塩分補給で元気になり、体をアルカリ性に傾ける作用もあるなど言いことずくめ。昔から「梅はその日の何逃れ」と言うことわざもあるほどです。

5/16

肝・レバー・レバームース・貧血

新鮮なレバーは艶があって弾力があり、ハリがあります。鮮度の良いレバーはシンプルな下処理で充分。塩をして一晩おき、ザルでざっと洗えば臭みや余分な水分が抜けて美味しさはそのまま残ります。黄脂、心臓、血の塊などは除き、鍋に入れて少々の塩とかぶるくらいの日本酒を入れ、厚手のキッチンペーパーを被せて15〜20ほど弱火で蒸し煮にし、そのまま3時間冷まします。このまま食べても美味しいですが、今日はレバーのムースを簡単に作ります。

玉ねぎとにんにくを刻んで多目のバターでソテーし、ブランデーやラム酒を加えアルコールを飛ばす。ボウルに入れ、酒蒸ししたレバー、生クリームを加えて攪拌。ナツメグをたっぷり加えると美味。甘い香りとスパイシーなコントラストがなんとも素敵、削りたてだと最高です。ティーサンドいっちや、軽くトーストしたパンやピクルス、好みでコンポートなどとお皿に盛ります。お好みで、粗く刻んだ粒こしょうを添えてパンチをきかせても。

言わずと知れたレバーは、貧血予防や疲労回復に良い鉄分が豊富です。ビタミンAも多く、眼精疲労や眼の粘膜を健康に保ちます。妊婦さんに特に必要な葉酸も多い、油分と一緒に調理すると効率よく体に摂取出来ます。中医学では以蔵保蔵と行って、弱った臓器と似た部分を食べると良いとされています。例えばお酒の飲み過ぎなど、肝臓がお疲れの方にもお勧めです。

5/13

新にんにく・生薬・免疫力

まいにち食薬養生帖・にんにく・新にんにく・薬味・たいさん・薬膳

五臓を活性化させるほど、高い効能のあるにんにくは生薬でもあります。過酷なピラミッド建設の労働者が滋養強壮のあるにんにくを食べて疲労回復に役立てていた話は有名ですね、薬として感染症治療薬でもありました。

スーパーに新にんにくが出回っています、5月〜6月終わり頃が旬。収穫後すぐに出回る新にんにくは、生にんにくとも呼ばれ、真っ白でみずみずしくフレッシュです。

この季節でしか味わえない新にんにくの楽しみ方がありますよ。醬油漬けや味噌漬け、ピクルスにするとそのまま食べても美味しく、調味料としても活躍します。新にんにくを皮ごとゆっくりと油で揚げると甘みが引き立ち、後を引く美味しさ。一緒に唐揚げやポテトを揚げれば、にんにく風味がうつります。にんにくは柔らかくなるのでペーストにしてマヨネーズなどと合わせても。その他、お米にコロンコロンと加えて炊いたにんにくご飯はほくほくとして美味、ソラマメやグリンピースを加えてもいいですね。すりおろしてタレやドレッシングにたっぷり加えるのも◎。にんにくに含まれるアリシンはウイルスを撃退します、こちらは生のままでいただくことがポイントで、細かく刻んだりおろしたりするとその威力を発揮します。

新にんにくは、いつものにんにくと違います。フレッシュな野菜として扱うと判れば、購入してから早めにいただくことになりますね。ぜひ短い旬を存分に楽しんで下さい。

 

5/12

海藻類・美と健康

海藻・かいそう・食養生・青海苔・食欲

今朝の6時半からのJ-wave 東京モーニングでは、美と健康に纏わる5月の食養生のお話をさせて頂きました(聞き逃しはradikoで、来週は19日です)。寒暖の差によって心身には色々な影響が生まれます、食からケア出来ることも沢山あります。

さて本日は海藻のお話し。わかめ、あおさ、こんぶ、えごのり、とさかのり、海ぶどう、天草、めかぶ、青海苔、ひじきなどの海藻類は健康によいとされ、日本ではメジャーですね。実は、あまり知られていませんが海藻には約1500もの種類があり、これらの海藻類は大体が食べれるそうです。量が取れないので、地元だけで消費されるものも多いと伺いました。

免疫力を高め、アンチエイジングなどに良いことは昔から知られるところ。世界からみても、日本人が長寿であったり、病気の発症率が少ないのはミネラルや繊維が豊富な海藻を食べる文化があったからかも知れません。昔ながらの郷土食も、おきゅうと、海藻寄せ、佃煮など多様にありますね。

先日、とても自由度の高い海藻料理や海藻発酵ドリンクをいただく機会がありました。手法や合わせる食材が楽しく、ドリンクも柑橘などを合わせてすっきとりとし、絶妙でした。

