井澤由美子の食薬ごはん Yumiko Izawa

食薬ごよみ

季節の食材を知って、毎日の食生活を豊かに。
食べて元気になれる、栄養豊富な旬の食材を日替わりでご紹介します。

2021年 12月の記事

12/11

ほうれん草・貧血予防

葉野菜・小松菜・春菊。ブロッコリー。ほうれん草

旬のほうれん草は葉が肉厚になり、甘味も増しますね。鉄分が多いので、昔から貧血などに良いとされている冬の代表野菜です。ほうれん草が食べたくなったら実際に血が足りないのかも。積極的にいただいて養生して下さい。ビタミンCやカロテンも多く、風邪や動脈硬化予防にも最適で、五臓の働きも助けます。良質の油と一緒にとると、カロテンの体への吸収率が高まりますよ。

茹でるよりレンジ加熱だとビタミンCの損失が少なくすみますが、茎から茹でておかあげ(ザルに上げる)にするのが美味しいですね。おすすめレシピはナムル。加熱したほうれん草の水気を絞り、ピーナッツ油やごま油、塩、こしょう、おろしにんにく各少々で和える。

ほうれん草は早めに使いきりたいですが、保存する時は新聞紙などで包んでポリ袋に入れ、立てて野菜室に入れます。

12/10

レモン・ドライレモン・リフレッシュ

薬膳・食養生・リラックス・デトックス・国産レモン・マイヤーレモン・レモン塩・ドライレモン

我が家のベランダ菜園のレモンは、今年も元気に実りました。レモン塩、レモンシロップの他に、乾燥レモンも作ります。粗塩で表面をこすり洗いし、ごく薄切りの輪切りにして、干して乾燥させるだけ。低温のオーブンでも良いですし、ドライフルーツ用の乾燥機だとより簡単です。乾燥後は、空き瓶などに入れてお菓子や海苔についてくる乾燥剤を一緒に入れて保存。料理やお菓子、飲み物に1枚入れるだけで表情が変わり香りも立ちます。スポーツをする時に数枚持って出かけ、水に入れてフレーバーウオーターしても。粗塩や甘味を少し加えるとスポーツドリンク風になります。私は紅茶にポンと入れて、爽やかな香りで気の巡りを良くします。気分がリフレッシュし、皮ごとたべられるので疲労も回復します。デスクやキッチンに置いておくと、鮮やかなビタミンカラーで元気になります。

12/8

ヨーグルト・乳酸菌・発酵食

ヨーグルトソース・ヨーグルトドレッシング・ヨーグルト・サラダ・腸活

腸内のバランスを整えるヨーグルトは乳酸菌発酵食の代表格ですね。その歴史はとても古くて驚くのですが、約7千年前から食されていたそう。免疫力を高め、腸の蠕動運動を促進させるので便通もよくします。
また、牛乳を発酵させて作るヨーグルトは、牛乳よりもカルシウムやたんぱく質が体に吸収されやすい状態になっています。
近年「生きたまま腸に届く〇〇菌」と言うフレーズで売り出されている健康効果の高いヨーグルト。これは、通常、胃を通る時に、胃酸で死滅する乳酸菌やビフィズス菌が多い中で、胃酸に強い菌を発見し、製品にしたもの。トクホのマークは、しっかりお腹の調子が整う事が認められた証なので、購入するときの目安に。
みかんが美味しい季節ですが、無糖ヨーグルトに果汁を絞り、塩、胡椒、オリーブオイルを空き瓶などに入れてシェイクする。サラダにはもちろんですが、さつぱりとしたソースがハンバーグなどにも好相性。発酵食は日常的に幅広く摂取することが大切ですね。

12/4

山芋・長いも・食養生・滋養強壮

井澤由美子・食養生・薬膳・漢方・山芋・長芋・芋・さんやく・山薬・とろろ・滋養・元気

薬膳では、山薬と書いて、“ さんやく ” と読みます。山芋や長芋は、身体への効能がとても高い自然食であり、文字通りお薬とも言えるパワーフードです。体調が悪い時や季節の変わり目に、積極的に食して体を労わります。
沖縄には、内地とは少し違った山芋があるのをご存知ですか? 知名度は低いのですが、沖縄人(ウチナンチュー)の長寿をしっかり支えてきました。亜熱帯地方で栽培されるもので、ゴツゴツとして大きさも形も一般的な山芋とは違います。とても強い粘りを持ち、おろして天麩羅にするのにも、つなぎがなくてもそのまま揚げる事が出来ます。
どちらの山芋も腎機能を高めるとされ、滋養強壮、疲労回復に効果が期待できます。山芋は、私が疲れた時に一番取り入れたくなる頼もしい助っ人野菜。おろしてお味噌汁に入れていただくとスッと胃に収まります。

おろす、温める調理法もポイント、日本の免疫力でもあるお味噌と合わせて、体調を崩しやすいこの時期にしっかり養生し。冬の寒さに備えます。

12/3

イカ・烏賊

薬膳ではいかの甲は(鳥賊骨・うぞくこつ)と言い、主に月経異常、胃腸症に使用されます。タウリンが多いいかは血中コレストロールの増加を抑え、動脈硬化の予防も期待できます。肝機能を改善するのでお酒のあてにもよいものです。昔よく見かけたいか徳利は、味だけではなくちゃんと体によい理由があったのですね。
日本人は世界でも有数のいか好き、さまざまな料理に使われていますが、低エネルギーでタンパク質が豊富、昔から血を養うと言われ貧血にも良いとされてきました。もしもいかの足が余ったら、細かく刻んでつくねやハンバーグに加えると食感に変化がついて美味しくなります。

12/1

寒しじみ・シジミ・二日酔い・食養生

シジミは肝機能を高めるタウリンやカルシウム、アミノ酸が豊富、アルコールを分解する作用が高いので二日酔いに効くことは有名ですね。解毒作用や血圧を下げる効果も期待できるシジミは滋養が高い。肝機能を高めると言うことは、目の充血や尿の出をよくするなどにも有効です。

シジミをストックする時の保存方法ですが、ざっと洗ったら砂抜きします。バットなどに入るサイズのアミやザルに広げて置き、バットに入れてかぶるくらいの塩水(塩分1%・水500ccなら小さじ1弱)を注ぎます。3時間〜半日ほど置い、再度こすり洗いした後、水気を拭いて冷凍庫で保存。旨味も栄養価も上がるようですよ、どちらにしてもお味噌汁やスープにする時は20分くらいゆっくり煮て旨味を抽出するようにします。お味噌に含まれるコリンとしじみと合わせたお味噌汁はやはり、最強の酒解毒薬になります。