上質な海藻パウダーなどが出来れば、お抹茶や青汁粉、モリンガパウダーのように飲み物やお菓子など気楽に使えそうですね。香りや特徴を生かしたスムージーなども面白そうです。

韓国では産後にわかめのたっぷり入った熱々のスープを1ヶ月間毎日食べる風習があり、お誕生にもいただく様です。豊富なミネラルが血液を浄化し、体を元気にします

5/11

しらす・雑魚・かたくちいわし

しらす・じゃこ・お弁当・旬

カルシウムたっぷりのしらす、旬ですね。骨を強くし、DHAで脳神経を活発にする効果が期待できます。
しらすとは、イカナゴ、ウナギ、アユ、ニシン、マイワシ、ウルメイワシなど、白や透明無色の稚魚。マイワシやウルメイワシも流通していますが、いわゆるしらすのほとんどは、かたくちいわしの稚魚です。
しらすは釜茹でされたもの、それから更に乾燥させたものがちりめんじゃこですが、地方によって呼び名は多少異なるようです。通年出回りますが、春と秋が産卵のピーク。

新鮮な生しらすが手に入ったらぜひ試していただきたいレシピがあります。バケットに、にんにくの切り口をこすりつけて塩とオイルをふってカリカリにトーストする。生しらすをたっぷりのせ、オイルをふってほうばって下さい、ヨーロッパ風の食べ方で、冷えたワインとピッタリ。
しらすや小魚は、酢と合わせるとカルシウムの吸収がよくなるので、酢の物にもぜひ加えて下さい。
旬の山椒と炊いたちりめんじゃこは保存が聞きますし、おもたせにするといつも大変喜ばれます

5/10

玉蜀黍・トウモロコシ・コーン

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トウモロコシは世界三大穀物の一つ。日本では夏が旬ですが、地域によって多少異なります。暑い沖縄では、今が旬のトウモロコシ。糖度が高くて生でも食べられ、みずみずしく口に含めばその甘さにビックリします。

剥きたて削ぎたてをサラダ、天ぷら、ピクルスにと、下処理なしで堪能したほうが醍醐味を味わえます。トウモロコシや枝豆は鮮度が命。手元に来たら直ぐに調理して、この美味しさを損なわないようにします。茹でる時は、ひげ根と一緒に加熱しましょう。煮物やスープ、炊き込みごはんにする時は、芯も加えて調理すると更に美味しさが増します。

トウモロコシは繊維が豊富で腸整作用も抜群。葉酸やカリウムを含むみ利尿作用があるのでむくみにも有効です。韓国にはトウモロコシのひげ茶がありますね。ほんのり甘くてノンカフェインで、美容にもよいそうです。

美味しいトウモロコシの見極めポイントを農家さんに伺いました。持った時に重めで、ひげにボリュームがあって茶色くなっているものは熟していて、粒もぎっしり詰まっている長です。購入時の目安にして下さい。

5/9

朝蕎麦・そば・高血圧・美と健康

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今日は朝蕎麦です。たっぷりの大根おろしとわさびや納豆を添え、湯を沸かしている間に卵焼きを作ります。

蕎麦に含まれるルチンは血管を修復して、血液の流れをよくすることは周知の通り。抗酸化作用もあるので、アンチエイジングにもお薦めなヘルシーな食材です。ルチンはビタミンCと一緒にいただくとよりよい効果をもたらしますよ、おろし立ての大根は味も栄養面での相乗効果も高くなります。

私は蕎麦の方にわさびを少々のせ、ツユにひたす派です。朝からキリッとしたお蕎麦をいただくと背筋が伸びる感じがし、沢山の蕎麦の効能が頭をかすめるので、心身共に食養生。栄養は茹で湯に流れているので、忘れずにいただきます。

そば畑を持ち、ご自分でひかれる島根県のおそば屋さんからひきたてのそば粉をいただきました。大好きな蕎麦がきの作り方を教わって来ましたよ。鍋がきの手法です。鍋にそば粉30g、美味しい水250ccを加えて木べらでよく混ぜてから、火にかける。混ぜながら練って、ある程度とろみが出てきたら弱火でつやが出るまでまぜる。ポイントは一生懸命にかき混ぜること。冷めるともう少し固まります。
お椀に練りたての蕎麦がきを入れ、おろし山葵や生姜、ねぎなどでも上等ですが、昆布出汁を張り、はまぐりと酒少々を加えた熱々の出汁を注ぐとおもてなし椀にもなります(あれば木の芽など散らして)。
蕎麦のポリフェノールが血圧を下げるのは有名ですね、疲れている時にもおそばはお勧めです。